はじめの一歩の第一報。

会社から帰ってくると

「ちょっとちょっと、いいものありまっせ」

嫁が歌舞伎町のポン引きのような手つきで僕を手招きし、
ヴィデオカメラを手にしながら僕を部屋の奥まで誘った。

寝ている娘・R(1才)を起こさないようにするために、
そして僕に何かを見せるために嫁はヴィデオカメラの
液晶画面を開いた。

こんな風にコソコソとヴィデオを見るのは、高校生のころ
友達の斉藤君の家でハードコアな映像を見た時以来だ。
栃木の素朴で純情な少年だった僕には、洋物の無修正は
キツ過ぎたので鮮明に覚えている。あれは赤ん坊にスピリタスを
飲ませるような行為だった。

さて、嫁が公開した映像にはそんな肉襞や肉棒なぞは
当然映っておらず

「あだー。うだー」

Rがふにゃふにゃと動いている姿があった。

「見て。このあとRが歩くのよ!」

「なに…すりゃ、まことか?」

固唾を飲んで見続けていると、Rはエッチラと立ち上がり
しばらくフラフラとバランスをとった後、

「えーへーへー」

謎の掛け声を上げながらゆっくり

一歩、二歩、三歩…

たどたどしく歩き、やがてペタンと座った。

「ね!歩いたでしょう!」

嫁が歓喜の笑みを浮かべた。Rは1才と2ヶ月。
早い赤子は7ヶ月ぐらいで歩き出しているだけに
嫁も結構心配していたのだ。しかしとうとう歩いた。
僕も胸が熱くなるのを抑え切れなかった。

この一歩は小さな一歩だが、Rの人生にとっては
大きな一歩となろう。なんつって。

願わくば、この瞬間をライブで見たかったものだ。
きっとクララが立ったシーンよりも感動するであろう。
そして僕はオロローンと滂沱するのだ。

やがてRは僕や嫁のダッコから離れ、自分の足で歩む。
自らの意思で目指すところへ歩き、進み、やがて
どこぞの男の元へと歩いて行き…。

お、オロローン!

来たるべきXデーを思い浮かべ、猛烈に悲しくなってしまった。

ヴィデオにはRが歩いてはコケるさまがまだ映っていた
何度トライしても3歩が限界のようだ。

娘よ。父は多くは望まん。いっしょに3歩以上散歩してくれよな…。
.

嫁以外と契らない契り。

真夜中、嫁とまぐわろうとした最中、

「うぎゃああああ」

娘・R(1才)が夜泣きを始めた。今まさに

「いざ、おっちゃんの一番槍を受けてみよ」

と、勇猛果敢に突撃しようとした瞬間の絶妙なタイミングで
水を差された僕は、嫁がRをあやしているのを指を咥えて
見守るしかなかった。

「Rは敏感だなあ…僕らの音で目覚めてしまったのか、
 それとも一緒に加わりたかったのか…ウヒョヒョ」

「あなた!」

嫁が諌めた。

「冗談だよ」

「あのね…私、あなたが近い将来Rに手を出さないか心配だわ」

「…僕がそんな男に見えるか!」

「見えるわよ!実父が娘を、というケースは表には出にくいけど
 結構あるのよ!」

母子指導員であった嫁は見も蓋もなく断定した。
嫁は嫁なりに僕との長い付き合いの間に、僕がどういう男であるとか、
僕のナニの先から出る汁の行く先であるとかを、見極めてきた自負が
あるようだ。そしてそれはほぼ間違ってはいまい。
僕もロリコンであることは自ら認める。

しかしいくら何でもそりゃあんまりだ。せいぜい

「500円でおっぱい揉ませて、な?」

ぐらいの許されるレベル内のお茶目に止める自信はある。
ただ、いくら言っても嫁は信用してくれない。
そんなに日頃の行いが悪かったのだろうか。
性欲を完全に断ち切ったという、何らかの証拠を
示さないとだめなようである。

となると…去勢しかあるまい。って犬か猫か僕は!

可愛い娘を守るため。嫁の信頼を得るため。
僕に残された道は宦官しかないのだろうか。

我が娘可愛いや 宦官娘〜♪
.

募金するぞ募金するぞ募金するぞ。

新潟の親戚へ見舞金を送ろうかと考えた。

しかし僕単独でやるよりは他の親族達と合わせて
行なった方がいい。これはまず実家の母と相談して
みるか…と考えていたところ、コンビ二で募金箱を
置いているという話を聞いた。

見舞金の前にひとまず募金をしてみようと思った。
うちの親戚達は怪我もなく建物への被害もないようだが、
電話で聞いた声にはやはり疲労の色が隠せなく、
何かをしたいと思う気持ちが強かった。

会社帰りにコンビニを3軒ほどハシゴした。

…募金箱、なかった。

募金しようという気持ちなど滅多に起こらないが、
今回は身内がたくさん関係している。
親父の故郷だし。

微々たる額であるが僕の募金、受け入れておくれ…と、
明日また違うコンビニを探すか郵便局でも
行くつもりである。


とりあえず今夜はボキンを受け入れてもらう前に
無理矢理嫁に僕のボッキを受け入れさせた。

これでよし(何が)
.

体力の限界っ。気力も、なくなり…。

嫁がずっと寝ていた。

晩飯も用意してくれない。いや、飯は作ってありゴハンも
炊けているので暖めるだけでよいのだが、僕は台所に立つのが
嫌で嫌でしょうがない。例え火を通すだけでも炊事は嫌いなのだ。

かといってそれだけで嫁を起こすと

「それだけで私を起こしやがって!」

ネットのどこぞにある嫁のWEB日記に書かれてしまう恐れがあるので
(というか以前書かれた)仕方なく自分で用意してボソボソと食った。

その後布団にもぐりこみ一人さびしく寝る。
このところ夫婦の契りもない。今夜も嫁がすでに寝ているとあっては
手を出すわけにも行かぬ。しかしせめて一矢報いたいと思い、
嫁のおヒップを撫で回してみたら、

「むうん…」

手で払われてしまった。なんと、飯も食わせてくれなければ
女体も食わせてくれない。まさしく食えない嫁であることよ、と
舌打ちし、思わず

「けち…」

と口から漏れてしまったら

「なんですって!」

嫁がいきなり叫んで振り向いた。どわあ。

「起きてたのかよ!」

本当に食えないやつ…。それでも反撃を試み、嫁の股ぐらに
手を突っ込む。しかし反撃はここまでであった。何故なら

「あのね、僕、契りたいんだけど実はそれ以上に猛烈に眠いんだ。
 こういう時はどうしたらよろしいでしょうか」

このことであった。

「それじゃ寝たほうがいいよ」

「うん…でも…」

しばらく膠着状態が続いたが、僕は嫁の股ぐらに手を入れたまま
寝てしまったようだ。気が付いたら朝だった。その手はいつ
払われたのだろうか…。

これを「股ぐら御免の変」といいます。
.

