嫁と娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)が嫁の実家に帰省中で、引き続きひとりぼっちの夜。

上を向いて寝よう。涙がこぼれないように。泣きながら寝る。ひとりぼっちの夜。
天井のシミが、おすぎが舌なめずりしている顔に見えて余計涙と脂汗がこぼれてくる。

子供達の声が聞きたくなって嫁携帯に電話した。

「もしもし~?あなた?明日帰るから迎えに来てよ」

「子供はっ!子供は無事なのかっ!」

子供を誘拐された親の如く詰め寄ると、タクは寝てしまっているとのことで、「…ほら、お父さんだよ」と嫁がRに電話を持たせる声が漏れて聞こえてきた。

「もしもしー。Rちゃん?お父さんだよー」

Rは電話に出る時は蚊の鳴くような声で喋る。いつもは「パパおいでー!」とめちゃくちゃうるさいくせに、電話だとシャイになってしまうようだ。Rに声を掛けてから5秒後、「んふー」と鼻息を吹き付けた後

「…おとうしゃん」

ようやく小さな声が返ってきた。ああ、魅惑のウィスパーボイス。カヒミ・カリイも真っ青。久しぶりの我が子の声。

「ゴハンは何を食べたの?」

「…かれー」

律儀に答えるRの可愛さよ。ランチはカレーだったってさ。やはりカヒミ・カリーなのかな?イヤン僕ったらつくづくオヤジ。そんなどうでも良いことでもタマランチ会長。

「お父さん、明日行くからね」

「うん」

「じゃあお母さんに代わって」

「うん」

うん、と言ったものの、まだ電話を持っているようでしばし無音。

「…」

「…」

「…あれ、まだRちゃんが電話持ってるのかな?」

「うん」

「…お母さんに代わってくれないかなー」

「うん」

「…」

「…」

「…パンツ何色?」

「…ぷーさん」

つい下らないことを聞いてしまった。Rがはいているのはパンツではなくて、くまのプーさんのイラスト付きのムーニーちゃん。分かっていることだ…。

ようやく嫁が代わった。

「あ、あなた?Rがちっとも電話を離そうとしなくて」

ああ、きっとRもこの父が恋しいに違いない。ときに嫁、お前パンツ何色?と聞こうとしたのだが、電話の向こうは嫁実家であることを思い出し、さすがの僕も自粛して、

「じゃあ…おやすみ」

と携帯を切った。ともかく声を聞けてよかった。しかし切った後はやはり寂しくなる。離れた場所でのRの声を聞くと切なくなるし、嫁の声を聞くとムラムラするし。どんだけ淫獣やねん。

もうちょっとだけ声を聞きたかったな…もう1回だけ電話しちゃおうか…と携帯に手を伸ばそうとしたら、つい携帯ではなく海綿体に手が伸びてしまったので、それはそれで続行と相成ったひとりぼっちの夜。

上を向いて飛ばそう(最低)

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嫁は休日出勤の僕を残して娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)を連れて実家に帰ってしまった。

「あなたも仕事終わってから来れば~?」

というつれない言葉を残して…。僕はとある1枚の絵を眺めながら寂しい夜を過ごしたのである。

その絵とは、Rが描いた僕の似顔絵。

昨日の朝、Rがお絵描きをしていた。

「R、パパの絵描けるかな?」

と言ってみたところ、ぐりぐりと鉛筆を動かし

「えーと、おめめとー、口とー、おはなとー、はい、パパ」

とブツブツ呟きながら描いたのがコレである。

似顔絵
ちゃんと顔のパーツが分かるまでうまくなっている!これまでも僕や嫁の顔だと称する絵を描いたことがあったが、それはマリモが崩れまくったような球体のようなものにしか見えなかった。

これでも他人が見たら汚い絵に過ぎないが、我が子の成長の証がどんな画家の名画よりも心を打つのである。

昨晩はこの絵を片手に寂しい夜を過ごした。そしてこれから仕事。世間ではゴールデンウィークだというのに。友達の中には海外に旅行するのも多い。昨日電話で話した友達もハワイに行くとか。しかも彼女と。おそらくここぞとばかりにものすごいエロスなことをするに違いない。いいなあ…。

片やハワイで片や娘の似顔絵を慰めにしてひとり休日出勤。この差は何であろうか。

来年はハワイぐらいは行けるようになればいいな…。

似顔絵でアロハオエー、みたいな…。

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今度の土日は嫁の実家に泊りがけで行くことになっていた。

ところがどうにもこうにも仕事が忙しく、どうしても土曜日に会社に行かなければならなくなってしまった。なんだってゴールデンウィークの初っ端からこんな目に会わなければならぬのだ。

嫁の実家に泊まりに行けないではないか…と嫁に相談してみると

「じゃあ私、子供達連れて先に帰ってるから」

「ちょっとお前!冷た過ぎる!」

「あなたの休みに合わせて土曜日に帰る予定立てたんだけど、それももう意味な いから金曜に帰るね

「僕を置いていかないでくれー!ひとりじゃ寂しい!」

魂の叫びをいくら上げようが馬耳東風。嫁は娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)を連れて今日実家にとっとと帰ることになってしまった。既に帰省用のバッグとか用意してあるし。おのれ嫁。仕事地獄の僕に同情するどころか予定を早めてるし。

ということは今夜と明日の休日出勤の朝はひとりで過ごさなければならなくなった。休日出勤なんてただでさえモチベーションが低いので

「あなた、お休みなのに仕事ご苦労さま」

と、ねぎらいながら見送ってくれるのが嫁ではないのか。里心がついてしまったに違いない。

「あはは。花金の夜は羽を伸ばしてよ」

何が花金だ。せいぜいひとりで玉金をいじくるのが関の山だよ悪かったなこの野郎。家に誰もいない時にここぞとばかりにギャルでも連れ込むぐらいの甲斐性があったらなあ…。(誰か来ませんか)

何と言っても一番辛いのは子供達とも会えないことである。いつも朝ニコニコと見送ってくれるRやタクの可愛い笑顔が見れないなんて。そして夜の天使のような寝顔が見れないなんて。

すっかりナーバスになってしまった僕は、昨日の夜はRやタクの顔を見ては

「しばらくパパはお前達と会えなくなっちゃうんだよ…」

とか

「もっとパパに顔を見せておくれ…」

とか

「今夜が最後だね…」

とかしみじみ語っていたら

「あのねえ!もう少し明るく見送ってよ!やっと何ヶ月ぶりに実家に帰れるというのに!」

「だってさあ…」

子育て地獄から少しでも開放される上げ膳据え膳のパラダイス。それが嫁実家。そりゃ嫁にしてみれば嬉しいに違いないだろう。しかし僕にとってはホームアローンこそ孤独地獄。

今の僕は仕事の海で溺れまくって、命を削られる思いで帰って来て、家族がいてくれてこそ癒されて、また翌朝起きて削られに行く。寂しいと死んでしまうウサギさん状態。もともと東京に出てきてから十余年、ずっと一人暮らしをしてきたくせに、もともと一人だったくせにおかしなものだ。

勇気を出してデリヘル(電話をするとお姉さんが来てくれる革命的桃色サービス)に初トライしてみようか、などと考えるまで不安になっている。確か池袋に「デリエモン」っていうデリヘルがあったなあ。ホリエモンも保釈されたことだしどうだろう。関係ないけど。

結局悶々としたままエロビデオを大音量で鑑賞することぐらいしか出来なそうなことは、自分のことなので目に見えているのだけれども。

ああ、いい年こいてホームアローンは寂しいとかとか言っている自分が恥ずかしい。そしてホームアローンを紛らわすのに、ことごとくエロスなことしか思い浮かばない汚れた自分が恥ずかしい。

ホームエローン。

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午後11時…。

街も深い眠りに入り、今日もまた一日が終わろうとしています。
昼の灯りも闇に消え、夜の息遣いだけがきこえてくるようです。
それぞれの想いを乗せて過ぎていく、このひととき。
今日1日のエピローグ。クロスオーバー・イレブン。
(懐かしいなあ)

「今日こんなことがあったの…」

嫁は1日の疲労を身を身に纏ったまま寝具に包まり、今にも夢の世界に引き摺り込まれそうなうっとりとした表情で今日の出来事を振り返り、僕に語って聞かせた。

「私がタク(6ヶ月の息子)をおぶって、R(2才の娘)の手を引いて道を歩いていたら、向こうから女の人が歩いて来たんだけど、その人も子連れでね…」

「うん」

「私に話しかけてきたのよ」

「ほう。なんて」

「ちょっと○○教についてお話させてもらっていいかしら?って」

「直球な宗教の勧誘だね…」

「なんであんな道端で、しかも唐突に勧誘してくるのよ!おかしいよ!」

嫁は憤慨していた。しかし横浜のナンパ橋でもナンパされなかった嫁が、何故近所の道端で宗教さんにナンパされるのか。僕には何となく理由が分かるのだ。

「言うのは悪いと思ってたんだけど…お前、やつれて見えるんだよ…」

「はあ?」

「特にタクをおんぶ紐でおぶってる時なんか、おしんみたいで…」

おしん
「おしん?」

「生活疲れと所帯臭さとくたびれ感が滲み出てるんだよね。いかにも薄幸そうな感じで。だから宗教さん達にはカモに見えるんじゃないかと」

「うむむむむ…」

「嫁!お前もっとちゃんと化粧しろ!服もいいやつ買ってやる!ベベ(※)なんかで買ってるんじゃない!」

※駅前にあるショッピングビル。正式名称を「ファッションパークBEBE」という、全然ファッショナブルじゃないおばさん向け洋品がメインの店。安いのが取り柄。

「あそこでは買ってないよ。ユニクロだよ。ユニクロのどこがいけないの…」

「もっと華やかにするのだ!パルコ行こうぜパルコ!ギャル服買ってやる!」

「なんで今更ギャル服着るの…」

「たまにはそんなプレイも興奮するかなあと思って」

そんな宗教勧誘対策を練りながら嫁は眠りに落ちて行った。勧誘がどうのこうのという話は置いといて、やはり夫としては自分の嫁は出来れば身だしなみが綺麗であって欲しい。

小さな子供を抱えると、美容院にも行けないしゆっくりショッピングも出来ないことは分かるが、毎度ちんこを挿れる立場としては少しでも小奇麗な方がいい。

翌日、嫁がムッスーとした顔で言った。

「なんか昨日さあ、あなたにすごい失礼なこと言われた夢を見てさあ。化粧がなってないとか、もっとちゃんとした服着ろとか」

「いやそれ夢じゃないから!」

この人は催眠勧誘であっさり新興宗教に洗脳されそうな気がする。

僕は僕自身のチンコー宗教にはまっているので大丈夫である。

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朝仕事に出かける時に、家を出て30歩ぐらいしてから忘れ物に気付いて戻ったりする。

