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明日は明日の風邪をひく、なんてことを書いていたら本当に風邪引いてしまった。

娘・R(4才)がまず吐き気と鼻水がひどくなったのを皮切りに、息子・タク(2才)、嫁、僕、がほぼ同時にダウン。

僕は一昨日の朝、会社に着いてから吐き気と下痢と鼻水でマルチウェイ噴出。この時僕はマーライオンを超えた。

「会社に着くなり具合が悪くなるなんて、これは風邪じゃなくて『会社行きたくない病』ではないだろうか」

根性が足らんからじゃ、と無理矢理仕事をしていたが

「いずれにせよこのままでは死ぬる」

いよいよ三途の川が見えてきたので早退。病院に行って熱を測ったら39度もあった。どうりで頭がぼーっとして寒気がして体の節々が痛いと思った。

医者は終始マクダーナル(欧米風発音)ばりの0円スマイルで問診してくれ、とてもフレンドリーな雰囲気であった。但しそのスマイルとねっとりトーキングとハゲ進行中ヘアと口ひげと湿った瞳のハーモニーがどう考えてもゲイなのでちょっと怖かった。彼は僕の話を聞きながら

「うーん。こりゃキツいねー。辛いわー」

と同情の声を上げてくれるのだが、医者にキツイ辛い言われると余計病魔が重く圧し掛かってくる。かといって

「大丈夫大丈夫。今夜が山だね」

とサラッと言われても困るし。

下痢止め、吐き気止め、間接の痛み止め薬をドッサリくれた薬局(これは体言止め)。家に帰ると夕方には家族全員食欲なし。食べ物の匂いを嗅いだだけで吐き気がする。おめでたか。夜には全員ぐったり八兵衛で

「みんな、もう寝よう…」

7時には寝てしまった。

現在の状況。

R  :嘔吐、鼻水
タク:下痢、鼻水
嫁 :下痢、発熱
僕 :嘔吐、下痢、発熱、鼻水

いえーい僕グランドスラム。明日の朝は嫁を医者に行かせるために会社を半休した方がよいかもしれない。

それにしてもRが発端でここまで全滅するとは。もう1日以上食べ物を口に入れていないのでせめて…と買って来たチョコレートを食べてみたがこれもすぐ吐き気が…。

風邪と共に吐きぬ。

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思いっきり風邪を引いたので今日はお休みします。

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仕事中、嫁から来るメールはドキドキする。

「スキ」

とか

「今夜抱いて」

というメールが来るからではない。むしろそういう桃色メールは絶対来ない。

僕が家に帰った時まで待てない用件をメールするわけであるから、それなりにイレギュラーなハプニングを含むことが多い。嫌な予感でドキドキするのである。

そんな不安と共に今日開けたメールには

「R(4才の娘)、幼稚園を休ませました」

食べ物を吐いてしまって医者に連れて行ったところ「おなかの風邪のひきはじめ」と言われたという。ノロではないらしいが、かわいそうなことをしてしまった。

3連休の間、栃木に連れて行ったのが原因であろう。長旅で疲れていても、いつもと違うところだからはしゃいでしまって歯止めが効かなかった。そして栃木の寒い夜。

そういえば朝、Rと息子・タク(2才)は鼻を垂らしており

「ありゃー。やっぱり風邪引いちゃったなー」

と気付いたのだが、鼻風邪程度で済んだかと安心してしまったのである。Rは何度も吐いて食欲が全くないのだという。

心配して出来るだけ早く会社から帰って来ると既に家は暗く、嫁と子供達は布団に入っていた。タクは寝ていたがRはまだ起きていたので

「Rちゃん、かわいそうに。パパと寝るかい?」

と声を掛けるとRはコクリと頷いた。いつもなら僕が帰って来ただけでおおはしゃぎなのに弱っているのが分かる。添い寝をしてやると程無くRは眠りに落ちていった。

「明日も休ませるだろう?」

「うん。全然食べてないし」

嫁とヒソヒソ話し合う。これだけ早い時間に帰って来たので、まぐわいのタイミングとしては絶好のチャンスである。しかしいくらエロティックアニモー、すなわち淫獣の僕でもRのグッタリさを見てとてもそんな気にはなれなかった。子供の体調不具合によりまぐわい中止。なんつって。

一旦寝室を離れて時間を置いて、タクの体調も心配だったので再び寝室に入りタクの寝顔をそっと覗いてみると、なんとタクの目がパチクリと開いて

「たっくん、ままとねてるの!」

ひとこと叫んだ後、またスヤスヤと眠ってしまった。寝ている時も気配を感じ取っているのか!江田島平八かお前は。

Rが吐いてしまった時、タクはいつもライナスよろしく肌身離さず持っているタオルで拭いてあげたのだという。愛用のタオルが汚れることも厭わず…というか、汚れることまで頭が回ってなかったようで、拭いた後

「たおるが!たおるが!」

とパニクっていたのだそうだ。この子は本当に面白い。

Rやタクだけではなく、実は僕も風邪の予感と悪寒がするのである。喉が熱くて痛い。明日あたりやばいかもしれない。僕もRと共倒れしてしまうのだろうか。いや、Rだけは早く良くなって欲しいものである。僕はどうでもいいから…

明日は明日の風邪をひく。

問題:Rの添い寝をしている時、ちょっぴり残念だったことは何でしょう?

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ブログ移転記念?バーチャルネットストーカー・ヨシミ22歳(a.k.aよっきゅん)によるストーキング(11/25付)

僕が電話に出る時の無愛想さはデフォルトです。

※お知らせおわり。以下日記↓※

栃木に帰省中の日曜日のこと。

娘・R(4才)と息子・タク(2才)を遊ばせに地元の運動公園に行くと、おりしも産業祭なるイベントが絶賛開催中で屋台や芸人のショーなどで賑わっておった。

「あっ!気球がある!」

一番大きな運動場には気球が待機しておりフライトが出来るという。勿論風船おじさんよろしく気球に乗ったまま天上界をさ迷う、という無鉄砲フライトではなく、命綱が付いていてほんの10メートルほど上昇して降りてくるというもの。

「すごいねえ。みんな乗ってみない?」

母がはしゃいで僕らを誘った。

「どうだ。乗ってみるかい?」

Rとタクが乗り気なら…と思ったらふたりとも

「やだ」

「のりたくない」

絵本やテレビで気球を見た時は「ききゅうのりたいなー」と言っていたふたりも、体験フライトとはいえ実物を見てそのでかさと高さにびびったのであろう。強いて乗せたとしても激しく噴き出すバーナーに恐れをなすに違いない。

「そんなわけでやめよう」

と母に伝えて人が賑わう屋台へ。すぐさま幸か不幸かRもタクも大好きなわたあめの屋台にぶち当たってしまった。しかもわたあめを入れる袋にはプリキュアの絵。わたあめ+プリキュアのウチの子供達大好きツープラトン攻撃でRもタクも屋台からテコでも動かない。これも運命であるとひとつずつ買ってやったところ

「まるまるひとつずつなんて食べさせ過ぎ!」

嫁に怒られてしまったので、ひとつは僕が食べる羽目になってしまった。ひとつだけだったらケンカになるじゃんかよう…と思っても嫁には口では勝てないので仕方なくわたあめ舐め舐めぶらついていると、地元ワインの試飲会があり、ミス○○(地元の地名)なるギャルが「いかがですか」と試飲を勧めていた。

地元のギャルだろうか。だとしたら僕の後輩である可能性は50%。うちの町は中学が2つしかないのである。僕が通りかかればグラスを勧めてくるはずなので、その時は

「君、地元?中学どこ?え、南中?えーまじでまじでオナ中じゃん。僕三十路過ぎてもオナ中。あ、ワインくれんの?君の瞳に乾杯。胸にあるのはおっぱい」

アーバンかつソフィスティケイテッドな会話に持ち込もうと即座に謀略を組み立てたのだが、僕だけ全然貰えなかった。いい年こいてわたあめ舐めてる心は子供で体はオヤジ、という触らぬ神に祟りなしキャラだと断定されたのではないだろうか。嫁の余計な一言のせいでギャルを釣り損ねたわ。どうせそのワインはおっぱい、いや、酸っぱいワインだ!

腹いせに味付け卵3個100円也を買って来たが、ひとりで喰らうのもコレステロールがトリコロールなので

「食べる?」

と嫁に勧めたところ、いらないと断られた。嫁は後にこの時のことをこう語っている。

「卵をゴロゴロ持って来て、あなたが卵を丸呑みせんばかりの大蛇に見えた」

どうやら殺気を敏感に読み取っていたようだ。

そろそろRとタクを公園で遊ばせるかと来た道を戻って来ると、まだ気球が上がっていた。

「どう?乗ってみないけ?」

先程断ったはずなのにまだ母が聞いてくる。

「さっきRとタクが怖がってるから乗らないって言ったでしょーが!」

と母を諌め、それから僕は嫁と

「実は母さんが一番乗りたいんだよきっと」

「あなた一緒に乗ってくれば?」

「えー。母さんだけで重量オーバーなんじゃないの」

「そんなこと嫁として頷くわけにはいかない!」

ヒソヒソと小声で言い合った。

乗りもしない気球でここまで熱く語る。

これを気球温暖化現象といいます。

問題:「クアッドコア最新パソコン体験」なる屋台があったが、いじった僕の感想はどんなんだったでしょう?

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父の墓参りに行く。

お墓がある寺に着くと境内は礼服を着た人達で溢れていた。駐車場にも「○○グランドホテル」と書かれたでかいバス2台と自家用車が何台も。

「すごい法事だね。こんなにたくさん集まるなんでどんな一族なんだ」

と話していたら

「あ、お嫁さんがいる!」

嫁が言う方向を見ると確かに白無垢姿の花嫁さんがお坊さん達に取り囲まれているという一風珍しい光景があった。

「あ、そうだ。ここのお嫁さんだよ。婿取りしたんだよこの寺」

と母が言った。なるほど仏前結婚式か。派手な袈裟を着ているお坊さん達は新郎&坊主フレンズなのだろうか。珍しいものを見た。

賑わっている境内を横目に見ながら僕らは裏手の墓地へ。

「さ、君達もおじいちゃんに挨拶しなさい」

娘・R(4才)と息子・タク(2才)に手を合わせるように言うと、ふたりは揃ってニヤリと笑い

「おしりかじり虫に会わせてください!」

墓前に深々と頭を下げた。

おしりかじり虫おしりかじり虫
おしりかじり虫~♪

昨日の日記と同じではないか。しかも昨日はタクだけだったのに、いつの間にかRも口裏合わせて…。Rとタクは隣のお墓にも

「おしりかじり虫に会わせてください!」

とお辞儀し、このままでは向こう三軒両隣の墓まで行きそうな勢いだったので慌てて止めた。こんな孫達の姿を見て父はどう思っているだろうか。素直に喜んでくれているだろうか。それとも「俺の血だ」と苦笑いしているであろうか。

墓参りを終え、境内まで戻って来ると先程の仏前結婚式の一団の姿は既になかった。

「あれ、もういなくなっちゃった」

「ホテルで披露宴やるんじゃないの」

お坊さん達の披露宴ってどういうことをするのだろう…と

「坊さん有志一同で『僕らで般若心経読みまーす』とかやるのかね」

と言ったら

「なんで合コンのノリなのよ」

嫁にバカにされた。子供達はおしりかじり虫に夢中だが、ひょっとしててんとう虫のサンバやるかもしれないじゃないか。

あなたとわたしが涅槃の国。森の小さなテンプルで結婚式をあげました。
照れてるあなたに坊主達が 読経せよと囃したて、そっとあなたはくれました。
青 黒 紫の 袈裟をつけた、真言坊主がしゃしゃり出て
マントラに合わせて踊りだす

花嫁さんとお坊さんと礼服の一団がいなくなった寺の境内はすっかり静寂を取り戻していた。

お寺だけに、がらん堂。なんつって。

問題:僕が父の墓前に必ず供えていくものは何でしょう?

