2006年04月16日
都営大江戸捜査網
息子・タクの初節句のため、鯉のぼりでも買ってやるべかとトイザらスまで出かけることにした我が一家。
「ねえ、あなたの服借りてもいい?」
と嫁が言うので、賃借料は体で払ってもらうぜフフフ、とふっかけようとしたが、昨日の日記にも書いたとおり、日曜に僕だけ遊びに行く許可をもらった代わりに、今月の性交渉は一切しないことを締結(女体不可侵条約)しており、そんなことを言おうものならアイフルばりに訴えられかねないので、
「あーいーよ」
無償にて貸してやった。嫁が選んだのは「ランドリー」と書いてある変なパーカーであった。早速わりと上機嫌に着ていたのだが、鏡に映った己の姿を見て
「…なんか、みすぼらしい貧乏学生みたい」
ガッカリしていた。その通りだったのでフォローを入れてやれなかった。ただ僕もこの時「ワイドショー部」と書かれた変なジャージを着ており、その姿は嫁をして
「あなたジャージ似合うね。寝起きの大学生みたいよ」
と言わしめたほどのズボラな格好であるらしく、これで娘・Rとタクを連れて歩いたら、よそ様が見たら貧乏学生できちゃったカップル(しかも2人)に見えるかもしれない。別にいいけど。これから買うタクの鯉のぼりも、ベランダに飾るチャチい安物だし。
金額ではないのだ。気持ちなのだ。僕は今月の初セックスもまだだというのに、息子の初節句を祝う親の尊さよ。
そんなわけで都営地下鉄大江戸線という、ちょんまげの人が乗ってそうな電車に乗ってトイザらスへ。買い物自体はすぐ済んだ。しかしこの店は大きくて、おもちゃの見本で結構遊べてしまうのである。ここでRが目の色を変えて遊びまくり、なかなか帰りたがらず、
「R、もう帰ろうよ」
「めー!めーよ!」
駄々をこねてしまい困ってしまった。そこで
「じゃあアイス買ってあげるから行こう」
アイスも甘けりゃ親も甘いぜ、的な提案をしたところ
「うん。いくー。あいしゅー」
あっさりおもちゃから手を離してしまった。素直なんだが、甘い物をエサに知らないおじさんにホイホイ付いていきそうで怖くなった。
駅前のサーティーワンでRにアイスを食べさせた後はもう帰るのみ。駅のエレベーターの前で来るのを待っていたところ、見知らぬご婦人が突然現れて
「あの…これから電車に乗りますか?」
やや固い笑みを浮かべながら話しかけて来た。なんだこのおばさんは。こういう表情で話しかけられるのは、大概神の使いであるとか訳の分からないアンケートであるとか、手相を見せてくださいとか、ろくなことがないので
「え、まあそうですけど」
引き気味に答えたところ
「じゃあこのキップあげますね。今日1日地下鉄のフリーパスなの。もう私は電車から降りて家に帰るだけなので…」
なんと都営地下鉄乗り放題券をくれたのであった。しかも僕と嫁の分2枚。
「あ、ありがとうございます」
帰りの電車賃がもうかったと嫁は喜んでいたが、やっぱり僕らは貧乏に見えるのだろうかと素直に喜べなかった。
しかし都営地下鉄は電車乗り放題券なんてものを売っているんだなと、それは素直に感心した。
尤も僕が一番欲しいのは女体乗り放題券なのだが。
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