2007年04月28日
ホネホネ労苦
仕事から帰って来ると、なんと娘・Rの左手小指にシップが巻かれているではないか。
「どどど、どーしたんだ!怪我したのか!」
「ドアに挟まれちゃってね…」
嫁によると、幼稚園友達のみっちゃん&みっちゃんママとファミレスに行った際、みっちゃんがドアを閉めたところ蝶番の間にRが指があって
「ギャアアア!」
自分の身に降りかかった災難ならまだしも、小さくて頼りないRの指にそんな重圧がかかった…なんて想像しただけで股間がキュウとなり鳥肌もんである。
「うわあ…そりゃ可哀想だったね、Rちゃん」
「うん…」
シップの間から見える小指の先は赤くなっていて痛々しいが、今はわりとケロッとしている。
「でも挟まれた時、『いたいいたいいたい』って言って大泣きしてたのよ…」
「そりゃそうだろう。医者連れてったか?」
「うん。骨は折れてないようですって言ってた」
「ようです?」
「レントゲンないのよ、あそこの小児科」
「うーん。確かに折れてればこんなにまったりしてられる状態じゃないが…」
僕は小学生の頃、腕の骨を折ったことが2度ある。最初はサッカーゴールによじ登り、てっぺんから飛び降りて骨折。2回目は体育館の壁によじ登って落ちて骨折。バカと煙は高いところが好き、を地で行く子供だった。
あの時の痛みは…最近痛かった出来事と比べると、そう、社会の窓に恥かしい包皮を挟んでしまった時より4096倍ぐらい痛い。今時「ちょっとーちょっとちょっと!」と言っている嫁より256倍痛い。
しかし腕と小指じゃ事情が違うのかもしれないし素人判断は危険。何よりも可愛い可愛い娘のことである。
「すまんが明日、骨が折れてないかだけ確認してくれ」
Rの幼稚園が終わった後、整形外科に診させるよう嫁に頼んだ。
「みっちゃんママがね、『Rちゃんパパにもごめんなさいって伝えて下さい』って言ってたよ」
「彼女に謝られてもなあ」
別に彼女を責めることではない。ただ、僕とRは小指の赤い糸で結ばれているはずなので、それが切れてしまっていないか心配である。しかしそれはレントゲンでは分からないのね…。
翌朝、まだRの小指は赤く腫れていた。
「Rちゃん。どうだ、曲げられるか?痛くないか?」
「ちょっといたいの」
と言っていたので些か不安だったが嫁に託して僕は会社に行き、昼過ぎに嫁にメールで問うてみたら
「大丈夫。今も普通に遊んでるよ」
とのことだったのでまずは安心。家に帰ってから改めて嫁の話を聞いた。
「病院連れてっただけでRが泣いちゃってさー。しかもレントゲン室にはRひとりで入らなきゃならないから尚更で。撮影する時びびってるから指も縮こまって伸ばしてくれないの。だから写りが悪かったんだけど、先生は『まーだいじょぶっしょー』って言ってたよ」
撮影するのに文字通り骨が折れたらしい。いや、Rの骨は折れてなかったが、つくづく骨のない娘である。