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栃木の実家には僕の父の仏壇がある。

我が家は真言宗なので仏壇の真ん中には智拳印を結んだ大日如来の木像がおわします。供えられたリンゴを下げて子供達に

「リンゴ空海?」

なんつって。

父は僕が結婚する前に亡くなってしまったので孫にあたる子供達、娘・R(4才)と息子・タク(2才)の顔も知らぬ。

「でもいつも君達のコトを見守ってくれてるはずだよ。さあ手を合わせてあげてね」

母が線香を上げながらチーンとおりんを鳴らす。僕は父の写真を見せながらRとタクに説明した。

「この人はパパのパパだよ。分かるかなあ?」

「RちゃんのRちゃん?」

「たっくんのたっくん?」

ふたりとも、わっかんねえだろうなあ。

「じゃ、のんのんしようか」

僕らも続いて線香に火を灯そうとすると、Rは神妙にお行儀良く手を合わせた。ちょっと仏壇を「怖い」と思うようになって来ているお年頃。一方怖いもの知らずのタクは、

「たっくんも『ちーん』する!」

ファイト一発、おりんをちーん。そして深々と頭を下げ、

「おしりかじりむしにあわせてください」

おしりかじり虫おしりかじり虫
おしりかじり虫~♪

「なんでそんな願いごとを!」

「たっくんおしりかじりむしすきなの!」

仏壇は神社じゃないんだけどなあ…。父さん、うちの血は相変わらずこんなんです。

そんな願を掛けられた父こそ、お手々の皺と皺を合わせてしわよせである。

問題:ここ数日母がしきりに呟いていることはなんでしょう?

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母の「孫の顔を見たい」アピールが日に日に増してきたため栃木の実家に帰っておる。

母から画像動きまくりハートマーク飛びまくりのデコメールで

「早く帰っておいで(はあと)」

と送られた時には相当効いた。ド派手な大屋政子(故人)に「抱いて」と迫られた感じである。若い女の子から送られてくるのならともかく、60を過ぎた母からのキラキラメールはかなりきもい。

この田舎で、何してあそぶべかと嫁と話していた娘・R(4才)が

「パパ、Rちゃんねえ、おんせんに行きたいの」

と言い出したのでなんてこの子は年寄り臭いのだろうと思ったが、要はこういうことだった。

Rちゃんはプールで泳ぎたい。

でも今は冬。温水プールなんてしゃれたもんはない。

じゃあ大きいお風呂でもいい。

温泉

という流れ。とはいえ同じ栃木といっても鬼怒川温泉や那須塩原温泉などは実家からかなり遠い。

「じゃあスーパー銭湯とかないかしら」

と嫁は言う。僕はスーパー銭湯などは殆ど行ったことはなく、疎い。スーパーといえばスーパーマルエツかスーパーひとし君ぐらいの認識しかない。そこでたらちねの母に聞いてみたところ

「あるよ」

とのことだったので行くことにした。そこはお風呂の他にレストランやマッサージ・床屋・アカスリ等付帯施設がゴテゴテ併設され、金を落とさせる気満々の一大アミューズメントスーパー銭湯。その思惑通り駐車場もフル稼働で大変賑わっていた。

僕は息子・タク(2才)と共に男湯へ。

「ママとおばあちゃんとRちゃんはァ?」

「女の子のお風呂だよ。パパとたっくんは男の子だからこっち」

見知らぬ場所だとわりとびびってしまうタクだから心配していたのだけれども、場所見知りすることはなくはしゃぎまくり。最初から最後までしゃべりまくっていた。お風呂の中でも叫んでいて

「あんぱんまーん!」

「いや来ないから!」

広い浴場を走ろうとするタクを止めるだけでなく話のツッコミ役としても一苦労であった。浴場にはさまざまなお風呂があり、

「お、ドクダミ風呂だって。入ってみよう」

ワインレッド色のお湯の中に浸かった途端、タクが大声で

「たっくんおしっこしちゃったー」

ドクダミ風呂内にいた全ての人の視線が集まった。

「す、すいません」

この毒息子が!熱いお風呂なのに冷や汗をかくとは思わなかった。いい加減潮時か…と浴場を出、脱衣所でタクに服を着せてから僕もいそいそと服に袖を通していると、

「たっくん、ぬいじゃったー」

せっかく着させた上着を勝手に脱いで肩を露にさせて色っぽくお嬢さん座りしていたので

「お前はグラビアアイドルか!」

と叱ったところ隣にいたおじさんがちんちんをゆらゆらさせながら笑っていた。こうして初のスーパー銭湯体験は子供達にも大変楽しんでもらえたようであった。

僕と嫁との夜のスーパー戦闘は都合により中止となりました。

問題:男湯から出てきた時Rに怒られたことはなんでしょう?

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会社から帰って来て服を脱ごうとしたら

「あ、着替える前にココア買って来て」

と言う嫁。

「じゃあやらせろー」

「他にやることいっぱいあるのよ!」

けんもほろろに断られ涙ぽろぽろ買いに行かされた11月22日の夜。世間では「いい夫婦の日」であるそうな。ウチはどうでもいい夫婦って感じである。こんな毒にも薬にもならない日を設けるより22月88日を「夫婦でハアハアの日」として設定して欲しい。

さて視点を変えてわが子、娘・R(4才)と息子・タク(2才)。

家の中ではよくかくれんぼとだるまさんがころんだをやりたがる。かくれんぼについては最近ようやくルールが分かって来た。それまでは鬼と隠れる役の区別が付かず、

「パパとタクが隠れるからRちゃんが探してね」

と決めたところでRも隠れてしまい、全員が隠れてじーっと待つというマヌケな状態で膠着したり、

「パパが探すからふたりとも隠れてね」

役を逆にしても僕が「いーち、にー」と数えている時に出て来て

「みーつけた!」

みつけたじゃないわい最初からここにいるわいと何度となく教えたものである。

今日ふたりがやりたがったのはだるまさんがころんだである。これのルールの理解がまた全然ダメで、Rとタクは、鬼が「だるまさんがころんだ!」と振り向いた時に何か一発ギャグをやる遊び、という解釈をしている。それはそれで楽しいようなのでまあいいか、と僕も教える気力を失くしてしまっている。

「じゃあパパが鬼やるからね。だーるーまーさーんーがーころんだ!」

と振り向くと

Rとタク
「あっかんべー」「ぎゃははは!」

もう一度壁を向いて

「だーるーまーさーんーがーころんだ!」

と振り向くと

Rとタク
「でもそんなの関係ねえ!」「おっぱっぴー!」

ダメだこの人たち。このふたりには僕のバカ遺伝子が余すことなく注ぎ込まれているのだということを改めて思い知らされた。なんかもうこれで終わりにしようかなあと、程よくどうでもいい感じになって来たので

「ぼーうーさーんーがーへーをーこーいーた!」

と文言を替えてみたところ、背中に何か固い物で突かれた痛みが走った。振り返ると

Rとタク
「だめよ!」

鉄砲玉のチンピラのように睨みを利かせたRがおもちゃのナイフを持って仁王立ちしていた。鬼は僕なのに、Rがいつの間にかマーダーすなわち殺人鬼に。父を背後から襲うマーダープリンセス。どうやら文言を勝手に変えたことに怒りを覚えたらしい。

「あのねRちゃん、坊さんが屁をこいた、とは、だるまさんがころんだ、のもうひとつの数え方であって…ぎゃあああ!!」

またナイフで袈裟掛けに斬られた。気の短い暴れん坊将軍か。

「ねえパパ、こんどはかくれんぼしよ~」

「分かったからそのナイフ、ないないしなさいね」

もういいかい、マーダーだよ。

問題:Rが得意とする隠れ場所はどこでしょう?

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「今日はパパが幼稚園に送って行ってやろうか」

「うん」

いつもより遅い出勤の日だったので娘・R(4才)を幼稚園に送ってやることにした。

「じゃあ行くよ、R」

家を出ようとすると息子・タク(2才)が

「たっくんも、いく!」

オラも連れてけと食い下がってきたのでそうすることに。いつも嫁が送って行く時はタクだけ家に残すわけには行かないので子供ふたりとも連れて行っているので、タクとしては当然の要求である。

幼稚園の門に着くと

「ほら、走って行けー」

ふたりを解き放とうとしたのだが、タクは

「やーだ。やーだ」

と僕のダッコから離れようとしない。幼稚園に送って行く時はタクははしゃぎまくりだ、と嫁から聞いていたのに。一方Rはトコトコと歩いてお出迎えの先生のもとに。

「先生おはようございます」

「あら今日はお父さんですか。たっくん、パパにダッコなの?いつもはもっとはしゃいでるのに」

先生もそう言っていたのでいつもとは違う様子。

「あらたっくん、今日はおとなしいのね」

同じく送りに来たRのクラスメイト・モナちゃんのママも同じことを言う。いつもと違うからテンションが低いのだろうか、と思いつつRを先生に託しタクと家に帰った。そして僕は会社へ。

家に帰って来てから嫁が言うことによると、

「Rが幼稚園で熱出ちゃったらしいよ」

とのこと。

「え、風邪引いた?」

「じゃなくて、授業中に『ママに会いたい~』って泣いちゃったんだって。先生がよしよしってしようとしたらおでこが熱いから測ってみたら7度1分あったって」

「それは今日僕が送ってったからかしらん」

「その後は給食もペロッと食べて午後も元気だったから特に平気だったら家に連絡はしませんでした、って先生が言ってたけど」

「ママ恋し病になっちゃったのか」

「今日はパパさんだったからいつもと勝手が違ったのかもしれませんねーって言ってた」

「あああああ」

「モナちゃんママも、タクも今日変だったし、いつもと違うことはするもんじゃないわねーって言ってた」

「…それって僕が余計なことしちゃったってこと?」

なんだか嫁と先生とモナちゃんママの間で、僕が余計なことをした出しゃばりオヤジみたいな評価になっているような。

せっかく少しでも嫁の朝の忙しさを軽減しようと、また、子供達と束の間の登園デートを楽しもうと思ったのに。

朝の送り狼となってしまった。

問題:幼稚園に送ったのは何回目かだが、いつも思うことは何でしょう?