新潟中越地震〜親族の無事を確認できた〜

このところ揺れまくっている新潟。
震源地近くに父の兄弟が住んでいるのだ。

父が死んでからは僕の結婚式に来てくれたのと、
年賀状のやりとりぐらいの付合いしかなかったが、電話が
繋がり出してから連絡を取ってみた。

幸いなことに無事だとのこと。怪我や家の破損もない。

ただ父の長兄にあたる家が断水したままだという。情報網も
交通網も不安定な中、僕がやれることなど分かったものではないが

「何か出来ることがあれば…不足している物ありませんか」

と言ったところ

「連絡くれてありがとう。そっちも揺れたんじゃないのかい。
 Rちゃん(僕の1才の娘)は大丈夫かい」

などと逆にこちらにも気を配ってくれた。ひとまず水は自衛隊が
配給して回っているらしい。それでも給水やトイレなどは大変
だろうし、肉体的・精神的疲労は計り知れないものがあろうが、
ライフラインが仮にでも復旧しているので、ひとまずは安心して
良いだろうと思った。

「ありがとうね。ウチは大丈夫よ。電話くれて本当にありがとうね」

ひときわ感激されてしまったのが柏崎の叔母だった。父の兄弟は7人いて
その末っ子にあたる人。父は6番目だ。電話をかけただけなのに
どうしてこうも感謝されるのだろうと思っていたら、やがて実家の
母から電話があった。

「柏崎の叔母さんがね、泣きながらお礼の電話をくれたんだよ。
 お前の声が兄さん(僕の父のこと)にそっくりだったって」
 
「それはまた…。でも僕はあんな皺枯れた声じゃない!(そういう声
 だったのである)」

「そうだけどさ、叔母さん、お父さんに一番可愛がられてたから
 そう感じちゃうんだよきっと…。嬉しかったって言ってたよ」

柏崎の叔母は、兄弟の中で一番年が近い僕の父を一番慕い、
頼りにしていたという。父も妹思いで、何かと世話をしていたんだ
そうだ。父が死んだ時、感極まった叔母が

「いつでもオレを頼れ、って言ってたくせに、
 先に行っちゃったら何の意味もないじゃないの…」

そう声を絞り上げて泣いていたのを覚えている。きっと今でも
心の支えになっているであろう、僕の父を思い出してしまう
ということは、やはり心身共に相当疲れがあるのだろう。

被災地の方に心からお見舞い申し上げます。

このことを踏んで僕も覚悟すべきことである、と思ったことは、
もしこの東京がこのような被害を受けた時、僕は全力で嫁と
Rを守らなければならない、

このことであった。

世帯主とはそういうことであることよ、と災害から改めて
学んだ僕であった。

対岸のかじりん。
.

メイド IN チャイナ。

毎日毎日メイドさんのことを考えていたら
メイド喫茶に行きたくなったのであった。

ちょうど嫁と娘・R(1才)を連れて中野に買物に行った時に、
近くにメイド喫茶があるということを思い出し、

「嫁、メイド喫茶に行っていいかねえ?」

「あなたが行きたいなら行ってもいいよ」

という理解ある嫁に感謝しつつ向かったのであった。
ドキドキしながら店の中に入っていくと…

「いらっしゃいませ」

迎えてくれた女の子はメイド服じゃなくてチャイナ服を着ているー!
何故だ!僕はメイドさんを見たかったのに!と思ったら今日は

「チャイナデー」

という店のイベントだそうで…。店の中には女の子が3人。
皆チャイナ服を着ていた。イマイチ納得がいかなかったが、
わりと可愛いのでこれもまた良し!

ミルクティーをずずずと啜りつつ、Rにはベビーフードを
食わせながら店の中をじいいと見てみる。

「あなた、あの子チャイナにブーツ履いてるわよ。
 ちょっと変じゃない?」

嫁がヒソヒソ言うので、なるほどそれもそうかなあと思ったが、
僕はブルマに編みタイツとかそういうミスマッチものも好きなので
これもまた良し!

客は僕らのほかに明らかにオタクっぽいのが数名。
どうやら連日通い詰めているらしい常連客が

「マーボー丼おいしいですよ」

デヘデヘと必死に女の子と会話を図っていた。気持ち悪かったが
面白いのでこれもまた良し!

帰り際、女の子に聞いてみた。

「今日はチャイナですけど、普段はどんな服なんですか?」

女の子は即答した。

「アリスみたいなのです!」

「え…アリス?」

アリス・クーパー(米国のハードロッカー)

「あの、不思議の国のアリスですっ」

なんだ、そっちか。びっくりした。

当初はメイド服が目的だったが、なかなかチャイナ服も
良いものであるよなあ、と心変わりして店を出たのであった。
そういえばウチにもチャイナ服はある。前、UFOキャッチャーで
取ったので…。

嫁に着せてムフムフしてみようか。

やりたくなったらやっチャイナ。
.

メイドお騒がせします。

昨日から引き続きメイド服を売っている店を探していたところ、
こんなサービスをやっている会社を見つけた。

かわいいメイド服を着た女の子がお掃除してくれるサービス。
http://www.candyfruit.com/housemaid/

是非来て欲しい。お掃除して欲しい。
しかし残念ながらウチには嫁という存在がある。
果たして嫁が自分のテリトリーである自宅の掃除に
第三者、しかも女の子の介入を許してくれるだろうか。
いや、許しはしまい。

いや待て待てひょっとしたら

「家事の手伝いをしてもらって大助かり〜」

逆に喜んでくれるかもしれない、などと僕は判断がつきかねている。
要はメイド服の女の子が来る、というところが最重要ポイントだろう。

これが市原悦子みたいな家政婦が来るのであったら
嫁も何も文句は言うまい。

しかしこのサービスは明らかにメイドに対して様々な幻想や想像するだに
恐ろしい妄想を抱いている、メルヘンなお兄さん・おじさん方に
ターゲットを絞ったものであるから、それ相応の可愛い女の子が
来ないと根底からぶち壊しである。
だから女の子のレベルもそれなに高いものを維持しているものと思われる。
希望的観測ではあるが。

あとは値段。これが結構高い。「おかたづけコース」で3万円。
どんなもんなんだろうか。

案内をくまなく見てもその他に「おしゃぶりコース」とか「ヌレヌレコース」
とか、そういったオプションは一切ないので、本当に純粋な掃除のみの
サービスのようだ。それはそれで嬉しいような寂しいような。

そういえば嫁が言っていた。

「あなた、誕生日のプレゼントは何が欲しい?」

僕の誕生日は来月である。最早この年になると誕生日など嬉しくもないが、
しかしこのメイドさんサービスをプレゼントしてもらったら
どうだろうか…。

毎年増えていく年齢の数字。三十路を過ぎた僕にとって誕生日とは
確実に老いと死へ近づいていくことを再認識させられるイベントでしかない。

そういった意味を考えると、このメイドさんサービスこそ
誕生日プレゼントとしてふさわしいかもしれない。

一休さんも言っていた。

メイドの道への一里塚。
.

