「パパー、いっしょにパズルやってー」

などとすがり付く娘・R(3才)や

「うっきゃー!」

ジグソーパズルのピースを持って「はめろ」と迫るタクを

「ふふ…僕は女体にしかハメないのさ」

と振り切って名残惜しくも出勤するエブリデイモーニング。嫁がまた出来た人で、僕が玄関を出た後に部屋の窓をガラリと開けてくれるので、そこからRとタクが手を振って見送るのである。僕も応えて手を振って歩く。

タクはまだ「うぁいうぁい(バイバイ)」しか言えないが、Rは

「いってらっしゃーい」

「がんばってねー」

新婚の若奥様ばりの熱いメッセージを投げかけてくれる。

「はーい。がんばるよー。ばいばーい」

歩きながら子供達の姿が視界から消えて行く。

「ぱぱー、がんばってねー」

見えなくなってもまだ声が聞こえ、後ろ髪引かれるセンチメンタル通勤。

「ぱぱ!がんばってね!」

Rの声がだんだんでかくなり、遠ざかっているにも拘わらず余裕で響いてくる。熱心に見送ってくれる子供たちよ、父は猛烈に働くぞ…と目頭がジュンと濡れて(官能小説風表現)しまったが

「ぱぱ!がんばってねってば!」

もう怒鳴り声になっていたので、どうやら「返事しろ」ということらしい。慌てて引っ返して

「はーい。がんばるよー。いってきまーす」

もう一度Rとタクに手を振ると、Rはやっと来たか、という憮然とした顔で僕を窓から見下ろし

「きょーつけてねー(気をつけてねー)」

そしてまた声をかけてくる。

「はーい。気をつけるよー。あのね、Rちゃん」

「なーにー」

「お父さん、遅刻しちゃうんだけど…」

玄関から先に進むことが出来ない無限ループに陥ってしまった。道路はわりと通行人が多いので、そんな様子を世間様に晒しているわけで些か恥ずかしい。

「近所の人達にも聞こえちゃってるんだろうなあ…」

夜、家に帰って来てから嫁に言うと

「全ての家が窓全開に開けてる訳でなし、聞こえてないと思うよ」

わりとどうでもいい様子。いや、ウチの窓を閉めてても酔っ払いの声とか結構聞こえるのだが…。

どうせ聞かれる&見られるのだったら、いっそのこと僕好みの見送りをしてもらうようにRを仕込むか、と考えた。

「行ってらっしゃいませ、ご主人様」

と見送るメイド喫茶風はどうだろうか。それとも

「またのお越しをお待ちしております。お気を付けて」

清楚かつ深々と頭を下げる旅館の美人若女将風もよいな。うむ、これがいい。

これを「送り女将」といいます。

問題:出掛ける直前にRが持ってきてくれる物は何でしょう?
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「あなた、冷蔵庫を見てみて」

嫁があやしげな笑みを浮かべて言うので、はて、バラバラ死体でも入っているのかと思ったら

「うわああああーお」

そこには未だかつて見たこともない、でかいプッチンプリンがあった。

ハッピープッチンプリンハッピープッチンプリン
なんという大きさだろう。見てはいけないものを見てしまったような気がする。大きいことはいいことだ、という感動ではなく、まるで放射能で奇形化した巨大魚を見てしまったような禍々しい感覚。

「ファミマで見付けたからつい買っちゃったの」

と嬉しそうに話し嫁。おじゃる丸かお前は。

「…限定販売かなんかなのか?」

「買った友達に聞いたんだけど、プッチンしてお皿に乗せようとすると、でか過ぎで崩れちゃうんだって!」

「ハリを失ったおばさんの巨乳みたいなもんか」

「そうそう、そんな感じ」

共感できるほどでかい乳持ってないくせに…と言おうとしたが、口は災いの元であり嫁を怒らせ、そのなけなしの乳すら揉ませてくれないことになりかねないので黙っておいた。

「どうする?あなた、食べてもいいよ」

「…いや、いいよ。子供達と分けて食べなよ」

僕だったらこの大きさであってもおそらく全部食べられるであろう。しかし幸せな食後感を味わえない気がする。例えばヤクルトはあの大きさだからいいのであって、あれが2リットルのペットボトルでドンと出されたらそれだけで胸焼けを起こす。

「あらそう?ねえねえ、なんとこれでショートケーキ2個分のカロリーなのです」

なんとこれで1万円なのです…みたいなテレビショッピング口調で話す嫁。やはり食べなくていいや、と冷蔵庫に戻したのであった。

翌日仕事から帰ってくると、冷蔵庫の中にはまだプッチンプリンが残っていた。

「あれ、食べなかったのか?」

「うん…今日は暖かかったから…アイス食べちゃった。ハーゲンダッツ。てへ」

「なんだとー!」

ハーゲンダッツなら僕も食べたい、と嫁に猛抗議をした。

「まだ一個あるからどうぞ。ハーゲンダッツのアズキ味」

「僕はアズキ嫌いだー!」

嫁は僕のアズキ嫌いを知っているはずなのに、何故よりによってそれを残しておくのだ。頭がプッチンしてしまった。元々プッチンプリンよりムチムチプリンの方が好きな僕。女体という名のスウィーツを漁りに行っちゃうぞまじで。

これをプッチン不倫といいます。

問題:僕が本当に巨大化して欲しいと思うお菓子は何でしょう?
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遅まきながら、娘・R(3才)のためにトイレ用踏み台を買った。

4月から幼稚園なのにひとりでトイレで用足しできないRに焦りを覚えたはいいが、

「ていうかトイレに届かないから物理的に無理じゃん」

というわけでRが自力で便座に上れるよう今更ながら買ったのである。

踏み台といえば

ジェットストリームアタック
ジェットストリームアタック
ジェットストリームアタック
「俺を踏み台にした!?」

のセリフがお馴染みであるが、平成2ケタ生まれのRに言っても分かるまい。せいぜい僕を踏み台にしてニュータイプに成長するがいいさ。

そんなわけでジェットストリーム練習。

「はい、まずここに上ってねー」

早速実践させてみたら、一旦後ろ向きになって踏み台を上り、座る…という動作がなかなか出来ないで困った。まあ何も今日すぐ出来なくても、と練習はここまでにしていた。ところが翌日、

「もう自分で出来るようになったよ」

と嫁が言うので是非僕も見てみたくなった。

「Rちゃん、ひとりでトイレできるの?」

「うん。おしっこできるの」

「じゃあお父さんが見ているからやってみて」

「はーい」

Rはトイレの前までタカタカ走って行き、そこでズボンとパンツを脱ぐ。その様子をを観察していたら

「ぱぱ、みちゃだめ!」

何故か脱衣シーンは覗いてはいけないらしい。脱衣シーンはアダルツヴィディオにおいて、クライマックスへの滑走路と呼ぶべき重要な場面であるというのに、残念である。トイレトレーニングの成果は見せたいが、余計な場面は見せず、小出し小出しにして自分のビジュアル的価値を下げないよう保つ女、R。

仕方が無いので少し離れて見ないようにしていると

「ぱぱ、みててねー」

今度は「見ていろ」というRの指示が飛んできたので慌てて引返すと、踏み台を上り、便器にまたがり、そしておしっこしー。

「ああ…じょうずに出来るようになったんだね。偉いぞ」

誰の手も借りずに出来、誇らしげなRの足の間から出る水は、華厳の滝よりもナイアガラの滝よりも養老の瀧よりもピエール瀧よりも美しいと思った。

その後自分でトイレットペーパーを手に取って拭き、踏み台を降りて終了。

「ははは、終わりまで出来たね。いい子いい子」

わりとあっさりクリアしてしまったので、こんなことならもっと早く踏み台を買ってやればよかった。

Rの頭をナデナデしていると、今度は息子・タク(1才)がタッタカターとトイレにやって来て踏み台を指差し

「まんまん!(アンパンマンのこと)」

ひとことだけ叫んで去っていった。そう、この踏み台はアンパンマンのイラスト付きなのである。タクにとって踏み台といえばアンパンマン、という連想になってしまったのであろう。

そして僕にとって踏み台というとどうしても連想してしまうのが

尊師
踏み台彰晃。なんつって(すいません)

問題:トイレでRがわりと神経質になることはなんでしょう?
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「ぱぱ、だいすきだから」

現在僕にとっておそらく一番嬉しいセリフを繰り返し言ってくれる娘・R(3才)。甘えたい時によく言ってくる。

息子・タク(1才)もよく「ぱぱ、ぱぱ」と叫ぶ。これも甘えたいのだろうが、別にそうではなさそうな時にも所かまわず叫ぶ。「まま」と言うより圧倒的に多い。とりあえず「はーい」と返事しているのだがこれは単に「ぱぱ」と言いたいから「ぱぱ」といっているのかもしれず、または

「パパ 返事するが故にパパあり」

というコギトエルゴスム的哲学を実践しているのかもしれない。

「ぱぱ、だいすきだから~」

今宵もRが甘えてきたので

「僕もRとタク大好きだよー。じゃあRちゃんはパパのお嫁さんになるか?」

とプロポーズしてみたところ

「えーやだよー」

あっさり断られてしまった。

「こ、この二枚舌女め…」

「Rちゃんはママになるの」

あ、そうか。Rの将来の夢はママになること。お嫁さんとママは別物だと考えているに違いない。

「Rちゃん、ママになるにはその前にまずお嫁さんになるんだよ」

「へー」

説明はしてみたもののRは絶対分かっていない。すると嫁が

「必ずしも結婚してママになるって順序になるわけじゃないじゃない」

僕の肉体を突っ込ませてくれないくせに僕の言うことにはツッコミを入れる。

「そりゃそうだけど。よそさまは別にできちゃった婚でもやっちゃった婚でも何でもするがいいさ。でも自分の子だけはちゃんと順序踏んで欲しいよ。」

「そんなことになったら相手の男を斬り殺しそうだね」

「…いや、ちんこを削ぎ落とし、一生辱めを受けさせてやる」

Rがママになるまではそれなりに覚悟をしておく必要がある。

「お父さん、彼を家に連れてきていい?」

ううむ、遂に来たか…。

「お父さん、私、彼と結婚したいの」

ううむ、遂に来たか…。

「お父さん、私、子供が出来たの」

ううむ、遂に来たか…。

このように一歩ずつ徐々に慣らしていかなければならず、いきなり「お父さん、できちゃった」じゃ僕心臓麻痺で死ぬる。Rには徐々に大人の階段を上るシンデレラでなければならぬ。

順序がどうあれRがママになるということは、僕に孫が出来るということになるんだよな…Rはどんなママになるのだろう。何だかんだいうものの、Rとその子供を見れば許してしまうのかもしれない。