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不思議な不思議な池袋。東が西武で西東武。
高くそびえるサンシャイン。ビーックビックビックビックカメラ。

日曜日、一家4人で池袋駅内を歩いていた。池袋に来るたびに頭の中に浮かぶのは冒頭のビックカメラの歌である。この歌は関東ローカルなのだろうか。ならば僕が全国版の歌を作ろう。

不思議な不思議な玉袋。左の睾丸右睾丸。
高くそびえるおちむちむ。ディーックディックディックどマラ。

娘・R(4才)と息子・タク(2才)がいる前じゃとても歌えない。

そのRが歩きながら僕に聞いてきた。

「パパ、どんなケーキがたべたい?」

ケーキか。たまーにデパ地下などでお土産に買うのだが、買うスパンが長いだけに買う度に値段が高くなっているという気がしてならない。子供の頃時々買ってもらったイチゴショートが170円だったのは鮮明に覚えているが、今では平気で475円とかする。

先程通り過ぎた池袋駅構内の立ち食い蕎麦は、天ぷらそばが400円であった。どうせ食べるならこちらの方が遥かに良いと思ってしまう。誕生日にケーキを喜んで食うには僕はオヤジになり過ぎたようだ。スイーツ(笑)。1年間頑張った自分へのご褒美(笑)。ちょいワルオヤジ(笑)。

「うーん。パパはいいや」

と言うとRはしょんぼりして嫁に「いらないって」と報告していた。それを受けた嫁が

「今日パパの誕生日のお祝いをしようと思ったの。ケーキ買って。Rも食べられるから楽しみにしてたのに」

と説明した。本当の誕生日は20日なのだが、仕事なので日曜日にお祝いしよう、と。なるほどそういうことか。

「じゃあ君達好きなの買えばいいよ」

そういうわけでケーキを探しに池袋西武のデパ地下へ。スイーツセンター(笑)なるものが出来ていた。ここでRが目を輝かせてケーキを選び、家に帰ってRもタクもものすごい勢いで食べてしまった。一応ハッピーバースデーの歌を歌ってくれたが、お祝いはそれだけで終わりであった。

誕生日当日の朝、

「パパ、きょう、はっぴーばーすでーなのォ?」

タクがそう言ってくれて

「よくぞ覚えててくれた!」

と感動したが、別にそれ以外は全くもって普通の地味な朝だった。ただ、宅配便が届き、嫁がその大きな荷物を受け取ると

「だれからのたっきゅうびんやさん?」

届け物に目がないRが興味津々で聞いて来た。嫁は

「し、知らない女の人から…」

と呟いて僕に手渡した。かすかに目がギラリと光った気がした。

それは友達のりこちゃん(→URL)から僕への誕生日プレゼント。

プレゼント
開けてみるとトロのぬいぐるみとタオルで、びっくりサプライズである。近々お嫁さんになるというのに嬉しいではないか。お心遣いありがとう。身内は全然ノーサプライズだというのに…。

夜、仕事から帰って来て、誕生日なのだからこれぐらいは許されるだろうと確信を持って嫁を襲ってみたら

「眠い!」

これまた全くもって普通の地味な夜と何ら変わりがない。

「誕生日だからいいじゃん」

「私は何もプレゼントあげられません」

「くれとは言わぬ。体貸してくれ」

「トロと抱き合ってればいいでしょー」

お、妬いているのだろうか。

「トロとじゃ獣姦になってしまう」

「トロに穴開けて突っ込んでなさい」

「ダッチトロか!」

全くラチがあかぬ嫁であったが、やっぱりちょっとは誕生日としていいことさせてくれよ、と立て付けの悪い引き戸のようになった嫁を、必死でこじ開けてようやく事に及んだのであった。

ハッピー入れますデー。

問題:僕に誕生日おめでとうメールをくれた唯一の女性は誰でしょう?

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「こんにちは、ぼく、たっくんです。よろしくね。2さいです」

息子・タク(2才)はいつもこのフレーズで自己紹介するようになったため、他の人の年齢も気になり始めた様子。家族の年齢をちょくちょく聞いてくる。

「Rちゃん(娘)はなんさいなのォ?」

「4才だよ!」

Rは元気よく答えた。

「パパはなんさいなのォ?」

「35」

僕は素で答えた。

「ママはなんさいなのォ?」

「18才よ」

うそつくんじゃねえええええ!

船場吉兆も真っ青の偽装をあっさり言いのけた嫁。今18才だとしたらRを産んだのは14才ということになる。奥様は18才で14の母か。僕は嫁が13才の時に手篭めにしたということになり、そんな淫行はこのご時世捕まる。どんだけ僕はロリコンなんだ。ほんとにロリコンだけど。

「ママ、ほんとに18才なのォ?」

さすがに2才児の頭でもあやしいと思ったのだろうか、タクは嫁に念を押した。

「そうよ。18才なの」

どうしてこの人は眉ひとつ動かさず平気でウソを言えるのだろう。

この時のやりとりを元に、翌日タクは公園で出会った嫁のママ友達に「ママは18才パパは35才」と言い触らしていたのだそうだ。嫁は大ウソだとしても、僕の年は本当のことだから別にいいのだけれども…

「お前だけ若くてずるいよう」

僕も生真面目に答えなければ良かったと愚痴を言ってみても

「サバ読めるのは子供が小学校にあがるぐらいまでね。」

嫁は可可と笑うばかり。そしてその話を聞いていたおしゃべり坊主・タクが

「パパはなんさいなのォ?」

ほら来た。また年を尋ねてきたので

「パパは19才です」

赤福も真っ青になって青福になるぐらいの大幅偽装をして提示したところ

「ちがうよ!パパはさんじゅうごさいだよ!」

ちっ。しっかり覚えてやがった。数を数える時にはいつも11と14を抜かすくせに、下らないことに限って記憶力抜群である。

そんなわけで今日またひとつ年を重ねた。

「今日で36才だよ」

などとタクには死んでも言いたくない。

プレゼントは本物の18才嫁が欲しい。

問題:僕の誕生日を聞いた嫁のママ友の一人がびっくりしたことは何でしょう?

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娘・R(4才)も息子・タク(1才)も

「今日はどこに遊びに行く?」

と聞いても

「こーえん」

近所の公園しかリクエストしない。そりゃ海外や全国各地飛び回っているわけではないけれども、決して近所でしか遊ばせてない、というわけではないのだが…。

「せっかくパパがお休みの日なのに~」

嫁も僕がいる時なので、せめて練馬区からは出てみたいようだ。

「じゃあどこ行くべか」

「荒川遊園地にしよう!」

嫁が唐突に言い出した荒川遊園地とは、荒川区にある小ぢんまりとした遊園地。観覧車や豆汽車といった小さな子供向けのほのぼのとした施設ばかりで、Rとタクにはピッタリである。嫁が急に言い出したのは、きっと昨日テレビで荒川静香を見たからに違いない。

都電に揺られて辿り着くと、そこは下町の中にある味のある遊園地。小規模ながらも家族連れでいっぱい。まず豆汽車やスカイサイクル、メリーゴーラウンドなどの乗り物に乗り、次は100円入れると動く電動メカにまたがってキャアキャア喜ぶ子供達。

Rとタク
ふたりでパンダ1号に乗り込む姿は

死ね死ね団
まるで死ね死ね団のようであった。

他にはRが大好きな風船ハウス。部屋の中に風が吹いてて、たくさん風船が飛び回っているというアレ。タクも一緒に入れようとしたら、受付のお姉さんに

「ぼく、タオルは置いていこうね」

と止められてしまった。タクは「ライナスの毛布」よろしく、いつもタオルを持っているのである。

タク
タオル持参でメリーゴーラウンドに乗るの図。

このタオルがなくなると

「たっくんのたおるはー?」

と平常心を失ってしまうので、お姉さんがひょいとタオルを取ってしまったからさあ大変。

「うわあああん!たおる!たおるー!」

思い切り泣き出してしまった。

「あっ。ごめんねっ。持ったままでいいからねっ」

お姉さんが慌ててタオルを戻しても時既に遅し。タクはもう泣くだけで風船ハウスどころではなくなってしまった。

「すいませんすいません」

僕はタクを抱えてずらかった。いつもだったらタクは昼寝をしている時間。遊園地だから頑張って起きているので些か不機嫌なせいもあったのであろう。この日のタクはやや怒りっぽく、

タク
(ご立腹中のタク)

「あー!」

あー、とも、えー、とも聞き取れる怪鳥のような怒りの雄叫びを上げ、タオルを地面に叩き付けていた。いつの間に上島竜平ばりのキレ芸を会得したのだろう。

乗り物のお楽しみの後は動物である。ここにはヤギや鹿、羊にウサギ、モルモット、といった動物を手で触れる小動物園があり、

「あ、鹿が寝てる!鹿たねえなあ」

「あ、羊だ!メイド喫茶と羊喫茶。なんちて」

「あ、ヤギだ!ハンターチャンス!ヤギゅう博」

駄洒落を連発しているオヤジがいて大変恥ずかしかった。僕達が小動物園に入った時にいたオヤジは僕ひとりで、つまり、まあ、そういうことなのだけれども、Rとタクはちょっとびびりながらも喜んで動物達をナデナデしていた。

Rとタク
鹿を愛でるRとタク。

Rとタク
モルモットを膝に乗せてものすごい作り笑顔のR。

Rとタク
餌をあげるふたり。

動物達と楽しんで、そろそろ帰りの時間。電車の中でタクに動物を覚えられたかどうか復習してみた。

「たっくん、今日はどんな動物さんと遊びましたか?」

「らいよん!」

ターザンかお前は。

電車を降りるともう夕方。昼間はあれだけポカポカしていたのに、寒くなってどんよりしているなあ…と空を仰いでいたら、嫁が急にRをおんぶしたまま全速力で走り出した。

「ちょっと、どうしたんだ急に!」

「洗濯物が心配なのおおおお!」

僕とタクを残してあっという間に遠ざかって行った。みんなが笑ってるぞ。サザエさんを地で行く嫁。しかし洗濯物を心配する必要はないのである。今日僕達が行った場所は荒川遊園地。

すなわち、洗濯物が、荒、川区。

問題:この他にRとタクが思いっきり喜んだことは何だったでしょう?

