旅は道連れ余は留守番

嫁と子供達の旅行の様子をデジカメで見せてもらった。

いきなり絶叫ヅラの娘・R(3才)と息子・タク(1才)がモニタに映った。動画である。

「あんぱんまんは、きみっさー!ちーかーらーのかぎっりー!」

嫁一族全ての人間をオーディエンスとして侍らせ、下手糞なパンクバンドのライブのようなノリで歌う叫ぶ踊るR。

「……さー!……りー!」

タクも不完全ながら、Rの歌に合わせて語尾だけ捉えて叫んでいた。「ほう…」と感心してしまったのはRもタクも踊りが良く出来ていたこと。この曲はアンパンマンの歌なのだが、決まった振り付けがあるのである。何べんも見せていたとはいえ、タクまでもがここまで覚えているとは思わなかった。

子供の吸収する力は凄い。素晴らしい吸収力。多い日も安心。

「この歌と踊りをね、私達は何十回も見させられました」

嫁が苦笑いするが、いいではないか。皆楽しそうで賑やかで。その頃の僕はひとり家にいた。やたらと威圧感がある雛人形達に対し、ひとりぼっちで圧倒的マイノリティになった生身の人間サイドの僕は、彼らの視線に怯えながら留守番していたのである。もはや雛人形はトラウマ。

エンドレスリサイタルの記録の他には、

「どっこいどどんちょ日本海」

とでもタイトルが付けられそうな、青い海をバックにしたタクの凛々しい演歌CDジャケット風画像、お花畑で戯れる花の妖精と化したRのメルヘンな画像、などなど…同時期の僕は雛人形に睨まれて脂汗を流していたというのに、なんて素敵なジャパネスク。

そんな嫁と子供達のメモリアル画像をうっとりしながら眺め、さて次の画像は…と切り替えた時、

「うぎゃああああ!」

思わず悲鳴を上げてしまった。

増殖雛人形
「ひ、雛人形が、雛人形が、こんなにいっぱい…」

もう雛人形はこりごりだと恐怖が染み付いていた時にこの大雛人形集団である。腰が抜けそうになった。

「ああそれはね。雛人形が何千体も集まるイベントなんだっていうから行ったの」

「か、数揃えりゃいいってもんじゃないだろう…何千体って…どんな乱交雛祭りだよ」

増殖
Y.M.O.の「増殖」かと思った。

「それとRと同じぐらいの大きさの雛人形もあってね。世界一大きいんだって」

「誰も競いたくねーよー」

雛人形へのトラウマを決定的にしてしまった千葉の地の名も知らぬイベント。その趣旨は僕なぞには分かりようがないが、おそらくこう言いたかったに違いない。

人形は数が命です。

問題:今回の旅行の後、嫁が異常に欲しがり出した物は何でしょう?
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