メイドありがとうございます。

友達でありこのサイトの看板娘を描いてくれているななこ

ロリイタ服が大好きで、真っ黒でフリフリのゴスロリ服姿や
ピンク色が基調の「あまロリ」服姿などをよく見せてくれる
キュウトな娘っ子である。

以前、嫁に内緒でななこと飲んだことがあって、酔っ払った僕は
やはりへべれけの彼女をデジカメでばちばち撮っていたところ、
翌日デジカメの中身をガサイレした嫁にたちどころにばれ、

「あなた、このお宝画像は何なのよーッ」

この世の全てを焼き尽くすかのような激しい怒りを買ったことがある。
しかしその後、ななこを嫁に紹介したところ

「嫁ちゃん、大丈夫ですよ!全然私のタイプじゃないですから!」

何の迷いもなくばっさりと断言し、嫁も納得している。
嬉しいような悲しいような。

さて、そのななこからメールが来た。

「メイド服が本格的に欲しいのよ!」

ロリイタ服は沢山持っているが、メイド服は持ってないようであった。
僕は彼女を「メイド喫茶」に連れてて行ったことがあり、
店の一角に売り物のメイド服が陳列されているブースがあったのだ。
ちなみにそのメイド喫茶は、僕が未だ恋心が解けずに悶々としている
元近所の美少女・Rちゃんが働いていたところである。

「あのメイド喫茶どこだっけ?今ネット環境がないから
 調べられなくてさ…」

ななこはそこでメイド服を求めたいようだったが、
残念ながらその店は閉店してしまっている。なのでネットで
調べてみたのだが、ネット通販専門しか見つからず、
ネットが出来ないななこには意味がない。
ハンズやドンキではパーティー用のコスプレ服があるが、
それはちゃちいのでダメなのだという。本格志向である。

そんなわけで都内でメイド服を売ってる店を知ってる方、
メールで教えて下さい。

それにしてもロリイタ服の彼女が何故急にメイド服に
目覚めたのだろう?

「彼氏とそういうプレイでもするの?」

ウヒョヒョヒョと、親父丸出しで聞いてみたら

「ぷれい…いいかも」

と言って寄こして来やがった。ちぇー。ヨロシクやってくれよ。

ところでネット通販のサイトを調べてみて分かったことだが、
メイド服は高い。万単位だ。ロリイタ服も高いがいい勝負である。

特注のデザインも受けるところもあったから、
ななこには是非オリジナルのメイド服を手に入れて
欲しいと思った。

メイド服なだけにオーダーメイド、と
僕は言いたいのである。ぽてちん。
.

立て、立つんだじょー。

会社から帰ると嫁が興奮していた。

性的に興奮しているのかと思い、やったるでーと
迎え撃つ覚悟でいたら違った。

「Rが一人で『立っち』したのよ!」

嫁がずい、と見せてよこした携帯電話のディスプレイには
娘・R(1才)がひとりでピョコンと立っている姿が
写っていた。Rは1才2ヶ月になるがまだ立って歩けないのだが、
今日いつのまにかひとりで立っていたのだという。
歩けはしなかったらしいがそれでも嫁は大喜びだった。

娘、1才にして立つ。

「今日『立っち』できたから明日は歩くよきっと」

「そんな急に出来るわけないだろ」

なかなか歩くことが出来ないRに嫁は少し劣等感を
持っているだけに浮かれまくっていた。
立っただけでこれだけ喜ぶとは…。

じゃあ…と僕は思った。

「僕の息子も立ちまくってるんだが、それも喜んでくれるかね」

お茶目に嫁を誘ってみたら

「なりません。いけません」

ぴしゃりと断られてしまった。夫、三十にして勃つ、であるのに。

「なんでよー。僕も『立っち』してるんだよ!かまってくれよ!」

「おなかがずっと下りっぱなしなのよ!」

嫁は月曜日ごろから腹の調子が悪いと訴えていた。
まだ直らないらしい。日曜日のお祭りに行った際に
屋台で買い食いしまくったからだと思うが、変な
ウィルスでも食らっちゃったんじゃないのか…?

Rが立ったら大喜びでも、僕が立ったら近寄ってもくれない嫁。

立っち、立っち、ここに立っち。

あーなーたーかーらー、タッチ

…してほしい。
.

血は乳より濃し。

娘・R(1才)が熱を出した夜、嫁も弱っていた。
尾篭な話になるが、腹を壊して下痢気味で、
アナールが痛いのだという。

前日に街のお祭りがあった時、いろんな屋台をハシゴして
バクバク食いまくっていたというから、おそらくそれが
当たったのであろう。うっかり八兵衛みたいな奴だ。

「あなたがむやみに入れたがるのも原因なのよ!」

嫁は僕の菊ゲートプレイにも責任を負わせようとするが
何をおっしゃいますやら。ノーマルプレイですら
ご無沙汰であるのに。

あっしにはまぐわりのねえこってござんす。

しかし嫁の受難はそれだけではなかった。
乳首に傷ができ、血も出ているのだという。

娘・R(1才)が強く吸うことによるものであるが、
その夜はRが熱で苦しみ、何度も起きて泣いた。
落ち着かせるため最良の方法はやはり授乳である。

嫁は傷ついた乳を敢えてRに与えた。Rは容赦なく
ちゅうちゅう吸う。苦悶の表情をあわらに乳を吸わせる
さまは、あたかも涙を流しながら産卵する海亀のような
深い母性愛を感じずにはいられなかった。
母としての覚悟を決めた嫁は、立派だった。

思い込んだら試練の道を 行くが母性のど根性。

そこで僕に何か助けが出来るかというと、何も出来なかった。
父親は無力である。まさに明子姉ちゃんのようにそっと
見守るしかなかった。

おそらく乳には少量ではあるが血も混じっていよう。
授乳を終えた後、嫁はトイレに飛び込んで行った。
乳の痛さと同時に、腹の下り具合にも耐えていたようである。

乳にもお尻にも傷を負った嫁。しかしその後も根性の嫁は
授乳とトイレを何度も繰り返して朝を迎えたのであった。
がんばれ嫁…育児の星を掴むまで。

血の乳流せ、おしりを拭くな。

いや、拭いてほしい。
.

バーニング娘。

夜中、ムックリ起き出した娘・R(1才)が発熱した。

ほっぺたが妙に真っ赤であることよと思って抱いてみたら
湯たんぽのように熱く、体温を測ってみたらなんと38.8度。
R、産まれて初めての発熱。これまで病気といえば鼻風邪
ぐらいしかなく、平穏に育ってきたが遂にこの時が来てしまった。

熱にもかかわらず、Rは普段どおりバタバタと
動き回っているが、僕はいささか動転していた。
えーと、こういう場合の対処は…。

「嫁よ、救急車呼ぶかい?」

「あなた、ネットで調べて!」

おおそうじゃ。こういう時こそネットを有効活用すればいいのだ。
何も身の回りのオポンチ話を書き垂れたりするためだけに
ネットはあるのではない。初めて真っ当なネットの使い方を
する思いがした。

早速「幼女 熱」と単語を打って検索してみたところ…

最近、この『はじめてのおいしゃさん』というエロゲーをやりました。
主人公は医者で、二人の幼子を診察ついでにHする……そんなゲームです。


おいこらグーグル、てめえウチの娘の一大事だってのに
こんなたわけたページ出すんじゃねえ!

「幼女」という単語がロリコンもしくはペドフィリア属性の
ページを悉く呼び寄せてしまっていたので、「子供 熱」とかの
単語に変えて再び検索開始。それにしても幼女好きが充満している
ネット世界であることよ。僕も少女は好きだが幼女は幼女としか見れぬ。

さて情報を集めた結果、熱はあるもののその他痙攣や嘔吐など、異常な
状態が見受けられないので、一晩ひえピタを貼って寝させることにした。
冷えた夜間に外に移動させるとかえってよくないこともある、とも
書いてあったので。

それでもRは苦しいのだろう、寝ても一時間おきに目覚めて泣き出す。
嫁も眠いのをこらえて母乳を飲ませてみると、ちゅうちゅう吸う。
食欲はあるようだ、と少しホッとする。

僕はその様子を手持ち無沙汰で体温計をいじりながら見ていたが、
久しぶりに自分の体温でも測ってみるかと思い、
脇の下に入れてみた。さて、何度であろう…

ぴぴぴぴっ。

35.2度

こ…これはまことか。僕は恐ろしくなった。
Rとの温度差が3度以上もある。

「嫁!ちょっと見てくれ。僕、こんなに体温低いよ!
 これってヒト科としてまずいんじゃないか?ねえ嫁〜」

しかし嫁の神経はRにのみ一点集中しており、僕が35度だろうが
100度であろうが全然取りあってくれないのであった。

…。

嫁との間にも温度差があるようだ。

(Rは翌日平熱に戻った)
.