だいたいケータイだったりタバコだったりするのだけれども、しょっちゅうそんなことをしているので娘・R(2才)も覚えてしまったようである。

今日もタバコを忘れてバタバタと取りに戻ってくると

「あ、ぱぱ、あんわ(電話)?んにゃこ(タバコ)?」

と聞いてくるようになった。なかなかしっかり者のようである。いずれ大きくなったら世話焼き女房のようになるのかも知れない。

「パパ、ハンカチ持った?ティッシュは?」

「ちゃんと持ったよ~」

「はい、じゃあ行ってらっしゃい」

「あ、パンツ履くの忘れた」

「パパのバカー!」

などと娘にツンツン言われるのも悪くない。そして

「はいはいちゃんとパンツはいて!遅刻しちゃうわよ!」

「あ、もうひとつだけ忘れ物があった」

「もう!何よ!」

「行って来ますのチューさ、子猫ちゃん」

「きゃあ!パパったら」

なあんてことが出来たら僕の中高年期はどんなにバラ色になることであろうか。。いや待て。それは本来嫁とやるべきではないのか。第一娘が父親に対してそんな親身になるとは思えぬ。嫁と新婚の頃はどうだったであろうか。

思い返すに、嫁と一緒に暮らし始めてからしばらくは、確か

「ズームイン朝~ベッドイン朝~」

とかほざいていた覚えがあるので、朝も早よから朝駆けのちんちん生活を満喫していた記憶がある。なんだ、既に嫁ともっと凄いことをしていたのではないか。

現在嫁は絶対やってくれそうにもないので、もしかしたらその過ぎし良き日をもう一度Rと…と淡い期待を抱いているのかもしれない。娘とのやりとりは嫁とはまた違う楽しさと甘さとくすぐったさがあるものである。

「じゃ、行って来ます」

そんなことを考えながら忘れたタバコを胸ポケットに入れ、再び家を出ようとしたところRが泣きながらすっ飛んできた。

「ぱぱー!ばいばいしてー!あーくーしゅーしてー!

しまった。いつもRとする挨拶、「握手でバイバイバイ」も忘れてた。既にRは僕の忘れ物チェックをしておったわ!ごめんねR。先程の妄想シーンの、ツンツンと僕をたしなめるシチュエイションもそそるが、「パパ忘れてるよ」と泣いてすがってくる今のRも充分僕をノックアウトする力があったわけで…。

なんだかうまくオチないのでおわり。すみません。

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半日だけ休日出勤した土曜日。

午後3時ごろ家に帰ってきたら、娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)は昼寝中であった。腹が減ったのでゴハンはないのかと嫁に聞いたところ

「ない!!!」

と言う。新婚の頃だったら「じゃああたしを食べて」と言っていたものだが、それもない。結婚して陳腐化する嫁。そしてちんぽ化する僕。別に悲しくなんかないし。歩いてすぐそこのラーメン屋に行くからいいし。あそこのラーメン美味しいから何度も行ってるし。ちょっと涙がこぼれるかもしれないけど、塩味が効いてより美味くなるかもしれないし。覚えてろ嫁。

「いらっしゃい!お、どうもこんにちは」

そのラーメン店主は僕の顔を覚えていてくれている。おそらくまだ20代の若い店主は、暑い厨房の中でもいつも涼やかな立ち振る舞いで麺を捌くさわやかな男。

ラーメン屋だけにこれがイケ麺というものか、とひとりでウケて麺を口から吹き出しそうになったが、

「さっき奥さんそこの公園で見ましたよ。お子さん連れで」

と言われて麺が鼻から出そうになった。ラーメン屋の前にある公園は、よくRやタクを遊ばせるところである。嫁も何回かこの店に来ているので、店長は顔を覚えていたのだ。

なるほどこの店の窓からは公園がよく見えた。店主も店の中から観察していたのだろうか。店の窓から嫁の姿をじーっと見て

「たるんだ肉体をしている…まるで伸び切ったラーメンのように」

などとブツブツ言っていたらちょっと嫌だ。

家に戻ってその旨を嫁に伝えたところ

「あー。たまたまお店の外に彼がいた時に通りかかったから、ちょっと話したのよ」

とのことだった。よかった。店主のイケ麺イメージが崩れずに済んだ。

ラーメンと夫婦の仲はよく似ている。

どちらも冷めると目も当てられない。

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4月は規制されていた夫婦の契りであったが、やはり1ヶ月も我慢することなどとても出来そうにないので、ダメ元で嫁に頼んでみたところ、

「あーもう、うるさい、分かったよ。今夜私が起きてる時だったらいいよ」

渋々ながら承諾してくれた。不満が溜まりまくって一気に暴動を起こされるより、小出し小出しにガス抜きする方が賢明であると判断したのであろうか。ナイスジャッジである。

さて、そんな良き嫁の温情を得、期待と体の一部のどこかを膨らませながら仕事から帰ってきた夜、嫁はもう寝ていた。

さすがに叩き起こすのは趣のないことであるよ。その内僕が飯を食ったりする物音で起きることもあるし…と自室に引っ込んだ。

しばらくして息子・タクが夜泣きをし、嫁が起きて授乳を始めた。すわ、今こそチャンスと色めきたったのであるが、授乳が終わるのを待ち受けていたかのように襲うのも、なんだかあからさまな気がしたのではやる気持ちを抑え、少し間を置いてからにしようと思った。

間の取り方こそ日本の美である。月影先生も「マヤ、ここは間を取ること!」などと仰っておられる。

…などと考えていたらいつの間には嫁は授乳を終えて、とっとと寝てしまっていた。時刻は本格的に深夜の丑三つ時。今からアレするために叩き起こしてもなあ…と、結局悶々とした体を押さえたまま、僕も寝床に就いたのであった。

翌朝

「あなた、全然来ないじゃないのよ!」

なんと嫁が怒っていた。

「え…お前、寝てたじゃん…」

「私、待ってたのに!」

僕には寝ているようにしか見えなかったが、初夜を迎える新妻のように、奥ゆかしく寝床で待っていたのだろうか。

「なんか、タイミングが掴めなくて…ご無沙汰だからアレへの持って行き方が分からなくなってしまったよ」

嫁も嫁で、僕が嫁の寝顔を覗いている時にでもウフンとかアハンとか囁いてそれとなく誘ってくれればいいのに。

ツーと言えばカーと答える、おしどり夫婦には程遠い。

「じゃあ今夜やらせてくれ!」

「知らない!」

「やらせて!」

「知るか!」

これじゃ押し問答夫婦である。

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娘・R(2才)が眠りに落ちる間際に、僕も添い寝してピロートークでゴートーク。

布団の中でキャアキャアとじゃれあったりして。嫁以外の女人と布団でイチャつくのは新鮮である。

「ぱぱ、これは?」

僕の左手をいじくりまわすRが、薬指の指輪を目に留めて言った。

「これは指輪だよ」

「ゆびわ?」

「結婚指輪っていうんだよ。Rも大きくなったら…」

と言ったところでウッと胸にこみ上げる悲しみに襲われた。大きくなったRが、キラキラと輝く結婚指輪を幸せそうな表情で眺める姿が脳裏に浮かんだのである。そしてそのRに寄り添う、どこぞの馬の骨…

「ふあああああ!」

悲鳴が喉まで出かかった。その男を抹殺したい。いつまでも布団でパパと戯れるパパだけの娘であって欲しい。しかしRの幸せを考えると、僕はただ草葉の陰から眺めることしか許されないのだ。若いふたりを送り出した老いた父に残されたものは嫁の嫁の老いた乳しかない。人生とはそういうものだ。セ・ラ・ヴィ。エッチなヴィデオの略。それはエロヴィ。

我に返ると、Rが指輪を懸命に取り外しにかかっていた。Rも指輪をしてみたいらしい。

「ん…。Rも指輪はめたいか?」

「はめたい!ゆびわ、はめたい!」

はめたい…。僕はまたウッと胸にこみ上げる悲しみに襲われた。大きくなったRが男に向かって「はめたい」などと言っている姿が脳裏に浮かんだのである。そしてまんざらでもない笑みを浮かべるどこぞの馬の骨…

「ふあああああ!」

悲鳴が喉まで出かかった。その男を抹殺したい。いつまでも布団でパパと戯れるパパだけの娘であって欲しい。しかしRの幸せを考えると、僕はただ草葉の陰から眺めることしか許されないのだ。いや、覗いてたらまずいだろ。

我に返ると、Rが指輪をはめてもらいたくてウズウズしているので、

これか?お前の欲しい物はこれか?おっちゃんがぶちこんだるわい。指輪だけどね…」

2才児に対してあるまじき言葉を以ってはめてあげたところ、

「ゆびわ、きれいねー」

Rは無邪気に喜んでくれた。小さなRの指から指輪がブラブラと揺れていた。

「あはは。でもブカブカだね」

「うん。おっきい。ゆびわ、おおきい」

大きい…。僕は三度ウッと胸にこみ上げる悲しみに襲われた。大きくなったRが男の下になって「大きい…」などと言っている姿が脳裏に浮かんだのである。そ得意気に笑みを浮かべるどこぞの馬の骨…

「ふあああああ!」

悲鳴が喉まで出かかっ…って一体なんなんだこの無限ループは。僕はRとまったりとお話したいだけなのに。この結婚指輪に呪いでもかかっているのだろうか。いや、結婚指輪はそれ以上でもそれ以下でもない。単に「私はSOLD OUT」を意味するシルシに過ぎない。結婚制度こそ人生を縛り付ける強力な呪いである。

今そんなことをRに言っても分からないだろうけど…。

Rもいつか父の手を離れる日が来る。左手薬指に指輪がはめられる日がきっと来る。それはどうしようもないことであり、娘の幸せを願うのであれば、僕もその日を望まなければならない…。

そう自らに言い聞かせるのであるが、なかなか眠れない夜になってしまった。頭の中で、とあるメロディーが繰り返され…

来ーるー。きっと来るー。

リング(指輪)のテーマでございました。

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乙女食堂
これは「メイド喫茶」に続く、萌え系ビジネスの発展系なのか!

