おっぱいは2個である。名前はまだない。

僕が着替えをしていると、露わになった僕の体を見て

「ぱいぱい」

と父の乳を指差す娘・R(1才半)。少し前の日記に書いたが、

「おへしょ(おへそ)」

に続き、どんどん体のパーツの呼び名を覚えて指差すように
なっている。しかしそれを痛し痒しな表情で見つめている
嫁が言った。

「でもねこの子、いきなり自分の服をめくってお腹を出して、
 『おへしょ』って指差すようになっちゃったのよー」

妙なポーズを覚えてしまったものである。僕はセクシーコマンドー
は仕込んだが、こんな芸、僕も嫁も教えていない。

「家でやる分にはいいけど、外でやったら大笑いされるぞ」

「それは今のところないの。家の中だけなのよ」

1才児ながら、そのくらいの分別というか恥じらいはあるの
だろうか。と、じーっとRを見つめていたら、Rは自分のシャツの
裾をがばっとめくり

「おへしょ」

で、でた。これか。キャー。お腹丸出しー。

話は反れるが、僕が中学生の頃、「な?おじさん」と呼ばれる
露出狂が現れた。女の子が何人か遭遇しており、彼女らの話に
よるとそのおじさんは、女の子の前に立ちはだかり着ている
コートをがばっとめくるのである。コートの下には何も着て
おらず、その隆々とした逸物を天に向かってそびえ立たせつつ

「な?」

一言だけ言ってニヤリと笑うのだという。何が「な?」なんだか
知らないが、今は元気なのだろうか。

話を戻す。

自らのお腹をさらけ出すRの姿に、遠い昔の露出狂の思い出が
重なってしまった僕は、

「決して外でやっちゃいけないよ。お嫁に行けなくなっちゃう
 からね。やりたかったらお父さんだけに見せるんだよ」

と言い聞かせたのだった。そしてこれに加え、

「R、おへしょは分かったけど、Rのぱいぱいはどこにあるのかな?」

僕の胸じゃなく、R自身の胸を指差すよう示したところ、

「ぱいぱい」

Rは素直に自分の胸を指差した。よし、これで覚えた。さすれば
お腹を出して「おへしょ」と言うだけでなく、胸までたくし上げて
「ぱいぱい」と見せてくれることであろう。そして

「これも外でやっちゃいけないよ。お嫁に行けなくなっちゃう
 からね。お父さんだけに見せるんだよ」

こう付け加えるのも忘れなかった。向こう20年ぐらいこの父にやり
続けてくれればベリーナイス。これぞ萌える娘育成20年の計!

僕とRは腹と胸をさらけ出す親子になるのである。
日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。
.
.

淡白でもいい。たくましく契って欲しい。

夫婦の契りは大切である。

うっとりしっぽり絆を確認し、愛の結晶を作成する
美しくもみだらな行為であり、人類も子孫繁栄。                  ところが嫁は冷たくなった。僕がいくら口説いても

「今日はなりませぬ」

つれない答えしかしてくれない。もともと嫁は契りに対して
そんなに貪欲ではない。僕の甲斐性なしさを身に染みて感じ、
契るに値しない男であると感じているのか、それとも僕の
みだらなテクニークが未熟なせいで契りに魅力を感じないのか。
おそらくその両方であろう。

尤も嫁は現在妊娠中なのでごり押しも出来ない。自戒の意味も
あり大人しく下がるしかない。しかしいつまで経っても「今日は…」
の同じ答えである、ノー契り期間が特に長くなってきたので

「お願いだ、お願いだ。お願いだ、お願いだ。…やらせてください」

見も蓋もない土下座外交ならぬ土下座性交を試みたのだが

「私達は冷たい関係になるのよ。私は氷の王女オルゲルド…」

などと訳の分からないことを言うので

「私は光の王女アルディス。ラストニア…私の国…お姉さま。
 やらせてください」

嫁に合わせて寸劇を試みたところ(意味が分からない人は
「ガラスの仮面」を読もう)

「わかったわ、わかった。いいわよもう。うるさいから
 やらせてあげる」

嫁は履き捨てるように言った。なんだとー!うるさいから
だとー?じゃあ何か。僕はスーパーで

「ママー!お菓子買ってお菓子買ってー!」

と駄々をこねるガキンチョと同じか?そのように憤慨したのだが、
落ち着いて考えてみると全くその通りなので愕然とした。

お情けでやらせてもらえるだなんて、僕はそこまで落ちぶれては…



落ちぶれているのでお情けを頂くことにする。
これぞ「情愛を交わす」ということに…はならないか。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。
.
.