家庭内家庭裁判所。

深夜、嫁による「お裁き」が始まろうとしていた。

裁かれる人:

僕。

罪状:

前日の夕方から深夜にかけて眠りこけてしまったことにより
娘・R(1才)をお風呂に入れる役目をバックれてしまった
「お風呂係放棄罪」

僕に課せられている育児仕事は僅かなものであるのに、
それをサボった罪は重い。嫁の表情は般若のように凄まじく、
まさに般若の面を被った桃太郎侍のように

「ひとーつ、人の世の生き血をすすり…」

今にも袈裟がけに叩っ斬られそうな威圧感をもって
対峙させられていた。

「反省してるの?」

嫁の声が重く部屋の中に沈む。

「…してます」

「あなたがRとお風呂に入れるのは、仕事休みの時しかないでしょう!」

「そうなんだ。そのせいかRはお風呂でやたらと楽しそうな顔を
 していてなあ…」

「そうよ!Rだって楽しみにしているのよ!それをあなたは…」

「ううう…R、ごめんよー!」

僕の娘ラブ心に巧みに訴えてくる嫁の責め。僕は良心を大いに打たれて
ただひたすら謝るしかなかった。週に1度か2度しかないRとの
お風呂を決して駄目にしてはなるまいぞ、というところで
「お裁き」は「お開き」になった。

「お開き」の後、なんとなく嫁に覆いかぶさってみたら、あれよあれよと
「お股開き」になってしまった。

許してくれたということでいいんだろうか。

ひとーつ、人妻のお股をすすり…。
.

カタカタブルブル。

娘・Rは1才2ヶ月になるのにまだ歩けない。
ほぼ同じ時期に産まれた嫁のママ友から

「うちの子、歩き出したのよ!」

という報告を次々と受け、焦り出した嫁が

「そうよ!『カタカタ』が必要なのよ!」

とひらめいて早速調達することにした。
「カタカタ」とはコレである。

photo

この「カタカタ」は嫁母がリサイクルショップで
買ってくれたのである。トイザまスで買おうとしたら
高かったので…。わりと貧乏性な僕ら。

ありがたいばば心に感謝し、早速Rに使ってもらうことにした。

「さあR、歩くのだ!」

「うきゃー!」

カタカタカタカタ…。

僕が始めに少し補助してやっただけでRは要領を
飲み込んだらしく、キャアキャアと嬉しそうに歩いていく。

ゴンと壁に行き当たると僕が方向転換をしてやる。
Rは飽きることなく何十往復もカタカタを繰り返す。

カタカタカタカタ。くるり。
カタカタカタカタ。くるり。

「R、すごいねー。いっぱい歩いてるねー」

僕は始めは楽しくRに付き合っていたものの、やがて疲れてきた。
一応初めてのことなので、Rがコケた時のことを考え中腰でRの後をつけ、
いちいち方向転換でくるりくるりとカタカタを動かすのである。

ああ、いかぬ。日ごろの寝不足も手伝って眠くもなってきた。

30分ほどカタカタし続けただろうか。Rも疲れたのかようやく
腰を下ろした。僕も体を横たえ、いつの間にか寝てしまった。

…。

目が覚めたら深夜だった。嫁もRもとっくの父ちゃんに寝ていた。
いや、父ちゃんは僕だが。

今日、Rを風呂に入れる役目は僕であった。
それをぶっちぎってしまったことになる。
嫁は怒っているだろうなあ。

そして台所にあった鍋を覗いてみた。
僕が食べるはずだった夕飯がそのまま冷えて残っていた。
嫁は怒っているだろうなあ。

夜が明けたらどんな制裁が待っているか…。
布団が針の筵になった気分で悶々と夜を過ごした。

翌朝。嫁は見事に一言も口を利いてくれなかった。
「シカトの刑」を食らったようである。
蛇に睨まれた蛙のような有様になった僕を尻目に
嫁は身支度をさっさと済ませ

「さあRちゃん出掛けますよ」

どこかに出掛けていってしまった。

…あのー。

二度と戻って来ないってのはナシね…。

娘カタカタ。
嫁カリカリ。
僕ガタガタ…。
.

僕の瞳が恋してる。

眼科に行くことになった。

自分の子供を溺愛するさまを「目に入れても痛くない」
などとよく言われるが、実際どんなものだろうかと思い、
娘・R(1才)を入れてみたらやっぱり痛かったのだ。

嘘である。

視力がどうにも悪くなってきたので、コンタクトレンズを
作るためである。嫁もここで作ったことがあり、

「土日もやってるし、受付に可愛い女の子がたくさんいるのよ!」

ということなので早速赴いたのだった。
速攻で受付にかぶりつき、席で待つように伝えられた。
しかし嫁が言うところの可愛い受付の女の子ではなかった。
おかしい。僕の目が悪いからなのだろうか。

視力を測るために通された部屋には、もはやヨン様のニセ者っぽい
男の検査員しかいなかった。おかしい。嫁の言うことと違う。

「では文字を読んでください」

と言われて力なく「はい」と答える僕。

「じゃあこれ!」
   ↓


「読めるかっ!」

こんな視力検査ではなかったものの、かなり視力が落ちていて
ショックだった。しかしそれ以上にショックだったのは、一番
楽しみにしていた「受付の可愛い女の子達」が全く見当たらな
かったことだ。

「あれえ。おかしいなあ。なんか今日はみんなオバサンみたい」

嫁ー!チクラッポ(栃木弁で「嘘」の意)言ってんじゃねえ!

眼科だけに目をつぶるって許すことはできません。
お目こぼしもできません。
.

Strike A Pose!☆娘の悩殺ポーズ。

「お嬢ちゃん、おっちゃんと楽しいことしようか
 うえへへへ」

例によって娘・R(1才)と犯罪にならない程度に
じゃれあっていると、嫁がニヤニヤして

「Rちゃん、アレやってみてアレ」

Rに何かするように促し始めた。

「何だ、アレというのは」

「あのね、私が教えたポーズ」

Rはしばらく僕の茶碗からゴハンを鷲掴みにして
食っていたが、やがて動いた。

むっふーん。

「キャー。できたー。コレよ、コレ」

嫁は大喜びだ。だが待て。これはまさか…。

「放課後キャンパス」ではないか!

「放課後キャンパス」とは「セクシーコマンドー」の戦闘体勢のひとつ。
「セクシーコマンドー」とは「フェイント」なんかの技術を「技」にまで
極めた格闘技である。

嫁め、またマニアックなものを仕込みやがったな。恐るべし。
実は僕もRに「ガチョーン」を仕込んでいたのだが、
なかなか覚えてくれず、嫁に先を越されてしまった。

しかし、Rもだんだん賢くなってきているようで楽しい。
こうなったら僕もどんどん教育していきたい。
さしあたっては「ガチョーン」をマスターさせることから始まり、

やがては「コマネチ」「パーデンネン」「まいっちんぐ」
「きもちんよかー」「アッチョンブリケ」「死刑!」「シェー」
「当たり前田のクラッカー」「なんでそうなるの」「OH!モーレツ!」
などの様々なポーズを…

いかん、ネタがどんどん古くなる。
(分からない子はその辺のオヤジに聞こう)

大体、平成二ケタの人間に対して昭和のカビの生えたギャグを教えて
将来何かの役に立つことがあるのだろうか。英単語のひとつとか
体位四十八手のひとつでも覚えさせたほうが良いに決まっているが…。

ヒジョーにキビシー!