乙女食堂
…と思ったが、おじちゃんとおばちゃんしかいなかった。
JAROに訴えてやる。

(本当は栃木に「乙女」という地名があるのです)


こんなことを書いても読んでいる人には迷惑なだけかもしれないが、ここは僕の心に残った出来事を書く日記サイトなので書くことにする。

最近仕事が非常に重くなり、焦燥感と疲労感と自己嫌悪がごちゃまぜになって、死んでしまえばどれだけ楽か、と考えてしまっている。

だからといって心配しないでね。ここに書けている内はまだ大丈夫なのだと思うし、他人から見れば何を甘ったれているんだ、というレベルでしかないかもしれないので、ヘタレの泣き言だと思って欲しい。

以前もこんな奈落のズンドコ状態に陥ったことがあった。その時嫁は、会社なんか辞めちゃえ、と言ったのだけれども、辞めるにしても多大なエネルギーが必要であり、既に参っている精神状態でそれを更に乗り越える気力がなく、全てから逃げたかった。

勿論家族のことを考えなかった訳ではない。まだ語彙は少ないけれども会話らしい会話ができつつある娘・R(2才)と、そろそろハイハイが出来そうな息子・タク(6ヶ月)と、最愛の伴侶、嫁。

彼らのことを考えると、とてもそんなことは出来ないと思い留まれるはずなのだが、そうはいかなかった。本当に死にたい時はそれすらも足留めにならないのだ、と実感したものである。あとは死の恐怖さえ乗り越えれさえすれば、サヨウナラまた来世、であった。

今はそこまでいかないけれども、毎朝重圧を感じながら出勤するので日毎に足取りが重くなるのだけれども、Rといつも

「あーくーしゅーで、ばいばいばい」

と玄関で握手するのを励みに何とか会社に行っていた。今朝もそんなグチャグチャな胸の内を抱えながら、さりとて誰にも心の中を見せることも出来ず、Rといつもの「あーくーしゅーで、ばいばいばい」をしたところ、

「んわろうね」

いつもよりひとこと多かった。

「ん?なに?Rちゃん」

Rは言葉を覚える盛りの時期。昨日まで喋ったことのない言葉や単語がヒョイと出てくる。しかし舌っ足らずなため、判別できるまで時間がかかったりする。

「んわろうね」

「えーと、何て言っているのだろう」

「がんばろうね、って言ってるのよ」

嫁が横から口を挟んだ。

「え…」

こんなタイミングに、こんな言葉を放ってくるなんて。偶然にしても程がある。Rにはお見通しだったのだろうか?神などは信じないが、何か大きな意思の存在が、僕を支えてくれる人と僕が支えなければならない人がいる、ということをRを媒介として伝えてきたような。都合良過ぎる解釈だろうか。

とにかくRが「がんばろうね」と言ってくれたことは事実なのだ。この子の優しさと、この子を何としてでも守らねばという責任を改めて重く認識させられた。ベホマとメラゾーマを同時に喰らったような衝撃だ。

「ぱぱ、んわろうね」

「ああ、がんばろうね…」

弱い父でごめんよ。

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娘・R(2才)が可愛くてしょうがない。

何かひとつ覚えるたびに僕に披露してくるので、そのいじらしい姿に失禁しそうになってしまう。最近Rが覚えて、今彼女の中でブームになっているのは「ぬぎぬぎマンボ」である。「ちちくりマンボ」ではない。

嫁によるとそういう服を脱いでいくビデオがあるらしい。もちろん子供用のビデオである。大人用だったらどう解釈してもただのエロビデオであるが、ひとりで服を脱げるように、という教育のためのビデオであるらしい。「パジャマでおじゃま」みたいなものか。

朝、Rが起きると

「ぱぱー。見て見てー。ぬぎぬぎー、まんぼー!」

僕のところにやって来ておもむろにパジャマのズボンを脱ぎ始めるのだ。愛娘が自分の前で脱ぐ。こんな幸せが他にあろうか。いつまでこんなことをやってくれるのだろうか。できれば高校生になるぐらいまで…いやそれは無理だろ…などと考えると涙が出てきそうになる。

Rはまだズボンしか脱げないので

「上着もぬぎぬぎマンボできるかな?」

と言うとRは

「ぱぱ、やってー」

はにかみながら両腕をバンザイするのである。愛娘がパパに脱がせてとおねだりする。こんな幸せが他にあろうか。いつまでこんなことをやってくれるのだろうか。できれば(以下略)

こんな風に甘えてくるRの姿ひとつひとつが可愛くてしょうがないのだが、一方で嫁。

嫁にも「ぬぎぬぎマンボ」して欲しいのだが、ふたりでぬぎぬぎするという機会が本当になくなってしまった。よしんばそういうウフーンなひとときになっても、嫁はもともと自分では脱がない。海辺に打ち上げられたマグロのように寝床にドオンと横たわるのみである。それを僕がマグロの解体ショーよろしくエッチラオッチラと身包みを剥ぐわけで、まことに趣がない。

あの手この手でエロスへのお誘いをしてもちっとも脈がない嫁であるが、1日でも早く、嫁と「ぬぎぬぎマンボ」できる展開が欲しい。

お願いだからやらせてください。

Rの「ぬぎぬぎマンボ」からヒントを得た、「ぬぎぬぎチンポ」というギャグを披露したくてたまらないのです…。

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「水曜日、タク(6ヶ月の息子)の撮影に行ってくるからね」

えー。いつから我が息子は男優になったのか。と思ったら嫁が育児系雑誌の読者モデルに応募していたのだった。嫁は娘・R(2才)の時もたくさん応募していたが、まだやっていたのか。

ちょっと前にRのDVD撮影に行った時は、Rが他のクソガキに泣かされるわ結局映ってないわで散々な目にあったのに、まだ懲りてなかったのか。

「たまひよ(メジャーな育児雑誌)だと競争率が高いから今回は違う雑誌なの」

知らんわそんなこと。僕はその日は仕事であるし、嫁はひとりでタクをおぶってRの手を引いて、電車に揺られて1時間のスタジオまで行く。ギャラがあるわけでもなく、何が嫁をそこまでさせるのか。

しかし我が身を振り返るに、僕もブログにRやタクの写真を載せている手前、気持ちは分かる。記念にしたいのだ。

「最後のほうでぐずっちゃったけど、頑張ったよ」

仕事中、嫁からぐっすり眠るタクの写真がメールで送られてきた。

「Rは人見知りして泣いちゃったのよー」

とも。なんだかんだ言って嫁は楽しそうだった。いい記念になることだろう。僕も何か記念になるものを残したいと思った。ときめいてメモリアルな何かを。そして嫁に返信した。

「僕らも撮影しよう。ハメ撮り」

返事はなかった。ふふふ、照れているのだね。可愛い奴。家に帰ったら誘ってやろう。

家に着き、まずは軽いネタフリから。

「タクは大丈夫だったかい?」

「うん。オムツ姿で撮る写真があったんだけど、熊のプーさんの絵があるじゃない。それはダメですとか言われちゃってさ。で、オムツを替えようとしたんだけど、それはミッキーマウスの絵があってさ、そっちの方がもっと版権うるさいんでダメですとか言われてねえ…」

「ははは…ところで、メールの件だけど…」

「しねーよ!」

完。

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自室の床に突っ伏したまま寝ていた僕は、夜明けの少し後に目が覚めた。

始まったばかりの朝が運んで来る清らかな光と、僅かに鼻をツンとくすぐる良き匂いを運ぶ微風の中にいると、まるで穢れなき乙女と戯れているような心地良さを覚え、静かに勃起した。風立ちぬ。朝勃ちぬ。

「とーんとん。ぱぱー」

我が家の穢れなき乙女の声がした。娘・R(2才)がノックしているのである。寝室にいなかった僕を探しに来たのだろうか?臨戦態勢の朝勃ちぬを通常営業の状態に速やかに戻し、

「はい、おはよう」

「おあよー」

笑顔の愛娘を抱き締めた。

「グッモーニン。オハヨウノチューシテクダサーイ」

「めっ」

Rはキスをしてくれない。あんまりしてくれないのでアメリカ人のフリをしてキスを請うてみたが、それでもしてくれない。まあいい。いつものことだ。寝室では嫁と息子・タク(6ヶ月)も起きていた。我が家は早起きだ。

「ぱぱ、ぷーしゃん」

「え?ああ、絵本ね」

Rのリクエストで「くまのプーさん」の絵本を読む。内容はこんな感じだった。

「プーさん、オモチャ貸して」

「どうぞピグレット。いっしょにあそぼうね」

「プーさん、ありがとう!」

オモチャ…か。最近タクにオモチャを与えても、Rが嫉妬してすぐ奪ってしまうのである。この絵本のように仲良くしてくれればいいのに。

「Rもタクにオモチャを貸してあげるいいお姉ちゃんになって欲しいな」

ひとことぽつりと口から出てしまったところ、Rはすぐさま消防車と電車のオモチャを持ち出して

「あっくん(タクのこと)、どうじょー」

なんとタクの目の前に差し出したではないか。

「そうだR!おりこうだな!」

なんて素直な心なのだろう。思わず抱き締めてしまった。絵本を交えて教えてやれば、スッとやってくれるの子なのだ。僕は早速別の絵本を読み始めた。

「だいすき、ちゅ」

と子供がパパにキスをしてくれる話である。この「だいすき、ちゅ」のセリフを強調して朗読し

「Rもパパに、だいすき、ちゅ、ってしてくれるといいな」

さあR、君は素直な子。君なら出来る。さあほれほれ。

「めっ」

しかし結果は無情なものであった。

僕の野望、灰燼にキス。どうせ朝勃ちだけが友達なのさ。

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息子・タク(6ヶ月)に、タオルをむしゃぶる癖が出てきた。

