2007年07月07日
寝ゴト師
夜、子供たちの枕元で嫁と話していた。
何を話していたのかは忘れたが、おそらく尾篭なことであったろう。枕元だけにビロートークである。
だーれのせいでもありゃしない。みんなオイラが悪いのさ。
ビローイサオ。
さて、話しながらふと息子・タク(1才)の寝顔を見てみると、
「ちょっと見て、この子」
「笑ってるわ…」
僕らの声が聞こえるのだろうか、話すたびにニヤリニヤリと笑うのである。
前世紀から今なお続くオーバーザセンチュリーマンガ「ガラスの仮面」の有名な1シーンを思い出してしまった。おそろしい子!
タクはそのうち
「うふふふ…」
笑い声まで出るようになった。
「寝言で笑ってるぞ」
「面白い夢でも見てるのかな」
嫁と僕ふたりしてタクの寝顔を眺めていた。そのうち
「びーえすとぅー!」
NHKのCMかお前は。
「ぷれいびよーん」
プレイステーションのCMかお前は。寝言ならではの唐突な言葉をポツポツと喋った。
「面白いなあ。あ、寝言に返事したりしちゃいけないんだっけ?」
確かそんな言い伝えがあったことを思い出し、また起こしてしまっても何だし、ということで話をやめ、そっと寝室から離れた。
そんなタクの寝言と寝顔鑑賞の夜が過ぎた。
翌日の夜はタクの寝言は発せられなかったが嫁が
「ちょっと聞いてよぉぉぉぉ!」
と僕に詰め寄ってきた。
「なんだよ」
「今日、タクを叱ったら『うるさい!』って言われちゃったの…初めてタクが反抗的な言葉を吐いたの…とうとうそんなことを言うようになっちゃったの…」
飼い犬に手を噛まれたような、いや違うか、優しい彼だと思ったらいきなり押し倒された、いやこれも違うか、これまで素直で優しいと思っていた我が子のワイルドな一面を見せ付けられ、叱っていたはずの嫁が次の句を失ってしまったのだそうだ。
「もー私ちょーショックー」
と嫁は沈んでいた。
馬鹿だなあ、そういう時こそ「寝言は寝て言え」と言えばいいのに。
問題:寝言王と呼ばれる友達が家に泊まった時、どんな寝言を言っていたでしょう?
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