7月のアクセス解析
先月は総アクセス数こそ少なかったものの、いろいろな文章が少しずつ読まれた。そういう方がうれしい。
圏外ではあるけれど、『死者と生者のラスト・サパー』(山形孝夫)が多く(といっても20人)読まれたことは、思い入れの深い文章なだけに、素直にうれしい。
先月は珍しいことに、箱庭と呼んでいる当月のブログが比較的よく読まれた(といっても29人)。これもうれしい。
もう一つ、うれしかったこと。ブクログから、『ののはな通信』(三浦しをん)の感想を読んで「いいね」をつけてくれた人が3人いた。
私の文章は差し出して読ませるものではなく、読まれる時を待っている文章、とあらためて思った。
さくいん:山形孝夫、三浦しをん
月一診察日
土曜日、月一回の診察を受けにS医院へ。今月は長いので3日に続いて2回目。
S先生に体調を報告してアドバイスをもらう。
話を聴いてもらい、声をかけてもらうだけでも安心する。
長年通い、寛解にはまだ遠いけど、ここまで回復したのはS先生のおかげとしみじみ思う。
薬局で薬をもらい、ハンバーガーショップへ。ここへ来るのは初めて。
期間限定のモツァレラチーズバーガーとこれまた期間限定のマンゴースムージーで一休み。
サイズは小ぶりながら、パティはしっかりしていて美味しかった。
鰻を買って帰り、少し遅い土用丑の日にした。
夜、なかなか寝付けず、寝苦しくて朝は4時半に目が覚めてしまった。
さくいん:S先生
健康診断前の節制生活
来週末、健康診断を受ける。毎年、体重・BMIと肝機能で要注意と診断されるので、事前に節制している。
禁酒。揚げ物の買い食い禁止。このほか、前から継続して昼食と間食は摂っていない。
さらに今年は肝機能改善のサプリメントを服用している。
この3年間、2Kg、目標体重に届いていない。今年は4週間前から節制生活を始めた。このまま節制して前日に断食すれば、何とか届きそうなところまで絞れてきた。
肝機能について言えば、激務の興奮を抑えるために飲酒過多だった2009年から2014年に比べると、ここ数年は落ち着いている。
先月まで、ハードリカーを多めに呑んでいたので、ちょっと心配。
数値が悪いと、健保組合から呼び出しを受けて、運動しろ、酒を減らせ、炭水化物を摂り過ぎるな、など小言を言われる。それを聞くために健保組合まで出向くことが面倒。
わかりきった生活習慣改善指導を受けない範囲に収ってほしい。
そう願って、あと2週間の我慢。
カウンセリング予約
私が抱えている秘密の二つ目、グリーフに関わる苦しみを解消するため、カウンセリングを受けることにした。
家から歩ける距離で心理カウンセラーを探して、メールで「グリーフ・ケア」に的を絞ったカウンセリングを依頼できるか、問い合わせた。「対応可」と返信が来たので予約をした。予約日は8月8日。
予約はしたもののまだ迷っている。カウンセリングを受けるのが怖い。怖くて怖くてたまらない。
カウンセラーと相性がよくなければ2度目を予約しなければいい。そう考えて気持ちを切り替えた。かかりつけのS先生もその問題だけに心が奪われないようにと助言してくれた。
話を聴いてもらえる。そのことを楽しみに予約日を待つ。
さくいん:グリーフ(悲嘆)、S先生
ワクチン接種
7月28日、ちょうど1週間前、新型コロナ予防のワクチン、2回目の接種を受けた。
接種したのは午後3時半。接種後、待機中には発熱も痛みもなし。時間が経つにつれて接種部分に少し痛み。ふだん通りに入浴した。酒は呑まず。
翌朝、心身ともに異常なし。会社からは自分の有給休暇を減らさずに休んでよいと言われているので休みにした。
何もしないでぼんやり過ごした。ひと月に一度くらい、こういう日があるといい。
どんなに熱が出ても頭痛がひどくて休みにしても、布団のなかで電話とメールの対応をしなければならなかった営業職時代には考えられなかったこと。
夜もよく眠れていなかった。目を閉じるとすぐ眠りに落ち、次の瞬間には朝が来るような気がしていた。頭も身体もまったく休んだ気がしない。
その分、週末は泥のように眠り続けていた。
やはり、あの頃の働き方、暮らし方は異常だった。
