2006年04月27日
夫婦で宗教戦争
午後11時…。
街も深い眠りに入り、今日もまた一日が終わろうとしています。
昼の灯りも闇に消え、夜の息遣いだけがきこえてくるようです。
それぞれの想いを乗せて過ぎていく、このひととき。
今日1日のエピローグ。クロスオーバー・イレブン。
(懐かしいなあ)
「今日こんなことがあったの…」
嫁は1日の疲労を身を身に纏ったまま寝具に包まり、今にも夢の世界に引き摺り込まれそうなうっとりとした表情で今日の出来事を振り返り、僕に語って聞かせた。
「私がタク(6ヶ月の息子)をおぶって、R(2才の娘)の手を引いて道を歩いていたら、向こうから女の人が歩いて来たんだけど、その人も子連れでね…」
「うん」
「私に話しかけてきたのよ」
「ほう。なんて」
「ちょっと○○教についてお話させてもらっていいかしら?って」
「直球な宗教の勧誘だね…」
「なんであんな道端で、しかも唐突に勧誘してくるのよ!おかしいよ!」
嫁は憤慨していた。しかし横浜のナンパ橋でもナンパされなかった嫁が、何故近所の道端で宗教さんにナンパされるのか。僕には何となく理由が分かるのだ。
「言うのは悪いと思ってたんだけど…お前、やつれて見えるんだよ…」
「はあ?」
「特にタクをおんぶ紐でおぶってる時なんか、おしんみたいで…」
「おしん?」
「生活疲れと所帯臭さとくたびれ感が滲み出てるんだよね。いかにも薄幸そうな感じで。だから宗教さん達にはカモに見えるんじゃないかと」
「うむむむむ…」
「嫁!お前もっとちゃんと化粧しろ!服もいいやつ買ってやる!ベベ(※)なんかで買ってるんじゃない!」
「あそこでは買ってないよ。ユニクロだよ。ユニクロのどこがいけないの…」
「もっと華やかにするのだ!パルコ行こうぜパルコ!ギャル服買ってやる!」
「なんで今更ギャル服着るの…」
「たまにはそんなプレイも興奮するかなあと思って」
そんな宗教勧誘対策を練りながら嫁は眠りに落ちて行った。勧誘がどうのこうのという話は置いといて、やはり夫としては自分の嫁は出来れば身だしなみが綺麗であって欲しい。
小さな子供を抱えると、美容院にも行けないしゆっくりショッピングも出来ないことは分かるが、毎度ちんこを挿れる立場としては少しでも小奇麗な方がいい。
翌日、嫁がムッスーとした顔で言った。
「なんか昨日さあ、あなたにすごい失礼なこと言われた夢を見てさあ。化粧がなってないとか、もっとちゃんとした服着ろとか」
「いやそれ夢じゃないから!」
この人は催眠勧誘であっさり新興宗教に洗脳されそうな気がする。
僕は僕自身のチンコー宗教にはまっているので大丈夫である。
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