Rの子供の授乳の合間に、僕にもおっぱいを飲ませてくれたら許すことにしよう。

問題:「ぱぱだいすきだから」を言った後によく続く言葉は何でしょう?
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20世紀に死滅した言葉の中で、男女の肉体的な進行具合を表す隠語、「ABCD」というものがある。

「A」がちゅーで「B」がぺっちんぐで「C」が本番、「D」が妊娠だったと思う。

「私、Aっちゃった」「私、Dっちゃった」など、実際これらの言葉を使用した例は岡田あーみんのマンガでしか聞いたことがない。

そして僕は今日も今日とて嫁にAだのBだのちょっかいを出しつつ

「いざ契ろうぞ」

と誘ったところ

「いえ血が出ておろうぞ」

というようなことを言われた。

「…出血中かね」

「ほら、固いでしょう。ガードルはいてんのよ」

嫁はお尻のあたりをパンパンと叩いた。

「あーここぞって時に使えねーなーもー」

「ひどい!」

いくら僕の子作り用スティックが硬くなろうと所詮は肉の棒(生々しい表現)、ガードルの硬さには敵わぬ。怒張で障子を突き破った元太陽族であるところの現都知事(選挙中)にも無理であろう。

「ガードルはいてたらR(3才の娘)に、『それなあに』って言われちゃった」

「あそ」

「Rちゃんもいずれはくようになるのよーって答えておいたけど」

「Rが…いずれ初潮…」

僕と嫁がCっちゃってDっちゃったところの産物、Rに目を移すとすやすや眠っている。こんなちっこくて可愛いRが、いずれは大人に。今はパパパパと懐いてくれて毎日抱きしめてお風呂も一緒に入って一緒に寝て…それが出来なくなっちゃうんだよなあ。

もちろん成長したRの姿を見てみたいことは山々だが、失う物も多過ぎる。急にセンチメンタルになってしまった僕は、たまらず冷蔵庫からビールを取り出し

「ああ、Rの全てをいつまでも手に触れておくことは出来ないんだね。いずれは父の元を離れて行ってしまうんだね」

Rの枕元で確かそんなことをブツブツ言っていたと思う。Rの寝姿を肴に酒をあおる「娘酒」モードに入ってしまったのであった。もう嫁と「C」をするとか出来ないとかは既に頭の片隅にすら残っておらず…。

男女の肉体的な進行具合を表す隠語、「ABCD」。

女性の事情により出来なくなってしまった場合は

「AB血ー出ー」といいます。

問題:Rが「その日」を迎えた時、僕が心配していることは何でしょう?
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家族で某ショッピングセンターに出掛けた。

嫁が買い物をしている間に僕は娘・R(3才)と息子・タク(1才)を児童館で遊ばせることにする。

ブロック遊びやらボール遊びやら力の限り体を動かせたところ、さすがに2人とも動きがボーっとして来たので

「じゃあ絵本でも見るか」

図書室に移動した。そこは意外と書籍が充実しており、つい「からだのひみつ」や「子供の性教育」といった本に目が移りつつも驚いたことには、なんとそこには「手塚治虫漫画全集」がズラリと並んでいるではないか!

「うわーなんでこんなにマンガもたくさんあんの…」

片っ端から読み漁りたいところであり、

「僕はマンガ見てるから君達はよきにはからえ」

と子供達を放牧したいところであったがそうもいかず、R達が引っ張り出してきた「ノンたんといっしょ」を朗読してやっていたところで嫁が戻って来た。

「なあ、今度は僕だけで行きたいんだけどダメかな?」

「大人ひとりで入っちゃダメって決まりはないと思うけど、いろんな意味で怪しいね」

「規則でダメっていうより、大人ひとりが児童館に行くって時点で人としてダメだよな…」

そんなことを話しつつ、嫁が買い忘れたものがあるというので再びショッピングセンターの中へ。嫁が店内を物色するがまま、ボーっと付いて歩いていたが

「Rのブルマを買わなくちゃ」

「ブルマ?」

そのひとことで俄然力が入った自分を隠せなかった。

「幼稚園の制服が短くてね、見えちゃうのよ。変な人も多いからブルマはかせとこうと思って」

それは心配し過ぎではないだろうかと思ったが、「他の子達もそうしている」と嫁が言うので従うことにした。

「そういうためのブルマなら…別にスパッツでもいいじゃん…」

保身用のブルマということならば典型的正統派ブルマは逆に危険である。パンツが見えるより興奮する者もいる筈である。ブルマ好きの僕が言うのだから間違いはない。なれば簡単。僕が全然ソソらないものを選べばよい。かぼちゃパンツのようなものかスパッツが良い。

色々と捜し歩いてみたところ

「胸がふくらみ始めたら…はじめてのブラジャー」

という衝撃的な乳バンドを見付けてしまい

「ああ…いつかRも…こんなものをつけるようになってしまうのか…」

嬉しいような寂しいような悲しいような恥ずかしいような、様々な感情が入り混じったエモーションのドツボに嵌っていたら、いつの間にか嫁達に置いてけぼりにされてしまったので慌てて追いかけた。

少女用ブラジャーの前で震えているオヤジひとり。これは危ない。やはり嫁の用心もあながち杞憂ではないようだと考え直した。

Rの幼稚園は体操着はブルマでないので、Rの真の意味の純粋な体操着ブルマ姿を拝めることはできないようだ。悲しいことだがこれも時代の流れ。その代わりに

「ぱぱー、やってやってー」

とせがむRとタクに肩ブルマしている今日この頃である。

問題:僕が子供の頃の児童館のしょぼい思い出はなんでしょう?
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明けぬれば くるるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな

朝ぼらけ。コスプレ店員がいる古本屋はまんだらけ。朝もはよから元気な娘・R(3才)は、まだ夢の途中だった僕を容赦なく叩き起こす。

「ぱぱおきてー」

バシバシと布団越しにスパンキングする力は3才児とはいえ侮れん。ああ、女王様、もっと強く…などと寝惚けている余裕はなくなって来た。

「もうちょっと寝かせてくれよ…」

ああ、ついにこの言葉を吐いてしまった。休日などによくある典型的な光景。子供は遊んで欲しいのに布団に包まったまま起きやしないダメ親父。いけないことだと分かっていても、体が動かぬダメ親父。僕もそのひとりになってしまった。ワイは日本一のダメ親父や…。

「ぱぱおきてー。春ですよー」

「僕は冬眠中の熊じゃないよう~」

Rのとぼけた起こし方になんだか嫁も笑っているし、ますます起きる気力が抜けて来た。しかし息子・タクも加勢して

「ぱぱ、ぱぱ」

ズドーン、ズドーンとボディプレスをかまして来た。片やRのスパンキング。片やタクの急降下爆撃。あまりの痛さに徐々に苛立って来て、これが「春眠ムカつきを覚える」というやつか、と最早これまで感が漂ってきたので

「じゃあRちゃん、ちゅーしてくれたらパパ起きる…」

いつものようにワガママを言ってみた。

「しょうがないなーもー」

3才児とはいえ嫁そっくりな女の仕草を見せ、ぶちゅーっとしてくれたRのちゅーは、唇の肉厚を充分感じられる濃厚なもので…

「すまん、もう一回頼む」

「ぶちゅー」

朝から結構なものをいただきました。

結構毛だらけ猫灰だらけ。
お尻の周りはクソだらけ。

じゃなかった

接吻だらけの朝ぼらけ。

問題:朝起きて一番にRが要求してくることは何でしょう?
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嫁が部屋の明かりをパチリと消し、寝ようとしている真夜中午前0時。

この寝るか寝ないかの間に僕と嫁との愛の駆け引きが行われる。

こう書くとそこはかとなく美しいが、要は「やらせろ」「やらせない」の押し問答である。さて今夜はどのように攻めようかと考えつつ嫁の動きを見張っていると、すぐ寝ると思われた嫁は台所に立ち寄り、僕が少し前に夕飯を温めたフライパンと空になった炊飯器のカマを洗い始めた。

本来調理器具と食器の洗いは僕の仕事であるが、時々このように流しに調理器具等をぶちこんだまま僕が飯を食っていると、そこにある物については嫁が洗ってくれることがある。めんどくさがりの僕はこれ幸いと速攻で飯を平らげ

「まま、まま」

息子・タク(1才)のマネをしてヨチヨチ歩きで空にした食器を嫁に持って行くと嫁は

「それも私が洗えってかー。それに全然可愛くないし…」

ブツブツ言いながらも洗ってくれることがある。今日この時も今がチャンスだと思い、食べ終えたまま部屋に置きっ放しだった食器を

「まま、まま」

タクのマネをしてヨチヨチ歩きで嫁に持って行くと、ワンパターンなのがいけなかったのだろうか、

「なに?」

嫁にすごい形相で睨まれたので、ここで嫁に皿を洗わせるのは賢明でないと判断した。借りを作ってしまうからである。借りを作ってしまったからにはその後控えている愛の駆け引きが不利になる恐れがある。

例えば凧糸の先にサキイカを付けてドブ川に垂らす。それにザリガニがハサミで掴んだ瞬間、間合いを計ってうりゃーと糸を引き上げる。そのような釣れるか釣れないかの絶妙なタイミングなのである。下手な動きは致しますまい。むしろ

「今やってるの含めて全部僕が洗うから、そのぶん体で払ってもらうぜー」

これで行くべきだと考えた。借りではなくカリ首をいかに嫁に誘うかが重要だ。そう言おうとした瞬間、嫁がいきなり皿をむんずと掴み

「いやいや私がやりますから」

「え、ちょっと、これは僕が」

「体で払いたくないから私が洗います」

僕の思考、思いっきり嫁に読まれておった。こいつは妖怪サトリか。何故分かったのだろう。いや、やはり僕の行動パターンがワンパターン過ぎるからであろう。この時間帯にソワソワしているということは、目的はただひとつ。目の前に餌を置いた犬より行動を予想しやすいということだろう。まったく長年連れ合うとやりづらくなるものよ。

いずれにせよ、皿洗いぐらいは自分でやっておかないと…と反省する次第。このような家事のサボりが積もり積もって愛の駆け引きの際にマイナスポイントとなる。皿洗いは特に重要であることは諺にもある通り明白である。すなわち

嫁を食らわば皿まで。

問題:たまに交渉OKの時があるが、その時僕がやらされることは何でしょう?
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近所にラーメン屋がオープンした。