東京の感染者が急増していて、感染のリスクは急上昇している。
あと1週間、ワクチンの効果がでて抗体ができるまで、感染しませんように。
衰える英語力
英語力が衰えている。朝夕、英語のニュースを聴いていても、速さについていけなくて何を話しているのか、半分くらいしかわからない。
2014年までは、毎日、米国にある本社や台湾にある工場の人たちと、英語で聴き、話し、読み書きもしていた。1日の半分は英語漬けだった。
あれからもう7年が経つ。英語を使う機会は圧倒的に減った。とくに書くことと話すことのアウトプットはほとんど機会がない。これでは英語力が衰えるのも当然か。
さて、どうしたものか。映画を観るとか、原書を読むとか、自分なりのモチベーションを持たなければならない。放っておけば、衰える一方。
それはわかっている。わかっていても「やる気」が出ない。何かに向けて努力する、という気持ちを失っている。
さくいん:英語
エアコンが壊れた
リビングのエアコンが突然壊れた。
出張修理は最短で23日と言われた。これから先、2週間、食事とテレビ視聴は冷房なしの部屋ですることになる。仕事と睡眠は自室なので涼しく過ごせる。
新しく強力な扇風機を買ったので、リビングの空気をかき回してくれる。窓を開けていれば辛うじて涼しい風が入ってくる。今頼れるのはそれだけ。
今年の夏は北海道がとても暑い。平年より5〜10℃高い。北海道にはエアコンのない家も少なくないらしい。さぞかし苦労しているだろう。
北海道の人たちが過ごしている夏はこんな感じだろうか。暑さに耐えているのは我が家だけではない。
テレビの前で汗をかきながら、そんな空想をして暑さをしのいでいる。
退勤後、コンビニで大量のアイスクリームとアイスキャンディーを購入。食後は期せずしてアイスパーティとなった。
8月23日追記。
ようやくエアコンが治った。
基板を差し替えるので費用がかかると言われた。修理か買い替えか迷った。結局、新品の到着を待ってはいられないので、修理をしてもらった。
ようやくリビングで寛ぎながらテレビを見られるようになった。
さくいん:北海道
楽しいブルーベリー狩り
先週の日曜、朝、ブルーベリー狩りに行った。場所は家から5分の農家。毎夏、農園を開放しているらしい。珍しく家族4人の都合が合い、揃って出かけた。場所は小学校の裏。
小学校の裏にこんなに広い畑があるとは知らなかった。広さはテニスコート6面くらいか。思ったよりも広い。東京都区内でも、こんな場所があることに驚く。
各自、八百屋でトマトなどが入っているプラスチックの器をもらい、収穫スタート。
熟れているかどうかは色を見ればすぐにわかる。未熟な実は黄色。熟した実は濃い藍色。手のひらで房を手に取ると、熟れた実はほろほろと落ちてくる。熟れた房を探して農園を歩きまわる。
それにしても暑い。まだ9時半なのにめまいがしてくるほど。なるべく木陰にしゃがみ低いところの実を取る。皆、黙々と摘んでいる。
30分で容器いっぱい取れた。4個の容器を受付に出して計り売りしてもらう。値段は市価の半分くらい。
半分は冷蔵庫で冷やし、半分はジャムにしてもらった。
子どもたちは忙しく、最近は食卓に4人揃うことも少ない。
この夏、唯一の家族イベント。楽しいひとときだった。
東京でも、自宅からすぐのところに畑がある。我が家の周囲にも畑が多い。緑豊かな所に住んでいることをあらためて実感した。
さくいん:東京、HOME(家族)
小説を何冊か読んだ三浦しをん。私が好きなエッセイを集めた本を図書館で借りてきた。
優れた書き手は優れた読み手。そんなことをあらためて思わせる書評集だった。
読みも深いが、読んでいるジャンルも幅広い。『夏の花・心願の国』(原民喜)から『BESTっス!』(ゲッツ板野)、さらにAV男優の『エリートセックス』(加藤鷹)まで。
文体は、選んだ本に合わせて軽妙洒脱だったり、硬派だったり。どの文章も天然水を飲むようにスイスイいくらでも読んでいられる。
懐の広さが三浦しをんの魅力の一つ。
私たちはつながっていく。銅像やDNAや鎮座まします「宝」としではなく、もっと深く心の底を流れ受け渡させる喜びがある。生のむなしさを超える力。それが創作物の力であり、創作物を楽しむ人間の力だ。
