2007年06月16日
さらば、ナムアミダと言おう
娘・R(3才)が幼稚園でよく泣いている、という事を昨日の日記に書いた。
泣き虫というのはえてしてからかわれる。僕が小学生の頃、国語の授業などで教師に当てられて教科書を朗読することがあるが、読んでいる内に恥かしさが爆発して泣いてしまうモリミツという子がいた。必ず泣くのでモリミツが教師に指されて読む番になると
「ほら、だんだん顔が赤くなって来たぞ。声が震えて来たぞ。そら、泣いたー!」
子供ゆえの無責任さと残酷さから僕らはワクワクして見ていたものだ。
Rもそんな目で見られていないか…と心配になったが、嫁が担任から聞いた話だとどうもそうではないらしい。
なんと、Rが涙を見せるとクラスの男の子が2、3人駆け寄ってきて慰めてくれるのだそうだ。おのれうちの娘に近寄るんじゃねえ、じゃなかった、まことにありがたいことである。いじめが蔓延するこのご時世に、ナイトよろしくRを守ってくれる男子がいようとは。ナイトなど日本には内藤陳しかいないと思っていた。
しかし男受けがいい女は、一方で同性には嫌われるのが世の常である。西原理恵子のマンガに、女の涙が武器として通じるのは
「自分に気のある間抜け男のみです。一番効くのは父親」
と書いてあったがその通りである。
「なによ、なにかっつーとすぐ涙流して男に注目されて。ミエミエなんだよこの東洋毒婦が」
などと妬みを買い、靴の中に画鋲を入れられる恐れがある。ところがRの場合はこれも違うらしい。これも嫁から聞いた話だが、ある日幼稚園が終わって迎えに行った時、
「今日はどんなことがあったの?」
とRに聞くと
「みっちゃんとマユちゃんがケンカしてたの」
と答えたそうだ。みっちゃんもマユちゃんもRの仲良しである。マユちゃんは昨日の日記にも書いた、Rにベタベタしまくる女の子だ。何故ケンカをしたのかをRに聞いても要領を得なかったが、観察していたらしいモナちゃんというこれまたRの友達が言うには
「どっちがRちゃんの隣に座るかでケンカしてた」
とのことだった。R、女の子にも引っ張りだこ。ケンカの原因を言えぬRのことだから、仲裁することもなく
「きっとケンカしてるのをボーっと見ていたんだろうね」
「そうだね…」
嫁としんみり呟き合った。
このようなことがあったので、頼りなくすぐ涙を見せ、おまけにクラスでも一番ちびっこいRのことだから、友達が仲良くしてくれるというよりも、妹的存在、悪く言えばミソッカス扱いされているのではないだろうか、ということが最近の痛し痒しな思いである。
みっちゃんもマユちゃんも公園などで息子・タク(1才)を弟のようにとても可愛がってくれる。Rとの接し方もそれと同じのような気がしてならない。
ちょっとだけRを千尋の谷に連れて行きたくなったようなそうでもないような。せめて泣いてばかりいる子猫ちゃんではなく、もう少し知恵なり行動力を身に付けて
「じゃあ誰が私と座るかクジで決めましょー」
などと機転を利かせてもらいたいものである。
どんなクジにするかというと、もちろんナミダクジである。
問題:Rが今日わくわくして言っていたことは何でしょう?
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