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3時のおやつ。

嫁が子供達に「おやつよー」と告げる。娘・R(4才)は喜び、昼寝から起こされた息子・タク(2才)は「いらない!」とまだテンションが低い。僕も小腹が空いていたので

「ママ、ボクのおやつは?」

可能な限り嫁におねだりしてみたら

「あるわけないでしょ」

と冷たく言われたので

「じゃあマクダーナル(本場的発音)でも行って来るかなあ…」

寂しく出掛けようとすると、嫁がビッグマックのクーポン券をぺっと投げた。

「Rも行くか?」

「いくー!」

タクは寝起きでフニャフニャしていたので、Rだけを連れて駅前の商店街に。マクダーナル(本場的発音)に行く前にコンビニや本屋などをぶらつき、ついでの買い物をしていると、

「パパ、あのねあのね」

Rが小声で耳打ちしようとする。なんだろうと思うと中腰になって耳をRに寄せてみると

「はんばーがー、かいにいこ」

そっと囁いた。どうやらRもハンバーガーを食べたいらしい。その仕草がまるで

「今夜は私を食べて」

と顔を赤らめながらそっと耳打ちする新妻のようで身悶えしそうになった。それに比べて今の嫁ときたら。まぐわい交渉をすると耳打ちどころか平手打ちである。

すぐさまマクド(関西的発音)に赴きビッグマック2個300円也を買い、さて帰ろうかとしたところRの姿がない。慌てて周りを見回すと、すぐそばのゲーセンの前にいた。

「Rちゃん!」

ゲーセン前に設置されているUFOキャッチャーを眺めていたR。その名を叫びながら、安堵と共にどうしようもなく湧き上がってくるノスタルジーに身が固まってしまった。

このゲーセンで、Rちゃんと呼ぶ…もう何年ぶりのことだろう。Rの名前のルーツで僕が大好きだった美少女・Rちゃんはここの店員だったのである。今はもうどこにいるかも分からない。彼女と一緒に遊んでいた頃、このゲーセンでRちゃんを呼び、数年ぶりの今、同じ名前の娘を呼ぶ。なんという諸行無常。

「ぱぱ、おしりかじりむしがあるよ」

UFOキャッチャーには「おしりかじり虫」のタオルが入っていた。

「取ってやろうか」

100円で取れた。

よくRちゃんが取りやすくしてくれてたっけ。もう君の手助けがなくても余裕で取れるよ…君は今何処にいるんだい…?

ハンバーガーとおしりかじり虫の獲物をゲットして喜ぶR。一方僕の心はピクルスのように酸っぱくなってしまったさ。あ、ピクルス抜きにしてもらうの忘れた。

心が重くなってしまったら、なんだか体も重くなってしまった。たかが駅前に買い物しただけなのに、すごい重い仕事をしたような。

重い心持ちのまま3時のおやつを食べた。

カステラ1番電話は2番。3時のおやつは重労働。

問題:ちゃっかり嫁がついでに頼んだ買い物は何だったでしょう?

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会社から帰ってくるなり嫁がビデオカメラを構えてやって来たので、遂にハメ撮りする気になったか、と思ったら違った。

「今日、幼稚園の授業参観があったのです」

ひいいいいーと老婆の悲鳴のような音を上げてテープが巻き戻され、娘・R(4才)の姿が映し出された。幼稚園の教室には園児と母親でいっぱい。父親は殆どおらず、見に行けない主人の辛さが身に染みる。

嫁を気にしながらチラチラとカメラに目線を向けるR。可愛いなあと思っていたら唐突に先生のアップ。

「先生も撮ってみました。あなたのために」

胸はないが美人のRの担任。ちょっといいなあと密かにお気に入りだったことは既に悟られているようである。僕ってすぐ顔と下半身に出るから。

時々画面の下の方に息子・タク(2才)が見切れて映るのが気になり

「タクはこの時何してたの?」

と聞くと

「隣のモナちゃんママにべったりくっついてた」

ふたり目の子ってそういう要領がいいところがあると思う。やがて授業が始まり、先生のピアノ演奏による怒涛の童謡メドレー。

「おおきなくりのーきのしたでー!!」

ー皆一生懸命歌と踊りを披露していた。

「で、ここからがすごいのよー」

この後衝撃の映像が!って感じの煽りを嫁が入れた。何が凄いのか…と眺めていると、Rの隣に座っていたマユちゃんがRにやたらとチューをするのである。歌の合間に横からほっぺにチュー。わざわざ椅子を降りて正面に回って唇にチュー。キスの嵐。キス・オブ・ファイア。夢でキスキス。セクキャバ嬢並の激しさ。

マユちゃんはRのことが大好きで、公園で遊んでいる時も何かと抱きついたりしていたのだが、ここまでとは。

「マユちゃんのママがごめんって言ってたよ」

もし男子だったら僕が袈裟がけに斬り付けているところである。親の背を見て子は育つ。もしかしたらマユちゃんママが元々すんごいチューを家でしているのかもしれない。そう思うと僕も負けて入られぬとライバル意識と下半身に集まる何かの情熱がメラメラと湧き上がるのだった。キスの嵐。そして、

おおきなくりとーりすなめるー。

問題:美人担任の授業を嫁はどう評価していたでしょう?

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昨日の日記では娘・R(4才)の寝顔を眺めていたが、今日の日記では息子・タク(2才)の寝顔を眺める話を書く。

眺めてばかりで、のぞき妖怪しょうけらのような僕。釣られて一緒に眺めていた嫁がぼそっと言った。

「キムタクに倣って名前を付けたのに、どうしてキムタクのようなカッコよさがないんだろう」

「あるわけねえだろ」

名前が同じなだけで同じような人間になるわけないのである。たとえば同じ譲二にしたって山本譲二は演歌歌手だし島木譲二はパチパチパンチだしジョージ・ブッシュに至っては外人である。よしんば似ていたとしてもわずか2才のタクがキムタク節で

「ぶっちゃけウンコしちゃったんだけど、おむつかえてくんない?ちょーやばい」

などと言ってきたら、うんこまみれのまま放置するだろう。2才の男の子にキムタクのカッコよさを求めるのは間違っている。Gカップの2才女児を探すようなものである。

「可愛い顔してんだからいいじゃん…」

と嫁をなだめようとすると

「違う。私が求めていたのはそんな三の線じゃない」

と声を荒くした。そして嫁の熱い語りが始まった。

「大体ねえ、タクと血が繋がる男達はみんな冴えないのよ。A(嫁の弟)もY君(僕の弟)も!」

嫁の弟は女っ気がなくなんだかぽやーっとしている。僕の弟も女っ気など全くなくなんだかぬぼーっとしている。

「お前の従兄弟もガッツリアキバ系だしな」

「そう。そして、あなたもよ!」

「てめえディスってんのか!」

指差して亭主を断罪するとはなんという嫁。人の顔をアキバだオタクだと散々なことを言うけれども、だったら何故僕とツガイになったのだっていう話になるのに。人を呪わば穴二つ。だから僕にアナルを責められるのである。

僕と嫁が一族を巻き込んだ罵り合いをよそに、タクの寝顔は大人の醜い争いとは全く無縁の安らかな表情を見せていた。改めて眺めてみるとやはりいい顔をしておる。所詮親バカである。キムタクの名を頂戴した効果があったのでは、とすら思えてくる。まじまじとよく見ると、ほのかな男の色気すら漂ってくるような…

かーすかにー、ん、色っぽいー。

しまった。そりゃキムタクの嫁のほうだった。

問題:タクはこの時どんな寝言を言っていたでしょう?

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父親というものは自分の娘が世界一美しいと思うものだ、と信じて疑わなかった僕である。

「ああ、この子の顔はなんて可愛いのだろう」

「将来きっと美人になる」

「幼稚園で一番可愛いね」

隣で寝息を立てる娘・R(4才)を眺めていると最大級の賛美の言葉を口から出てしまう。第三者から見ればジャガイモと大して変わらぬと言われるかもしれないが、どうせ親バカである。嫁以外聞いている者もいないので心置きなく言う。

親の欲目と言う超主観的視点にてRを称えまくっていたら

「でも私の友達の子供はもう3回もモデルスカウトされたらしいよ」

嫁が客観的評価という横槍をもって僕のうっとりタイムに水を差した。犯したろか。

「モデルと言っても、登録料だとかカタログの写真撮るからとかで金を取られるんだろう。それで食ってる会社だから可愛い可愛くないの判断で声を掛けているわけではない」

嫉妬と怒りを覚えた僕はすっぱい葡萄で怒りの葡萄でもうビッグ・ザ・ブドー。

「あー。まあ、仕事が取れたとしても交通費とか持ち出しだって言うしね…」

「それにRがスカウトされないのは行動範囲が練馬というしょぼいエリアから殆ど出ないからだ。原宿とか行けば速攻でスカウトが寄って来て、その気になればエビちゃんも真っ青のモデルになれるだろう。きっと20年後にはアイムラビニッとか言ってる筈だ!」

純粋な父親の想いに茶々をいれた嫁の罪は重い。僕はすっぱい葡萄だが嫁にはおっぱい指導が必要である。

自分の子供が誰よりも可愛いと思うのはお前とて同じだろう、分かってくれ、と嫁を諭すと

「ところがねえ…」

こういうことがあったのよ、と語りだした。

Rと同じクラスのモナちゃんという女の子。この子は将来モデルになりたいという夢があるらしく、

「モナちゃんモデルさんになりたーい」

とはしゃいでいたら、モナちゃんの父親は

「その顔じゃ無理だろ」

真顔でそう言ったのだそうだ。娘の夢をあっさり潰す父親。てらひどす。未来も可能性も無限大にある若き芽をいきなりぶっちぎることもなかろうに。4才とはいえモナちゃんも女の子、どのような気持ちで父親の言葉を受け止めたのだろう。そのような言葉はモナちゃんが夢見る少女じゃいられなくなった頃に投げかけるべきである。

それまではお姫様になりたいとか、プリキュアになりたいとか、何になりたいと言ったとしても

「なれるといいねえ。がんばれ」

娘の夢を繋いでおきたいというのが僕の考えである。ヤワラちゃんになりたいと言った時だけ全力で説教して止める。

父親というものは自分の娘が世界一美しいと思うものだ、と信じて疑わなかった僕である。その自信がちょっと崩れた。父親とは娘にメロメロになるものだ、と決め付けていたからあんな冒頭のような台詞も臆面もなく言えたのであり、必ずしもそうでないと分かった今、ちょっと、

顔から火がモデル。

問題:それでもRは可愛いと言ったら嫁は何と言い返したでしょう?