ーーー「時に抗った作家の生ーー『星新一 1001話をつくった人」(最相葉月)
三浦しをんの文章についても同じことが言える。時に笑わせ、時に考えさせられ、彼女の文章は「生のむなしさを超える力」を育んでくれる。
読んだのは初版の単行本。画像は現在流通している大和書房の文庫版。
さくいん:三浦しをん、原民喜
退屈なときには図書館へ行って図鑑を借りてくる。大判で写真の多い本。
読み終えるとちょっと旅行した気分や、博物館を一回りしたような気分になれる。
おまけに、いろいろな雑学的知識を仕入れることができるので、ちょっと賢くなった気にさえなれる。
知らなかったことで興味を引いた話。陰謀論の方は知っている話が多かった。
- 米国、オークリッジにある巨大原子力研究機関
- 極寒のトロントとモントリオールにある巨大地下街
- 世界各地にある廃坑を利用したデータ保存庫
- 北半球で最極寒の街、オイミャコン村、気温の年較差、100℃
- 各地の貧困地域にある杭上都市
こういう図鑑を眺めて過ごしていると、とても穏やかな気持ちになれる。これは酒と睡眠に続く、一つのストレス・コーピングになる。費用がかからないのもありがたい。
2冊を眺めて考えたことは、人間の不思議さ。
なぜ、そんなところに住む? なぜ、そこに街を作る? なぜ、そんな悪事を思いつく?
卑小な我が身には思いつかないことばかり。世界は広い。世界は深い。
ブクログ:図鑑
浜辺美波と菅田将暉を目当てに選択。夏休みの午後に鑑賞した。
数学がまるでダメなので、数学ができる人を無条件に尊敬する。数式で難敵を論破していく場面は圧巻。
同じように数式で周囲を圧倒した『ドリーム』と同じような爽快感があった。
数学が自由自在に扱えたら、さぞかし楽しいだろう。
戦争という大波はそれに反対する者までも呑み込んでいく。本作の終盤を観てそう思った。
現実の歴史でも山本五十六は非戦派であったのに、「避けられないのであれば奇襲戦」という態度を取らざるを得なかった。
本作でも、平山造船中将は、戦争に負けて日本が目覚めるための、いわば生贄として戦艦大和の完成に心血を注いでいる。しかし、その間にどれほどの犠牲が払われるのかについて深くは考えていないようにみえる。
日本を目覚めさせるために日本に負けさせる
平山技師の論理は犠牲者をまったく無視している。「目覚めさせるため」にしてはあまりに犠牲は大きかった。
結局、ギリギリになってからではもう反対することはできない。平和は、何気ない日常の暮らしのなかで「不断の努力」を続けて、「守る」のではなく「築かなければならない」。
社長令嬢役の浜辺美波は、やや現実離れした活躍をするが、令嬢らしい雰囲気はよく出ていた。
ところで、最近、邦画の多くは製作者が『〇〇』製作委員会となっていて、原作の版元から配給する映画会社、広告代理店、放映権を予約したテレビ局など、多くの企業が名を連ねている。こういう体制で「船頭多くして」制作方針が曖昧になることはないのだろうか。
映画制作の仕組みはよく知らない。毎回、エンドロールを見ながら余計な心配をしている。
さくいん:浜辺美波
Mac、ストレージ環境、大改修
先週、突然、写真アプリが起動しなくなった。写真が多いので、写真ライブラリは3TBの大容量外付けHDDに格納してある。
アップル・サポートに電話をしてみると、まずHDDの情報を見ろと言われた。見てみるとフォーマットがex-FATになっている。
まだ会社のWindows PCを持っていた頃、Macが突然、壊れたときのためにWindowsでも使えるフォーマットにしていた。
ex-FATはアップルの推奨環境ではないので、これ以上サポートできません。
冷たくそう言われた。ここから、ストレージ環境の大改修が始まった。
まず、写真ライブラリをバックアップ用HDDに移した。このHDDはMac OS拡張ジャーナリングでフォーマットしてある。驚いたことに、Mac推奨のフォーマット上から写真アプリを開くことができた。もっともライブラリの修復は必要だった。推測するに、Mac OSをアップグレードをした際、写真アプリが適切に対応できなくなっていたよう。