その場所は以前も若い店主がラーメン屋をやっていて大変美味しかったのだが、残念なことに閉店してしまい、違う人が居抜きで開業したのである。

前の店がうまかっただけにこの新しい店にも期待が高まった。歩いてすぐの距離だし子供達もラーメン大好きなので

「今度みんなであの店行ってみようよ」

と嫁と盛り上がっていたものである。

やがて時は流れ…2ヵ月ほどが経過したが、未だ家族でそのラーメン屋に行ってはいなかった。

「ねえ、そういえばラーメン屋行こうよ」

嫁にせっつかれた僕は、額に脂汗が流れるのを感じ、しばし考えて答えた。

「うーん。ネットであんまり美味しくないとか書かれてるんだよね。だからイマイチ乗り気になれなくてね…」

「あらそうなの」

このひとことが聞いたのか、嫁のラーメン屋に対する興味は薄れていったようだ。

…すまぬ、嫁。

…嘘をついてしまった。

僕、自分だけ先に食べに行っちゃったんだあ…。

実は嫁と最初に「行こう」と話した数日後、ハラペコで仕事から帰ってきた際、つい我慢出来なくなり家をスルーしてラーメン屋に行ってしまったのである。食べた結果、

「これは美味い!また嫁と子供達を連れて来よう!」

というお味であれば何の問題もなかったのだが、その正反対であったのでもう行きたくないなあ…なんか上手い言い逃れはないものか…と咄嗟に考えたのが先ほどの会話であったのである。

嫁よすまん…どうしても言えなかった…。この罪悪感から解放されるにはどうしたら…。

おおそうじゃ。

ちょうどラーメン屋の2軒隣に教会がある。神に懺悔しよう。全てを打ち明けて罪を償おう。とはいうものの、クリスチャンでもなくアグネスチャンでもなくチビマルコチャンでもない僕は「ひょうきん懺悔室」しか知らぬ。そもそも教会は何時ごろから開いているのだろうか?9時か?十字架?バーロー。

そういったものを含め、懺悔の作法というのはどのようなものであろうか。

「…神父様、私は罪を犯してしまいました。

「話なさい」

「すぐそこにラーメン屋が出来たでしょう?」

「はい、知ってますよ。続けなさい」

「そこに家族みんなで食べに行こう、と妻が楽しみにしていたのに、僕だけひとり抜け駆けしてしまいました。私は罪深き男です。神父様…主よ…御言葉を給え。されば我が魂は癒されん…」

「祈るのです。祈ればその心が主の元に届くでありましょう」

「ラーメン」

上からとんこつスープをぶっかけられそうである。

問題:そのラーメン屋の一番ミステリアスなところは何でしょう?
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彼岸の日の今日、法事のために帰っている嫁と子供達を迎えに嫁実家に向かう。

1日だけとはいえ子供達の顔が見れない寂しさといったらない。早く会いたい一身で電車に乗り、終着駅で降りるとそこは霊園のメッカ。墓参りの大群が駅前に溢れていて

「ああ、これが嫁が言っていた『彼岸ラッシュ』か…」

道路も「彼岸渋滞」で、その中を嫁父が車で迎えに来てくれた。

「法事、うちの子はいい子にしてましたか」

「ああそうねー。タク(1才の息子)はずっと坊さんのお経に合わせてウニャウニャ言ってたよ」

「す…すみません。何でもマネしたい年頃なんで…」

嫁実家に着いて「こんちはー」と玄関を開けると娘・R(3才)がスタタタと走って来た。

「R!会いたかったぞ!久しぶりだね!(1日ぶりだが)」

「あらパパやっときたの?はやくあがりなさいよ」

すっかりこの家に馴染んで、家の主ヅラでお出迎え。もっとメイド喫茶風にウェルカムして欲しかった。

「タクは?」

「ねんねしてるの」

仏間を覗くとそこでタクがしかめっ面をして昼寝中であった。今日二十三回忌であった嫁の祖父の遺影がその寝顔を見下ろしているようであり、そっと手を合わす。僕の法事では、どんな人間が残ってどんなやりとりをしているのであろうか。

リビングに入ると嫁がいた。

「おいしいもの食べたいー。はー。実家帰ろ」

前日、溜息を付きながら帰った嫁は、さぞや実家で羽を伸ばしていることだろうと思っていたが、健気にも来月入園するRの幼稚園グッズ作製のため、ミシンをダカダカと走らせながら目も血走っていた。

「子供達が寝てから5時間もかかってやっとこれだけ出来たのよう…」

自然、かあさんがーよなべーをして…という歌が口から出て来た。そんな嫁の苦労を傍目にRは嫁の弟と遊んではしゃいでるし、嫁父と僕は

「まあ飲め」

「は、どうも」

酒飲んでるし、嫁の苦労子知らず親知らず夫知らず。

「えへへ。酔っ払っちった。昼の酒は効くなあ。嫁、あとはよろぴく」

「荷物運びのために呼んだのに、あなたがお荷物になってどうすんのよー!」

僕は子供達に会えたから本望である。

彼岸達成。

問題:法事の時、Rはどんなことをしていたでしょう?
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娘・R(3才)と息子・タク(1才)を連れて、嫁が一族の法事のために実家に帰って行った。

だから今夜はひとりで留守番なのである。

「夜、携帯からテレビ電話してあげるからさ。何時ごろかいい?」

寂しがる僕のロンリーハートを悟ったのか、朝出かける時に嫁がそう言ってくれた。

「7時ぐらいかな。残業してると思うけど」

「わかった」

先月も嫁と子供達が帰ったことがあって、その日は僕は仕事が休みだったのだが、やはりテレビ電話がかかって来て大いに慌てた。何故ならばこの時僕は、よりによって池袋乙女ロード裏にあるメイド喫茶にいたんである。着信音が鳴った時は適当に誤魔化せばいいやと油断していたが

「もしもしー。今からテレビ電話にするねー」

「うをああああー。ちょ、ちょと待ってー!」

メイド姿のおねいさんが映ってしまった日には

「アンタなにやってんの…」

と呆れられて一巻の終わりなので、慌てて店を出た。

「い、いやあ、今、外なんだ。小鳥さんのさえずりに誘われてお散歩してるの」

果てしなく怪しげに誤魔化したものである。今日は仕事なのでおそらく会社にいるだろうが、もし敢えて仕事の進行を顧みず定時ダッシュで会社を出、おっぱいパブだとかノーパンしゃぶしゃぶ(まだあるんだろうか)等のいかがわしい店に行ったらどうなるだろう。意味もなく自らを敢えて崖っぷちの危険な目に遭わせたくなることもある。もしそんな店にいた時に嫁からテレビ電話がかかって来たら…。

「あなたー。今会社?」

「そうだよ」

「…あなたの会社っておっぱい丸出しで仕事すんの?」

「え、おっぱい映ってるの?それは心霊映像だよ。うちの会社、よくおっぱいの霊が出るんだよ」

とか

「…あなたの会社の女性ってどうなってんの?スカートの中からタワシみたいな黒いのが蠢いているのはどういうことなのよーッ」

「ああ、うちの会社、よく出るんだよタワシの霊が…」

「私は無修正動画見たくてテレビ電話したんじゃねー!エロ動画見放題サイトかお前は!」

おそらく物凄い修羅場になるとは思うが…などと妄想しながら仕事をしていたらあっという間に7時になってしまった。オチャメする余裕などなかった。現実は厳しい。そろそろ嫁からかかって来るはず…と一旦オフィスを出て、トイレ脇の通路の端っこ、誰もいないところでスタンバった。仕事場でテレビ電話など恥ずかしくて出来ないからである。

…しかしかかって来ない。僕のことなど忘れているのだろうか。ないがしろにされると、家に帰ってエッチなお姉さんに来てもらっちゃうぞ。待ちきれなくて自分からかけた。

「もしもしー!ギャハハハハ!ぱぱー!ぱぱー!」

テレビ画面に一気に出て来た嫁とRとタクは騒がしいことこの上ない。特に子供達は画面で僕の顔が動いていることが相当面白いらしく、はしゃいでしまい会話どころかギャアギャア暴れまくってちっとも画面に映ってくれない。

電話でもできるだけ面と向かって話したい…と思って電話したのに却ってその実感がまるでなかった。

「あー…ちょっとママに変わって」

「はいはい、私。あ、そうそう明日のことなんだけどねー」

「おいおい、もう普通の音声電話でいいだろう。切り替えるぞ」

テレビ電話にしたのは子供達の姿が見たいからであって、おっぱいぽろりのひとつも見せてくれない嫁の姿などどうでもよい。明日嫁実家まで迎えに来てくれ、という嫁の話を聞いて電話を切った。

テレビ電話の現状は映像が汚いし不便である。もう少し「顔を合わせて話している」という実感が出るものになるといいんだけど…。もっとテクノロジーが進化して、映像だけでなく、実体も電話越しに取り寄せられる「実体電話」が発明されれば…あ、そりゃただの「どこでもドア」か。

家に帰ってそんなことをモンモン考えるロンリーナイト。実体電話、すなわちどこでもドアがあればエッチなお姉さんもすぐ来てくれて便利なのだが…いやいや、いくら邪魔者がいない夜だからって呼びませんよ。

どこでも!ド!あぁ~ん


ちなみにこれは、イメクラデリバリーヘルス、
「どこでも!ド!あぁ~ん」(http://docodemo.muvc.net/)

…いやいや呼びませんよ。

問題:電話している時、めちゃくちゃ冷や汗かいたことは何でしょう?
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恒例、ヨシミさんによるバーチャルネットストーキング→こちら(3月19日付記事
ひとつだけ言いたいのは、「僕は風俗に行ったことはない!」ホントよ。潔白よ。処女なのよ。
以下日記。

娘・R(3才)と一緒の布団に入って、寝る前の心休まる語らいのひと時。

「Rちゃんねえ、おおきくなったらママになるの」

こないだまではお姫様になると言っていたのに乙女の夢は変わりやすい。

「誰のママになるんだい?」

「たっくん(=タク:1才の息子。Rの弟)のママ」

Rは成長するのにタクがいつまでも子供のままとは。あまり深く考えても仕方ないのでその辺はスルーすることにする。

「ママになるんなら、パパもいるんだよね?Rちゃんの相手は誰になるんだろうな」

「かじりん!」

Rがいきなり僕の名前を呼び捨てにするのでびっくりした。

「ぼ、僕でいいのかい?」

「うん、かじりん、だいすきだから」

もうこの瞬間死んでもいいと思った。最愛の娘からの愛の告白。「パパだいすき」と言われるより名前で言われた方がより一層実感がある。

「パパママ同士になるには僕とRちゃんの結婚式をしなきゃね。結婚式ではちゅーをするんだよ!」

「えー、いやだよ」

何故、何故嫌なのだ。大好きなのにちゅーしないとはこれいかに。僕は慌てふためく。

「僕のこと大好きなんでしょう?なのになんでちゅーしないの?」

「だって、きみがわるいじゃない…」

頭に佐野厄除け大師の釣り鐘を落とされたようなショック。「気味が悪い」なんて言葉、いつ覚えた。普段Rが発する言葉達と比べると明らかに浮きまくっている、この毒がある言葉。何かが乗り移って話しているのでは、とさえ思えた。大好きだから、と持ち上げられるだけ持ち上げられて奈落の底まで叩き落されたことであるよ。