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「こんにちは、ぼく、たっくんです。よろしくね。2才です」

最近息子・タク(2才)が言い始めた自己紹介定型文である。

嫁によると僕だけではなく所構わず自己紹介しているらしい。嫁と散歩をしていても、佇んでいる街の人を見かけるとすぐ挨拶して話しかけているという。ドラクエの主人公か。

そのため人前に出るとモジモジしてしまう娘・R(4才)とは違い、散歩で出会う近所のおじさん達に可愛がられていることが多い。

「こんにちは、ぼく、かじりんです、よろしくね。下半身は15才です」

と僕が言ったところで可愛いがってくれるギャルがひとりでもいようか。悔しいがタクは可愛い。顔とかはともかく拙い口調で自己紹介する姿に愛嬌がある。

なのでタクに声を掛けられた近所の大学の守衛のおじさんは

「あそこにある百葉箱で計ってる気温が気象庁に送られるんだよ。天気予報で練馬区の気温として発表されるのはここの温度なんだ」

と口を綻ばし、タクにはどうでもいいことだが嫁が「へえー」と関心するようなことを語ってくれたり、店前に出ていた店主オヤジは

「向かいの犬小屋にいるのはモモちゃんっていうんだよ」

と教えてくれたりする。するとタクはお向かいにダッシュし、

「ももちゃあん、こんにちは、ぼく、たっくん…」

犬にまで自己紹介。そして

「見て見てー。これ、たっくんの笛だよー。だいじなだいじな笛だよー」

首から下げたホイッスルを自慢。しかしモモちゃんの反応が薄いとみると嫁の元に戻り

「モモちゃん、笛いらないって」

「お前犬と喋れんのか!」

嫁は思わずツッコミを入れてしまったらしい。

また歩いていくと今度は家の立て替え工事現場。ユンボが地面を掘り返しているさまを

「あ、ぱわーしゃべるー」

乗り物好きなタクは興奮し、しばらくその場を離れず見ていた。すると折り良く

「おーし、休憩ー」

とユンボを降りた親方がやって来て

「ボク、乗ってみるかい?」

親切にも乗せてくれた。ユンボの操縦席で目を輝かせてガチャガチャやるタクを見て親方は

「ははは、ボクの将来は決まったな」

そう言いながら笑っていたのだそうだ。

「そんなわけで親方にお墨付きもらっちゃったよ」

「タクが望むならいいんじゃない。」

「建築土木系で手に職付けるのもいいかもね!」

嫁の話を聞いてそんなことを語り合った。僕が何よりも羨ましかったのは、道を行くまま気の向くまま、犬がいれば犬と語り、ユンボがあればユンボを眺め、オマケに乗せてもらって、という成り行き任せの散歩が出来るのんびりした時間の流れであった。

同じく道を行くにしても、邪魔な奴らは跳ね飛ばせ、目的地まではノンストップ、の勢いで仕事に駆けずり回る僕とはえらい違いである。昔はよく電車に乗って敢えて見知らぬ駅で降り、目的地を定めずブラブラ散歩をしていたものだが、またいつかやりたいものである。

ブラブラちんぽはいつもしているのだが。

問題:2才の自己紹介は出来るのに、未だタクができないことはなんでしょう?

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今日も今日とてプリキュアごっこ。

僕がその辺の少女を捕まえて

「おじさんとプリキュアごっこしようぜ。僕キュアドリームね」

と主体的にやっているわけではない。そんなことをしたら通報され、練馬区安全メールにて

「プリキュアごっこをしよう、と小学生女子に声をかける中年男性が現れました。
 特徴は『テンチョー、イチマンエンハイリマース』と書かれたパーカーを
 着ていました。保護者の方は充分気を付けて下さい」

とお触れが回り、お縄にされて練馬区轢き回しの上打ち首獄門となってしまう。

無論僕がやるのは娘・R(4才)と息子・タク(2才)に要請されてのことである。「ごっこ」をやるにあたっては、こちらもある程度のプリキュア知識を備えておかねばならない。プリキュアに詳しいオヤジって超危ない。まるでオタクではないか。

いや僕はオタクではない。子供達のためを思ってやっていること…としながらもわりと面白いのでじっくりと見てしまい、毎週日曜日のオンエアが楽しみになってしまった。もう後戻り出来ない、穢れてしまったわたくし。

そんなわけで今はプリキュアのどんな役でもこなせる自信がある。私、演れるわ。見ていて下さい。紫のバラのひと。

とはいえ僕は悪役固定。5人のプリキュア戦士のうち、Rはキュアレモネード、タクはキュアアクアというお気に入りのキャラになり一生懸命演じていた。。

■キュアレモネードのキャラ設定:

中学生アイドル。プリキュアの中で1番年下だが、芸能界に身を置いているのでわりとしっかり者。

■実際のR:

レモネードとは正反対で、人前で目立つことを好まない。しっかりしてない甘えん坊。

■キュアアクアのキャラ設定:

お金持ちの令嬢で美人の生徒会長。立てば芍薬、座れば牡丹。才色兼備で学園中の憧れの的。

■実際のタク:

ていうか男。

演じる役と実物には差はあれど、Rは

「れもねーどしゃいにーんぐ!」

と必殺技を繰り広げて迫真の演技。タクも負けじと必殺技を出そうとするが

「あくあ…あくあ…なんだっけ」

まだ覚えていない様子。

「アクアトルネードだよ」

そっと耳打ちしてやると

「あくあ…と…と…えっと、あくああたーっく」

自己流にはしょりやがった。

僕は悪役なので攻撃を受けて「やられたー」とか言って倒れてればいいやと思い、曙ばりに倒れてばかりいたらRがつかつかと寄って来て

「ときどきRちゃんを持ち上げたりして反撃して」

演技指導が入ってしまった。月影先生かお前は。仰せの通りRを抱えて布団の上にばっふーんと倒すと

「ううー。くそー。まけないわよー!」

再び立ち上がり戦いを挑んできた。なるほど、これがやりたかったのね。かれこれ30分も戦っただろうか、

「れもねーどしゃいにーんぐ、あくあもいっしょにたたかうのよ!」

まだまだRは元気で、アクアことタクと共同戦線を張っていたのだが、タクはゴロンと寝転んでフニャフニャし始めてしまった。

「あくあ!ねてちゃだめ!」

「たっくん、もうつかれちゃった」

「たっくーん!」

というわけでプリキュア内部分裂にて終了。そして悪役の僕だけが残された。正義は勝つ。しかし悪は滅びぬ。

「ねえパパ~。もっとやろうよ~」

それでも単独決戦を望むタイマン上等なR。

「分かった分かった。でもパパも疲れちゃったよ。まじで汗かいちゃった。また今度ね」

立てば悪役、体が持たん。

問題:嫁も密かにプリキュアを見ているが、こないだの日曜はどんな感想を言っていたでしょう?

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日曜日の夜。

嫁が風呂に入っている間、僕は子供達を寝かせるのである。

さあねんねしましょうと言っても娘・R(4才)も息子・タク(2才)も暴れに暴れるのがいつのものこと。この夜もタクは歌を歌いまくり踊りを踊りまくり、Rは

「とんねるー」

とか言いながら布団の中に潜ってモグラのように這い、僕の足を引っ張ったりしている。モグラよ、その辺にはお父ちゃんの口が縦に割れたヘビがいるから気を付けろ。

「ほら、早く寝なさい。Rちゃんは幼稚園行けなくなっちゃうよ」

と叱ってもちっとも言うことを聞かない。早く寝てくれないと困る。朝起きられなくなるのを心配するのは当然だが、子供達が寝た後は僕は嫁を襲う予定となっているのだ。もうどれくらい襲ってないか。口が縦に割れたヘビも開店休業状態で冬眠してしまいそうな勢いのなさなのである。

こうなれば仕方がない。脅かすのは本意ではないが

「夜寝ない子にはコワイナーが来るぞー」

と言ってみた。コワイナーとはプリキュアに出てくる怪物の名前である。するとさすがに今朝プリキュアを見ていただけあり効果テキメン、Rなどはすぐ

「たっくん、はやくねよー」

すぐさま姿勢を直し寝る体制になってしまった。タクもそれに従い、ああこれでやっと静かになった…これで子供は静か、大人は激しい桃色ナイトを開催することが出来る、と安堵したら…

気付いたら朝だった。僕もガッツリ寝てしまっていた。

11月11日はポッキーの日だったが
勃起ーの日にはなり得なかったとさ。

問題:子供達が寝る時に一緒に寝るぬいぐるみはどんなものがあるでしょう?

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土曜日の出勤。

半日で帰ろうと思っていたが仕事が終わらず、終わらないまま家に持ち帰ったのが午後7時半。

もう皆風呂に入って晩御飯も食べおわろうかというタイミングだろうと思って家に入るとその通りで、息子・タク(2才)がもぐもぐさせながら飛んで来て

「たっくん、きょうすぶぶだい(すべり台)したの!」

「そうか公園に行ったのか。楽しかった?」

「たのしかった!」

「そうかそうか。パパはずっと会社で缶詰でなあ」

ハイテンションで今日1日の出来事を報告すると

「行ってないっしょ!今日大雨だったんだから!」

と嫁が突っ込みを入れた。こ、このうそつき小僧め。

やがて子供達が寝る時間となった。

「パパも一緒に寝よー」

娘・R(4才)が僕を寝室に誘う。女の子ので自ら進んで共に寝ようと言ってくれるのはRだけなので

「あなたの気持ちは大変嬉しい。しかしこれは結ばれ得ぬ恋なのです。ていうかパパお仕事しなきゃならないから今日はごめんね」

さ、パパは隣のお部屋でお仕事するからとRを寝室に行かせた。ヤダヤダ一緒に寝るの!と駄々をこねるのかと思いきや

「じゃ、おやすみー」

あっさり行ってしまおうとするので逆に寂しくなった。

「Rちゃん、おやすみのちゅーしてー」

逆に僕が駄々っ子である。唇をチョンと合わせると

「パパ、こっちにも」

ほっぺたにもちゅーをしてフスマを閉めた。フスマ1枚隔てて嫁と子供達がおそらく布団の中でじゃれあっている声が聞こえると、こちらは仕事が煮詰まっているだけに向こうの部屋が大変楽しく思える。僕も一緒に寝ているのであれば

「ほら、ふざけてないで早く寝なさい!」

と言っているに違いないのに。隣の芝生は青い。Rとタクのお尻も青い。

やがて静かになった。そろそろ子供達は寝ただろうか。僕は尿をしたかった。今僕がいるこの部屋からは寝室を通らないとトイレに行けないので、子供達が寝静まってからにしないといけない。

声が聞こえなくなったからといって寝たと考えるのは早計である。実はウトウトしているだけで、僕がフスマを開けた途端

「パパー!パパー!うえやっはっはー!」

と大興奮して

「せっかく寝ようとしていたところなのに!」

嫁の恨みを買うのは必定。子供達が寝た後に男と女のラブゲームにも悪い影響を与えかねない。従って慎重にタイミングを計り尿に行かねばならないのである。尿意周到。なんちて。

それから30分時間を置き、モジモジしながら仕事をしていたので数字を余裕で4ケタ間違えていたのでやり直し、

「家庭内残業も楽ではないわねフウ…」

頬に手を当てて無意味に主婦のモノマネをしながらようやくトイレに行ったのであった。

仕事に戻っても、心の中に何かモヤモヤが残る。恋ではない。ずっと我慢をしていたせいか残尿感があるのである。残業で残尿ってか。

残尿感。適当に英訳するとレフテッドピーピーフィーリング。だからなんだ。

タバコをくゆらせながら僕は考えた。残業と残尿は良く似ている。

どちらもダラダラと残る!

