2006/1/24 火 | 日記
スキ、キライ。父、キライ。
娘・R(2才)が発したひとつの言葉があまりにもショックだったので、それに至るまでの会話をはっきり覚えていない。
確か飯を食べている時に、嫁が食卓に出ていた食べ物を指して
「Rちゃんは○○は好きかな?」
と聞いていたのだと思う。それに対してRが「スキ」だの「キライ」だの答える、他愛のない会話だった。その言葉は何度目かの質問の後に出たのだ。何の食べ物を指して嫁が言ったのか、細かい記憶がないので仮にバナナだったとしよう。
「Rちゃんはバナナは好きかな?」
嫁がこう聞いた後に、Rが恐るべきことを言ったのだ。
「パパ、キライ」
ごーん。ごーん…。それを聞いた瞬間、僕は尻の穴から尖った杭を突き刺された気分に襲われた。身を貫かれる思い。昨晩アナルセックスをした時の嫁もこんな気分だったのだろうか。いやそれはどうでもいい。
以前、戯れに「パパのこと嫌い?」と聞いてみるとRも「パパ、キライ」と答えることがあったが、あくまで戯れでありRもオウム返ししているだけのことであった。しかし今はバナナである。バナナが好きか嫌いかを訪ねているのに何故唐突に「パパ」が出て来て尚且つ「キライ」なのか。
これはRの口からこぼれ出た彼女の本心なのだ。そうなのだ。きっとパパは嫌われているのだ。これはとても辛い。辛くて重い。高2の時にタカコちゃんにフラれた時より辛く重く悲しい。
「嫁…ちょっと華厳の滝とかに行って来てもいい?」
帰るかどうかわからないけど…。昔、藤村操という青年が
「萬有の眞相は唯だ一言にして悉(つく)す、曰く『不可解』」
と遺書を残して飛び込んでから華厳の滝は自殺の名所となった。そしてそこは我が故郷栃木にある。ちょうどよい…。
しかし嫁は僕の言う事もろくに聞かず
「あはははは!パパキライだって!あはははは!」
オオウケしているのみであった。
「じゃあ遠出して那智の滝でもいいかな…」
「那智の滝ってなに?」
なんと嫁は日本三大瀑布のもう一つを知らなかった。嫁の真相もただ一言、曰く「不可解」!
この世は分からぬことばかり…と頭を悩ませていると、先程「キライ」と言い放った舌の根も乾かないうちにRが
「パパだっこしてー」
だの
「パパおいでー」
だの甘えてくるではないか。Rの真相もただ一言、曰く「不可解」!単なる気紛れなのか、ツンデレなのか、なんかのSMプレイの一種であるところの言葉攻めのひとつなのか、Rの心が分からない。
嫁も不可解なら娘も不可解!Rを抱いてみると、なんかどうでもよくなってきた。ふあーあ。
曰く、ちんちん解解。
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