「じゃ、じゃあ大好きな人とはどんなことをするのかな…」

もうパンチドランカーのような状態であったが、断末魔を上げて最後の質問をしたところ

「えっとね、お手々つなぐの」

心が洗われるようであった。ピュアなRに穢れた欲望丸出しの質問をぶつけた僕が愚かであった。

「パパと手を繋いでねんねしようか」

「うん」

Rは僕の手を握ったまま眠りに落ちていった。これでいいのだ。これだけで親子の絆を充分過ぎる程実感出来る。

嫁はこの間風呂に入っていたのでこの話を聞いていない。翌朝伝えてみると

「私やタクはちゅーなんて別に頼んでないけど、Rはしてくれるよ。あなたにだけしないってことはやっぱりどっか臭いんだね」

加齢臭…口臭…嫌な単語がぐるぐる頭の中を駆け巡る。ガン宣告にも等しい嫁の冷たく重い言葉。

「嫁、僕は臭いと思う?」

「さあ、最近あなたに近寄ってないしね」

近寄ってないから今夜ちゅーしてみよう、まぐわってみよう、とは思わないわけね…。ひとまず思いついたことは口臭防止。

お口クチュクチュモンダミンをしている今日この頃である。そしていつの日か、
お乳グチュグチュ揉んだみんしてやる。

問題:僕の一番の結婚式の思い出は何でしょう?
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寒かったので娘・R(3才)と息子・タク(1才)を隣の区の児童館で遊ばせようと嫁が言うので連れて行った。

ここはランチタイムには食べ物を持ち込んで食べても良いという館内規則だったので、嫁に子供達を任せて僕が弁当でも買いに行くことになった。

何となくの土地勘で、近くに商店街でもないだろうかと歩いていたら、とある駅前に辿り着いた。

「あ…ここは…」

もう随分と来ていなかったので忘れていたが、遠い昔、少なからず因縁のあった街であった。古傷が疼くというか、それでいて懐かしいというか、痛みの中にほんの少しときめきメモリアルでちょっとだけエロスな思い出というか…要は女の子絡みでこの街に来たということであるが…。些か鳥肌が立ってドキドキした。

霊能者が心霊スポットに立った時の

「ああっダメ!ここヤバい!」

と怯える感覚もこのようなものであろうか。

しかし結婚前の昔のことだ。当時ならいざ知らず、今この思い出を嫁に話したところでフンと鼻で笑われるだけであろう。別にこの街でひどいことをしたわけではない。第一話そうにも僕も既に具体的な記憶も断片的にしかなく、痛し痒しの感覚がわずかに疼くだけではないか。何でこの街にあの子と来たんだっけ…?相手もおそらく忘れているだろう。それぐらい小さな事である。

そう、それは年月の積み重なりに埋もれたほんの些細な出来事…と速やかに気持ちを切り替えたのだけれども、入ったことがある店などを見付けてしまって

「あーそういえばココで一緒に飯を食った。それであんな話とか…」

芋蔓式に記憶が甦ってしまいギャース!過去の記憶に後ろ髪を引かれるような感覚…。

今僕は2児の父である。現在の時刻は2児ではなくて1時である。3時のあなたは森光子である(古いなあ)現在の僕の社会的ポジションなぞを改めて確認しながら

「この街はあまりいたくない…」

とっとと買い物をして家族の元に戻り、子供達が食べたり遊んだりする姿を見てようやく平常心に戻ることが出来た次第。家に帰った後

「お昼の買い物、いくらだった?」

と嫁が聞いてきた。

「1,500円ぐらいかな」

「払っておこうか?」

「いや、いい」

断った理由は、勿論夜になって子供達が寝た後で嫁に

「昼飯代。体で払ってもらおうか」

と迫るためであったが

「いや、普通に1,500円払うし」

にべもなく断られてしまった。まあこの反応は想定の範囲内である。ホリエモンでない僕でもそれぐらいは分かる。いつもなら最終的にはアナルホリエモンまで辿り着くべくもう少し粘るのだが、今日は昼間の街の思い出が引っ掛かり、「あの子、今何してるかな…」などとも考えてしまい、及び腰になってしまったのであった。

古傷のような街の思い出とエロスを切り離せないところが僕の繊細なところである。自分で言うな。

エロス街の悪夢。なんつって。

問題:僕がこの児童館で生まれて初めて経験したことは何でしょう?
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「みてみて~おともだちと遊んでる絵、かいたの」

娘・R(3才)が描いた絵を見せて来た。画用紙いっぱいに5つのスマイルマークが描かれていており、これがRの言う「おともだち」なのだろう。

「じょうずに描けたね。りっちゃんとかあゆちゃんはいるのか?」

僕が知っているRの友達の名を挙げてみたところ

「いないの!これは、ちーたくんなの!あとこれは××ちゃんでこれは○○ちゃんで…」

出た。「ちーたくん」…。ちーたくんとは、Rの話に出てくる人物である。

「きょうはちーたくんとあそんだの」

など。しかしその人物は実在しない!一体誰のことを言っているのだろうと嫁と話し合っても分からず、Rだけに見える妖精さんなのだろうと結論付けた。ちーたくんとRはよく公園の滑り台で遊んでいるらしい。ちーたくんの後に挙げた数々の名前も実在しないどころか、ありえない変な名前ばかりであったので、おそらくこの絵はRが作り上げた妖精さん達だけえを描いたのであろう。

「そうかーちーたくん達と遊んでるのかー。ちなみにママとタク(1才の息子)はいるのかな?」

「いないよ。ままとたっくんはねー、お空の上に行っちゃったの」

「おい嫁ー!お前とタクは千の風になっちゃってるぞ!」

それを聞いていた嫁がケラケラと笑った。

「じゃあパパはどこにいるのかな?」

「パパはねー、がっこうようちえん(幼稚園のことを何故かこう呼ぶ)にとまってるの」

「学校に泊り込むってなんだか女子更衣室へ侵入しようと企んでるブルマ泥棒みたいで嫌だなあ…」

「あなた、とっても危ない人だね」

嫁が更に笑った。そのいかにもやりそうだ、という顔付きはやめてくれないか。子供の前なんだから、パパはそんなことする人じゃないとフォローを入れて欲しいのだが。

絵によって分かる、娘が考える父のイメージ。

これを絵に描いた父、といいます。

問題:Rは自分の顔をどのように描いていたでしょう?
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娘・R(3才)と息子・タク(1才)。

幸いなことに「ぱぱ、くさーい」などと避けられることもなく、いつも朝一番にダッコを求めて来てくれるので、抱き合って愛を確かめる毎日である。

その喜びをラップで表現するとこうなる。

親子の触れ合い、ガッチリ抱擁。
朝一番の、トイレで放尿。
年々ますます、感じる残尿。

片腕にR、もう片方にタクを抱きながら、ふたり一緒にダッコできるのも後どれくらいなのだろうか。今この姉弟はふたつの鞠のように丸まって僕の胸の中にいるけれども、いずれそれぞれの人生を歩んでいくのだなと感慨深げになる。

タクはまだ分からないが、Rは本人が言うところによると将来お姫様になるらしい。どこに嫁ぐ気だ。

また、ダッコの求め方もふたりそれぞれ違う。Rは

「パパ、だっこして?」

新婚初夜の新妻のように微笑みつつ微かに照れながら手を広げる。その魅了攻撃はハートマークを100個撃ち込まれるような、ファイナルファンタジーの魔法で表すとハートマークのメテオである。

一方タクはしゃちほこばって声高らかに

「だーっ!こー!」

和田アキ子のような咆哮を上げ迫ってくる。甘えるというよりは合戦の鬨の声だ。本能のままに雄叫びを上げるタク。敵は本能寺にあり。

子供たちの愛を受け止める僕。しかし時には受け止めてもらいたいこともある。時には泣きたいこともある。時には女体よりAVを選ぶこともある。

「だーっ!こー!」

タクの真似をして台所で朝飯を作っている嫁へ、後ろから尻に抱きついてみた。

「フン!」

嫁の強烈な尻のひと突きを食らって跳ね返された。ヘッドバットならぬケツバット。当たりがあるのはチョコバット。あーっああんあん、ああ渚のシンドバット。

「少しはこう、みだらな気分になるというか、せめて『いやん』ぐらいの艶っぽいリアクションは出来ないのかね?」

「邪魔」

僕は嫁にすがってはいけないようだ。

これを臀部にだっこといいます。

問題:僕の嫁尻抱擁を見ていたRはなんと言っていたでしょう?
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「マクドナルド」のロゴをそのままパクッた「ヌクドナルド」という名前の風俗店があった。

子種をマクドナルドな僕は大笑いしてしまい、そのロゴをこのサイトに紹介していたのだが、

「はじめまして。元ヌクドナルド従業員の○○と申します」

と名乗る方からメールが来た。要約は以下の通りである。

・ご存知かもしれませんが、当店はマクドナルドからクレームが来て店名変更しました。
・WEB上のヌクドナルドロゴ画像も全て削除せよ、と要請されました。
・その要請の中にあなたのサイト(ココのこと)の画像もありました。
・当方では「個人様のサイトまでは削除出来ない」と答えました。
・それなのにマクドナルド顧問弁護士が納得してくれません。
・つきましてはご面倒ですが削除していただけないでしょうか。

送信元メールアドレスを検索してみたら確かに元ヌクドナルドであり現「ヌック東京」という店のサイトにあるものと同じだったので、すぐ削除してその旨を返事した。ただちょっと気になってネットで調べてみたところ「週刊現代 11/18日号」に

「米巨大企業が日本フーゾク業界の「駄ジャレ商法」を訴える
『 ヌクドナルド 』『g Pod』に本家がマジ切れ」

まさにドンピシャの記事の見出しがあった。マスコミにも出ていたのだ。「ご存知かもしれませんが…」とはこのことだったのだろう。それにしてもネット場末のこのサイトまでよくチェックしてるなあ。

「ヌクドナルド」のような、ダジャレ・パロディ店名は風俗店にはたくさんある。

「エロティティ・ドコモ」とか「宇多田ヌケル」とか「亀頭洗士ガンナメ」とか「エロ&ステッチ」とか「桂3P」とか「どこでもドあぁ~ん」とか「AF(アナルファック)戦隊イレルンジャー」とか「マイフェラレディ」とか「性感大衆」とか「変態なんでも鑑定団」とか「精汁McBEE」とか「もっこりひょうたん島」とか。

それらが好きで風俗店の看板写真を撮りまくっている人間もいる。僕であるが。確かに企業の訴えは尤もである。例えばこのサイト名がパクられて(パクッたところでメリットはないが)