問題:会社で残業していると、どんなむごいことがあるでしょう??

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「パパ、かいしゃなのォ?」

「そうだよ、行って来ます」

「いってらっしゃーい」

娘・R(4才)と息子・タク(2才)に見送られて会社に行くのがいつもの朝の光景。

そしていつもカバンを持って電車に乗ったるのだが、今日に限って何かが違う。いつもより少し重いような気がするし、いつもよりもっこりもこもこしているような気もする。普段持ち慣れている感覚ではなく、何か違和感を感じる。

ひょっとしてカバンの中で弁当の蓋が開いてしまい、中身がゴパアとぶちまけられているのではないか。とは思ったものの満員電車の中でもあるし、カバンの中がゲロのような地獄と化しているヴィジョンを想像すると怖くて開けられなかった。

解き放たれたパンドラの箱には「希望」が残っていたが、この閉じられたカバンの中には「絶望」しか入ってないような気がする…。

いや嫁が作る弁当に限ってそんなことはあるまい。弁当箱は漏れ防止ストッパーがついているから多い日も安心。嫁のことだからうっかり閉め忘れた、なんてこともあるまい。嫁が作る弁当と嫁のお股はいつもガッチリと閉じている。大丈夫だ、気のせいである、などとブツブツ考えながら会社に着いて、ようやくそーっと開けてみると…

おもちゃのブロックがもっちゃりと入っていたのであった。こういうことをするのはタクしかいない。おのれいつの間に…。

「ではこの問題についての解決案を早急に組み立て…ってそこでレゴブロック組み立ててるんじゃねー!」

なんてことになったら下手なコント以下のポンチである。ともあれ弁当ぶちまけ地獄ではなかったのは幸いだが、このことはタクを問い正さなければなるまい。仕事用のカバンの中身を荒らされるとまいっちんぐなのである。

この日は早く帰れたのでまだ子供達は起きていた。タクの前にカバンを置いて、

「ブロックを入れたのは君かなー?」

と返してやると

「そうだよ」

あっさり認めおった。

「パパのカバンにおもちゃを入れてはいけません」

「たっくんも、かばん、持つの!」

「いやあのね、おもちゃを入れては…」

「パパ、かばん、貸ーしーて!」

「ちょっとまてこらー!」

タクは父の言うことをちっとも聞かず、僕からカバンを奪ってエッチラオッチラと歩き始めた。

「たっくん、かいしゃ、いってきまーす」

…もう何処へでも行くがいい。家中をうろうろほっつき歩いていたが放っておくことにした。

「ただいまー」

戻って来た時にはタクは手ぶらであった。

「ちょっとー!カバンはどこやったー!」

カバンは2分後にトイレで発見された。どんだけ雑な会社員なんだ…。カバンを取り返して戻って来ると、その隙に今度は僕のケータイを分捕り、振り回しながら踊っているではないか。

「それも返してくれえええ」

いつの間にかなんだか油断も隙もない男に成長したようである。

カステラ一番、電話にカバン、ってか。

問題:スーツのポケットにこれもまたいつの間にか入ってて超焦ったものは何でしょう?

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息子・タク(2才)の寝顔を眺めていた僕。

「だいぶ男の子っぽい顔になってきたな」

ちょっと前まではよく女の子かと間違われたものである。それが徐々に男の子っぽいというか小僧っぽい顔付きになってきたように思える。

「そうでしょう」

嫁もそう感じていたらしい。

「でもね、タクは自分のこと女の子だって思ってるらしいよ」

「なんだそりゃ」

嫁の話によると、公園に遊びに行った時、娘・R(4才)が何かのきっかけで

「Rちゃんは、おんなのこ。たっくんは、おととのこ(男の子)」

と言ったことに対し

「ちがう!たっくん、おんなのこ!」

タクが猛反発したのだという。ちんちんがあるから男の子だよーといくら言っても聞かず、しまいには公園の真ん中で大泣きしてしまったそうな。

「そんなに女の子がいいのかしら…」

嫁は首を捻った。

「プリキュア大好きだからな。プリキュアになりたいんじゃないか?

「もしかして性同一障害…」

「え、将来『どんだけー』とか言うようになっちゃうの?」

「性同一障害って先天的なのかしら。後天的なのかしら」

「さあ。後天的じゃないのかね」

ボーボワールは「女は女に生まれるのではない、女になるのだ」と言っていた。体の成長も合わせて男は男に、女は女になるのではないだろうか。ちんげボーボワール。

翌朝。タクのおむつを替えながらちょっと話を振ってみることにした。

「たっくんは男の子だよね」

「ちがう。おんなのこだよ」

なるほど嫁の言ったとおりであった。

「えー男の子だよ」

「たっくん、おんなのこなの!うわあああん!」

そもそもタクは女の子というものが何なのか分かっているのだろうか、と疑問が湧いたため質問を変えてみた。

「じゃあRちゃんは?」

「おんなのこ」

その通りッ!

「ではママは?」

「おばさん」

ぶわっはっはっはっは。自分以外のことは良く分かってるじゃないか、と笑い転げていたら

「まあ、その通りだけどさあ…」

嫁が悲しい顔をしていた。ところがここで

「ちがう!ママもおんなのこなの!」

真っ向から否定したのがRであった。母の名誉を守ろうと立ち上がったのであろうか。

「いやーママが女の子ってのは無理があるでしょう」

以前嫁が戯れにブルマと体操着を着ていたが、どう見てもママさんバレー以外の何者でもなかった。あれはひどかった。

しかしRもなかなか折れず、しまいには

「おんなのこなのー!うわああん!」

タクと同様に泣き出してしまった。何故そこまで体を張って強調するのだろうか。

特にタクなどはおむつを替えているのでお股を広げて男のシンボルを堂々と晒している。更にそれを僕が拭いており、文字通り証拠を掴んでいるというのに。愛人をバックでガッツンガッツン攻めている最中に女房に乗り込まれてもなお

「やってません」

とシラを切るエロ亭主並みの居直りである。息子の息子が動かぬ証拠なだけに

むすっこ猛々しい。なんちて。

問題:タクが最近すごい勢いで覚え始めてきたことはなんでしょう?

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「ねえパパー、モナちゃんが風邪引いちゃったのよー」

モナちゃんとは娘・R(4才)の友達のことである。僕もよく知っているRの幼稚園の同級生。

「ありゃ、それはかわいそうだね」

僕もついこないだ2週間ほど風邪をこじらせていたので辛いであろうな…とRの話を聞いていたら嫁が「いやいやいや」と割り込んできた。

「いやいや、引いてないから。Rちゃん、あなた一緒に遊んでたでしょうが」

はてこれはどういうことだろう。

「インフルエンザの予防接種を受けただけでしょ」

なるほどそういうことか。注射された=風邪引いたとは何ともRらしい発想である。

「第一Rちゃんだって予防接種したでしょう…」

自分も同じく注射を受けといて、友達だけ勝手に病に倒すとは…おそろしい子!予防接種はRだけでなく息子・タク(2才)も嫁が病院に連れて行って受けさせた。そして嫁も受けたという。もうそんな季節か。インフルエンザには香港A型やソ連A型などがあるが、僕は蠍座A型である。誕生日は11月20日なのでプレゼント待ってるぜ。

「え~でも君達だけずるい~」

子供ポケモン父ノケモンというサラリーマン川柳が頭に浮かんだ。

「子供達がインフルエンザにかかったらシャレにならないからね。そして私が倒れたらこの家は終わりだからね」

僕はビタイチたりとも期待されていないのが悲しみを通り越して逆に笑えた。

「もう少ししたら2回目の注射もあるからね、わかった?Rちゃん」

それを聞いた途端Rの動きがピタリと止まり、顔は強張っていた。え、まだチックンしなきゃならないの?と恐怖のズンドコに叩き落されたのがありありと分かる。

「注射なんかよりインフルエンザの方がずっと辛いから、ね。それに注射の後はシール貰えるだろう?」

とRを慰めたのだが

「うわああああん。やーだー。やーだー」

その甲斐もなく泣き出してしまった。

「備えあれば憂いなしと言ってな…」

「うわあああん。うわあああん」

備えといて憂いまくりとはどういうことか。嫁はそんなRを見て

「はいはいどうぞ泣いて下さい。泣いたって何が変わるわけじゃないんだから」

うわーこうやって泣いている若いOLを突き放すお局様いそう、といった感じのひとことを言ったらRが嫁をばしんと叩いた。お、お局様へ叛旗を翻したか。しかしお局、じゃなかった嫁は強かった。

「いったーい。なんでそういうことするのー?ママ凄く痛かったなー」

オラオラと今度は道端で肩がぶつかっただけで骨折したと因縁つけてくるチンピラのようないたぶり。

「Rちゃん…ママにごめんなさいしなさい…」

Rと一緒に小さくなっていた僕がそっと耳打ちすると

「うえっうえっごっめっんっなっざいっ…うええええん」

嗚咽しまくりで謝ったのであった。泣きっ面に母とはこのことか。Rはシクシクと泣きながらそのまま眠りに就いた。

子供達が寝静まった後、

「さすれば私めが2回目の予防接種を」

と嫁に襲い掛かったところ例によって跳ね返されてしまった。注射器がちょっと太過ぎたかナ?(見栄っ張り)

予防せっくす失敗。

「せめてちゅーだけでも…」

予防接吻も失敗。

問題:僕の注射器にまつわるイヤな思い出はなんでしょう?