次に、1TB以上ある音楽ファイルをバックアップHDDに一旦、避難。その上で、3TBのHDDをMac OS拡張ジャーナリングでフォーマットし直した。
再フォーマットが完了したら退避させていた音楽ファイルと写真ライブラリを3TBのメイン外付HDDに戻した。
最後の問題。同じファイルとはいえ、違うフォーマットのHDDにある音楽をミュージックアプリは認識するか。もしダメなら、音楽ライブラリを再構築しなければならない。
恐る恐るミュージックを開いた。開いた。プレイリストも残っている。アプリ自体はMac本体にあるから、当たり前といえば当たり前。問題はアプリとライブラリの関係。
一曲、再生してみる。音楽が流れる。成功! これで、HDDはメイン外付けもバックアップもMac推奨のフォーマットになった。
今回の教訓。環境はアップル推奨の状態にしておかないとサポートが受けられない。
しばらくはサポートセンターに電話することもないだろう。
最近よく見ている映画紹介のYouTubeチャンネル「ゆっこロードショー」で高評価を得ていた作品。夏休みの娯楽に見てみた。
シリーズ物らしいけれど、原作もドラマも知らない。もともとサスベンスは好きではない。本作も冒頭の殺害シーンで一度見るのを止めたほど。昔、会社員になりたての30年くらい昔には『はぐれ刑事純情派』をよく見ていた。
ミステリもほとんど読みも見もしないので、明かされたトリックについても予想もしないものでただただ驚くばかりだった。
尊敬する友人のトリックを見破らなければならない探偵の苦悩、という主題は興味深い。福山雅治は揺れ動く探偵の心情をよく演じていた。
堤真一もよかった。ちょうど最近、大河ドラマ『青天を衝け』で平岡円四郎役で注目していたところ。『海街diary』の小児科医役よりよかった。
愛は人を救うこともあれば、罪に陥れることもある。愛こそがすべて、と簡単には言い切れない。愛は非常に複雑な概念。本作も「愛は謎」と説いている。
激しいアクションシーンがあるわけでもないのに、2時間たっぷり楽しむことができた。
外出できない夏休みのいい思い出になった。
さくいん:東野圭吾
速報! 健康診断
今回はかなり準備した。
昨日は、前日に作ったカレーを朝、食べてから何も食べなかった。正確に言えば、午後に空腹に耐えられなくなり、バナナを一本食べた。
それでも体重はBMI、25以下に収まっていた。
検査当日。体重減。BMI減。腹囲減。目標を達成した。
視力聴力正常。
低血圧(上が<100)
あとは血液検査や腹部エコーの結果待ち。
ダイエットの効果は確かにあった。
検査前に節制生活を送っていたので、検査が終わるとジャンク・フードが食べたくなった。
駅前で辛口のフライドチキンを食べ、帰宅して坦々麺のカップ麺を食い、ついでハバネロのスナック菓子を頬張る。それに合わせて大量の水を喉に流し込んだ。
それでも健康診断の後遺症が残る。
正社員は丸一日の人間ドック。非正規雇用は半日もかからない生活習慣病検査。こういうところで劣等感を感じてしまう。落ちぶれたな、と思ってしまう。
僻んでも仕方ない。わかっているのに。情けない。
夏休みの本
長い夏休みの間に読もうと思い、すこし多めに本を用意した。図書館で借りたり、自分で買ったり。読み終えることができた本もあれば、途中で投げ出した本もある。どちらも合わせて記録を残しておく。
読めなかった本も、書名を記録しけば、あとでちゃんと読みなおすかもしれない。
さくいん:三浦しをん、福永武彦、アガサ・クリスティー
映画通に勧められた作品。期待通り、痛快で、観賞後の後味がよい映画だった。
大人になってから、心が通い合う相手にめぐり会うことはあるのだろうか。長年、懐疑的だった。今でもそう。大人になってから気の合う相手は見つからない。まして、暮らしてきた世界が違えばなおさら。
そういうことが実際にあったと知り、とても驚いている。
例えば、ドリスは複雑な生い立ちを語る。私はもう誰にも生い立ちは語らない。