「ご主人様を優しくやらしくお出迎え!メイド性感・エキスパートメイド!」

こんな風俗店が現れたらちょっと嫌だ。いや、わりと嬉しいかも。えーやだーどうしよう。

ともかくこのようなダジャレ・パロディ名の風俗店というものは、えてして繁華街からちょっと外れた雑居ビルの中にひっそりとあるものである。だからそんなところまで目を光らせなくても…風俗店なだけにオメコぼししてもらいたい、という考えは甘えだろうか。

このやり取りの中でひとつ思い出した。

メガマック新発売時、食べてみたくなった僕は、マクドナルドに行き何度か「売り切れです」という憂き目に遭った後、ようやく買えたのである。

隆々と高くそびえ立った広告のメガマックと比べ、実際手にしたものはぺしゃんこ気味だったが、まあそれはよくあることでJAROに訴えるまでもないか…とかぶり付き、その断面を確認したところ

「に、肉が2枚しかない…」

メガマックは肉が4枚入っているはず。すなわちこれはただのビッグマックだった。2枚足りな~い。番町皿屋敷だって1枚足りないだけなのにそれよりもひどい。箱にはメガマックと書いてあるのに。レシートにも書いてあるのに。

僕が嫌いなピクルスより苦い仕打ちだと落胆し、そのショックで未だにマクドナルドのものを食べる気にはなれない。

今思い返してみると、このことは今回のヌクドナルド騒動の予兆だったのかもしれない。

「パクリ画像を載せてると、肉をヌクドナルド!」

と。

問題:ヌクドナルドのキャッチコピーもマックのパクリだったが、どんなフレーズだったでしょう?
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そういえば明日はホワイドデーだったと、と思い出したが既に残業中遅くのことであった。

なんだかホワイトデーって影が薄い。

明日の朝には嫁と娘・R(3才)に渡しておかねばならない。今この時間で売ってそうなのは、と考えるとあまり選択肢がなく、深夜まで営業しているスーパーに行った。「ホワイトデーコーナー」みたいな特設売場があるだろうからそこで買えばいいやと勝手に思っていた。

ところがスーパーの中はまったくもって平常営業状態。ホワイトデーのホの字もない。つくづくホワイトデーって影が薄い。

商店街をさ迷い、幸いなことに開いている洋菓子店を見つけたので、ケーキでいいかと思い買った。ホワイトデーの主旨に則せば息子・タク(1才)は対象外なのだが、それでは可哀想なのでタクのぶんも買った。それとタクから嫁とRへ…という意味でクッキーも2袋買った。これを明日タクに持たせて嫁とRに渡させようという魂胆である。

家に帰ると皆寝ていた。まずケーキを冷蔵庫にしまわなければならない。僕の目論見としてはケーキやクッキーを翌日朝まで隠しておきたいのだが、これは迂闊だった。翌朝僕より早く起きて朝食の支度をする嫁に見つかってしまう。

「僕がいいと言うまで冷蔵庫を開けるな」

今嫁を叩き起こして厳命しようか迷った。言った段階で既に怪しい気がする。冷蔵庫にバラバラ死体を隠しているみたいである。第一

「じゃあ朝ご飯どうすんのよー!」

と言われて終わりである。仕方がないのでクッキーだけ隠しすことでよしとした。

翌朝。嫁に

「これ…ケーキですどうぞ」

おずおずと差し出したところ

「え、なに、急にどうしたのよこれ」

素ですっとぼけていた。

「今日ホワイトデーだから」

「あー!そんな日もあったねー!すっかり頭から抜け落ちていたわ」

何度も書くようであるがつくづくホワイトデーって影が薄い。

「じゃあタク、これをママとお姉ちゃんに渡すんだよ」

続いてタクにクッキーの袋を渡した。僕としては江戸時代のお茶を運ぶからくり人形のようにエッチラオッチラ嫁とRまで運ぶ姿をイメージしていたのだが、タクは一歩も動かずとっとと袋を開け始めてしまった。

「ああっタク。お前が開けてしまってはだめだ」

「無理よー。タクは食べる気満々よー」

「じゃあタクも後で分けてもらってね。もう朝ごはんだから今食べちゃダメだからね」

「ひーん!」

袋を嫁に預けたらタクは泣いてしまった。息子にホワイトデープレゼントを手渡させ嫁を感激させる作戦は失敗に終わった。まだタクには早過ぎたようだ。

それにしてもホワイトデーの影の薄さよ。バレンタインデーの付随イベント的性格を脱皮できず盛り上がりに欠ける。

いっそのことホワイトデーは、バレンタインにチョコをもらった女性と必ず一夜を共にする日と決めてはどうか。本命たちの本命たちによるドエロの夜を約束するイベント、ということにすれば、無駄な義理チョコ配布と無駄なお返しの手間が省ける。

ホワイトデーは勇気を出してバレンタインに告白してきた女性と、熱い夜を共にするイベントになるのである。

すなわちトゥナイトデーである。

問題:ケーキを見て嫁が心配していたことはなんでしょう?
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娘・R(3才)がとっとと寝てしまい、息子・タク(1才)がまだ起きていた夜。

Rのことが大好きなタクは

「お姉ちゃん、ボクと遊んでー。どうして寝てるの?」

とばかりに寝ているRにちょっかいを出す。頭を撫でてみたり手を握ってみたり。さながら嫁に夜這いをかける僕の如し。

タクよ、姉に夜這いはいかんぞ。しかしお前の蕾のような突起物ではどうにもなるまいて。僕のように、ナイフみたいに尖っては触るもの皆孕ませる程のウェポンを持っていなければ恐るるに足らず。

基本的に微笑ましいさまであり、そう考えながら遠巻きに見ていた。ただRの安眠は妨げてはならないので

「ははは、タクー。お姉ちゃんを起こしちゃだめだそー」

と声をかける程度に留めていた。それが間違いだった。タクが何やらRの顔をいじくり始めたので、さすがに「一体何を…」と少し心配になって近寄ってみると…

タクは一生懸命Rのまぶたを開けようとしていたのだった。

「た、タクー!それやっちゃだめよー!」

恐ろしい子!ひとつ間違えると大惨事に。子供って純粋なだけに恐ろしい。かつてトンボを捕まえていた幼き日の僕。トンボが弱ってきたので

「元気にしてあげよう!」

と昆虫採集セットの注射器を胴体に思いっきりブッスリ刺したら死んでしまった…そんな無邪気ゆえの残虐行為が僕にもあったっけ。

慌ててタクをRから引き剥がしながら、まぶたをめくろうとしているそのタクの姿が、寝ている嫁のパンツを必死にずり下ろそうとしている自分の姿と重なった。とにかく目を開けさえすれば起きてくれるだろう…とにかくパンツさえ脱がせばやらせてくれるだろう…1才児と思考回路が同じだったのか僕は。

「いつも昼間やられていることへの仕返しだったりしてね…」

嫁がニヤリと笑った。Rもタクのおもちゃを取り上げたり独り占めしたり、ごく稀にひっぱたいたり、などと結構タクに対して無礼なことをしているのである。これは弟の逆襲なのだろうか。

それでもタクは姉が好きなようである。そんな仕打ちを受けても甘えてRに抱きついたりする。

「やだやだ、たっくんやめてよー」

これまたタクの気持ちを無視したRの無礼な言葉を受けてもニコニコと笑ってめげない。無礼でもなんでも、かまってもらえるのが嬉しいようである。

無礼なお姉さんは好きですか。

問題:タクが本当にRを好きなんだな、と分かる時はどんな時でしょう?
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隣りに住んでいる人たちはイケメン+美女カップルである。

たまに旅行のお土産をあげたり貰ったりするぐらいの付き合いなので詳しいことは分からないが、表札の苗字がふたりとも違うので同棲しているではないだろうか。

「最近彼氏を見ないのよねー」

と嫁が言う。うちの窓から彼らが出勤する姿などが見えるのである。娘・R(3才)もその姿が見えると

「あ、おねえさん」

と言ったりしている。嫁によると、ここしばらく彼氏が出勤する姿を見たことがないのだという。

「彼氏が転勤して単身赴任したとか…別れたとしてもひとり残っているのも不自然だし…」

そう思われるフシもある。ひと月ほど前、業者と思われるトラックが荷物を搬出していたのを見たのだ。引っ越すならひとこと挨拶があってもいいのに…なんだか寂しいぽーんとおセンチになっていたが、少なくとも彼女の方はまだ残っているというわけである。

いずれにせよ彼らにとってはあまり良い事情ではないのだろうが、不謹慎にも僕は

「隣りの美人お姉さんをゲットするチャーンス。今日は隣りにいるからな、なんてことになっちゃったりね」

などと言ってしまった。それを聞いた嫁は

「あーそう。そりゃよかったね」

こちらを振り向きもせず台所仕事をしながら棒読みで答えた。隣りの悲しい出来事かもしれないのにそれをネタにするとは何事か、と軽蔑しているのか、やれるもんならやってみやがれこのオタク面の甲斐性無しが、とハナから相手していないのか。おそらく両方だろう。

「あなたがいない日があればゴハンも作らなくて楽だわー」

そしてとどめのこの言葉。昔だったら冗談でもそういう事を言うと

「ダーリンそんなこと言っちゃいやー」

サメザメと泣き出したり怒ったりしたものだが女は変わる。間抜けなことに本当にダーリンと言っていたのである。それで僕も「お前はラムちゃんか」とか言いながらもまんざらじゃなかったりして。若さとはバカさである。恋人をダーリンとかハニーとか子猫ちゃんとか呼んでいる人はすぐ止めた方がいい。10年後何気なく思い出し、鳥肌が立ってひとり「ウギャー」と叫びたくなるから。

ともかく夫などどこに行こうが、自分とRと息子・タク(1才)だけでこの家族はしっかりやっていけます、という嫁の自負をまざまざと見せ付けられた形となってしまった。

もし僕が転勤となったらどうするか。Rはせっかく面接試験を受けて幼稚園が決まったばかりだし、変わるのは可哀想である。結局僕も単身赴任する道しかないだろう。

嫁や可愛い盛りの子供達と別れるのは身を裂かれるぐらい辛いことだが、他に選択肢はない。僕の親父も通った道だ…よく電話で声を聞かせてくれと言っていたが、今になってその大切さが分かる。

単身赴任して臨む覚悟はあるのだから、夜はせめて
下半身避妊して臨ませてくれても…無理はないな!

