葉山の海
7/1/2025/TUE
ソロ活、半年

「今年はソロ活の年」と年始に宣言してから半年。ほんとうにひとりだった。

誰にも誘われず、誰も誘わない。家族以外には誰にも会わないまま半年が過ぎた。

美術館も植物園も一人で行った。ライブハウスには昨秋以来行ってない。

おかげでだいぶ節約はできた。

今年はこのまま、この調子で過ごそうと思う。自己充足することが今年後半の目標。

独りであること、未熟であること

そう自己を定義したのは、1969年に二十歳の大学生だった高野悦子。

還暦も近いというのに、私はまだ同じところに立ち止まっている。


さくいん:ひとり高野悦子


7/2/2025/WED
Wi-Fiルーター買い替え
新しいWi-Fiルーター

8年間使ったWi-Fiルーターを買い替えた。速度に不満はなかったものの、ときどき落ちるようになったので、さすがに8年は使いすぎかと思い、買い換えることにした。

今回はAIを使って買い物をした。Twitter(現X)付属のAI、Grokに現行機種の型番を入力して買い替え製品を提案してもらった。それから通販サイトや口コミサイト、製品を紹介するマーケティングサイトなどで性能と価格を調べて通販サイトで購入した。

AIのおすすめを鵜呑みにはできない。最後は自分で調べなおして決めた。

購入したのは現在使用しているメーカーと同じ、エレコムのWRC-X3000GS3-B

新機種への移行は簡単。WPSという移行機能があるので、パスワードなどは自動的に引き継がれる。あっという間の出来事だった。

オンラインゲームや動画編集をしているわけではないので、速度の違いは体感できない。

二人暮らしなので、同時接続しているデバイスも少ないから安定度もわからない。

きっと速くなって、より安定しているに違いない。

一つ、変わったのはiMacを有線LANで接続できたこと。これは安心感が増した。

昔は、周辺機器を買い換えると設定にずいぶん手こずった。それだけに導入できると喜びもあった。今回、あまりに簡単に移行できたのでたいして感慨もない。バスタオルを買い替えたくらいの感動しかない。それだけITが生活に溶け込んでいということなのだろう。


7/5/2025/SAT
歴史のダイヤグラム<3号車> 「あのとき」へのタイムトラベル、朝日新書、2025
歴史のダイヤグラム

実家で母は朝日と日経を購読している。帰省した週末には、朝日の書評欄と原武史の鉄道コラムを読む。

著者の鉄道への情熱と該博な知識に圧倒される。毎週、これだけ中身の濃いコラムを書くには相当の調査と準備が必要だろう。著者にとっては、きっと楽しみでもあるのだろう。筆が軽快に進んでいることがよくわかる。

最近読んだ『日吉アカデミア1976』に書いてあった横浜線の濃密な研究も、中学生だった著者が楽しみながら書いたに違いないと想像させる。調べることと書くことが好き。学級肌とはこういう気質を言うのだろう。

面白いと思ったのは、子どもの国線の長津田駅に改札がないという話と、イギリスでも駅には改札がないという話。

子どもの国は戦中、爆弾工場があり、当時旧制横浜二中(現翠嵐高校)の生徒だった父は学徒動員されて働いていた。戦後、公園として整備されて真っ先に見に行ったと聞いたことがある。

ヨーロッパの改札がない鉄道で、実際にベルギーで無賃乗車の摘発を目撃したことがある。読みながら、30年以上前の新婚旅行を思い出した。

『鉄道ひとつばなし』の初巻に書かれていたように、著者にとって思索の源泉ということがよくわかる一冊だった。


さくいん:原武史


7/9/2025/WED
藤原先生のこと

原武史『歴史のダイヤグラム』に学部時代の恩師、藤原保信先生のことが書いてあった。

藤原先生のことは丸山眞男と対比して書いてある。丸山は1944年、応召されて中央本線に乗り、松本へ向かった。一方、1935年生まれの藤原先生は戦後、東京で働きながら夜間部へ通うために中央本線で新宿へ向かった。藤原先生については、日を改めて書く。

藤原先生は学生時代の苦労について語ることはほとんどなかった。没後に刊行された私家版の自伝で初めて彼の半生を知った人は、私を含めて少なくないだろう。専門家の外側では藤原保信の名前も今ではきっと広く知られてはいない。

学部三年生のときに、成績が悪かったにもかかわらず、運よく藤原先生のゼミに入ることができた。それから卒業まで、ゼミ論文の指導を受けた。

先生は還暦を前に病気で亡くなった。亡くなったのは私が大学院にいたとき、その前に、病室で大学院を受けるための推薦状を書いていただいた。それよりも前、学部を卒業してメーカーに就職したときには、「労働者のために働きなさい」と励まされた。

推薦状を書いていただいたのに研究者になれず、労働者のために働くという激励も裏切ってしまったので、先生には合わせる顔がない。

ふだん本は買わずに図書館で借りて読む。今回は藤原先生のことが書いてあったので買って読んだ。読み終えてからは読書好きの母に貸した。


さくいん:原武史丸山眞男藤原保信