(やっぱこれも覚えさせよう)
.

邪欲の秋。

夜中、遅い夕食を食べていたら娘・R(1才)が
ムクリと起き出し、デヘデヘと僕のところに
近寄ってきた。

「Rも食べるかい?」

ゴハンやポテトサラダをつまんで口に入れてやると
ニンマリ笑ってバクバク食べる。すごい食欲だ。
嫁がその様子を見て

「今日は人参も食べていたのよ」

僕のおかずにもある人参を指して言った。

「へえ、もうこんなもんも食べるんだ。僕は
 嫌いなのにすごいなあ」

渡りに舟とばかりにRに嫌いな人参を与えてみると
これもまたうまそうに食べる。頼もしき人参娘。

「今日はゴハンもおやつもたくさん食べたのよ!
 食欲の秋だからね!食べてもらわないと!」

嫁は張り切って言う。そうなのだ。Rはこないだの定期健診で
体重がまた落ちてしまっていたのだ。この時期痩せてしまうのは
あまりよくないことである、などと保健所の人に言われ
ショボーンとしていたのである。

そうか、もう秋なんだなあと僕は季節の移ろいを感じ

「じゃあ僕は性欲の秋だ!嫁、よろしく!」

秋の空のように爽やかに、親指をびっと立てて嫁に
ガッツポーズしてみたところ、嫁は

「また始まったよこの人は」

というなんとも言えない表情になり、やっぱり今日も
相手はしてもらえず悶々だけが溜まったままひとり
秋の夜長を過ごしたのであった。

天高く、玉肥ゆる秋。
.

N.O.(ノー・おっぱい)

電気GROOVEの名曲でN.O.という歌がある。

仕方ないなと分かっていながら 
どこかイマイチ割り切れないよ
先を思うと不安になるから 
今日のところは寝るしかないね

【JASRAC未承諾:MINOGASHITEKURE4649号】

未だに心にシンクロするものがあるので
大変好きな曲である。

話は変わり、最近嫁の乳が小さくなってきて
衝撃を受けている。

嫁の胸は元々関東平野のようになだらかであったが、
娘・R(1才)を産んでから劇的にリニューアルし、バイーンとした
隆起を誇っていたがそろそろ離乳の時期なのだろうか、
元に戻りつつある。

「なんだか小さくなったなあ」

僕が夜中行う乳房定期点検(夜這いとも言う)において指摘したところ

「そうなのよ…そうなのよ…」

嫁を落ち込ませてしまった。しかしこれは予め分かっていたこと。
今の胸は産後特需によって神が与え賜うた期間限定ボーナスのような
ものである。本来の姿ではない。別に乳を求めて結婚したわけでもなし、
いい夢をありがとう、そう笑って諦めるしかない。

悲しくないと言ったら嘘になるが、せめて僕にできることは
効果があるか分からないが、せいぜい揉んで揉んで揉みまくり
少しでも小さくならないように努力するのみ。

ここでまたN.O.の歌詞がリフレインする。

仕方ないなと分かっていながら 
どこかイマイチ割り切れないよ
先を思うと不安になるから 
今日のところは揉むしかないね

まさにそんな心境で揉む機会を毎晩狙っているのだが、
相手は育児に疲れていつも泥のように眠ってしまう嫁。

なかなか乳縮小化防止策を実行することが出来ないのが
悩みである。

これを、乳として進まず、といいます。
.

嫁の買物ブギ。

休日の昼下がりに嫁が言った。

「私、買物をしに新宿に行きたいの」

娘・R(1才)は寝てしまっていたので

「Rは僕が見ているから行っておいでよ」

僕は留守番を申し出た。Rが生まれてこのかた、嫁は片時も
Rを手元から離すわけにいかず、一人でショッピングなど
出来なかったはずだ。だから久しぶりに羽根を伸ばしてきても
よかろう、と思ったのだ。

見よ、何という妻思いの夫!

本当は単に出歩くのがめんどいだけだったのだが、
嫁は快く出かけていった。

「うふふRさん、やっと二人きりになれましたね」

などとアホな一人芝居をやってみたが、Rはぐっすり
眠ったままだった。ああんお父ちゃんを構ってくれよう!

ぷよぷよと肉厚のあるほっぺたであるとか、ムチムチとした
おなかをツンツンしてみたが全く起きる気配がない。

なんかポカンと一人取り残されてしまったがまあいいさ、
嫁、ゆっくり買い物して来い…僕もウトウトと寝てしまった。

かつかつかつかつ!

どれくらいの時間が経っただろうか。妙に慌しい足音がして
目が覚めた。嫁が帰って来たのだ。嫁は玄関のドアを開けるなり

「た、ただいま!Rちゃんは?」

血走った顔でハアハアと息も切れていた。
嫁は何をそんなに慌てているのだ?
慌てないでお嫁サンバ。女はいつもミステリー。

「んー。ずっと寝てゆよー。僕チンも寝てたー」

嫁とは対照的に僕は、ゆよーんとけだるい態度で答えると

「何ですって!Rが起きて泣いてるんじゃないかって
 心配で心配で急いで買物して帰ってきたのに!
 泣き叫ぶRを抱いてオロオロしてるあなたを想像してたのに!」

おいこら僕を何だと思っている。

嫁に解放のひとときを与えたつもりであったのに、
嫁は僕を全然使えないものと思っていたようだ。

嫁よ。僕は無能の夫かもしれないけど、
お留守番と子守ぐらいできるんだよ〜。

だからこれからもたまには一人で買い物行っていいよ〜。

僕はRとオルスバーン!
むちむちRはニクジュバーン!

お肉のしわとしわを合わせてしわよせ〜。

お留守番のハセガワー!
.

チキチキベビー猛レース。

近所の遊園地、年増園にて行われた「赤ちゃんハイハイレース」に
娘・R(1才)が出場した。

「はーい、今日はハイハイレースということでですね、
 3メートルのコースをハイハイして競っていただきます。
 途中で親御さんが手を触れて助けたりしたら失格ですよー」

司会進行役のお兄さんの声が響く。嫁がRを抱いて
スタート地点でスタンバっており、僕はゴール前で
見守っていた。

「第4コースのお友達は、1才のRちゃんでーす」

参加赤子のひとりひとりが紹介され、ポチポチと拍手が
送られた。そして親達が赤子をスタート位置につかせて

「よーいドン!」

いよいよレース開始。勿論赤子達に「ゴールまでハイハイしろ」
と言っても分かるわけはないので、親達がそれぞれの子の好きな物を
目の前にちらつかせて誘導するのである。

鈴を鳴らす母親、オモチャや携帯電話を振りかざす父親、
オッパイをあらわにする母親(これは嘘)親も必死である。

さあ我が娘・Rは、というと…。

 ぎゃわーん!

 びええええ!