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女の子のこういうことを話すのは可哀想なのかもしれないが、娘・R(4才)は便秘である。1週間溜め込むこともしばしば。

つむじがふたつあるとか眉毛が太いとか、つまらないところばかり僕に似てしまった。呪われた血の不憫な娘よ。

一昨日の夜、「出る…」とRがプルプル震えていたのですぐさまトイレに連れて行ったのだが、座った時には便意のビッグウェイヴが去ってしまっていたようで不発に終わった。次は頑張ろうとパンツをはかせようとすると、ちょっとだけ付いているのであった。

「パパ、パンツ替えて」

「はいはい。うんちさんがここまで来てるんだから、次はもうちょっと頑張ってみような」

パンツを洗濯機に放り込もうとしたら

「汚れ物を一緒に入れないで!」

嫁の鋭い声がしたので恐れ戦いた僕はバケツに水を汲んでそれに浸した。

「Rちゃん、溜めてちゃダメなのよ。もっと頑張らなきゃ」

嫁はRにも些か強めの口調で言った。

「でも出ないものはしょうがないし、な」

便秘持ちの気持ちはベンピストにしか分からぬ。出物腫れ物所構わず、と言うが逆もまた然り。出したい時に出せりゃコーラックはいらんぜよ。

昨日の朝もまたRが催したのでトイレに連れて行ったがまた不発。パンツも同様に少し汚れていたので、再びバケツ行きとなった。

「替えてばっかりじゃパンツがなくなっちゃうよ」

嫁がチクリと言った。

そして今日、一昨日から数えて3度目のトイレエマージェンシー出動。うんちさん、今日こそは出てくれ。3度もRを抱えてトイレに駆け込んだ僕を労ってくれてもいいではないか。うんこの礼、じゃなかった三顧の礼である。

そう考えながら「うーん」と踏ん張るRをガンバリーナフンバリーナと応援する。フンバリーナ。それはバレリーナとよく似た語感。

以前テレビでバレリーナが映っていた時、Rが興味深そうに見ていたので

「Rもバレリーナ目指してみるか」

と言ったところ「やだ」と返事されてしまったことがある。アイドルやチアリーダー等、女の子が憧れそうな華々しい職業は、Rは見ることは好きだが自分は将来なりたくはないらしい。引っ込み思案な性格の娘。

そんなRも今フンバリーナとしてならバレエの数々の名作を舞えることだろう。すなわち「直腸の湖」「お尻割り人形」等。

「頑張れ、R。今お前は踏ん張るプリマだっ」

「パパ、でない…」

「そうか」

結局今回もダメであった。またもやパンツは汚れていた。

「また替えなきゃな」

と言うと

「ママには内緒にして…」

なんとRは嫁には言わないで欲しいと言うではないか。いつの間に「内緒」という言葉を覚えたのだろう。パンツを替える度にチクチク嫁に言われる事が嫌だったようである。

「分かったよ。ママに見付からないようにさっとやろうな」

嫁に怯えるRの可愛さと、闇に葬る駆け引きを思い付くほど賢くなっていたことへの感動で、否応なく引き受けてしまった。

今度は嫁の目を盗んでサッとパンツを水洗いして洗濯機の中の衣類の奥にねじり込み、ばばっと替えのパンツを取ってRに穿かせた。どうせバレるだろうが嫁もいちいち後追いしてまでチクチク言うまい。

トイレの中で結んだ、Rのお尻に関する密約。Rとの初めての秘密事なのでこれはとても重要なのである。

すなわちヒップシークレットである。

問題:僕の故郷にある某寺の恐ろしいトイレとはどんなトイレでしょう?

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秋深し。隣は何をする人ぞ。

隣の家は、高校生くらいの超美少女がいてお風呂覗き放題、というエロゲみたいな環境だったら良かったのだが、幸か不幸かうちと似たような家族構成である。うちの娘・R(4才)や息子・タク(2才)ぐらいの子供達がいて、

「ママー!パパー!見て見てー!見ーてーて!」

すごいことやるから私を見て見てアピールや、

「いーち、にーい、さーん」

お風呂で数を数える声が時々聞こえ、どこの家も同じような事やってるんだなあと感心する。ということはやはり旦那さんは奥さんに夜這いをしようとして蹴飛ばされてたりするのだろうか。お向かいの旦那さんとはしょっぱい酒が飲めそうな気がする。

この前嫁がそこの奥さんと話した時

「おたくの旦那さん(僕のこと)、夜遅くまで起きてるよね~」

と言われたのだそうだ。僕の部屋が深夜まで明かりが点っているのをよく見ているらしい。いやなとこ見られてるなあ。

「さ、最先端の感性工学の勉強をしているのだ、とでも言っておいてくれよ」

実際は最先端の性感エロ学だったりするのだけれども、ばれるとこの街を追われかねない。

話は変わって娘・R(4才)。

「パパ、見て見てー」

幼稚園でお絵描きしたスケッチブックを見せてくれた。これはなあに?などと聞きながら眺めていると、

「これ、風邪引いてるパパ」

という説明つきで見せられた絵がコレ。

アキバ丼
頭に何かが乗っている。おそらく先週風邪でくたばっていた時にしていた冷えピタであろう。ちなみにその横にいるのはRで、「パパだいじょーぶ?」と言っているのだそうだ。これもまたいやなとこ見られてたなあ。

他人は自分が思うほど自分のことなんて見ていない、と思って今までスキだらけの人生を送って来たようである。見て欲しい時には見てくれないくせに、見られてないとタカをくくっている時に限って見ている、それが世間の油断ならぬ目。

今宵もまた嫁に夜這いして逆襲され、ひとりポツンとした夜を送っている。このまま寝る訳にはいかない。しかしこんな深夜まで起きているとまた隣の奥さんに見られ、一句詠まれてしまう。

秋深し。隣はオナニをする人ぞ。

問題:Rのスケッチブックを見て、僕が涙が出そうなほど感動したことは何でしょう?

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日曜日の朝に子供達を起こすことは容易い。

プリキュア5
「寝坊してるとプリキュア見れないぞ」

と言うとガバっと起き上がるからである。娘・R(4才)と息子・タク(2才)は、日曜朝8:30から始まる「YES!プリキュア5」なるアニメが大好き。

タクはもともと早起きなのだが、今日も後からもっそり起きるRに

「今日はプリキュアだねー」

と言うとシャキッと目が覚めたようだ。しかし

「あ、今日プリキュア休みだわ」

新聞を眺めていた嫁が非情の宣告をした。するとどうだろう、Rの顔が途端にぐしゃぐしゃになりうわああああんと泣き出した。この救いようのない絶望のさまは僕が嫁にまぐわいを断られた時のそれに似ていると思った。タクに至っては

「おおいなるきぼうのちから。きゅあどりーむ!
 おおいなるきぼうのちから。きゅあどりーむ!
 おおいなるきぼうのちから。きゅあどりーむ!
 たっくんぷりきゅあどりーむだいすき!」

プリキュアの変身ポーズを何度となく繰り返し、パニクってメダパニってバグってハニーな状態になってしまった。これはいかん。昨晩は

「いつまでも起きていると明日プリキュアの時間に起きれないぞ」

とプリキュアをダシにして早く寝かせ、起こす時もプリキュアをネタにしていたのに、これでは僕が狼少年のように思われてしまう。仕方がない。あまりやりたくはなかったが

「じゃあふたりともパソコンの前にお座り…」

こういう時のためのインターネッツである。動画サイト「YOUTUBE」でプリキュアの動画を見せることにした。Rとタクは

「たっくんがこっち!」

「Rちゃんがこっち!」

どっちが右に座るか左に座るかでどーでもいい争いをしていたが、プリキュアが始まると釘付けになっていた。1話分を見終わると

「どうだ。満足したかい?」

「うん」

どうやらウソツキ親父呼ばわりされることは避けられたようだ。

「じゃ、終わりにするね」

「いやー。おねえさんのおうた見るー」

おねえさんのおうた、すなわちperfumeというアイドルの歌を見せろというので、まあいいかと今度はDVDを見せてやった。

ポリリズム
歌と共にこのようなビデオが流れると

「りんごだよ!」

「ちがうよ!あっぽー(apple)だよ!」

またRとタクがどーでもいい不毛な争いを始めていたので

「ふたりともいい加減にするざます!おフランスではポンムと言うんざます!」

とっとと鑑賞会を終わりにした。ところでどうして今日はアニメ中止になったのだろうと嫁に聞いてみたら

「マラソン中継があるかららしいよ」

やはりプリキュア中止になった時のRとタクのガッカリは、僕が嫁との契りを拒否された時のそれに似ているのだと思った。

すなわち、マラ損である。

問題:この日の夜、嫁の機嫌が悪かったのは、僕が何をやらかしたからでしょう?

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家から歩いてすぐのところにある大学の学祭に行って来た。

大学のキャンパスに入ると、若くて無責任でお気楽だった夢のような学生時代に戻ったような甘ったるいノスタルジアを覚え、涙が出て来そうになる。いや、今の人生が辛いわけではない。あの頃共にキャンパスを歩いていた彼女は今も僕の隣を嫁として歩いているし、ふたりの間には娘・R(4才)と息子・タク(2才)もいるではないか。

そんなわけで明るくいくことにする。メイド喫茶でもないかなーと探し回っていたらオカマバーがあった。即席の学生オカマ達が何やらコントをやっており、子供から

「あ、どんだけーのおばちゃんだ!」

と指差されていた。面白そうだから寄って行こうとしたら、Rが本気で怖がったので残念ながらスルー。当てもなくさ迷っていると、チョコバナナの屋台を発見。

「R、タク、食べるか?」

「たべるー」

チョコバナナ大好きのふたりはすぐ飛び付いた。何故かこの屋台は「他店の3倍はエロい」とか訳の分からないことが書いてあり

屋台
このようにAVギャルやアイドルのポスターがベタベタ貼られ、何やらアイドル研究会とかAV研究会とか、イカ臭そうな部室で陰隠滅滅と活動する姿が想像された。

僕はその向かい側にあった屋台で「チゲ鍋」を購入。こちらは比較的地味目な学生が多いこの大学の中で、一際派手なギャルっぽい女子大生ばかり。きっとこのサークルはヤリサーに違いない、と考えながら僕に手渡してくれたド派手な女子大生を「アスカ」と心の中で勝手に命名した。チゲ&アスカ。

オタク系とヤリヤリ系の対照的な屋台の間にあるベンチに座り食べる。

「お前もなんか食べないの?」

チゲ鍋をすすりながら嫁に聞いてみると

「いやー。学生達が作ってる屋台だからなんか怪しそうで…」

お前だって昔学祭で相当怪しいもん作ってただろうが。

「ギャルみたいな女子大生がこんな素朴な料理を一生懸命作ったんだなーって考えながら食べるのが美味いんだろうが」

チゲ鍋はなかなか美味かった。子供達もチョコバナナをもぐもぐと食べていたのだが、先程のエロ屋台ポスター群の中に何故か1枚だけプリキュアのポスターがあるのをタクが発見。

「あっぷりきゅあだー!」

「あ、こら待て」

タク
タクはそのポスターの元まで駆けて行き、釘付けになってじーっと眺めていた。

トランペットを欲しがる黒人少年
トランペットを欲しがる黒人少年状態。

しかし端から見ればどう見てもエロに目覚めた幼児にしか見えず、場末スナック屋台女子大生達が

「キャーカワイイ!」

「カワイイけどやばいよ!」

大受けしていた。

食べ終わってからもぶらぶら歩き回っていると、わたあめを手にした子供達の姿がちらほら。それを見たRとタクも「食べたい」と言い出したので探してみると程無くして見付かった。

女の子がぐるぐるとわたあめを作っている。すぐさまちんちんにザラメを貼りまくって

「僕の股あめも舐めてみるかい?」

と言い寄りたくなる程可愛い女子大生。ふたつ下さいと言うと

「はいどうぞ」

Rとタクにそれぞれ手渡してくれた。Rもタクも

「ありがとうございましゅ」

とか言いながら受け取り、ふたり並んで食べる仕草がどうも彼女のツボにはまってしまったらしく

「キャー、一緒に写真撮らせて下さい!」

とカメラを他の仲間に手渡して屋台から飛び出して来た。じゃあ僕も撮ろうとデジカメを出すと

「お父さんも入って!撮ってあげますよ」

一緒に撮ってもらって屋台を後にした。再び腰を下ろしてわたあめを食べながら

「ほら見れ。じょしだいせいと一緒に撮っちゃったー。この子超可愛い」

と嫁にデジカメのプレビュー画面を見せると

「興味ないし」

吐き捨てるように行った。そういやこの人も遥か昔は女子大生だった。時の流れは残酷である。その癖嫁がRをトイレに連れて行って戻って来た時には

「さっき大学生にナンパされちゃったー。白玉あんみつ買いませんかって」

と大はしゃぎ。それナンパじゃなくてただの売り子だから。

僕はその後もうどんやビールを飲み食いしていたら若干お腹が緩くなってしまい、大学祭がうんこく祭になってしまったとさ。

問題:僕が昔、友達の大学祭に行って驚いたことは何でしょう?