娘・R(2才)がグズったりした時は抱くなり嫁がおっぱいを与えたりしてなだめることが出来たのだけれども、現在はタクが泣き出しても、Rがいるぶん手が回らない時もある。例えば夜寝る時、Rは

「ままだっこしてー」

と、嫁に抱いてもらわないと眠れないのだが、その時タクがおっぱい欲しさに夜泣きしても身動きが取れなくなる。嫁が仕方なくその場しのぎの誤魔化しとして、母乳を少し染み込ませたタオルをタクに与えてみると、フニャフニャと大人しくなったのだという。

抱かれたい男ナンバーワン(自分が)であるタクには、僕もよく泣いてダッコを求められるのだけれども、その時はRをかまっていることが往々にしてある。しかもRが嫉妬して僕がタクを抱くのを妨害したり、タクにおもちゃを与えても奪ってしまったりするので、なかなかタクに愛が届かなくて不憫である。

タオルはそのための苦肉の策。

「下の子ってどうしてもこうなっちゃうのかなあ。タク、かわいそうに…」

「大きくなってもタオルが手放せない癖がついちゃうかもね」

スヌーピー(ピーナッツ)に出てくるライナス状態。そういえば僕の弟もボロボロになった「ちゃんちゃんこ」を幼稚園に入るぐらいまで肌身離さず持ち歩いていたのである。

「僕の弟もタクのような環境だったのかもしれないな」

「そうかもねー」

口元に何らかの刺激を求めて精神の安定を得る。「口唇愛」というそうだが、僕がたばこを吸うのも根は同じなのだろう。ということは僕も母の愛が足りなかったということなのだろうか。今更母のおっぱいは吸いたくないが、確かに好きな時にイエローキャブ系の巨乳を吸っていいよ、と言われたら絶対禁煙できる。

禁煙に必要なのはおっぱいなのだ。女性はもっと乳房を解放すべきである。さすれば肺がんは減り、ポイ捨てもなくなり街の美化にも繋がる。

「すみません、一服させてもらってよろしいですか?」

「ええ、Cカップでよろしければ」

なんてやりとりができる素晴らしい未来を夢見て止まない。勿論これは男性にしか効果がないことであり、喫煙女性に対して男は男根を提供すべきだろう。

「すみません、しゃぶらせてもらえますか?」

「粗品でございますがよろしければ…」

ああ、僕も嫁にそのように仕込んでおけばよかった。ちっともシャブリーヌしてくれない。今となっては何もかも手遅れだ。

話を戻すと、タクはタオルは大好きなのだが不思議とおしゃぶりは受け付けない。
しゃぶらせようとしても、しかめっ面をしてペッと吐き出してしまう。

そんなところ、ママそっくりだね!

しゃぶりたいけどしゃぶれない、しゃぶってもらいたいけどしゃぶってもらえない。

そんな僕の心はどシャブリなのさ…。

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お台場の「渚音楽祭」という野外レイヴに行って、踊って来た。

友達の美人秘書ちあきちゃんと美人年上もんぺちゃんと会場に向かったところ、長蛇の列が出来ており、なんと入場まで1時間半待たされた。ビッグサンダーマウンテンかよ!

やっと入場出来て踊りまくり、ちょっくらトイレに行こうと思ったらまた長蛇の列で、これまた30分ほど待たされた。こういったイベントでの僕の行動パターンは

踊る→酒を飲む→トイレ→踊る

という繰り返しであるので、これは本当にきつかった。待っている間に尿意がビッグサンダーマウンテン!

もんぺちゃんとちあきちゃんとは、時々こういったイベントにで一緒に遊ぶのだが、ちあきちゃんには山田君という彼氏がいて、その彼とよく来ていた。あまり酒が強くないのにスピリタスを腰から下げていたり、ちあきちゃんが言うには、新入社員の研修で全裸で走り回ったり、等等わりとエキセントリックな男なのだが、いつしか別れてしまったようで、当然山田君とは一緒に来ていなかったのだけれども、

「うきょほほほほほ!」

突然フロアの最前列に突入してきた土一揆のようなやかましい集団が現れたところ、

「あっ!山田だ!」

その土一揆の最前線に山田君が暴れていた。

「うおー!ちあきー!かじりんー!久しぶりー!」

などと熱い抱擁をかましてしまった。その他にもなんか事情があって、ちあきちゃんが携帯着信拒否した男もいたようで…。こういったクラブ絡みで付き合うと、別れたりしても趣味が同じなため、同じイベントでバッタリ会ってしまいなかなか縁が切れない人間関係が形成されてしまうこともあるようである。

DJはMAYURI→石野卓球→ジェフ・ミルズと豪華リレーであり、はあ。久しぶりに二日酔いなので、今日はここまでにしとう存じます。

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息子・タクの初節句のため、鯉のぼりでも買ってやるべかとトイザらスまで出かけることにした我が一家。

「ねえ、あなたの服借りてもいい?」

と嫁が言うので、賃借料は体で払ってもらうぜフフフ、とふっかけようとしたが、昨日の日記にも書いたとおり、日曜に僕だけ遊びに行く許可をもらった代わりに、今月の性交渉は一切しないことを締結(女体不可侵条約)しており、そんなことを言おうものならアイフルばりに訴えられかねないので、

「あーいーよ」

無償にて貸してやった。嫁が選んだのは「ランドリー」と書いてある変なパーカーであった。早速わりと上機嫌に着ていたのだが、鏡に映った己の姿を見て

「…なんか、みすぼらしい貧乏学生みたい」

ガッカリしていた。その通りだったのでフォローを入れてやれなかった。ただ僕もこの時「ワイドショー部」と書かれた変なジャージを着ており、その姿は嫁をして

「あなたジャージ似合うね。寝起きの大学生みたいよ」

と言わしめたほどのズボラな格好であるらしく、これで娘・Rとタクを連れて歩いたら、よそ様が見たら貧乏学生できちゃったカップル(しかも2人)に見えるかもしれない。別にいいけど。これから買うタクの鯉のぼりも、ベランダに飾るチャチい安物だし。

金額ではないのだ。気持ちなのだ。僕は今月の初セックスもまだだというのに、息子の初節句を祝う親の尊さよ。

そんなわけで都営地下鉄大江戸線という、ちょんまげの人が乗ってそうな電車に乗ってトイザらスへ。買い物自体はすぐ済んだ。しかしこの店は大きくて、おもちゃの見本で結構遊べてしまうのである。ここでRが目の色を変えて遊びまくり、なかなか帰りたがらず、

「R、もう帰ろうよ」

「めー!めーよ!」

駄々をこねてしまい困ってしまった。そこで

「じゃあアイス買ってあげるから行こう」

アイスも甘けりゃ親も甘いぜ、的な提案をしたところ

「うん。いくー。あいしゅー」

あっさりおもちゃから手を離してしまった。素直なんだが、甘い物をエサに知らないおじさんにホイホイ付いていきそうで怖くなった。

駅前のサーティーワンでRにアイスを食べさせた後はもう帰るのみ。駅のエレベーターの前で来るのを待っていたところ、見知らぬご婦人が突然現れて

「あの…これから電車に乗りますか?」

やや固い笑みを浮かべながら話しかけて来た。なんだこのおばさんは。こういう表情で話しかけられるのは、大概神の使いであるとか訳の分からないアンケートであるとか、手相を見せてくださいとか、ろくなことがないので

「え、まあそうですけど」

引き気味に答えたところ

「じゃあこのキップあげますね。今日1日地下鉄のフリーパスなの。もう私は電車から降りて家に帰るだけなので…」

なんと都営地下鉄乗り放題券をくれたのであった。しかも僕と嫁の分2枚。

「あ、ありがとうございます」

帰りの電車賃がもうかったと嫁は喜んでいたが、やっぱり僕らは貧乏に見えるのだろうかと素直に喜べなかった。

しかし都営地下鉄は電車乗り放題券なんてものを売っているんだなと、それは素直に感心した。

尤も僕が一番欲しいのは女体乗り放題券なのだが。

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今度の日曜日にお台場で「渚音楽祭り」という野外レイブパーティーがある。いつも言っているような気がするが、レイプパーティーではない。

娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)を抱えた嫁は行けるわけもなく、どうしても僕だけが遊びに行く形になってしまう。今月は既に「かなまら祭り」でひとりで楽しんでしまったので、さすがに嫁に悪いかなあと思い、相談してみたところ、

「行っておいで」

というありがたき言葉を頂戴した。

「自分だけ遊んで悪いなーって思ってたんだけどさ」

「悪いよ!悪いけどさ。でもまあ休日出勤してると思えば別にいつもと変わらないし…」

嬉しい言葉であったが、僕が如何に家事育児に対してアテにされてないかが露呈された模様。

「じゃあ帰りに何かお台場おみやげでも買ってくるよ」

「いいよ。別に」

「いいの?なんか見返りに出来ることがあればやるしー」

「じゃあ、やらないで」

「は?」

「アレをやらないで欲しい」

「なにー!」

アレとは言うまでもなく夫婦のまぐわい。昨日の日記で書いたとおり、「月イチでいい」と言われ、その月イチすらも免除して欲しいと言っているのである。

「アレをやらないだけで助かる。疲れなくていい」

嫁にはまぐわいに対してはもう「一緒にイグウウウ!」というボルテージの高まりや、「好きな人に抱かれているひとときがいいの…」とかいう甘い幻想はない。単に面倒な家事のひとつでしかないのだ。まあいいけどさ…。

まぐわい権と引き換えに参加する野外レイブ、渚音楽祭。これで僕は4月1ヶ月間はできなくなってしまった。4月童貞である。格好悪い。エイプリルチェリーボーイ。英語にしても格好悪い。