そういう相手にめぐり会うためには、素直にならなければならない。偏見なく相手を受け入れ、ありのままの自分を差し出さなければならない。フィリップは、ありのままの自分を受け入れ、ありのままの自分を差し出してくれる人を探していた。
私はもう人前で素直になることはない。
フィリップの夜の発作は真実だろうか。新人の反応をみる試験ではなかったか。
彼ら二人がウマがあったのは偶然ではない。フィリップの慎重で鋭敏な人間観察力によってドリスは選ばれた。私にはそう思えた。
明朗な性格の下層民が心を閉ざした富豪を変えたという見方は違う。寛容な富豪が一人の無知な青年を立派に育てた。現代版"My Fair Lady"ではないだろうか。
終盤が最初の場面に戻る構成はよかった。
貧困階層の描写は、フランスでも格差が大きな問題であることを伺わせるに十分だった。
フランス語の勉強はしばらく中断している。それでも、ところどころ二人の会話がわかったので少しうれしかった。
ほどほどの軽さで観賞後に爽快感が残る作品。もっとそういう映画を見たい。
さくいん:パリ
どこかでタイトルだけ聞いていた作品。つまらない作品でなかったけど腑に落ちない点があった。
母胎が危険とわかっている時、医師は子を産ませるだろうか。産後、不測の事態が起きたというのならわかる。初めからリスクがあるのに子を優先する状況が理解できない。子はまた産めるけど、母親を産むことはできない。感動させるための「細工」ではないか。
自分の家族の歴史というものは、知っているようでいてあまり知らない。両親のなりそめや自分が生まれたときや子ども時代の家計の状態など。自分の今の境遇に関わるような秘密を両親は隠しているかもしれない。
言葉を換えれば、どの家庭にも秘密がある。真実を知っていい秘密もあれば、そうではない秘密もある。この作品では、知ってよかった秘密。
もう一つ、どんなに考えても、たとえタイムスリップができたとしても、わからない秘密もある。
その真実は自分で想像するしかない。そして自分の境遇を秘密のせいにしてはいけないし、それに驕ってもいけない。
私は今、そういう家族の秘密と向き合っている。
大泉洋は『恋は雨上がりのように』で観た。冴えない男を演じさせたら彼の右にでる者はいないのではないか。本作でもうだつの上がらない中年男を巧く演じている。50歳を過ぎた今の私も、はたから見たらあんな感じに見えているのかもしれない。
ふと気づいたこと。最近観た邦画すべてに柄本佑が出演している。本作では主人公の後輩で売れっ子のマジシャン。『アリバイ崩し承ります』は女っぽい鑑識。『アルキメデスの大戦』では真面目な従卒。
彼のことはドラマ『心の傷を癒すということ』の主演で注目しはじめた。いろいろな役をこなしていてすごいと思う。
名作と言われている作品。「夏休みにぴったり」と「ゆっこロードショー」でも紹介されていたので、期待して観た。
残念ながら、何も感じなかった。恐ろしいほど、何も感じなかった。
少年たちは粗暴で口汚い。仲間思いではあるけれど、互いにいじめあってもいる。だから、彼らに共感もできなかった。
ネットでの感想を見ると、「郷愁」とか「友情」といった言葉が並んでいる。そのいずれも感じなかった。
なぜだろう。私が12歳だった頃には、一人一人で仲のいい友人はいても、こういう仲間はいなかった。そのせいだろうか。
旅はした。でも、いつもひとり旅だった。そうではなかったかもしれないけれど、今思い返すと、なぜか、いつも一人だった気がする。
世の中の評価に自分の評価がいつも合うわけではない。まったく合わないこともある。
そういうことを知った作品となった。
週なかのお酒
酒は基本的に週末しか呑まないようにしている。だから木曜日の夕方に酒を買いに行く。
缶ビールや白ワインは木曜日の夜から冷やしておいて、金曜日の夜と土曜日に呑む。日曜は呑まない。
ところが、木曜日に買った酒が呑み切れずに残ることがある。これが厄介。
冷蔵庫にビールが残っていると、どうしても気になる。結局、月曜には我慢できても火曜か水曜には呑んでしまう。それも、よくないと知りつつ、コンビニの揚げ物付きで。
一杯呑むと気が大きくなる。
もう呑んじゃったから、一杯も二杯も同じ