問題:最近お隣で変わってきたことは何でしょう?
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朝から寒々とした雨が降っていた。午後から晴れるという天気予報だったので

「晴れたら公園に行こうね」

と娘・R(3才)と息子・タク(1才)に言い聞かせていた。Rは早く外に出たいらしく1時間おきに窓を眺めては

「あめ、やんだよー」

彼女の希望的観測に基づく超適当なことを言うので

「いや、まだ降ってるよ」

「あめ、やんだよー」

「まだ降ってるよ」

何度もこのやりとりを繰り返していたら、ようやく昼頃に止み、日が差してきた。

「ぱぱぁ~、はれたよー」

「お昼ごはん食べてから行こうか」

「うん」

逸るRを抑えてごはんをモソモソ食べていたら、タクが突然

「うわああああああん!」

眠気に襲われて絶叫し、そのまま轟沈。仕方ないのでRだけを連れて外に出ることにした。

「Rちゃん、じてんしゃのるんだー♪」

などとウキウキしていたのに、ドアを開けて一歩外に出ると風がビュウウウウウとRの顔面を直撃し、

「…さむいからおうちかえる」

早い早いとは聞いていたが、女心の気の移ろいがこんなに早いとは!子供は風の子というのはありゃウソだ。それでも僕は一旦外に出たのにすぐ帰るのもなんだかもったいない気がして

「じゃあ、お父さん缶コーヒー買いに行くからせめてそこまで一緒に行こうよ」

「うん」

手を繋いで最寄の自販機まで歩いた。コーヒーを買ってから分かれ道に差し掛かり、

「こっちの道を行くとおうちです。あっちの道を行くと公園です。さあ、あなたはどっちを選ぶ?」

「おうち」

Rはどうしても家に帰りたいようで…。このところRは鼻水垂らしているので、強制することもないか…とものの5分で家に帰った。夕方になってお風呂で

「今日は楽しかったか?」

と聞いてみたところ

「きょうは、さむかったから、こうえんいけなかったから、ちゅまんなかったの」

行けなかったではなく行かなかっただろう!ハメハメハ大王の子供達だって「風が吹いたら遅刻して」なのである。遅刻とはいえちゃんと出掛けるのである。

その後Rは夕ごはんではポテトを口にくわえたまま眠ってしまっていた。僕は毎日がこのようなのどかな1日だったら、それだけでも楽しいんだけど。

風が吹けば娘がむずかる。

問題:公園がだめなら電車でどっか行くかと言ったところ嫁は何と言ったでしょう?
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ほぼ毎朝、子供達にアンパンマンのビデオを見させる習慣ができてしまっていた。

どういうきっかけだったかは忘れてしまったがあまり良いことではない。

「あんぱんまん。みるー」

アンパンマン大好きな娘・R(3才)は朝起きるとすぐ要求する。アンパン中毒か。こう書くとシンナー中毒みたいである。昔「積木くずし」というドラマがあった。高部知子という少女女優が不良娘を演じ、グレまくった少女がシンナーでラリるわ暴力で家庭が崩壊するわ心労で母ちゃんが血尿出すわで悲惨なドラマであった。ついでに高部知子はその後ニャンニャン写真(タバコ咥えて恋人とイチャついてる写真)をすっぱ抜かれて引退してしまった。

「まんまん、まんまん!」

息子・タク(1才)も鼻息を荒くして大騒ぎであるが、ふたりが不良になっては困る。視力の低下の恐れもあるとして毎日見ることは禁止することとした。

「今日は見ません」

「やだやだ、みるー」

「いつも見てると目が悪くなっちゃうよー」

「だめだめ、みるみるー」

アンパンマンが好きなだけに、なかなか納得しないRである。そんなにアンパンマンが見たいのか。そんなにゴネるならお父さんのキンタマン見せ付けるぞ、とばかりに

「もうこれからは毎日見ません!」

語気を強めて言ったところRがビクッと震えた。

「…ぱぱは、そんなにこわくないのに」

そしてボソリと呟いた。

「ん?今、パパ怖かったか?」

「…うん」

「パパは怖くない人だから怒らないでってこと?」

「…うん」

これには参った。親父などというものは怖くてちょうどいいと思うのだが、愛娘に直に言われると頬が緩んでしまう。

「ははは、怒ってないよー。でもね、アンパンマンを毎日見るのはあんまりいいことじゃないんだなー」

Rは、というより小さな女の子全般がそうなのかもしれないが、怒られた時のかわし方が本当に上手い。以前も

「パパ、だいすきだからおこらないでー」

と泣かれた時は抱きしめて「もう誰の嫁にも出すもんか」と決意したものである。

これを僕も応用できないだろうか。いつも嫁に夜のニャンニャンを要求すると

「うざい!」「寄るな!」「やめてよ!」

様々な罵倒をされるので、そこで

「ママはこわくないのに…」

と母性本能をくすぐらせればよいのではないかと考えた。すぐさまその夜、嫁の秘所をまさぐってニャンニャン誘導行動を取った。さあ嫁、なんか言え。いつもの通り僕を罵倒しろ。

ところが嫁は…ノーリアクション。逆にその沈黙が怖い。強き者が発する威圧的なオーラというか。ラオウが体に身をまとう闘気というか。大豪院邪鬼が巨大に見える圧倒的覇気というか。

「ま、ママは怖くな…」

言えなかった。だって実際怖いんだもん。

そういえばRに「パパだいすきだから」と言われた時も嫁に「ママ大好きだから」と挑んで跳ね返されたのだった。全く同じことの繰り返し。

毎日ビデオを見るのも視力低下の恐れがあるが
毎日ニャンニャンするのも精力低下の恐れがあるので

僕も少し自重するか。

精力低下したところで弊害は何もないんだけど…。

問題:タクにアンパンマンを見せると不思議なリアクションを見せる。それは何でしょう?
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「かなまら祭り」2007年の日程。

かなまら祭りかなまら祭り

かなまら祭りかなまら祭り
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桃色男根神輿が街を練り歩く「かなまら祭り」。2007年の開催日時は以下の通りである。

かなまら祭り
かなまら祭り
2007年4月1日(日)開催

かなまら祭りは例年4月第一日曜日に行われる。
お神輿をわっしょいわっしょい担ぐ「面掛行列」は12:00~13:30。
(天候によって前後することあり)

僕は今年も参加しようとしているのだが、嫁は

「一度見りゃ充分」

雄雄しい男根より息子・タク(1才)の可愛いヤツが好きなようである。

娘・R(3才)が通っている「ぴよちゃん教室」が修了したと嫁から聞いた。

ぴよちゃん教室とは幼稚園に入る前のプレ教育課程である。

「教室でのRの姿を一度見てみたかったなあ…」

会社を休んででも一度見に行きたかったのだが結局叶わなかった。

「ビデオ撮ったのがあるよ」

本来親達は教室に入ることは許されず、授業が終わるまで別の部屋で待つのみなのだが、多分最終日だからだろう、入室や撮影が許可されたようで、息子・タク(1才)までもちゃっかり一緒に授業を受けている姿が映されていた。

「ぐーちょきぱーで、ぐーちょきぱーで、なにつくろー、なにつくろー

太字の部分は、語尾しか歌えないタクがRの横に立って叫んでいるところなのだが、語尾だけとはいえタクの声が一番でかい。それに踊りも大雑把だがタクの動きが一番ダイナミックかつ曲のリズムにも合ってるので

「何気にタクが一番張り切って授業受けてるし」

門前の小僧が何とやら…で大笑いしてしまった。

続いては授業が終わり、Rが先生から「修了証書」を授与されている写真を見せてもらった。いかにも卒業式、といった感じの写真。遥か昔の甘酸っぱい思い出が甦った。

中学の卒業式の時、制服の第2ボタンを受け取ってもらいたい子がいたのだが、モジモジ話しをしたまま結局言い出せず別れてしまったこと、高校生になったら今度こそあげる子を見つけようと決意したが、よく考えたら男子高だったこと…甘酸っぱいと言うより腐った思い出だ…。

話を戻す。Rの修了証書授与式の間でもタクは…

修了証書授与式
自分ももらえるものと思って、直立不動の素晴らしい姿勢で待機。もらう気満々のこの表情がたまらなくおかしい。

「修了証書が入ってた箱があったんだけどね、全員に配られた後、タクがその箱の中を必死に探してたよ。『僕のはどこ?』って感じで」

「よっぽど欲しかったんだなあ…」

翌日の朝、Rが早速

「かみ(修了証書のこと)、もらったのよー」

得意気に僕に見せてきたので

「修了証書。Rさん。たいへんよくがんばりましたね。はいどうぞ」

僕も授与式をやってやった。Rがペコンとお辞儀をして受け取った後、

「ちょっと貸して」

もう一度修了証書をRから借りて

「タク、君にもやってあげよう」

とタクに声をかけると、物凄い速さでやって来て、先ほどの写真と同じ直立不動の姿勢で僕の前に立った。その僕を見つめるタクの顔といったらない。ワクワクワクワクしていて笑顔がはちきれそうである。

「しょうがないから今日はやらせてあげる」

と嫁に言われた時の僕の顔も多分こうなのだろう。親子だし。

「タクさん。たいへんよくがんばりましたね」

「ねー」

タクは満足そうに受け取った。ただあまり持たせているとグチャグチャにしてしまいそうなので

「じゃ、そろそろお姉ちゃんに返していいかな」

ヒョイと取り上げたら

「んまんまんまんま!」

駄々をこね始めてしまった。

「タクよ。かわいそうだが本来これはRちゃんので…」

「んまんまんまんま!」

うーむ、どうしよう。

えーと…証書お待ち下さい。

問題:熱心に証書を欲しがるタクを見た先生が言ったことは何でしょう?
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毎度毎度の娘・R(3才)と息子・タク(1才)のハナタレ。

Rは鼻風邪だがタクはもしかしたら花粉症かも知れぬ。齢1才にして花粉症とは可哀想過ぎる。

可哀想だと思ってもやることはひとつ。鼻水吸い取り器にてジュルジュルと吸うのである。

ひとーつ、人の世の生き血をすすり、
ふたーつ、ふたり子供の鼻水もすする。
みっつ、みだらなセクハラ三昧、
よっつ、よこちんはみ出てる。

僕が馬乗りになり、鼻の穴にチューブを突っ込み、ふたりが泣かない訳がない。全力で泣き叫ぶので、全く何度やっても嫌な仕事だぜ、と酒でもあおりたい気分になる。

今朝もそれをやって会社に行ったのだが、帰ってから嫁に

「あれからふたりは鼻水は出てたか?」

と聞くと

「今日は朝だけだったよ。パパがお鼻吸ってくれたおかげだね、って言ったらRは

『ぱぱってすごいなー』

って感心してたよ」

なんとも変なことで尊敬されてしまったようである。Rにそんなこと言われたのは初めて。しかしせっかく褒められるのならこんなことよりスポーツが凄いとかで尊敬されたい。でも外嫌いだしね。僕。

「私のパパ、鼻水吸うのがとっても上手なのよ!」

「なにそれ、きしょい」

将来Rがそんな事を友達に吹聴して回ったりしたら…うーむ。他に取柄がないし…まあいいか。

嫁はその後布団に入って寝ようとしたので

「嫁、ち○ち○吸って」

今度は吸われる立場になりたかった僕は嫁に愛のバキュームを求めて覆いかぶさったのだけれども、嫁はミノムシのように布団に潜り拒否。

「冬眠中です。起こさないで」

「そこまで嫌か!」

まったく煮ても焼いても吸えない嫁である。

問題:その後嫁に言われてムカついたことは何でしょう?
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DROPARMYDROPARMY
DROPARMYDROPARMY
DROPARMYR
大阪のわっこさんのバンド「DROPARMY」の東京遠征ライブ。3月5日下北沢のライブハウスにての写真(1部、娘・Rのふしぎな踊りリサイタルの写真)

