ハードなソフトクリーム。

河口湖旅行日記ファイナル。

旅行中、ずっと嫁の心を捕らえているものがあった。
それはソフトクリーム。

湖畔の至るところに「ラベンダーソフトクリーム」という、
どうやらこの辺の名物として売り出したい感がひしひしと
伝わってくるノボリや看板が目に付くのである。

嫁はそれにまんまと引っ掛かった。嫁まっしぐら。
僕バイアグラ。いや、まだノーケミカルで現役さ。
かっこインテグラ。

それでも嫁は妊娠中の太り過ぎを懸念してかある程度
我慢していたが、夕方とうとう耐え切れずとあるお店に
飛び込んで買ってしまった。しかし…どうも美味くない。

ラベンダーソフトクリームという語感のイメージからすると、
ラブミーテンダーな高原のような爽やかな味を期待して
いたのだが、クリームの中にマーガリンでもぶち込まれた
ようなニョッチリした脂っぽさが口の中に残るものであった。
嫁は無念の表情を露わにする。

「えー…こんなのって…悔しい」

「じゃあ別な店で買ってみようか」

「いくら好きだからって2つも3つも食べられないよう」

一方で娘・R(1才半)は嫁や僕が口に運ぶそばから
ばくばくと平らげ、ウェハースまでバリバリと食べる
逞しい食いつきっぷりだけが救いであった。

翌日、僕らは大きなラベンダー畑がある公園に行った。
ラベンダーソフトクリームがウリになっているのは、
どうやらこの公園が由来のようである。そしてここの
屋台の出店でもそのソフトクリームは売っていた

「私、買うわ!」

嫁は凝りもせず再び挑んで行き、

「おいしいよー!昨日のより全然おいしい!」

ラベンダーにネバーサレンダーな不屈の闘志でようやく満足の
いくもの辿り着いたのだった。Rも嫁に負けじとばかりに再び
ソフトを舐めまくっていたが

「ひええええん。ひえええん」

「どうしたの?急に泣き出しちゃって?」

「たぶん、頭がきーんとなったんじゃないか?」

このがっつき具合、誰に似たんだか(嫁だー嫁だー)

このように嫁は連日ラベンダーの甘いものを食べていた癖に、
旅行から帰ってきて

「なー。母さんがいたから出来なかったのでいいだろー?」

僕の甘い言葉には一向に食らい付いて来ぬ。

いつになったらやらせてクレンダー。
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