生きる楽しみを我慢するのはかえって健康によくない
都合のいい言い訳を自分に言い聞かせ隠してあるジンを呑む。一番よくないパターン。
先週はこれをやってしまった。健康診断後で気の緩みもあった。次の目標、BMI22を達成するためには、こんなことではいけない。
営業職時代は、ほとんど毎日呑んでいた。平日に新幹線や出張先で深酒したりすることもあった。その習慣は改善できた。そもそも出張がなくなった。
その頃に比べれば、今はかなり健康的な暮らしをしている。週なかのたるみくらい許されないものか、とも思う。これも自分に都合のいいだけの言い訳か。
さくいん:ジン(マティーニ)
夏休みの最終日に一日かけて読み終えた。
ミステリを読み慣れていないので、犯人探しどころか、筋を追うのでやっとだった。
途中、何度か推理してみたけれど、終幕、次々とポアロに否定された。私は探偵に向いていない。
一番犯人らしくない人が犯人
古典でもあるこの事件はミステリ常道を行く。それなのに、まんまと騙されてしまった。犯人でなさそうな人が多すぎる。だから、誰にも犯人の可能性がある。
犯人は利己的で自信過剰。『刑事コロンボ』、第2話「死体の身代金」の犯人に性格が似ているように思えた。
『そして誰もいなくなった』や『春にして君を離れ』でも思ったこと。クリスティー作品はトリックよりも心理描写が面白い。
犯人の動機、捜査を撹乱しようとする脇役、ポアロが関係者に仕掛ける心理戦。そういうところに魅力がある。
さくいん:アガサ・クリスティー、『刑事コロンボ』
不要不急ではない帰省
「不要不急かどうかは本人が決めること」と丸川五輪大臣が宣ったので、いつもの通り、隔週の帰省をした。
金曜日、午後3時半で仕事を切り上げ、家を出た。上大岡でヒレカツを買って夕飯にした。
ビール、Re:Viniで買った白ワインを2本。だらだらとYouTubeを見ていて、25時に寝た。
土曜日はシーサイドラインに乗って新杉田まで出た。使わなくなった時計や眼鏡をまとめて質屋に売った。それなりの金額になった。
帰宅して映画『真夏の方程式』を鑑賞。夕食は、カンパチとまぐろと真鯛の刺身。ビール、純米酒、ジンのソーダ割り。
夕食後は『ブラタモリ』「諏訪編」。諏訪は思い出深い場所。2009年から2014年の間、取引先があったので「あずさ」に乗ってよく行った。そこから塩尻に出て「しなの」に乗って名古屋まで出て、岐阜や京都の取引先へ移動した。
その後、日テレ『24時間テレビ』で浜辺美波が出演するドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』を見た。役は新任教員。久しぶりに彼女の演技を見られたので満足した。平野紫耀が思いの外よかった。
深夜、『君の膵臓をたべたい』のDVDで、本編未公開シーンと物語の後半を観て、24時に寝た。卒業したと書いたけど、まだ、この作品から離れられない。
日曜日。前夜見た浜辺美波のドラマを再見。教育格差の現実はドラマ以上に過酷なものと想像した。Re:Viniでランチして帰宅。帰りはずっとオフコースを聴いていた。
実家に帰ると、80年頃に聴いていた音楽を聴きたくなる。オフコース「夏の終り」は毎回必ず帰りのバスのなかで聴く。
そっとそこにそのままでかすかに輝くべきもの
けっしてもう一度その手で触れてはいけないもの
この歌詞を聴くために帰省するたびに聴く。聴きながら、「あの頃」、親しかった二人の女性を思い出す。二人は私の「少年時代の偶像」といっていい存在だった。
一人はもう「今では素敵に見える」思い出になった。もう一人のことはまだ忘れられずにいる。正確には、忘れられないだけでなく、「忘れないように」努めている。
16時に帰宅してこの文章を書いた。
さくいん:ジン、『ブラタモリ』、『君の膵臓をたべたい』、浜辺美波、オフコース、80年代、偶像
週末、実家で観た。『容疑者Xの献身』に続くガリレオ・シリーズ。面白かった。
それぞれが秘密を抱え、同時にそれを互いに気づいているという家族3人。その人間模様も興味深いが、子役が添え物ではなく、重要な役割を与えられていることにも感心した。