DROPARMYオフィシャルサイト
わっこさんのブログ
わっこさんから「来て下さい」とメッセージが来て、最近のわっこさんのブログにはメイド服を買い、それを着て秋葉原を闊歩している写真があったので、それに釣られた訳ではないが行って来た。ライブの後わっこさんとしばし談笑。

「メイド姿でライブやるかなと思ったんだけど。んなわけないよね」(思い切り釣られてる)

「何気にブログチェックしてたんですね」

「ギター弾くメイドなんて新しいじゃないか。ギターメイド。ギター侍みたいでイカス!」

「しません!」

テクノ漬けの僕でも楽しめる、人懐こいロック。DROPARMYのサイトでも視聴できるので聞いてみるといいと思う。

以下より本日の日記。

朝、いい年こいてドエロな夢を見た。盛りの付いた中学生か僕は。

娘・R(3才)と息子・タク(1才)もちょうど起きていたので、この子達はどんな夢を見るのだろうと思った。タクはまだ会話が出来ないので確認しようがないが、Rは寝ながらケラケラ笑っている時があるので、きっと僕のような穢れた夢でなく夢溢れる夢に違いない。

「Rちゃんはねんねしてる時に夢見るかい?」

「うん」

「夢の中でRちゃんは何してるのかな?」

「えっとねー、おどってるの」

「じゃあタクは?」

「わらってるの」

「あはは、そうか。お父さんは出てくるかな?」

「ぱぱはねー、つみきしてるの」

「積み木…」

多少気になるがまあよい。Rが踊り、タクが笑い、それを見ながら僕が積み木を組み立てる。なんとのどかで幸せそうな夢であろうか。春の日差しが注ぐ家の中で、こうして毎日暮らせたら文字通り夢のような生活である。

「あ、そうだ。ママを忘れてた。ママは何してるのかな?」

「ママはねー、おひめさまになってるの」

「なにー!何故ママだけ好待遇!」

「ほほほ、私はいつもRに言い聞かせているからね。ママは大きくなったらお姫様になるのって」

嫁が上機嫌に言う。嫁がお姫様となると、積み木を積んでいる僕だけ恐ろしくガキっぽい扱いを受けてる気がしてきた。僕ももっとカッコいい役になりたいー。

以後、夜、寝ているRの枕元で

「パパは王子様」

と3回唱えることにした。夢の中の嫁の待遇をやっかむ僕。ドリームをやっかむ。

略してドリカムである。

問題:夢じゃなくて金縛りになった時僕はどうしているでしょう?
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河口湖旅行日記の最後。

遊覧船に乗った後は歩いて駅まで。駅前にほうとうが美味い店があるのでそこに入った。

僕にはどうも腑に落ちないことがあった。やたらとギャルが多いのである。歩いている途中でもいくつものギャル集団とすれ違ったし、そしてこの店にも隣にギャル集団がガツガツとほうとうを食べている。

一体この河口湖の何がギャルを引寄せるというのか。それが分からなかった。もしここが日光であれば

「なるほど、これが日光ギャル軍団か」

と無理矢理納得できたのだけれどもここは河口湖。

「大学生の合宿じゃない?」

嫁がそう言うので、

「ああそういえば僕も来たことあったなあ…」

大学のサークルで来たことを思い出した。確か手漕ぎボートの競争をみんなでやったのだが、強風のため湖のくせにえらい荒波で全員岸に打ち上げられたんだっけ。ていうか何の合宿だったんだあれは。

嫁の「大学生の合宿説」は正解に最も近そうであったが、それでも男大学生がサッパリ見えないので納得できなかった。一体どんな謎が隠されているのか…僕はほうとうを食べながら隣のギャル軍団を横目に見ながら考えていた。彼女らのたわわな乳を僕が見逃すはずがなく、釘付けになったところで閃いた。

山梨県のほうとうは武田信玄が陣中に食したものがルーツだという。そのほうとうを食べる巨乳ギャル…さぞかし乳輪もでかかろう…謎は全て解けた。

すなわち乳輪火山である。巨乳なること山の如し。

腹も満ちて謎も解けサッパリして帰りの電車を待つ間、駅隣接のカフェでヒマを潰していた。ここには何故かネットに接続できるパソコンが4台あり、そしてここにもギャル集団がいた。

ギャル達はどんなサイトを見ているのだろうか、と覗き込んだところギャルに見つかってしまい非常に嫌な顔をされてしまった。普通に河口湖観光案内サイトを見ていたようだ。つまらん。mixiとか開いて

「今河口湖でぇす。ぅしろからォャジが覗いててきんもー☆」

などと書いてたら面白かったのに。

電車の時間になり、フジサン特急なるものに乗り、大月でJRの特急に乗り換え、新宿で母と別れ、約3時間かけて家に着いた。子供達はさすがに飽きて騒いだりもしたが、概ねまったりと座っていて良い子であった。


何が楽しいのか窓をペシペシ叩いて喜ぶ娘・R(3才)と息子・タク(1才)

富士山ビューの素晴らしい旅館の浴場とは比べ物にならない狭さとしょぼさの我が家の風呂に子供達と一緒に入り、

「Rちゃん、旅行で何が一番面白かった?」

と聞いてみた。富士山だろうか。遊覧船だろうか。それとも旅館の大浴場か。連れて行った父としては気になるところだったので聞いてみた。

そしてRの答えは

「えっとねー、ばす」

…旅館の送迎バス(乗車時間正味15分)であることが判明。この旅行は一体なんだったのだあああああ!

「遊覧船、お、おふねは楽しくなかったのかい?」

富士山や旅館のチョイスは嫁と母の好みであったが、遊覧船だけは子供達が楽しんでくれるだろうと思って乗ったのである。ところが

「Rちゃんねぇ、おふね、こわかったの…」

何かと慎重派のRにはまだ早かったようで…。

そんなRもいずれ女子大生になり、合宿に行くなどと言って再び河口湖を訪れることもあるかもしれない。父として心配することは、ボートで遊んで座礁しているような男に決して引っ掛からないで欲しいということである。

お前のママのように!

問題:電車を待っている間、嫁がいつの間にかちゃっかりやっていたことは何でしょう?
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河口湖旅行2日目。

前日の日記の通り1日めは子供達と一緒に爆睡してしまい、そのため5時ごろ起きてしまった。

旅館の女将が「朝は湖面に富士山が映って逆さ富士になります」と言っていたのを思い出し、外がだんだん明るくなって来たので

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく…」

枕を抱えながら枕草子を口ずさみつつ窓を開けてみたら

霧
一面霧でホントに真っ白だった。お、女将のウソツキ…と思ったものの、数時間後に霧が晴れ、逆さ富士もくっきりと見えた。昨日の日記では「さすがに飽きた」と書いたが、朝の綺麗な空気の中、青いボディにてっぺんに雪の冬化粧をほどこした富士山はやはり美しかった。

「んじゃま、朝風呂さつっぺってくっぺか」

「そうすんべ」

母と栃木弁で話し、僕は娘・R(3才)と、嫁と母は息子・タク(1才)を連れてそれぞれ浴場に向かった。エレベーターに乗り扉を閉めようとすると、ちょうどRぐらいの女の子を連れたママさんがやって来るのが見えたので、彼女らが乗るまで扉を開けて待っていた。

「あ、どうもありがとうございます」

「いえ」

この何気ないやりとりがその後の驚愕の出来事になろうとは、まだ僕は気付いていなかった。

旅館をチェックアウトした僕らは、送迎バスで河口湖遊覧船の乗り場で降ろしてもらった。湖上から富士山を眺めるのである。船上では危なっかしいので僕がRの手を繋いで客席から景色を眺め、嫁はタクを抱いて僕らがいるところより一段高い、外のデッキに移動していた。

遊覧船が出発してほんの1分後、目の前を黄色いタオルのようなものがヒラヒラと右から左に舞って行った。はて、どこかで見たような。くまのプーさんのイラストが描かれている…っておい。あれはタクがいつも手にしているハンドタオルではないか。

すぐさま斜め上のデッキを見たところ、

「た、タクがタオル投げちゃった…」

口をダッチワイフのようにまん丸に開けて絶句している嫁の姿があった。南極1号ならぬ河口湖1号、というネーミングが頭に浮かんですぐ消えた。嫁の腕の中では、最後の打者を三振に討ち取った後のピッチャーのように、誇らしげな投球フォームのままのタクが。ハンドタオルを追おうともう一度湖面に視線を移したが既にもう跡形もなく…。

タクはいつもハンドタオルを口元に当てていないと落ち着かないので外出時はいつも持たせているのだが、時々わざと落とすことがある。船の上でそれをやってくれるとは。

「タクー。お前はどうしてぶん投げるのだ」

「たおる」

自分で投げたくせに「タオルをくれ」と要求するタクに

「あなたが投げちゃったんでしょ!」

嫁は悲しいやら面白いやら複雑な表情をしていた。ア○ルに入れられた時の顔みたいだと思った。

「やっぱり富士山には雪があった方がいいね」

「んだべ」

湖面からの景色を母と眺め、改めて富士山は冬化粧をしていた方がよい、と話をしながらしみじみとジャパニーズワビサビの心に浸っていた。ところがその穏やかな心を掻き乱すものが現れた。

オッパイである。

いや、胸元がばっくり割れ、男を挑発するような姿のお姉さんである。お顔もこののんびりした観光地には似つかわしくない派手なお色気系美人。嫁や母に感付かれないようにチラチラ盗み見するのが大変だったのだが、そのお姉さんの脇にチョコンと小さな女の子がいることに気付いた。

旅館のエレベーターで一緒になった子ではないか。ということは、このお姉さんも同様にエレベーターで一緒になったママさんということになる。

「ええええええ?」

エレベーターの中の彼女は、「すっぴんだから眉毛ないのか」ぐらいはチラリと思ったが、それも既に殆ど忘却の彼方にあった。それ程印象がなかった。それなのに、あのママさんがこのお色気姉ちゃんなのか!化粧は恐ろしい。さすが「化ける」という字が付いているだけはある。すっかり視線は富士山よりこのお姉さんに釘付けになってしまいどうしてくれる。

今回の旅行で気が付いたこと…富士山と女性は冬化粧ですんごい変わる。

今回の旅行で生まれた疑問…何故うちの嫁は変わらんのだ。

問題:僕がちょっとそそられた山梨土産はなんでしょう?
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嫁子供と母と一緒に河口湖に行って来た。

河口湖といえば富士山なわけで、着いた時は既に夕方であったがその雄大な姿は旅館の窓からドカーンと見えていた。写真を撮ろうと思ったが窓越しからだとどうしても美しく撮れないので、僕は娘・R(3才)を誘って

「お父さんと旅館の玄関まで出て撮りに行こう。ぴーすってするんだよ」

と連れて行こうとしたところ

「あなた、窓開くよ。なにボケてんの」

嫁に冷静な突っ込みを入れられたので、惨めに窓をカロカロと開けて撮った。

富士山
ふっじっさーん!