ひとまず野外で行われるイベントなので、天気予報を見てたりするのだけれども、お天気おじさんがどんなことを言っていても

「性交童貞、冬型の膣圧配置…」

としか聞こえないのであった。

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お恥ずかしい話、春でサカリが付いてしまったせいか、ひとりよろめきの夜を悶々と過ごす事が多いので、嫁に性交渉の頻度増加のお願いをしてみた。

性交渉の交渉。こーしょーこーしょーこしょこしょこーしょー。あーさーはーらー(危険なので自粛)

しかし嫁の答えは冷たいものだった。

「月1回ぐらいでいいのよ」

嫁が育児で毎日ヘトヘトなのは分かる。子供が出来てから激減してしまったのだ。

「でも、それじゃあまりにも少な過ぎるのではないかい?世間の人達はもっとやってるはずだよ」

「どのくらいよ」

「うーん。じゃあ調べてみる」

そういうことになって調べてみたところ、デュレックス社のセックスサーベイがあったのでそれを活用することにした。それを嫁に報告。

「日本人の頻度は、週1回と答えた人が最も多くて次に月1回が多いのだそうだ」

「ほら、やっぱり月イチでもおかしくないのよ」

「いや、でも一番多い答えは週イチであって、僕らの年代の年間平均回数は36回で、すなわちおよそ10日に1回になるんで…」

「月イチでいいの!」

結局嫁は月イチでよいとゴリ押しし、せっかくよいデータがあったにもかかわらず、なんだかプレゼンの最も悪い見本のような結果になってしまった。

「でもフランス人なんか年間137回もやってるんだって。2.5日に1回だよ!」

「へえー」

(会話内の日本人の頻度のデータはデュレックス社・セックスサーベイ2003年の調査、フランス人については2004年の調査を参照しました。2005年の調査が最新なのですが、PDFファイルでしか公開されておらず、PDFを開くのはうざったいので見てません)

「じゃあそういうわけで、ボンジュール!」

「いきなり何よ」

「今日から僕らはフランス人になるの。年間137回」

「やだよ。日本人でいいの!」

「ほら、ボンジュール、アデュー!トレビアン!クラシアン!Rもいっしょに!」

僕は娘・R(2才)も巻き込み、一家総フランス人化を目論見、

「おんじゅーる。おんじゅーる」

Rもすぐさま面白がってモノマネをしたので

「ほらRもフランス人。さあ君もフランス人。君は僕のトリコロール」

僕はすっかりフランス人魂が乗り移り、てやんでいこちとらパリっ子でい、パンがなけりゃケーキを持ってこんかいべらぼうめ、と大いに盛り上げたのだが

「日本人だったら日本人だって。残念でした」

と嫁は軽くあしらうのみであった。何が残念でした、だ。

同情するならシルブプレ…。

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4月8日頃からメールサーバーの不具合で届かない状態になっておりました。もしこの日前後から今日までの間にメールを送られた方がいらっしゃいましたら、お手数ですがもう一度送り直していただきますようお願いします。

夜、発情して嫁に求愛。→断られる。

結婚してから何度このワンパターンな攻防が続いたことだろう。

結婚生活の大いなるマンネリ。マングリではない。水戸黄門並みの予定調和である。この陰嚢が目に入らぬか!なんちて。

わりと浮かれポンチを装っているものの、断られると結構精神的にダメージを食らうのである。こっちも恥を忍んでお願いしているのに、絶倫魔人のような扱いをされて断られると、ああ僕は性欲にまみれた薄汚い人間なのだ、と命を絶ちたくなってくることもしばしば。

先立つ不幸をお許し下さい。

というか僕もいい加減オヤジなのに、10代の頃から代わらない朝からの元気っぷりもどうよと我ながら呆れ果て、更なる自己嫌悪スパイラルに陥るのである。

朝立つ息子を何とかして下さい。

今宵も嫁に抱きついておねだりしていたが、

「いや、ホントに勘弁して下さい」

真顔で冷徹な言葉を吐かれ、ああこれはマジギレ一歩手前であるな、ということで触らぬ神に祟りなし、触らぬ嫁に孕みなし、とおとなしく引っ込めると、嫁は今度はニヤリと笑って言った。

「そういえば、あなた今朝寝ながらR(2才の娘)にも抱きつこうとしてたわよ」

「なんだって?」

僕はRと隣り合って寝ているのである。

「6時ごろかな、あなたがRに手を回すと、Rも寝ながら手でぐいいっと押しのけるの。ふたりとも寝ながら何度もやってる姿がおかしくて、笑わせてもらいました」

ああ、ついに2才の、しかも実の娘に手を伸ばすほど僕は鬼畜になってしまったのか。いや待て。いくら僕でもRに欲情はしない。将来は知らんが少なくとも今のところは。

そうだ。あの晩はぬくもりが欲しかったのだ。嫁に拒否され寂しくなった僕は、せめてRと手を繋いで寝ようと、隣で寝息を立てるRの手をそっと包んで眠りに落ちたのだった。その残留思念が明け方まで続いていたのだろう。

「しかし、僕はRにも拒否られていたのか」

「そうよ!ワタシもRも、あなたに心は許しているけど体は許してないのよ!」

おいこら嫁、お前は結婚してるんだから許してくれよ。家事育児で疲れ果ててウホウホする気にはなれないのは分かる。だからもう少し僕も自制しようとは思うのだが…。

僕の場合は、心は許しても体が許さないんだなあ…。

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デスカウント

デスカウント。死のカウント。

店に入るとケンシロウがいて、

「お前はもう死んでいる」

と言われて3、2、1、ひでぶ、みたいな。


暮れなずむ街の 光と影の中。
愛する娘へ 贈るカレー。

というわけで栃木の実家から帰って来たのは9日。我が家の「カレーの儀」の日であった。娘・R(2才)が産まれた8月9日。嫁が産気付いていよいよ産婦人科に突入、というタイミングで僕が腹ごしらえにカレーを食べていたことが由来となり、毎月9日はカレーを食べるのである。

しかしながら冒頭でも触れたとおり、帰って来た時には既に暮れなずんでいる夕方。既に黒ずんでいる僕のB地区。これから買い物に行ってコトコトとカレーを作るとなると、夕飯が大変遅くなってしまう。

「よし、テイクアウトしよう!」

近所には「夢民」と書いて「むーみん」と読む、ネットアイドルのハンドルネームのようなカレー屋がある。よく駅前にある赤い看板の店である…ってそりゃ和民じゃボケ。名前はセンスがないが味は確かであるので、そこで僕・嫁・Rの3人分のカレーを買うことにした。

但しスーパーで売っている一般的なカレールウとは違う辛さがあるので注意が必要であった。

前の日記にも書いたが、Rにせがまれて「辛ラーメン」(韓国の辛いラーメン)を食べさせたのだが、やはり辛過ぎたらしく泣いてしまったことがあり、韓国なだけにコリア参ったね、と大騒ぎしたことがあった。Rは以前ジャワカレーの辛口でも平気で食べていたので、辛さに強いのだと思ってしまっていたのだ。

その時の反省を活かし、夢民においてはRのカレーは、一番甘口のカレーに更にミルクを入れてマイルドにしてもらった。

そして今月も無事カレーの儀が執り行われることを八百万の神とついでにカレーの王子様に感謝し、皆で食べ始めた。やはり気になるのはRの口に合うかどうかである。

「R、おいしいかい?」

Rがひと口めを口に運んだ。

「うん。おいしー…」

「そうか、よかったよかった」

「おいし……う、うわあああん!」

ほっとしていた刹那、Rはワンテンポ遅れて急に号泣し始めてしまった。僕も食べて気付いたが、このカレーには「後から来る辛さ」があったのだ。

Rは、こんなもん食えるか、という物凄い形相で

「めっ!」

カレー皿をばしいっと叩いた。海原雄山を髣髴とさせる凄まじい怒り。

「ああ、ごめんよ。パパが悪かったよ」

代わりのゴハンを…といっても、Rがカレー以外を受け付けてくれるかどうか。カレーはRの好物であり、今日のカレーの儀を楽しみにしていたので、他のものを出しても拗ねて余計泣き叫ぶのではないかと危惧した。しかしこれ以外のカレーはない。ああどうしたらいいのだ…と何の策も浮かばないまま、ただ泣くRを抱いていたところ、

「アンパンマンカレーを買ってくるのよ!ショップ99に売ってるわッ!」

嫁が叫んだ。おおそうか嫁ナイス!と僕は走った。ショップ急!キュ急キュキュ急!

「おいしいねー」

ものの5分で買って来て、ものの3分で嫁が暖めて、再びRに笑顔が戻った。Rの好みと近所のお買い物事情を知り尽くしている嫁。さすがだ。

Rはニコニコしているものの、そのアンパンマンカレーは99円。僕が食べているのはその10倍近い値段のものであり、少し罪悪感を覚えた。R、いつかは一緒に夢民のカレーを食べようなあ。

僕が望んでいようといなかろうと、Rはカレー好きなのでその夢は実現しそうであるが。

これを遅カレー早カレーといいます。

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※4/2の「かなまら祭り」の動画をアップしました。
ダウンロード:約1メガバイト

栃木の実家に帰って2日目。町の運動公園で桜祭りが開催されていたので行った。

公園と隣の中学校の間を走る道路には桜並木があり、その見事な桜のトンネルを母が感慨深げに眺めていた。

「この桜はねえ…お母さん達の卒業記念に植えられたんだよ」

「そうか。この中学校は母さんが出た学校だったね」

「植えた時は小さかったけど、もう40年以上経って太くて立派になったねえ」

桜だけじゃなく母さんも立派な太い三段腹になったよ…なんてことを言ったらノーフューチャーなので、口を閉ざしお祭り会場に向かった。

何十もの屋台。バンド演奏。「びーの2ばーん」とガラガラの河岸声でビンゴ大会の司会をする楽器屋のオヤジ。そして溢れる人々。僕がいた頃にはこの祭りはなかったので、普段はノホホンとした田舎町なのに、どこからこんなに人が集まったのだろうと目を見張った。

僕は「どうせ誰にも会わないだろう」と高をくくり、ヒゲも剃らず寝起きそのまんまの状態で出て来たが、これが大油断で

「あら、かじりんくん」

「おやすごい久しぶり」

中学の先輩や同級生達と再会しまくってしまった。娯楽が少ない故ちょっとしたイベントでも異様な参加率を誇る田舎の習性を忘れておったわ!

