ビリー・ブンブン

真夜中、嫁が突然運動を始めたのを見た時は、黄色い救急車を呼ぼうかと思った。

ビリー
ワンモアセット!

ビリーズブートキャンプである。流行に2テンポぐらい遅れて始めるあたりがいかにも嫁らしい。

「みんなやってるからね!私もやらないと!」

「ソラちゃんママもマユちゃんママもやってるのか?」

「うん」

「みっちゃんママは?」

「いや、やってない」

「彼女こそ一番やらなきゃならない体型じゃないか」

わりと失礼な事を喋りながら、嫁のママ友達の間にもビリーが猛威を奮っていることが分かった。嫁もつられて入隊したという。ああ、軍靴の音が聞こえる…。

「これってみんな一緒にやった方が根気良く続くのよ。だからあなたも一緒にやろうよ」

画面の中で相変わらず「ワンモアセッ!」と叫んでいるビリーと向き合いながらわきわきと体を動かす嫁。しかし僕はとても出来たものではなかった。何故ならば…

「ついさっきまでお前の上でエッホエッホやってたのにこれ以上動けるか!」

ペニース暴徒キャンプの房事で文字通り精(子)も(男)根も使い果たしたばかりだったからである。入隊拒絶。入隊離脱。

僕はもう抜け殻のようになっているのに、活き活きと運動する嫁…。どうせ嫁はゴロンと寝転んでいるだけである。いつもそうだ。初めて契った時からずっとそうだ。僕はその都度真っ白な灰になっているのに、嫁はいつもこれだけの余力を残していたのだ!

「あなたはそっちの方が体力使ってるよね」

「お前は寝てるだけだからいいだろうさ」

いつもそんな体力が残っていたのなら、もうちっとサービスしてくれても良いのに…となんだか無駄に腹が立ってきた。

「あー!終わったああ!」

DVD1本分のプログラムを終えた嫁は満足そうであった。

「汗だくじゃないか」

先程嫁を陵辱しまくった後の僕のよう。そのために僕も嫁もシャワーを浴びたのに

「もいっかいシャワー浴びてこなきゃ」

「あほかお前は。何度手間なんだよ」

嫁がシャワーを浴びている姿を覗いていたら、なにやら僕の内に秘めたる力が再び湧き出でてしまって

「ワンモアセッ!」

と嫁に挑んだが、

「そっちはもうできません」

あっさり拒否されたので悲しくなった。

ブートキャンプの後はヌード淫婦になって欲しかったのに。

問題:こういうモノを見て僕がつくづく感じてしまうことは何でしょう?

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