富士山
ふっじっさーん!

ピエール瀧
高いぞ偉いぞふっじっさーん!

しばらく撮っていたのだが

「…さすがに飽きた」

と言ったら母はいやそれは違うと感慨深げに話した。

「いやー飽きないよ。切り取ってもって行きたいぐらいだねえ…それにね、さっき旅館に来る時お母さんが中学校の修学旅行で泊まったホテルがまだあったんだよ!」

「そんな昔は富士山まだなかったんじゃないの」

などと戯言を交わしていたところ、Rがしょんぼりしていたので

「どうしたの?Rちゃん」

と聞いてみたら

「ぱぱとぴーすってするの…」

泣きそうな顔でポツリと言った。先ほどの僕の誘いをじっと待っていたことが判明。

「ああああゴメンね!写真撮りたかったんだね!」

慌ててロビーまで連れて行ってぴーす。Rはわがままを言わない良い子なのだが、僕などに言われて楽しみにしていることは自分から言わずにじっと耐えるいじらしい子である。そのため忘れてしまった時の罪悪感といったらない。

その後のRと息子・タク(1才)は、先週嫁が連れて行った嫁一族の旅行では、嫁がずっとアンパンマンのテーマとバイキンマンのテーマを歌わされ、ふたりはエンドレスで踊り狂っていたということを聞いていたが、今回もタクが

「みんまん(バイキンマンのこと)」

指差して僕に「歌え」と何十回も要求してきたので

「おーれは素敵なバイキンマン…」

一体どれだけ歌ったことか。

Rとタク
ジャイアンリサイタル状態のRとタク。

この旅館は泊まるのが2度目であった。ちょうど嫁がタクを身篭っていた頃に来たことがある。その時の仲居さんがとても可愛い女の子だったので、

「今日もあの子だったらいいな。まだいるかな」

非常に楽しみにしていたところ、部屋にやって来たのは

「本日担当させていただきます○○でございます…」

青白い顔色の兄ちゃんであった。もうあの子はいないのだろうか。あれだけ可愛いのだからとっとと寿退社しているのかもしれない。職場でとっとと彼氏見つけて勤務の合間を縫って布団部屋とかで

「あなたの富士山を私の河口湖にぶちこんでー」

とかしっぽりやってしまっていたのかもしれない。残念である。

楽しみにしていたことはもうひとつあって、それは

「子供達が寝たら旅館のバーで飲まないか」

嫁とふたりだけで久しぶりにちょっと飲みたいということ。子供が産まれてからは居酒屋などにふたりだけで出かける、なんてことは出来なくなったので今日はちょっと母に留守番を頼んで行こうと話した。嫁はいいよーと言ったのだが…。

…子供達を寝かせていたら僕まで朝まで寝てしまった。

「どうせそうなると思ったよ」

「僕も6割がたこうなると思ってたんだけどね…」

嫁とふたりで店で飲むことが出来るチャンスなどもう滅多にない。我が身のアホらしさを呪いじっと泣くのであった。

富士山麓オヤジ泣く。

問題:旅行前日、テレビ見てたらびっくりしたことは何でしょう?
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露骨に書くとアレなので、その、なんだ、僕のおしべと嫁のめしべをくっつけようと欲したので

「まま、まま、んふんふんふ」

息子・タク(1才)が甘えるマネをすることにより嫁の母性本能をくすぐって僕の種まき本能を充足させん、と嫁の体にすがった。

「可愛くない。タクはあんなに可愛いのに。あなたと顔は似てるのに、あなたはどうしてこうも可愛くないのだろう」

全く効果がなかったように見えたが

「んふんふんふんふ」

引き続き1才児の気持ちになってすりすりしたところ(そもそも1才児は夜這いしない)

「あーもううざい!やるんだったら後でジュース買ってきて!」

お情けで受け入れられたのでまんざら悪い作戦ではなかったのかもしれない。三十路男としての威厳やらダンディズムやらは全くないが、名を捨て実を取る、いわば名を捨て乳を取る作戦である。

筆舌に尽くしがたい猥褻な契りの後、僕は約束どおりジュースを買いに行った。契りの後のけだるさは運動会の終わりのそれに似ている。頭の中でかすかし残響音がウワーンと回り、だるいのだけれども不快ではない。

夜の運動会の種目は玉入れじゃなくて竿入れだなウヒャヒャヒャ、と不審尋問されても申し訳ございませんとしか言えない淫らな笑いを浮かべて歩いていた。

嫁の所望は炭酸系。最寄の自販機にはコカコーラやペプシコーラや亀の甲羅といったメジャー系の飲み物はない。あまり見たこともないような品揃えしかなく、適当に炭酸系のものを選んで買った。

「こんなもんでいかがでしょうか」

「ふーん…初めて見るけど…

愛のスコール
あっ!『愛のスコール』って書いてある!なにこの恥ずかしいコピー」

「ふふふ、愛のスコールならさっき僕がたっぷりとお前の中に」

「しかも『乳性炭酸飲料』だって!色が白い!」

「おお、まさにそれだな」

「それだね!」

たわけた会話をポンポンしていたのであるが、同じノリで相手の言わんとしていることが分かる心の繋がり、体の繋がり以上に大切ななのかもしれない。単なるバカ夫婦かもしれんが。

ちなみに僕は何を飲んだかというと、

もちろんらぶじゅーすである。

問題:自販機まで歩いている時に最大にむかついたことは何でしょう?
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仕事が休みだったとある土曜日、、

「おとうさん、きょうはかいしゃいかないの?」

いつまでも家にいる僕に娘・R(3才)が聞いて来たことがあった。

「お休みだから行かないよ。今日は遊ぼう」

と答えると嬉しそうな笑顔が返って来た。ふふふ、可愛い奴め…と思う暇もなく、待ってましたとばかりにRが馬乗りになり、

「おうまさん、やって」

僕はヒイヒイ酷使されたのであるが。

そして日曜日も休みだと

「おとうさん、きょうもかいしゃいかないの?」

またRが聞いて来たので「ああ、今日もお休みだよ」と答えるとまた馬乗りになって

「おうまさん」

僕は2日連続出走の競走馬になりハルウララ。

それからというものRは、何曜日であろうとほぼ毎日必ず

「おとうさん、きょうもかいしゃいかないの?」

と聞いてくるようになった。

「いや、昨日も一昨日も行ったし、今日も行くんだよ」

何故行かないことを前提に聞いてくるのだ。

「Rちゃん、今日『も』じゃなくて、今日『は』と言って下さい。お父さんは会社に行く日の方が多いんだよ」

よそさまが聞いたらリストラされたように受け取られてしまうではないか…と3才児に対して重箱の隅を突付くようなことであるが、Rにテニヲハの使い方を指示してしまった。

するとRの瞳が少しウルっとなった。

「あ、きつく言い過ぎたかな…」

つまらんことを言ってしまったと思ったが、Rは僕が会社に行かない前提で話して来る理由をボソッと吐いた。Rの本心は

「だって、おとうさん、かいしゃいってほしくないの…」

このことであった。ぶわわっ。僕の瞳こそ滂沱。Rの純粋な気持ちと、Rの瞳からこぼれ落ちそうな透明な涙と…。

「ごめんようRちゃん。お父さんは君の気持ちも分からないで…」

出来ることならリストラ食らってでもRの気持ちに答えてやりたい。職を無くしてでもRの純粋で透明な僕への願いを叶えてやりたい。宝くじ8億円ぐらい当たればの話だが…。

これを無職透明といいます。

問題:息子・タク(1才)はどうやって僕を見送ってくれるでしょう?
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嫁と子供達の旅行の様子をデジカメで見せてもらった。

いきなり絶叫ヅラの娘・R(3才)と息子・タク(1才)がモニタに映った。動画である。

「あんぱんまんは、きみっさー!ちーかーらーのかぎっりー!」

嫁一族全ての人間をオーディエンスとして侍らせ、下手糞なパンクバンドのライブのようなノリで歌う叫ぶ踊るR。

「……さー!……りー!」

タクも不完全ながら、Rの歌に合わせて語尾だけ捉えて叫んでいた。「ほう…」と感心してしまったのはRもタクも踊りが良く出来ていたこと。この曲はアンパンマンの歌なのだが、決まった振り付けがあるのである。何べんも見せていたとはいえ、タクまでもがここまで覚えているとは思わなかった。

子供の吸収する力は凄い。素晴らしい吸収力。多い日も安心。

「この歌と踊りをね、私達は何十回も見させられました」

嫁が苦笑いするが、いいではないか。皆楽しそうで賑やかで。その頃の僕はひとり家にいた。やたらと威圧感がある雛人形達に対し、ひとりぼっちで圧倒的マイノリティになった生身の人間サイドの僕は、彼らの視線に怯えながら留守番していたのである。もはや雛人形はトラウマ。

エンドレスリサイタルの記録の他には、

「どっこいどどんちょ日本海」

とでもタイトルが付けられそうな、青い海をバックにしたタクの凛々しい演歌CDジャケット風画像、お花畑で戯れる花の妖精と化したRのメルヘンな画像、などなど…同時期の僕は雛人形に睨まれて脂汗を流していたというのに、なんて素敵なジャパネスク。

そんな嫁と子供達のメモリアル画像をうっとりしながら眺め、さて次の画像は…と切り替えた時、

「うぎゃああああ!」

思わず悲鳴を上げてしまった。

増殖雛人形
「ひ、雛人形が、雛人形が、こんなにいっぱい…」

もう雛人形はこりごりだと恐怖が染み付いていた時にこの大雛人形集団である。腰が抜けそうになった。

「ああそれはね。雛人形が何千体も集まるイベントなんだっていうから行ったの」

「か、数揃えりゃいいってもんじゃないだろう…何千体って…どんな乱交雛祭りだよ」

増殖
Y.M.O.の「増殖」かと思った。

「それとRと同じぐらいの大きさの雛人形もあってね。世界一大きいんだって」

「誰も競いたくねーよー」

雛人形へのトラウマを決定的にしてしまった千葉の地の名も知らぬイベント。その趣旨は僕なぞには分かりようがないが、おそらくこう言いたかったに違いない。

人形は数が命です。

問題:今回の旅行の後、嫁が異常に欲しがり出した物は何でしょう?
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