結果:一歩も動けず、失格。

司会のお兄さんの「Rちゃん、がんばれ!」の暖かい声援も空しく、
泣きじゃくるRを抱きかかえ、撤収。

敗因は何であったか。

他の赤子たちは親がオモチャ等を見せると、それ欲しさに
ヨチヨチと進んで行ったのであるが、Rに限っては
「こっちまで持って来い」と言わんばかりに泣きじゃくり、
手は伸ばすものの自分からは絶対動かないという見事な
お姫様っぷりを見せてしまった。

しかしRは我が家の可愛い天使ちゃんなので、きっと
「求めよ、さらば与えられん」という聖書の教えに忠実に
従っただけに違いない…わけねえよ。教えてないし。
ウチ真言宗豊山派だし。ともかくこの結果は

「これはこれでウチの子らしくて良い」

と嫁と慰め合って参加賞のボールを貰って会場を
後にしたのであった。

帰りにRを労うべく、おもちゃを買いにトイザまスに
寄ってしまったが、僕が好きなアイスクリームの店も
近くにあったのでそこでRのお疲れさん会を開いてもよかったか。

ナンバーワンにならなくてもいい
もっともっと素敵なサーティーワン。
.

ミーの心は貴女の瞳のトリコロールざんす。

セレブで優雅な午後のひとときを気取ってみるべく、
おフランス料理店でランチしてみるか!と思い立った。

新聞のチラシに割引券が入っていたからな!
(このへんがとてつもなく貧乏くさい)

嫁と娘・R(1才)を引き連れて向かった店は
石塚(でぶや)が来たことがあるという。
じゃあたぶん美味いのだろうという期待もあったのである。

割引券効果のせいか店は満席で、20分ほど待たされてしまった。
所詮練馬区、その程度の貧乏人が多いのである。

ようやく席に案内されると、女の子がメニューを持って来た。
結構可愛い、どこか親しみの湧く笑顔の瞳が気になった。
いかん。こんなことを嫁に悟られたら…。平静を装って
注文したコースを確認したが、

「何か苦手なものはありますか?」

と彼女が聞いてくるので更にドギマギしてしまった。

沢山ある。ナスとピーマンとブロッコリーとカリフラワーと
シイタケとニガウリとアスパラガスとモヤシとニンジンと
虫の居所が悪いときの嫁と…

全部言いたかったが、まるで給食大嫌いの偏食小学生みたいなので

「いえ、大丈夫です…」

と答えてしまった。幸い料理は美味しく、苦手なものは全部
嫁の皿に投げ込んだので、貧しい料理に慣れきった僕の舌でも
堪能することができた。

Rはやたらとスープを飲みたがり、スプーンで何回も口に入れても
「あだ!」「うだ!」と要求するので、1才2ケ月のうちから舌を
肥えさせてしまっていいのだろうかと悩まないでもなかった。

しかし嫁は、客席の中に母親と来ている小学生らしき
女の子を見て

「あんな小さいうちからこんな店に来て!」

怒りをカンカンと露わにしていた。割引券に誘われて来る
僕らと住む世界が違うのだよきっと…。

店を出る時に、先ほどの女の子が

「お待たせしてすみませんでしたね」

にっこりと声をかけてきたので僕の小さなハアトは
ズッキュウンと弾けてしまいそうになった。

お、思い出した!

何故か親しみを覚える顔だなあと思っていたのだが、
この女の子は、遠い昔にちょっとだけムフーな仲になった
カナちゃん(仮名)に面影が似ているのだ!

「いやいや別に。ごちそうさま」

あくまで平静を装わなければならない。
そんなことを嫁に悟られてはいけない。
更にカンカンに怒ることであろう。

フレンチカンカン。
.

おねだり娘の対処の仕方。

寝っ転がってマンガを読んでいたら、少し離れたところに
チョコンと座っていた娘・R(1才)がそのマンガを欲しいらしく

「ひーん!」

こっちに手を伸ばして泣き出した。中身を読むことなぞ当然
できないが、本をペラペラめくるのが大好きなのである。

「Rちゃん、じゃあここまでおいで」

欲しいのなら取りに来なさい、とマンガをヒラヒラ広げて
示したのだが

「ひーん!」

Rは座ったままで求め訴えるだけだ。いかんよR。
自分で欲しいものは自分で動いてゲットしないといかん。
いにしえの歌にもある。

幸せは歩いてこない。だから歩いてゆくんだよ。
一日一歩三日で三歩。一日一本がんばるんば。
このことをRに分かってもらわなければなるまい。
だから僕は敢えて心を鬼にして

「ダメです!自分で取りに来なさい!」

「ひーん!」

「自分で動かないとダメです!」

「ひーん!」

しかしRは動こうとしない。最早押し問答となりつつあるところに

「フフフ、珍しくスパルタンXなのね」

嫁が僕直伝と思われる下らないギャグで横槍を入れてきた。

スパルタンXとは

1.昔のファミコンゲーム
2.1の元になった香港映画

そう…スパルタンX。娘のためなら鬼にもなってみせましょうぞ。

「さあR、幸せは自分で掴むのです!」

「ひーん!」

Rはそれでも駄々をこね泣きじゃくる

「…」

あーん、お父ちゃんもうダメ。僕はRの元に駆け寄って
マンガを与えてしまうのであった。

昼、娘に対しては鬼になれなかったものの、
夜、嫁に対しては鬼になる僕である。

スパルタンSE…。

一日一歩。三日でちん…。
.

情事がMAXコーヒー。

MAXコーヒー「ジョージアMAXコーヒー」という缶コーヒーがある。


栃木・茨城・千葉といった、関東でもヘボい県でしか
売っていない地域限定ものである。味はメチャクチャ甘い。
何しろ原料に「練乳」が入っている。

現在東京に住んでいるので買うことができないのだが、
僕は地元栃木にいた少年時代にこれをガブガブ飲んでいたので
未だに一番好きな缶コーヒーである。

ちょっと前、僕の好みを知っている母が栃木から大量に
送りつけてきてくれた。ありがたき母の愛。

早速飲んでいたところ、嫁がシナを作って

「ねえ、MAX、アタシも飲んでいい?」

とおねだりしてきたので、貴重な限りある缶コーヒーであったが

「いいよ」

嫁に譲ってやった。嫁も僕に教えられるまでMAXの存在を
知らなかったが、わりと好きになってしまったらしい。

「ありがとう」

嫁はぐびっと飲む。しかしタダで与えるほど、僕はMAXのように
甘くはない。釣った魚にゃ餌やらん。

「但しMAXを飲んだからには
 僕とSEXをしなければなりません」

「ふぐっむおっげふっ」

嫁は口からMAXを噴出しそうになるのを必死で抑え、
その後声を振り絞って「やだ」と拒否した。

「何でだよー!ジョージアSEXコーヒー!」

「バカー!」

ちっ。この手もダメか。あの手この手で嫁を
誘惑するのにちっとも乗ってくれない。

嫁から奪い返したMAXは、激甘な味のはずであるのに
とても苦かった。そう、人生のように。

昔は夜明けのコーヒーとか一緒に飲んだものだったがなあ…。

今度は嫁が自ら尻尾を振ってくるような
コーヒーで釣らなければなるまい。

それはヤリマンジャロといいます。
.