謎解きは二度、三度覆されるので、今回も結末はまったく予想できなかった。それだけ、終盤は楽しめた。
少年には一生かかって悩み続けるような宿題を与えられた夏休みだった。
私も、40年かけてもまだ解決の糸口さえ見つけられない宿題を抱えている。秘密を抱えて生きることは辛い。宿題を抱えて生きることも難しい。だから少年に密かに同情した。
東野圭吾原作の映画は、機内で観た『秘密』と『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を合わせて4作品。どれも面白かったので、小説も読みたくなってきた。
実家からの帰り道、ガリレオ・シリーズの第一作『探偵ガリレオ』を買ってきた。
さくいん:東野圭吾、秘密
朝食にオートミール
最近フォローしはじめた肝臓の専門医、尾形哲先生の助言に従い、朝食を変えてみた。
これまでの朝食は、食パン、スライスチーズ、ヨーグルト、バナナ、カフェオレ。
まず、パンを食べるのをやめた。代わりに小さめのボウルにたっぷりのヨーグルト。そこへオートミールと刻んだバナナを入れる。味付けに少しジャムをのせる。今は先日自ら収穫したブルーベリーのジャムをのせている。
オートミール自体に味はなくても、バナナとジャムがあれば無理なく食べられる。
それからレタスでハム(無えんせき)とスライスチーズを巻いたサラダ。あれば、トマトと蒸したブロッコリー。
飲み物はインスタントコーヒー少量にたっぷり牛乳をを注いだカフェオレ。
パンを食べなくても腹持ちが悪いということはない。
昼食は、ゆで卵かミックスナッツ。在宅勤務で日中外出しないので夕方までこれで保つ。夕飯は、子ども用の茶碗に半分のご飯と納豆。
とにかく炭水化物を減らすことに努めている。
夕方の散歩の途中で買い食いをしなければ完璧。誘惑と戦う毎日。
Twitterのタグから。
『破戒』を初めて読んだのは中学生のとき。『庭』を始めてから再読して感想を書いた。
『孤高の人』も、中学生のときに読んだ。これは『庭』のなかでは感想を書いていない。10代の頃は新田次郎が一番好きな作家だった。
昨日と同様、Twitterのタグから
どの作家も、大人になってから知った。子どもに読み聞かせるというよりは、私が楽しんで読んでいた気がする。
絵本は私にとって、思索の源泉であり、心のオアシスであり、ストレス・コーピングの一つでもある。
ブクログ:絵本
在宅勤務の行く末
木曜日、6月18日以来の出社。疲れた。
心身ともに在宅勤務に慣れてしまった。もうこの形態以外では働けない気さえする。
会社は事務所の面積を今の半分にするという。「用がなければ来るな」ということ。
部署ごとのキャビネットも半減させる。紙を貯めるな、ということ。
ありがたい気もする一方、腑に落ちないところもある。
前にも書いた。
今や賃金労働者(無産階級)は働く場所さえ自分で確保しなければならない。
光熱費もプリンター代も自分持ち。もはや印刷して配布という発想はないかも。
定期券もなくなり、途中下車して買い物、という楽しみもなくなる。
私にはないけれど、退勤時に「ちょっと一杯、どうですか?」という会話もなくなる。
従業員とは会社という団体の一員ではなく、帰属感もなくて、バラバラに存在して「ただ業務を遂行する個人の一人」になるのではないか。
本当に、これでいいのか。
確かに楽は楽ではあるものの、何かスッキリしないところもある。
写真は昨日、散歩した武蔵野中央公園の夕暮れ。
さくいん:労働
絶望図書館、頭木弘樹編著、ちくま文庫、2017
絶望書店 - 夢をあきらめた9人が出会った物語、頭木弘樹編、河出書房新社、2019
病と障害と、傍らにあった本。、頭木弘樹編、里山社、2020
私の絶望文庫
頭木弘樹にならって、絶望的な気分のときに読んできた本をあげてみる。順不同。
絶望の音楽
絶望したときに読む本のリストを作ったので、音楽でも作ってみた。
絶望までどん底でなくても、悲しいとき、ゆううつなとき、「ため息が重いとき」に聴く音楽。
谷山浩子やさだまさし、中島みゆきからはまだまだ出せるけど、とりあえず一人一曲ずつ選んだ。