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「beatmania II DX」(ビートマニア・ツーディーエックス」というゲームが好きで、ゲーセンで何年もはまっていた。

おそらくマンションの頭金ぐらいの額は余裕でぶっこんでいるだろう。そのせいで今手元には頭金はなく、せいぜい玉金ぐらいしかない。

エリカ
最近、このゲームに出てくる「エリカ」というキャラがフィギュア化し、UFOキャッチャーでゲット出来るのだということをコナミのサイトで知った→こちら

ピアノのような鍵盤を弾いて音楽を紡ぐゲームなので、ストーリーもキャラもあったものではないのだが、シリーズを重ねるにつれこのような萌えキャラが画面上のバックグラウンドヴィデオで出てくるようになった。

元々イカすクラブミュージックを淡々と弾きまくる硬派なゲームだったのに、萌えキャラの露出が増えてくるにつれゲームの雰囲気もオタク臭くなって来て、このゲームの要である音楽もゲームミュージックのようなオタクっぽい曲が増え、僕は段々と足が遠のいてしまっている。

ゲーセンに入り浸ってる時点でオタクだろう、と突っ込む輩はとっとと帰っとくれ。それは違うなおたくが言う程僕達そんなにオタクじゃないよ。人よりちょっぴりゲームが好きで、たまにコスプレするだけさ。理想の女はしょこたんだなんてふっざっるなー。

そんなことを言う人にはケミカルウォッシュジーンズ、バンダナ、ウェストポーチのオタク3点セット(2年間無洗濯)を送り付けてやる。

だからゲーセンでこのフィギュアを見かけた時も

「ふん、あのゲームはテクノ・トランス・ハウス系の曲が最大の魅力なのである。こんな萌え萌えキャラに惹かれるのは邪道であり、またそれを売りにするゲーム会社も愚かである」

鼻で笑いUFOキャッチャーに一瞥をくれて通り過ぎたのだった…

エリカ
…はずだったのだが。なんで家にあるんだろう。僕わかんない。

エリカエリカ
うーむ。これ、家に置く場所がない。嫁に見つかったらドン引きされること間違いなし。ピカチュウとかだったら

「いやー。子供達が喜ぶかと思って」

という言い訳が出来るがこれは完全にアウトである。わーいスカートの中はしましまぱんつだー、と喜ぶのは僕だけ。机の中にも入らないしどうしたらよいか、と考えた末、革命的アイディアが浮かんだ。

エリカ
木を隠すなら森の中作戦。これでも見つかる可能性は高いと思うが、もうこれ以上よい場所がない。後は野となれ山となれ。俺の愛撫で女になれ。

「あなた、何コレ?」

と見つかった時は

「いやあ、僕、ちょいオタオヤジだからさ、ははは」

という寒いホームドラマのノリで乗り切るしかない。

…と、覚悟を決めてもう一週間、嫁は未だノーリアクションである。恐らく「アナタ、信じられない」というよりも「このバカには何を言っても無駄」という境地に達しているのではないだろうか。それはそれでちょっと寂しい。

それならば子供達の反応を楽しもう、と息子・タク(2才)に

「ほら、おねえさん人形だよ~。いる?」

と聞いてみたところ

「いらない。たっくん、ぶうぶであそんでるの」

まるで興味を示さない。

では娘・R(4才)はどうか…と思ったらフィギュアを薙ぎ倒してピカチュウを取って遊んでいた。眼中にない様子。どいつもこいつも。女子供には日本が世界に誇れる伝統、ワビサビモエが分からないのか。

このフィギュア、すなわち人形…比較的リアルな人形はあまり子供達には人気がないのだろうか?うちにはリカちゃん人形とかないし。

「ぱぱ、おしっこー」

「はいはい」

「だっこしてー」

「はいはい」

僕というあやつり人形が一体いれば充分のようである。

問題:僕とRのふたりでゲーセンに行ったら嫁に怒られた。なぜ怒られたのでしょう?

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嫁がちゅーしてくれない者は幸いである。

「ねえパパ、ちゅーしよ」

代わりに娘がせがんでくれることだろう。娘・R(4才)のこぼれるような頬をそっと唇で押さえると、春風のような心地良いストリームが体を駆け抜ける。

全身の血が下半身に駆け抜けるエロス目的のくちづけとは違う、アガペエレベルの至高のくちづけである。アガペエとは二本の指で鼻を押さえること。そりゃカトチャンペエだ。

「こっちにもちゅーして」

右の頬をくちづけされたら左の頬を差し出すR。まるでクリスチャンのような。左の頬にもそっと唇を当てると

「たっくんも!」

息子・タクもせがんできた。

「たっくんもちゅーしたいのか?」

「はーい」

こちらはクリスチャンというよりもイクラチャンだった。

「はい、じゃあお顔を近付けてー」

んー、と唇を寄せるといきなりタクの頭がゴオッと近付いて来た。ヘッドバットが飛んで来たのである。

「いてええ!タク、頭じゃなくてお顔…」

鼻の頭にモロに喰らい悶絶した。お前はまだチューのやり方が分かってない…フガフガと倒れ込んでいると、今度はRが僕の首に手を回し抱きついた。そして

「ぶちゅーーーー!」

正面から思い切り唇を押し付けて来た。ガッチリ抱き締められ、ぶっちゅりくちづけされ、僕の頭は桃色に染まってしまった。これはなんという濃厚なくちづけ。

息が止まるようなくちづけを~。

まさにラブレター・フロム・カナダ。恍惚としてつい舌まで入れそうになってしまったほど。あ、危なかった。子供のちゅーレベルを超えていたものだったので、ついいつもの癖で…。Rはようやく僕から腕と唇を離し、

「パパだいすき」

「パパも…大好きだよ」

もう死んでもいい。天の国は僕のものである。僕はパラダイスに到達した。パラダイス銀河(シャブはやってません)。

「たっくんも!たっくんもちゅー!」

はっと我に返るとタクももう一度くちづけを所望していた。

「おお、お前とも熱い抱擁でくちづけを」

と両手を広げるとまたもやヘッドバットがゴン。

「お…お前わざとやってないか?」

ベタベタのコントか。まじで痛いんすけど。まさか僕とRを嫉妬し、僕を亡き者にしようとしている、とか。

抱擁でくちづけどころか
法要で塩漬けにされそうである。

問題:日本で最古のキスが書かれているのはどんな文献でしょう?

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僕と娘・R(4才)の弁当は嫁が作ってくれている。

Rの幼稚園は給食の日と弁当の日が交互に訪れるのだが、食べる時のあいさつなるものをRから教わった。

「おべんとうの時はねえ、こういうふうに言うのよー。

おとーさん、おかーさん、おべんとーを作ってくれて、ありがとーございます!
こぼさないように、のこさないように、たべます!いただきます!」

そして残さないで全部食べると「ぴかぴか賞」といって先生に褒められるのだそうだ。なかなか良い躾をしておる。僕はともかく、僕の安月給をやりくりして毎朝弁当を作る嫁には確かに感謝するべきである。

僕の幼稚園ってただ「おべんとおべんと嬉しいなー」と歌ってただけだったと記憶する。その弊害で大人になってから「お○んこお○んこ嬉しいなー、ちんこも綺麗になりましたー」というお下劣な替え歌を覚えてしまった。

朝、嫁がいつも以上に台所でテンパっており、まるで米粒に「南無阿弥陀仏」と書いているような細かそうな作業をしているので、何をやっているのだろうかと覗いてみたら、おにぎりでハロウィンのジャック・オ・ランタンを作っているのだった。ケチャップライスをカボチャ型に握り、細かい海苔を貼って目鼻口がちゃんと出来ている。

「ずいぶん凝ってるなあ」

「朝から細かい作業をしてしまったわ!」

「R、見てご覧。ママがすごいお弁当作ってるぞー」

「えー。みしてみしてー」

「あら、今見たら幼稚園で開けた時の楽しみがなくなってしまうでしょう?」

アハハウフフとホームドラマまがいのやりとりをしながら僕も弁当を受け取って会社に行ったのに…。風邪がひどくてほとんど残してしまった。薬を飲むために食べようとしたが、ふた口ぐらいでギブアップ。

体調はますます悪くなり、仕事を早めに切り上げて家に帰ると

「パパおかえりー」

Rと息子・タク(2才)はまだ起きていた。

「ごはん食べたか?」

「たっくん、ぴかぴか賞!」

「ぴかぴか賞」をRから教わったのであろう、タクも誇らしげに全部食べたのだぞ、と言うのであった。それに引き換え僕はまるまる弁当を残した「まるまる罪」。嫁にずっしりとしたままの弁当を渡す。弁当や夕飯を残した時の嫁は機嫌が悪いように思える。

しかし嫁よ、今日は仕方がなかったのだ。風邪を引いていて食えなかった。今日の弁当は残される運命にあったのだ。運命だけに、ベントーベン。なんちって。

などと頭の中で言い訳しつつ、布団に入ろうとしたところ

「晩ご飯は食べないの?」

やはり機嫌が悪いのであろう、嫁がツンツンした口調で聞いてきた。

「いや、食べられない…」

やはり今も食欲がないのでパスした。食欲はないが何故か性欲はある。体が弱っている時に、自分の遺伝子だけは残そうとする「バテマラ機能」が発動したのだろうか。

そもそもこの風邪をひいてから2週間。いつになったら治るのだろうか。百日風邪というやつなのだろうか。千日続いたら「千の風邪になって」ってか。この風邪のせいで嫁と契りを結ぼうとしても「風邪うつすな!」と断られつづけているし。溜まっているせいもあるのだろう。

早く風邪を治したい。そして明日こそは僕も「ぴかぴか賞」をもらいたい。そう考えながら早めに寝床に就いた。

翌朝、パンツが「がびがび賞」だった。中学生か。

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