関東大人災。

この世でまことに怖いもの。地震雷火事親父。

一昨日の夜のことであるが、大きな地震があった。
地鳴りを感じた瞬間、寝ている娘・R(1才)を守るべく、
嫁と共にRの上に覆いかぶさった。電灯が落ちてくるかも
しれないと思ったのである。

見よ、身を捨てて愛する者を守る父の雄姿。
テレビやマンガでは、主人公に岩が落ちてきたり矢が飛んで
きたりすると、脇役が咄嗟に身を盾にして覆いかぶさるカッチョイイ
シーンがよくあるが、現実にはなかなか機会がない。
一度やってみたかった愛のある行動なのである。

嫁にはよく覆いかぶさっているが、これは
愛ではなく欲情ゆえの行動である。

遠い昔、同じことがあった。

僕が子供の頃、やはり深夜に大きな地震があって、
驚いて目を覚ましたら父が既に僕に覆いかぶさっており
二度驚いてしまった。

「お前がタンスの下敷きにならないようにな!」

父は僕が寝ているすぐそばにあったタンスから守ろうと
していたのである。

「でもお父さんに当たっちゃうよ。危ないよ」

「いいんだ、それが親だ」

それを聞いて僕は幼心ながらに感動した。大人になった今では
タンスを抑えていた方が安全かつ確実だったんじゃないかと
思うのだがそれはそれ、思い出は美しいままにしておく。

僕も子を持ったら「それが親だ」という気持ちになれるのだろうかと
思ったものだが、今こうしてRを守っている。愛は受け継がれRもまた
同じことをし、愛は続いていくのだろう。ラブ・ゴーズ・オン。
なんつってうひゃひゃ。

結局電灯が落ちてくることもなく、Rも父の愛のある姿を
見ることもなく眠ったままで、無事に朝を迎えた。

出勤前にじゃれついてくるRと戯れ、

「ほーらRちゃん、高いよーん」

とRを肩車していたら

「がこっ」

昨晩Rの元に落ちてくるんじゃないかと心配した、
まさにその電灯にRの頭をぶつけてしまった。

「わー。ごめんよー!」

「ひぇっ。ひぇっ」

今にも泣き出しそうなRを抱きしめて必死にあやす。

「まったくもう!何やってんのよ!」

嫁からも雷が落ちた。地震でも起きなかった災いを
親父がわざわざ招くとは何たるダメっぷりであることよ。

愛だけじゃ娘を守れないようである。

この世でまことに怖いもの。地震雷ダメ親父。
.

鼻の命は短くて。

夏の暑さが終わり、季節の変わり目になると僕は
鼻水が怒涛の勢いで溢れてくる。

そうなると僕は恥も外聞も無く、ティッシュを鼻の穴に
突っ込むことにしている。何しろ出てくる量が半端じゃないので
いちいちハナをかんだりしていたら鼻は真っ赤になるし
耳もおかしくなってしまうのである。

「ふふふふ…ふ!」

そんな僕の姿を見た嫁は当然嘲笑する。
嫁曰く、百年の恋も冷めるマヌケな姿なんだそうだ。
しかしこっちはそれどころではない。必死なのだ。
生きるか死ぬかの苦しみまで追い込まれているのだ。

嫁にとってはラブイズオーバーかもしれないが
僕にとってはライフイズオーバーになるかもしれないのだ。

数日後、今度は嫁がハナをぐずぐずいわしていた。
辛そうだったので、僕はすさかずティッシュ箱を
手に取って、

「ふふふ…君も突っ込むかい?楽だよ〜」

僕と一緒にティッシュ突っ込み族になろうぜえ、と誘惑したのだが

「それだけは絶対やらない!」

嫁は断固として拒否した。嫁には恥じらいがあるらしい。
別に僕はいいのに。嫁が僕の前で放屁するのは許さないが、
ティッシュを鼻に突っ込んでも幻滅しないぞ。

一方で娘・R(1才)も僕の難儀な体質を受け継いでしまったようで、
鼻水をダラーンと垂らしている。

いずれ大きくなったら僕がティッシュ突っ込みの術を
教えてやろうと思う。そして二人して嫁を取り囲むのだ。

いつ初めて教えてやろうか、と楽しみがひとつ増えた。

Rのティッシュ突っ込み初体験。
嫁もさぞ驚くだろう。

あっと驚くタメーゴロー!

鼻はじめ。
.

命日(ギャグなし)

親父の命日だった。

墓参りには行けなかったし仏壇も実家にあるのだけれども、
朝、会社に行く前に娘・R(1才)を椅子に座らせて、
親父の写真スタンドを前に置いて

「Rちゃん、今日は爺ちゃんにお祈りするんだよ。
 爺ちゃんはいつもRちゃんを守ってくれてるんだよ」

Rの手をとって、嫁と僕も手を合わせてのんのん〜と
拝んだ。

「Rちゃん、君は爺ちゃんを見たことはないけれども
 爺ちゃんは僕たちのことをいつも見ておいでだよ…」

親父は、僕が嫁と結婚する前に死んでしまったので
結婚式も初孫も見せてやることができなかった。

一方で母はRを目の前にするとデレデレになるが、
それを見ると親父にも見せてやりたかったなあと
チラリと思い、寂しい気持ちになる。

親父だったらどんな反応をしてくれるだろうか?

嫁の親父はわりとマイペースなところがあり、
Rも嫁父にはあまり慣れておらず、顔を見るとすぐ泣いて
しまうのだが、そうすると嫁父は

「うるさい!」

すぐ拗ねてしまうちょっとだけ困ったちゃんなところが
あるのだけれども…。

思いに耽っていたらRが親父の写真スタンドを
パタンと倒してしまった。

「あああRちゃん、そんなことしちゃダメよー」

イタズラをされても親父だったら母のように
デレデレと笑っていただろうか?
それとも嫁父のように癇癪を起こしていただろうか?

写真の親父は笑ったままだ。
.

嫁を食わねど高イビキ。

温泉から家に帰って来て一息ついた頃、くつろげたし良く寝れたし
良い旅であったことよと思い返し

「どうだ、お前もけっこう眠れたろう」

嫁も気分転換になって良かったのではないかと
尋ねてみたら

「寝られなかったわよ!」

とのことで…。あんれまなんでだべお化けでも出たんけ?と
母との会話ですっかり栃木弁に戻ってしまった口調で
考えた。

もしや僕が気が付かなかっただけで、泊まった部屋は実は幽霊部屋で
僕が熟睡している間、嫁はラップ音やポルターガイスト(騒々しい霊)、
はてまた金縛りになどに遭遇してたりして…と思ったが違った。

「鼾がうるさかったのよ…」

「ああ、母さんの鼾か。お前もうるさかったか。
 僕も起きてしまったよ。昔からすごいんだ。ごめんな」

「いや、あなたの鼾もうるさかったのよ!」

「ええ?僕も鼾かいてたのか?」

「そうよ!親子二代で!」

なんということだ。僕も母に負けぬ鼾をかいていたとは。
血は争えないものだ…。結構ショックである。

「それにあなたはヤラセロヤラセロってアホみたいに
 すがりついてくるし…」

「すまんね。箱根の大自然に囲まれて、お前を獣のように
 犯してみたかったんだよ」

「静かだったのはR(1才の娘)だけよ!」

Rだけは夜泣きをほとんどせず、静かに眠っていた。
旅先でも手のかからない良い子である。それに引き換え、

ラップ音ではなく雷鳴のような義母と夫による鼾。

ポルターガイストより騒々しい、地獄の亡者ならぬ
性欲の亡者と化した夫による「ヤラセロ」の呻き声。

更にはすがりつく夫による金縛り。

なんか心霊現象よりもタチが悪いような。

どうやら僕と母は、嫁に思う存分我ら一族の恥を晒してしまった
ようである。それでも笑顔を絶やさずに母と接してくれた
嫁には感謝しなければなるまい。

旅の恥はナマステ。
.