中3の時に同じクラスだったキミコちゃんは、僕と同じく子供連れで来ていた。男の子をも平気で泣かす勝気な子だったが、すっかりお母さんであった。

「君の子供?」

「ああ、うん」

キミコちゃんはベビーカーで眠る息子・タク(6ヶ月)を覗いていた。僕はチョロチョロと走り回る娘・R(2才)に気を取られていたら「うええええ!」とタクの泣き声が聞こえ、

「ごめん、泣かせちゃった」

「うちの息子まで泣かすんかおのれはー!」

…とはキミコちゃんには言えなかった。20年ぶりだし。

キミコちゃんと別れ、はしゃぐRを追い掛けて行った。この運動公園はでかい。南海キャンディーズのしずかちゃんの顔よりもでかい。祭りの会場を設営しても、だだっ広い芝生の敷地が余りまくっている。他にも陸上競技場・野球場・サッカー場・宍戸錠などの設備があり、娘・R(2才)は暴走機関車の如く走り回っていた。

このようなスコーンと開けた、ひたすら広大なスペースがたまらなく楽しく映るらしい。東京にはあまりないからなあ…。

走る娘
デタラメに走り回るRが、やがて野球場の中に入って行った。

「R、ここは野球をするところなんだよ。ほら、ポーン」

マウンドの上に立ち、ボールを投げるフリをしてみた。それがいけなかった。

「ぱぱ、Rちゃんもポーンしゅるの」(R語訳:自分もボールで遊びたいの)

Rのボール遊び願望に火を付けてしまった。

「え…今日はポーン持って来てないからなあ」

グラウンドでキャッチボールをしている親子もいて、その光景が更にRを羨ましがらせ

「しゅるの!ポーン、したいの!うわあああん!」

とうとうRは泣き出してしまった。しかしボールがないのでにっちもさっちもどうにもブルドッグ。はっ。辛うじて球と呼べるものは僕のお股に付いているのだが、残念ながら取り外すことが出来ない。しかも旧友や近所のおじさんおばさんがうようよいる会場である。Rよ。許せ。

故郷にタマキンを飾るわけにはいかんのだ…。

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栃木の実家に帰っていた。

田舎なので、娯楽といってもセックスかエッチかまぐわいか桃色遊戯かニャンニャンか交接か交合か交尾ぐらいしかないのでヒマである。

しかしなぜか桜の名所がいくつもあるので、この時期だけは花見に浮かれ狂う我が地元。僕ら家族も母と一緒に太平山という山に車で登った。

ここは数千本の桜が咲きまくり、名物は団子であるというまさに「花より団子」を地で行くところ。山頂近くの「謙信平」という茶店が連なるちょっとした平地で団子を買い、桜を眺めた。

謙信平と呼ばれる由来は、越後の戦国大名・上杉謙信がこの地に水道検診に来たから…じゃなかった、なんだっけ。合コンか?違う。まあよい。僕は久しぶりに口にしたここの団子を頬張り、

「僕はこの団子が一番好きなんだよねえ…。小さい頃からよく食べてたから、僕にとっては団子の味の原点なんだよ!」

そう嫁に説明しながら食べさせてみると

「これぐらいなら私でも作れる」

僕の美しきノスタルジアを全てぶち壊す発言をしたので、お前など団子ではなく僕のちんこを食ってればいい!と呪詛して、娘・R(2才)に食べさせることにした。

したっけら(栃木弁で「そしたら」の意)食うわ食うわ。昼飯を食べた直後だというのに、だんご三兄弟の霊が憑いたんじゃないかってぐらい食う。甘いものは別腹とは本当であった。

その後Rと息子・タク(6ヶ月)を抱いて、母に写真を撮ってもらった。僕もRと同じぐらいの年に、この太平山で父に抱かれている写真を見たことがある。同じ場所で父に抱かれていた僕が、今は子供を抱いている。

親から僕へ。僕から子供達へ。こんな時僕は、遠い祖先から積み重なったの血の繋がりと記憶の繋がりを次の世代へ中継しているのだ、ということに気付かされ、その血と時間の流れの中にたゆたっているような漂流感と、バトンリレーで次の走者にバトンタッチした後の安堵感のようなものを覚えるのだ。

「お母さんも小さい頃からよくここで遊んでたんだよ」

母もそうだったか。母の話によると、友達とよく遊んでいたのでこの辺は庭のようなものだ、という。

「でもねえ…一度だけ帰りの電車賃がなくなっちゃってねえ。線路を歩いて帰ったんだよ。川を渡る鉄橋があってね。渡らなければ帰れないんだって歩いていったんだけど、高くて怖くて今思い出しても身震いするわ」

「へえー…っておい!僕が産まれる前に勝手にそんな大冒険しないでくれよ!僕が産まれて来なくなくなっちゃうでしょうが!」

僕もその鉄橋は知っているが、とても高いのである。電車が来たら逃げ場がないし、枕木を踏み外しでもしたら、まっ逆さまに落ちてDESIREだし。

桜を見に来て、母からこんないわば血脈断絶の危機の話を聞かされるとは思わなかった。

桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿。危うく血脈切られる馬鹿。

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栃木の実家に帰ることになった。

「ほら、あなたも着替えの用意をして!」

嫁がうるさく言うものだから、何を偉そうに、まるで世話焼き女房のような言い草しやがって、とぶち切れそうになったのだが、良く考えたら嫁というものは女房そのものだったので、誠に申し訳ございません、直ちに着替えの準備を致しますゆえ、とてジャージとTシャツを適当にセレクトして嫁の旅行用バッグに詰め込んでおいた。

たかが着替えの問題で「じゃあ夫を替えます」などと言われたらたまらない。

しばらくしてから嫁がバッグの中身をチェックし出した。

「あなた…こんなジャージ持って行くの?」

「うん、そうだけど」

いしずかちゃん
嫁が言う「こんなジャージ」

「それと…こんなTシャツ持って行くの?」

「うん、そうだけど」

ワイドショー部
嫁が言う「こんなTシャツ」

「はあ…」

嫁の絶望感が漂う溜息が聞こえた。

「なに?なんか文句あるの?」

「いえ…あなたの妻になって5年。たいていのことには慣れました」

「ならよい」

嫁の考えていることはなんとなく分かる。実家に帰れば僕の母がいる。嫁にとっての姑である。

「そんな服を着させて嫁として恥ずかしくないのか」

などと言われることを危惧しているのではないだろうか。以前僕が激ヤセした時、母の目には僕がやつれた姿に映ったのだろうが、嫁に

「ちゃんと食べさせてるのか。健康管理をちゃんとしているのか」

などとチクチク言っていたらしい。そのことを嫁から聞かされた時、僕の知らない水面下で嫁姑の鍔迫り合いが行われていたわけで、「女って怖いわあ」と思ったもんだ。嫁は今回もそのような母の干渉を恐れているに違いない。

ちなみに痩せた理由は無論嫁が食べさせてくれなかった、とか、料理がまずかった、とか、または過労や仕事のストレスで…などではなく、ゲーセンでダンスダンスレボリューションをやり過ぎたのである。理由がバカ過ぎであっただけに、嫁が気の毒に思えたものだ。

しかし僕はいい加減三十路なのだから、着たい物も自分の分別で選ぶ。嫁を責めないで欲しい。それにこのような服はたまに受けがよいのだ。以前日記にも書いたが、特に娘・R(2才)のリトミック教室ではママさん達が面白がってくれている。

いわばマダムキラーな服であり、それを着るなとか脱げとか、言って欲しくないのである。

ここで問題をひとつ。今僕が歌いたい曲は何であるか。

はーい。自分で答えまーす。

マダムキラー服を♪脱ーがーさーないで♪

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隔週刊マンガ雑誌「漫画アクション」(双葉社)に連載中の、「ぬけぬけと男でいよう」(原作:内田春菊先生、作画:イワシタシゲユキ先生)という漫画がある。

主人公は妻子ある身でありながら美女の愛人と不倫する性欲第一主義の男。でも家に帰ると愛娘にベタ惚れ、という、なんだか僕みたいな男である。幸か不幸か僕に愛人はいないが、最愛の娘・R(2才)がいる。

愛人も綺麗だが、奥さんも艶かしく描かれている。「人妻」という字を目にして浮かぶイメージとして最もふさわしいイヤらしさがある。ウチにも同じく人妻というか嫁がいるが、例えれば、同じ車という括りでもフェラーリとダイハツの軽トラぐらいの違い…それぐらいの差を感じる。最近嫁はフェラーリしてくれない。

尤もイヤらしいのは体だけではなく、やがて奥さんは浮気を察知するのだが、主人公への責め方もイヤらしい。愛人との逢瀬でなかなか帰って来ない来た主人公を、夜中真っ暗な階段に座ってずっと待っていたり、娘・橘香ちゃんに浮気をばらしたりする。それで主人公は橘香ちゃんに

「だからパパ、帰って来なかったんでしょ?」

と泣かれてしまうのである。これは効く。橘香ちゃんがまた可愛いのだ。僕の娘・Rと重なってしょうがない。僕がRに言われたならば、身も心も陰茎も縮み上がって土下座する。

物語はこの後、主人公が奥さんの交換日記を発見し、その相手と「妻も不倫しているのでは?」という疑惑が生まれていくのであるが…。

ここで主人公が、奥さんと橘香ちゃんが見知らぬ男と会っている姿を妄想するくだりがある。

「あの人(主人公)、今日も帰って来ないから」と男を誘う奥さん。男は「今日はおじさんとお風呂に入ろうか」と橘香ちゃんを抱き上げる。すると橘香ちゃんはこう答えるのだ。

ニュルニュルダッコ
(C)Iwashita Shigeyuki

…ニュルニュルダッコって?

