2007年03月31日
愛するあなたが、送る言葉
「パパー、いっしょにパズルやってー」
などとすがり付く娘・R(3才)や
「うっきゃー!」
ジグソーパズルのピースを持って「はめろ」と迫るタクを
「ふふ…僕は女体にしかハメないのさ」
と振り切って名残惜しくも出勤するエブリデイモーニング。嫁がまた出来た人で、僕が玄関を出た後に部屋の窓をガラリと開けてくれるので、そこからRとタクが手を振って見送るのである。僕も応えて手を振って歩く。
タクはまだ「うぁいうぁい(バイバイ)」しか言えないが、Rは
「いってらっしゃーい」
「がんばってねー」
新婚の若奥様ばりの熱いメッセージを投げかけてくれる。
「はーい。がんばるよー。ばいばーい」
歩きながら子供達の姿が視界から消えて行く。
「ぱぱー、がんばってねー」
見えなくなってもまだ声が聞こえ、後ろ髪引かれるセンチメンタル通勤。
「ぱぱ!がんばってね!」
Rの声がだんだんでかくなり、遠ざかっているにも拘わらず余裕で響いてくる。熱心に見送ってくれる子供たちよ、父は猛烈に働くぞ…と目頭がジュンと濡れて(官能小説風表現)しまったが
「ぱぱ!がんばってねってば!」
もう怒鳴り声になっていたので、どうやら「返事しろ」ということらしい。慌てて引っ返して
「はーい。がんばるよー。いってきまーす」
もう一度Rとタクに手を振ると、Rはやっと来たか、という憮然とした顔で僕を窓から見下ろし
「きょーつけてねー(気をつけてねー)」
そしてまた声をかけてくる。
「はーい。気をつけるよー。あのね、Rちゃん」
「なーにー」
「お父さん、遅刻しちゃうんだけど…」
玄関から先に進むことが出来ない無限ループに陥ってしまった。道路はわりと通行人が多いので、そんな様子を世間様に晒しているわけで些か恥ずかしい。
「近所の人達にも聞こえちゃってるんだろうなあ…」
夜、家に帰って来てから嫁に言うと
「全ての家が窓全開に開けてる訳でなし、聞こえてないと思うよ」
わりとどうでもいい様子。いや、ウチの窓を閉めてても酔っ払いの声とか結構聞こえるのだが…。
どうせ聞かれる&見られるのだったら、いっそのこと僕好みの見送りをしてもらうようにRを仕込むか、と考えた。
「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
と見送るメイド喫茶風はどうだろうか。それとも
「またのお越しをお待ちしております。お気を付けて」
清楚かつ深々と頭を下げる旅館の美人若女将風もよいな。うむ、これがいい。
これを「送り女将」といいます。
問題:出掛ける直前にRが持ってきてくれる物は何でしょう?
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