しっぽり温泉うっとり温泉。

箱根で泊まったホテルの中を嫁と母、娘・R(1才)で
うろついていたら露天の「足湯」を見つけた。

「足湯」なら男湯と女湯に分かれることなく
みんなで入ることが出来るので嫁に

「足湯やるべ足湯」

嫁を誘って入ろうかと思ったのだが、嫁は足湯の様子を
窺った後、

「今、若いカップルがしっぽりと入ってるから邪魔しちゃダメ」

などとおやじ臭いことを言うので

「どうせあそこでしっぽりした後、部屋の中でずっぽりするんだから
 別にいいだろ」

これまたおやじ臭いことを言い返したが却下されてしまった。
その後ホテル内を探索した後、エレベーターで部屋に戻ろうとしたら
その足湯しっぽりカップルと同乗してしまった。

2人とも湯上りで頬が赤く染まり、お揃いの浴衣を着てピッタリと
連れ添っている様は確かにとてもしっぽりしている。
若いカップルなのに箱根の温泉旅行などというのは渋い。

「でもこういうところって不倫のカップルが似合うよね」

エレベーターから降りてから嫁と母にそんなことを言ってみた。

箱根とか熱海とか、東京から近場の温泉というのは、どこか淫靡な
匂いを漂わせる不倫のカップルによく似合うような気がする。
このホテルにも部屋ごとに露天風呂が付いているところがある。
きっとそれはあまり他の人と会いたくない不倫カップル向けに重宝
してるのではないか。すると母も

「そういえばお母さんも前に行った温泉でさ、食堂にすごい年の離れた
 カップルがいてね、ありゃ不倫だよ。結構見るよねえ」

したり顔で言っていた。なるほどそうであるか。

温泉…人目を憚りしっぽりする男女2人…浴衣…湯煙り…
しっぽりの後ずっぽり…いいねえ…趣があってとてもいいなあ…

うっとりしながらニヤニヤしていたら

「どこがどういいのか説明しなさいよ、え?」

嫁に首を絞められた。しまった口に出して言ってしまっていた。

こういういつまでも浮気心があるヤマッ気こそ「足湯」に入って
足を洗えばよかったんだ。きっと。
.

箱根、ザコ寝、一人寝。

嫁と母、そして娘・R(1才)で箱根にレッツラゴー。

まずは芦ノ湖の遊覧船に乗るのだ。
桟橋のチケット売り場で船が来るのを待って並んでいたら、
老人団体客がドドドドドとやって来て、ベビーカーに乗ったRを

「アラー赤ちゃん」

「んまあー赤ちゃん」

「赤ちゃんバイバイ」

いちいち覗き込みながら通り過ぎて行ったので

「ぎゃわあああん」

Rは恐ろしくなったようで泣き出してしまった。そんなに赤ちゃんは
珍しいのだろうか。

折りしも先ほどまで晴れていた空に一気に暗雲が流れて来、
桟橋には老人が溢れ、遊覧船を待っていた桟橋はなんだか
三途の川の渡し舟を待つような雰囲気になり、僕もいささか
ダークな気持ちになってしまった。

宿に着くと、お目当ては露天風呂である。
結局僕は嫁・母・Rと別れ、一人寂しく男湯でしっぽり浸かって
いたのだが、

「ぎゃわあああん」

壁の向こう側からRの絶叫が聞こえてきた。
Rの「場所見知り」である。嫁と母はあやすのに必死だったらしく、
僕は一人でよかったのかもしれない。

皆が寝静まった真夜中、僕は母の鼾で起きてしまった。
忘れていた。母の鼾は物凄いのである。

僕はすっかり目覚めてしまい、すると別なリビドォな
方面も目覚めてしまった。嫁の寝床まで這って行き、

「なあ〜母さんも高鼾で気付かないだろうから
 いいだろ」

一泊二日の旅を何としても一発二日にすべく
言い寄ったのだが

「いいわけないでしょ」

嫁のガードは固かった。

「ぎゃわあああん」

一日の最後は僕が泣き出したくなってしまった。

入り鉄砲と出女には特に厳しかった箱根の関。現在は
入りち○ぽにも厳しいようである。
.

秘湯温泉湯けむり人妻幼女老女連行事件。

これから箱根の温泉に行く。
還暦の母のお祝い旅行ということになる。

メンツは僕と嫁と娘・R(1才)と母…。

あっ。女の中にぃ〜男がひとりぃ〜ではないか。

せっかく温泉に行くのに僕だけ男湯で
ポツーンと取り残されてしまうではないか。

「そんなのやだい」

と嫁に駄々こねてみたら

「じゃああなたがRと一緒に入ればいいじゃないの」

という。なるほど尤もだ。

話は飛ぶが、僕がRを風呂に入れる時に気をつけている
ことがひとつある。それは僕の…、その、なんていうか
Rを作ったタネイモをRに見せないことである。

ちょっとでもRの視界に入ると手を伸ばしてきて握ろうと
とするのだ。AV女優も真っ青の食らいつきである。
Rのされるがまま、いじくり回されてみるのも乙なもの
かもしれないと考えないこともないが、それでは人の親として
いけない気がするので自制している。

そんなRをタネイモいっぱいのイモ畑男湯に連れて行ったら
どうなることか…。湯船に浸かっていたら、隣の知らない
おじさんのを握っちゃったりして。

「あっすみません。うちの子、握るの好きなので…」

「あんたどーいう育て方してるの」

などと呆れられるかもしれない。
ま、Rも現在はタネイモが何であるかを分からずに、
ただ風もないのにぶーらぶらしているのが面白くて
握ろうとするだけなのだろうけど、将来そのまんま
タネイモばかり追い駆ける好き物女になったらどうしよう…。

いや、うちの子に限ってそんなことはない!

うちの子握って。
.

あなたと結婚してよろしかったですか。

本屋のレジに並んでいたら、店員がいちいち

「千円でよろしかったですか」
「3千円でよろしかったですか」

最早おなじみになった変な接客フレーズを発するので
耳に障った。未だに使う奴がいたとは。今まさにお金を
出しているのに何故過去形であるか。

おそらく一度身に染み付いてしまった言葉遣いは、
ガッツ石松の栃木弁の様に容易に拭えないものなのだろう。

「千円から」「お会計のほう」など何かと断言を避け、
物事をぼかして婉曲な言い回しをする傾向にある接客用語は、
「よろしかったですか」において遂に時間軸をも捻じ曲げてしまった。

あたかも客が前もって「はい3千円ね」と伝えたかのような
言い様ではないか。

お客様が3千円と仰ったので、私は確認を取っているだけですよ…

というシチュエイションを強引に捏造することで「これは千円札3枚
なのだろうか」という判断を店員が下すことを放棄し、客に判断負担を
求める意図が読み取れる。店側で判断を間違えてトラブルになることを
避けるための「判断負担すり替えの術」であるに違いない。

僕の会計の番が来た。雑誌と代金を出しながら悪巧みを考えた。
「○○円でよろしかったですか」と聞いてきたらすさかず
「領収書貰ってよろしかったですか」と言い返してやるのだ。

ふふふ…。

「はい、300円ちょうどですねー」

し、しまったあ!小銭が溜まってたのでつい…。

家に帰ってから嫁に

「お前を押し倒してよろしかったですか」

と言ってみたら大笑いされた。
やはり日本語としておかしかったですか。
.
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