2007年07月21日
美少女のことも夢のまた夢
僕が「Rちゃん」と呼ぶ人物はふたりいる。
「最近Rちゃんの夢をよく見るんだよ」
と嫁にボソリと呟くと
「どっちのよ!」
案の定いずれのRちゃんなのかと聞いてきた。ひとりは娘・R(3才)。もうひとりはRの名前の起源となった美少女、元祖Rちゃんである。
「元祖のほうだよ」
「あ、そう」
嫁はどうでもいいことだ、という顔をして答えた。
昔、駅前のゲーセンに入り浸っていた頃、Rちゃんはそこの店員だった。魂が奪われるほど美少女で、胸なんて鷲掴みにしたいぐらい大きく、性格もマニアックで、攻走守揃った美少女界のイチローであった。
僕はRちゃんにぞっこんになり、Rちゃんも(友達としては)まんざらではなかったようで、よく遊んだものである。ほぼ毎日会ってるのに文通も1年間続いたりして、幸せな日々が続いた。
しかしRちゃんがゲーセンを辞めてから連絡は途絶えがちになり、気付いた時にはメイド喫茶で働いていた。いつしかそのメイド喫茶もやめ、また連絡が途絶えた。その間に僕に娘が出来た。迷うことなくRちゃんの名前をそのまま付けた。
やがてひょんなことからまたRちゃんと会うことになり、その時は別のゲーセンの店員となっていた。
「娘が生まれたから君の名前にしたよ」
と正直に言ったら
「わ、私の名前付けたら不幸になるよ…」
思いっきりドン引きされ、それが最後に会った日となってしまった。僕はRちゃんを最大に愛し、リスペクトして来たのだが、彼女にとってはそうではなかったようだ。あれ以来音信普通になっていることからも推して知るべし。
あれから何度「えうえうえう」と声を殺して枕を濡らしたことか。ただ僕も妻子ある身。いくら追ってもRちゃんの元には辿り着けないのである。いい加減諦めるべきだと思い、
「そう、あの子は蜃気楼…あの子は虹…追っても追っても逃げていく…決して掴むことは出来ない…」
少女漫画的なモノローグで自らを言い聞かせ、努めて忘れようとしていたのである。時間は心の傷を癒してくれる。もう最近は徐々に意識しないで日々を過ごせるようになっていた。
「それなのに、何故今頃またRちゃんの夢を…」
そのきっかけは何なのだろうか、と考えてみた。やがて思い出した。先週の日曜日、駅前を歩いていてそのゲーセンを通りかかった時、Rちゃんの同僚店員だった南君に会ったのだ。
「かじりんさん、久しぶりじゃないっすか~」
僕はもうゲーセンに殆ど行ってないので南君ともご無沙汰であった。南君は、かつてゲーセン入り浸りだった頃、僕がよくつるんでいた仲間達の消息を色々と教えてくれた。誰々はあの辺に住んでいる、また誰々はこないだビリヤード場で会った、等々。
そして勿論Rちゃんの名前も出た。但し
「Rちゃんは分からないですねえ…」
やはり南君も行方は分からないようであった。別にどうってことのない会話で、僕も別にだからどうということはなくすぐ忘れていたのだが、意識下では僕の心の中のRちゃんメモリアルエリアに何かスイッチが入ってしまったらしい。だから夢を見るのだ。
「で、どんな夢だったの?」
嫁が聞いてきたがそれには答えられなかった。何と言うか、めくるめくRちゃんとのもの凄いドエロな夢だったのだ。更に言えないことには、夢から覚めた時には下半身がとんでもなく暴れん坊将軍になってしまっていたのだ。中学生かよ。
正夢になったらどんなにぐえへへなことだろう、しかしこのことは誰にも言えない…と叶いそうもない思いを秘めつつ
暴れん坊将軍、徳川正夢…
と現実に戻って行ったのであった。
問題:僕がRちゃんに教わったことは何でしょう?
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