ハードなソフトクリーム。

河口湖旅行日記ファイナル。

旅行中、ずっと嫁の心を捕らえているものがあった。
それはソフトクリーム。

湖畔の至るところに「ラベンダーソフトクリーム」という、
どうやらこの辺の名物として売り出したい感がひしひしと
伝わってくるノボリや看板が目に付くのである。

嫁はそれにまんまと引っ掛かった。嫁まっしぐら。
僕バイアグラ。いや、まだノーケミカルで現役さ。
かっこインテグラ。

それでも嫁は妊娠中の太り過ぎを懸念してかある程度
我慢していたが、夕方とうとう耐え切れずとあるお店に
飛び込んで買ってしまった。しかし…どうも美味くない。

ラベンダーソフトクリームという語感のイメージからすると、
ラブミーテンダーな高原のような爽やかな味を期待して
いたのだが、クリームの中にマーガリンでもぶち込まれた
ようなニョッチリした脂っぽさが口の中に残るものであった。
嫁は無念の表情を露わにする。

「えー…こんなのって…悔しい」

「じゃあ別な店で買ってみようか」

「いくら好きだからって2つも3つも食べられないよう」

一方で娘・R(1才半)は嫁や僕が口に運ぶそばから
ばくばくと平らげ、ウェハースまでバリバリと食べる
逞しい食いつきっぷりだけが救いであった。

翌日、僕らは大きなラベンダー畑がある公園に行った。
ラベンダーソフトクリームがウリになっているのは、
どうやらこの公園が由来のようである。そしてここの
屋台の出店でもそのソフトクリームは売っていた

「私、買うわ!」

嫁は凝りもせず再び挑んで行き、

「おいしいよー!昨日のより全然おいしい!」

ラベンダーにネバーサレンダーな不屈の闘志でようやく満足の
いくもの辿り着いたのだった。Rも嫁に負けじとばかりに再び
ソフトを舐めまくっていたが

「ひええええん。ひえええん」

「どうしたの?急に泣き出しちゃって?」

「たぶん、頭がきーんとなったんじゃないか?」

このがっつき具合、誰に似たんだか(嫁だー嫁だー)

このように嫁は連日ラベンダーの甘いものを食べていた癖に、
旅行から帰ってきて

「なー。母さんがいたから出来なかったのでいいだろー?」

僕の甘い言葉には一向に食らい付いて来ぬ。

いつになったらやらせてクレンダー。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。
.
.

母は言った。私は万年妊娠十ヶ月。

河口湖旅行の2日めの朝。

温泉宿の寝起きでまずやることといったら
迎え酒…ではなかった、朝風呂である。

僕は娘・R(1才半)と一緒に入りたいと嫁に
せがんだところ

「ほんとに?じゃあよろしく!」

あっさりOKをもらった。嫁もRから開放されてのんびり
湯に浸かりたかったのだろう。しかし

「そうだ。湯上りのRを写真に撮って来てね!」

という指令を渡された。そういえば昨晩、真夜中に腹が
減ってひとりラーメンを食べに行った時も写真を撮って
来いと言われ、仕方なく店の人の目を盗んで撮ったのに、
見せたら

「ふーん」

リアクションはそのひと言だけ。一体何なんだ。何故写真を
乞うのか。もしかしたらここには林家ペーの地縛霊がおり、
嫁は取り付かれてしまったのかもしれない(まだ生きてるよ)