その甘美で淫靡な響きは一体なんだ?漫画ではセリフのみしか出て来ず、具体的な描写が出ないまま終わってしまうのである。とても気になって長い間悩んでいたところ、答えは作画のイワシタシゲユキ先生ご本人のブログ、
「そらみみ電波塔」にあった。

『お互いが泡にまみれて
 片方がもう片方をダッコするのです。
 そしてニュルニュルっと滑り落とす。』

(「そらみみ電波塔」より。
先生のサイトはこちら→「イワシタシゲユキ@そらみみ堂」)

…なるほど。主人公はその自らの妄想に

「橘香が…他の男とニュルニュルダッコ…」

と頭を抱えるのであるが、最愛の娘にまでこんな嬉し恥ずかしプレイをされたとなれば、僕だって黙ってはいない。頭にハチマキと懐中電灯をした八ツ墓村スタイルにて間男を叩っ斬るであろう。

さて、ニュルニュルダッコの全貌が解明された今、後は実行するのみである。

「R~。パパとお風呂入ろう~」

付き合い始めた彼女と初めて一緒に風呂に入るようなソワソワ感と共に、がーっとボデーソープで泡立てて、僕とRは泡だらけになって抱き合った。

「ほい、ニュルニュルダッコー!」

「ぎゃはははは!」

思いの他滑るので、Rの脇をしっかり押さえて滑り落とす。なんと心地よきプレイであろうか。どんな成人女性にも勝るであろう、滑らかなRの肌との触れ合い。

「R、楽しかった?」

「たのしかったー」

「またやろうね」

「うん」

こんなコト出来るのは今のうちだけだ。やれる内にやっとけやっとけ。思い出だよな!思い出だよな!

子供が寝てから、嫁にはよりアダルトなプレイを試みんとて

「ニュルニュルチンコー」

と嫁の頭の上に乗っけたら

「どけろ」

切り落とされそうになったのでやめた。

※作品の転載を承諾して下さいましたイワシタシゲユキ先生に御礼申し上げます。ありがとうございまいした。

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息子・タクが生まれて半年になったお祝いに、嫁がプレゼントした。

布製のボワボワした箱のおもちゃで、うつぶせになったタクは手でペシペシと引っ叩いたりして弄んでおり、結構楽しんでいるようであった。

それをゴルゴ13の如く狙っていた者がいた。娘・R(2才)である。父親譲りのデューク東郷ばりのぶっとい眉毛をヒクヒクさせながら、見慣れぬ真新しいおもちゃに目を輝かせ、あっという間にタクから奪ってしまった。

彼女はよくタクが遊んでいるおもちゃを奪い取る。タクが遊ぶように…と側に置いてあげたぬいぐるみなどを全て別の部屋に持っていってしまうのである。

まだハイハイも出来ぬタクに抵抗する術はない。というよりも盗られたという認識もないのだろうが、最近タクに対する横暴が目に余りつつあったので、僕は敢えてRを叱った。

「R、それはタクのおもちゃだよ。返してあげなさい」

「めっ!Rちゃんの!」

Rの頭の中では既にこのオモチャは自分の所有物になっていた。タクの物は俺の物。このままではRがチュチェ思想よりも恐ろしいとされるジャイアニズムに染まってしまう。Rがジャイ子になってしまう。そんな娘はいやだ。

いつもは甘甘な僕だけれども、ここはRのジャイ子化防止のため厳しく問い詰めることとした。

「違うよ。それはタクのなんだよ。どうしても遊びたかったらタクに貸してってお願いしなさい。Rちゃんは『かーしーて』って言えるでしょ?」

「めっ!Rちゃんのよー!」

「じゃあRちゃんには貸しません。はい。タク、どうぞ」

それでも絶対己を曲げないRに対して僕は実力行使に出た。Rからおもちゃを奪い、タクの元に戻したのだが、

「うわあああああん!ああああん!」

とうとうRは棒立ちになって大泣きしてしまった。

「なかなか難しいねえ…」

一部始終を見ていた嫁が溜息交じりで言った。

「私も弟にこんな横暴なことしてたのかしら。覚えてないけど」

「僕も弟の物を奪ったりしてたのかなあ…。下の子って可哀想だな」

「弟に謝りたくなってきたわ」

そういえば僕が幼稚園の頃だったろうか。家の鉢植えを根っこから引き抜いてイタズラしたのを弟のせいにしたことがあった。弟は何も分からないまま怒られていた。

確かその後、弟に木のバットで頭を殴られたんだった。

そんな痛い記憶を思い出しつつ、

「Rちゃんもその内体力じゃタクに敵わなくなって来るんだから、気をつけたほうがいいよ」

泣きじゃくるRを抱き上げて、よしよしと慰めた。Rにはこのことを理解するにはまだ小さ過ぎるのかもしれない。僕もついキツめに叱ってしまった。Rがジャイ子になって欲しくない、と強く思う余りに…。

Rも僕も心を落ち着けるために、音楽でも聴こう。クラシックがいい…と、僕はレコードに針を落とすのであった。

曲はもちろんジャイコフスキーである。

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息子・タクが生まれて半年になった。

もう半年か…と感慨深げに思い浸っていると、

「タッくん生まれて半年!半分才!おめでとう!半分才!」

嫁が半分才という、チンゲンサイのような聞き慣れぬ言葉を勝手に作って盛り上がっていたので、僕もその気になって会社帰りにケーキを買って来てしまった。これもバースデーケーキというのだろうか。半バースデーケーキ?いやいや、意味が分からない。まあいいか、と家に帰ると嫁は

「ローソクはないの?半分才だから1本を半分に切ってとかさあ」

「半分に切ったって1本は1本だろうが!」

「あ、そうか」

頭の中もおめでたくなっているようであった。しかし一番目の色を輝かせていたのは娘・R(2才)であった。ケーキの箱を見るなり教えてもいないのに

「うわー。おいししょー。ありがとうねー」

本能で中身を嗅ぎ付けてしまった。…おそろしい子!!

「いや、タクのお祝いのケーキなんだよ」

そう、主役はタクなのである。

「ハッピーバースデーたっくーん」

タクを膝の上に乗せ、誕生日ではないのだがハッピーバースデーの歌を歌ってお祝いした。しかしその後はRが待ってましたとばかりにケーキをガツガツと食べる。

一方でタクは布団の上に寝かされ、物欲しそうな目でRを見つめるのみ。主役の扱いをすっかり姉に奪われてしまった。タクはまだ食べられないのである。母乳以外では最近薄ーいお粥を食べ始めたばかりだ。

Rタク
一心不乱に食べるRと、目が魔太郎(うらみはらさでおくべきか)になっているタク。

「R、タクにもちょっとクリームだけでも食べさせてあげようよ」

「めっ!たっくんは、おっぱいで、いいの!」

弟に食わせるケーキはない、母乳でも飲んでろ、という冷たい姉の仕打ち。

嫁も嫁で、僕はいらないから残りのケーキを全部食べてよい、と言ったら

「ホントに?」

ご馳走を目の前にした石塚(でぶや)のような顔をして上機嫌になっていた。これは思わぬ効果である。ここぞとばかりに久しく絶えてなかった夜の営みをお願いしてみてはどうだろうか。

甘いケーキに甘い言葉をかけてあげれば…。よし。気の利いたセリフを考えなければ…。えーと、えーと、

「僕のバースデー性器も食べてみるかい?」

そこまで睾丸、もとい、厚顔無知にはなれなかったので諦めた。

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僕が娘・R(2才)と一緒にテレビを見るのは土日の夜ぐらいしかないのだが、毎週同じ時間帯に観ていると同じCMが流れているものである。

携帯電話だかのCMで、女の子が歌っているクリップ。Rも覚えたようで

「あ、おねえしゃん」

とこの女の子を指を差す。この女の子はなんと言う名前のアイドルだろうか。アイドルは全然知らない。何故ならば僕の中での真のアイドルは、我が人生の中で嫁と同じぐらい最狂に愛した美少女、Rちゃんしかいないのである。

Rちゃんは以前近所のゲーセンに勤めていた女の子。走攻守(ロリ顔・巨乳・子猫ちゃん的性格)3拍子揃ったイチローのようなスーパー美少女である。ゲーマーだった僕はほぼ毎晩ゲーセンに通いRちゃんと会っていた。会いながら文通もした。Rちゃんがオフの日はゴスロリを着て来てくれたりした。

ゲーセンを辞めた後はメイド喫茶で働き、メイド姿を見て悶絶した。ただ今は何故か音信普通になってしまっているが…。彼女の名前をそのまま付けたのが、我が娘Rである。どれだけ僕がゾッコンなのかは言わずもがな。そして夜は嫁にズッコン。

心に決めたパーフェクトなアイドルがいる故、ブラウン管越しの女人などに興味はないのである。

…と、単にアイドルの顔の見分けがつかないオヤジの言い訳を長々と考えていたら

「ほほほ、仲間由紀恵ね」

嫁が助け舟を出してくれた。歌っている曲は「恋のダウンロード」というらしい。ダウンロードすることによって恋が生まれるのだろうか。ギガ単位でダウンロードしまくっても誰かが僕と恋に落ちたことなどない。せいぜいウィルスが落ちて来るぐらいだ。

「ま、ケータイでいっぱいダウンロードすればAUが儲かるんだろうし…」

そういう意味の歌なのだ、と思うことにした。

さてこのCMの次に(前だったかもしれない)これまた必ず流れるCMがある。「辛ラーメン」のCMである。これは僕も好きなので知っている。Rも

「しんらーめん」

と舌っ足らずな2才児にしては珍しくきちんと発音出来るので僕も嬉しくなる。CMを見た後、つい辛ラーメンを買ってしまい、嫁に作ってもらった。

「ほらR、これが辛ラーメンだよー」

「しんらーめん!食べうー!」

このラーメンはその名のとおり辛い。しかしRは大人用のカレーも平気で食べるので、ちょっとぐらいなら大丈夫だろう…と思い、食べさせてみた。

「おいしいかい?」

「う…う…うわああああああん!」

辛ラーメンの辛さはカレーのスパイスとは別物だったようで、Rは泣き出してしまった。

「ああ、ゴメンよ。ちゃちゃ(お茶)飲みなね、ちゃちゃ」

やはりRにはまだ早過ぎたようである。しかしいつか父と共に食べようぞ。

明日という日は明るい日と書くのね。
若いという字は苦しいに似てるわ。

という歌もあるではないか。

辛いという字も幸せに似てるわ。

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嫁が「こっこクラブ」という育児雑誌を買ってきた。

お目当ては「リズム遊びDVD」というDVDロムの付録である。中身は「おかあさんといっしょ」等に出ている、きよこお姉さんというタレントが子供達と歌って踊る、というものだが、実は娘・R(2才)がこの撮影に参加したのである。