そんなわけで嫁と母は露天風呂女湯へ。身重の嫁と太っている母。
どちらもハラボテコンビである。

僕はRを連れ、デジカメをひた隠して男湯へ。しかしこれじゃ
まるで盗撮男である。幸いにして僕らの他にはしなびた金玉の
爺さん(略してシナジイ)がひとりいるのみ。
Rは最初こそ怖がって泣いてしまったが慣れてしまえばこっち
のもの、ニコニコと風呂の中をじゃばじゃばと歩いておった。

露天風呂をほぼ僕とRで独占。これぞ親子水入らず。お湯に
入ってるけど。Rが成長してもこうして僕と一緒に温泉旅行に
付いてきて泊まってくれるだろうか。

そして温泉宿の寝起きでまずやることといったら、わかめ酒…
ではなかった、迎え酒…でもなかった、朝風呂で父の背中を
流してくれるだろうか。

将来の希望を考えつつのぼせてしまった。Rを連れて露天風呂を
出、脱着衣所でRに浴衣を着せた。

はう…1才児とはいえ、我が娘とはいえ湯上りのRは色っぽい。
嫁が写真を撮って来いというのも道理である。しかしこんなところで
写真を撮るというのはいくら男湯とはいえ気がひける…。

幸いさっきのしなびたシナジイがうろうろしているのみだったので、
ちょっくら失敬してRを撮りまくった。親バカということで許しておくれよ。

「写真撮れた?」

「あ、うん」

風呂から戻ると嫁が聞いてきたので、嫁に見せる前にデジカメの
プレビューで確認する。にっこりと笑うR、湯上りのうなじが
妙に色っぽいR、どれもこれもベストショットであったが

「ひいいいい!いつの間にかRの後ろに金玉が!」

その内数枚に先程のしなびたシナジイのお宝が映っており、
泣く泣く削除したのであった。こんなもんプリント出来るか!

いや、爺さんは悪くない。露天風呂で裸なのは当たり前である。
写真を撮る僕が悪いのである。

そんなわけで今度温泉に行った時は、嫁に、女湯で、Rの写真を
撮ってもらうことにする。削除しちゃいやよ。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。
.
.

静かな湖畔の宿の影から。

河口湖で泊まった宿は一泊の料金が都内で月極駐車場を
借りられそうなぐらいの値段だったが、その分豪華だった。

何よりも仲居さんがカワイイ!初々しくて、いつも笑顔で、声も
東京メトロのアナウンスお姉さんのような人懐っこい美声であり、
可憐にてきぱきと食事を運んでくれるだけでなく、

「お嬢ちゃんはカルピス好きかナ?」

娘・R(1才半)に飲み物のサービスまでしてくれて、僕のツボを
押さえっ放し。一方で僕は

「な、仲居さんもカルピス好きかナ…」

明らかにオチが見え見えなハラスメンツをしたくなる我が身を
必死で抑えっ放し。何しろ嫁と母がいるのである。目を血走らせ
たりせず、変な汁もほとばしらせたりせず、気さくな振る舞いを
しなければならない。皆でおいしいおいしいと食事をしつつ、

「あの、このメニューに書いてあるさかなへんに『豊』っていう字、
 なんて読むのかなあ?」

「えーと、えーと、ごめんなさい!わかりません!」

仲居さんのはにかんだ紅潮した笑顔がぱっと開く。そんな
仕草もカワイイ。

じゃあおっちゃんと布団部屋でしっぽりと漢字の練習しようか。
さかなへんに「喜」っていう字はなんて読むのかナ?
じゃあ答えを教えてあげるから目をつぶって…ぶちゅう。
なーんて。

いかん。酔いが回ってきたようだ。富士山が見えなかったので
せめて雰囲気だけでも、と「アサヒ生ビール富士山」を飲んだ
くれていたのである。こんなことばかりを考えて仲居さんを
眺めつつ、相当ニヤニヤしていたように思う。

富士山には月見草が良く似合うが
僕には妄想が良く似合うようである。 日記才人投票ボタン。投票のお礼に一言飛び出ます。初回だけ登録が必要です。↑


エンピツ投票。
.
.
< 日記 51TOP