撮影当日は、大人の思い通りにいかないのがチビッコ達であるゆえ、「途中で泣いてしまった子供は即退場」という問答無用のルールがあった。人見知りと場所見知りで、親のダッコから離れた途端に泣き出す子供が続出する中、Rはちゃんとスタジオの撮影位置に立ち、きよこお姉さんに

「がんばろうね」

などと頭を撫でられたりしていて順調に思えた。しかし撮影が始まった途端、Rを含めた他の子供達を次々に殴りまくって泣かせてしまうという、テロリストのようなクソガキが現れて、Rも退場せざるを得なかったのである。

今思い出しても腹が立つ。あのガキを1日預かり、「丸1日おむつ取り替えないの刑」とかお仕置きしたい。

それでも嫁は「もしかしたら映っているかも…」と一縷の望みを捨てず、買って来たのである。早速DVDを再生し、嫁とふたりで固唾を飲んで見守った。

「…やっぱり映ってなかったね」

「…無念だ」

結果はやはりダメであった。Rは自分が映っているビデオを見るのが好きである。時々僕に

「Rちゃん、見たいー」

とリクエストすることがある。そんな時にテレビで馴染みあるきよこお姉さんとRが一緒に踊っている姿を見せる事が出来たら、Rもどんなに喜んだであろうか…とますます口惜しくなるのであった。

その代わりに、僕と嫁がきよこお姉さんのマネして一緒に体操するビデオでも撮ろうか…。いちに、いちに、ええか、ここがええのんか。

そりゃハメ撮りだ。

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川崎の金山神社における「かなまら祭り」に行って来た。去年に続いての参加である。

どんな祭りかというと、簡潔に言えばちんこのお神輿が街を練り歩く祭りである。男根を祀る風習は日本各地で見ることが出来るが、ここまであけっぴろげにちんこが雄々しく活躍する祭りは珍しい。

ビジュアル的に示すと以下の通りとなる。

かなまら祭りかなまら祭り
かなまら祭りかなまら祭り

動画ファイルはこちら→ダウンロード:約1メガバイト


このピンクの男根神輿は、浅草橋などにある女装クラブ「エリザベス会館」のオカマさん達が担ぐ「エリザベス神輿」

「でっかいまーら!かーなーまーら!」

と野太い声をあげながらユサユサと思いっきりリアルな上下左右の動きを見せつつ街を凱旋するのである。このエリザベス神輿を含め、3つのお神輿が川崎大師の街を練り歩く。

これを見るために参道はものすごい人だかりで、僕の隣には小さな女の子を連れた家族連れもいた。親は子供にこの「巨大かなまら様」を何と説明しているのだろうか、と同じ子を持つ親として心配していたのだが、この子供はお神輿が近付いて来た途端に

「あっ!ちんちんマン!ちんちんマンが来たよ!」

と大喜びで叫んでいた。どーゆー教育してんだ。

神社の境内にはその他にも様々な男根グッズがあり、観光客を大喜びさせていた。

かなまら祭り

パトリオットミサイルの如く設置されている男根のオブジェ。写真は男性だが、うら若き乙女達も次々とまたがって御利益をいただく。

ちんこまたぎーの、孕みーの、嫁ぎーの。

かなまら祭り

屋台では「さずかり飴」というちんこそのまんまの形をした飴が売られており、男女問わずもうべろべろと舐めまくっていた。「おしゃぶり専科」とかタイトルを付けてAVが出せそうなほどに。外人さん達には特に人気。

かなまら祭り

さずかり飴関連グッズ?これを腰にあて、右下のちんこ型帽子をかぶり、写真を撮っていた人も多数。

かなまら祭りかなまら祭り

様々な木彫りの男根と、焼酎「金玉」。きんたまではなく、「きんぎょく」と読むそうだ。左に見えるのは「万古」まんこと呼ばずに、「ばんこ」と読む。

かなまら祭り
毎年屋台で何か売っているバカ殿風の通称「かなまらおじさん」

実はこのお祭りには、嫁や娘・R(2才)と息子・タク(6ヶ月)も一緒に連れて行こうと思ったのだが、雨が降りそうなので断念した。

そして僕のお友達である美人秘書・ちあきちゃんと現地で合流しようとしたのだが、お神輿の時間が去年より早まってしまっていたので間に合わず、僕だけの参加となってしまった。

ちあきちゃんとは神社から川崎に戻って落ち合った。境内の屋台で配られていた「ちんこチョコ」をお土産に彼女にあげ、飲み物に刺してやった。

かなまら祭り
飲んだら即妊娠しそうな、威風堂々たるものである。ありがたや。

「ちょっと、やばいですよこれー!」

とか言いながらも、ちんこごと全部飲んでいたちあきちゃんの未来は明るい。

せっかくの休日なのに子供達と遊んでやれなくなってしまったことが心残りであったので、家に帰ってからRとかくれんぼをして遊んだ。

もういいかい。まーらだよ。3年連続同じオチだ。

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かなまら祭りのレポートがあるBLOG

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娘・R(2才)が通っているリトミック教室の子供達と親で花見をした。

息子・タク(5ヵ月)は他のママさんに抱かれたりしてモテモテ。Rはリトミックの友達とキャアキャア遊んでいる。嫁はママ友とお喋り。

こういう子供繋がりの集いというものは、母親同士の繋がりはあるのだが、父親は殆ど顔を見せないし。今日も僕以外の父親はひとりしかいなかった。

よし、ここは父親同士の交流をし、パパ友の絆を深めようではないか。「練馬パパ友連合」とか作って全開バリバリ、頂点(てんぺん)目指すぜ夜露死苦!

練馬特攻(ぶっこみ)伝説の始まりじゃあ~!と、ビール片手に

「よかったら飲みませんか?」

とパパさんを誘ったところ

「いえ、車で来てるんで。それにこの後仕事ですし」

いやん超クール。浮かれていたのは僕だけであった。大人しく花より団子、ということで、来る途中に買ってきた花見団子を皆に配ることにした。モソモソと食べていると、隣に座っていた男の子がアンコだけベロベロと舐め回しており、

「すみません、この子、アンコだけメチャクチャ好きなんですよー」

とその子のママさんが苦笑いしており、僕は僕でママさんが花よりチンコとばかりに旦那さんのをベロベロと舐め回す姿を想像してしまい、やはり浮かれていた。

花見なのだから、桜の花を見、気を落ち着かせて雅な心を取り戻そう、と花を見上げていると

「さにー」

Rが空を指して言った。晴れ、の意味のsunnyである。教育テレビの「英語であそぼ」という番組を見て覚えてしまった単語。

「R。じゃあ英語の勉強しようか。えーびーしーでぃーいーえふじー♪」

「えびーしーでー♪」

「桜を見よう。桜はチェリーと言うんだよ。チェリーブロッサム」

「ちぇりー。ちぇりー…んにょっさん」

「よしよく言えた。そして僕はチェリーボーイ。そしてそして僕が飲んでるのはエビスビール!えーびすーでー…」

やはり浮かれていてもうダメである。

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仕事から帰って来ると、嫁が発狂寸前だった。

ちょうど嫁と娘・R(2才)と息子・タク(5ヶ月)が風呂から上がり、寝る準備をしていたところだったが、僕の顔を見るなり嫁が

「あなた、大変なことが起こったのよ!」

今にも泣きそうな顔で叫ぶではあーりませんか。一体何が起こったか。少女に何が起こったか。うすぎたねえシンデレラ~(石立鉄男)

もしかしてRやタクが病気になった?
いや、娘・息子とも思いっきりピンピンしてるし。

もしかして僕のエロティックブックスの在り処を子供達に暴かれた?
いや、僕の息子は思いっきりビンビンしてるし。
いや、関係ないし。

以下嫁の証言を元に再現してみることにする。

嫁がRとタクを風呂に入れる時のこと。Rは自分で服を脱げないしタクは赤ん坊だし、2人同時に入れる事は出来ない。まずRを浴槽に入らせ一旦居間に戻り、タクを脱がせて抱っこして再び風呂場に戻ると

「うんちー。まま、うんちー」

Rが乙女にあるまじきセリフを吐いていた。

「えっ。うんちしたいの?じゃあちょっと待って…」

嫁が慌ててRをバスタブから出そうとしたが時既に遅し、お湯の中に立派な物が産み出されており

「ギャアアアアアアアア!」

ということになったらしい。

「うんちつまんで、お湯抜いて、バスタブやら体やら洗い直して、もう大変だったのよ…」

「うんちって水に浮くんだよなあ」

「いえ、沈んでたわよ」

便秘気味だったので高密度・スーパープレミアムな作品だったらしい。Rはまだおむつっ子。まだどこで大便をすべきかなど分からない。

「Rちゃん、お風呂でうんちしちゃったの?」

「うん、したのー」

聞いてみてもケロッとしている。

「じゃあ今度はトイレでしてみようね」

「うん」

そんなわけで嫁子供達が寝静まった。Rは便意を催してほとばしらせてしまったが、僕は情欲を催してほとばしらせたかった。

嫁の枕元にそっと忍び寄り、頬をすりすりと撫でてみると

「ちょっと!疲れてんのよ!」

僕の下心などお見通しと言わんばかりの怒鳴り声を上げた。

「そ、そんなつもりじゃないよ!」

思いっきりそんなつもりだったのだが、

「そうか、疲れてるのかー」

日頃の疲労プラス大便パニックでとどめを食らったんだろうなあ、と優しく撫でて、紳士的な態度を取り繕ったのであった。ここで逆ギレするよりウソでも優しくしていた方が、明日うまくいくかもしれないのである。

これを、ウソも大便といいます。

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