食えないゴミの日

親父がする家事(略してオヤカジ)の定番、ゴミ捨て。

我が家のゴミ収集日も、僕が出勤時にゴミ置き場に運ぶのが嫁との暗黙の了解。それを捨てないと僕が捨てられる。

その日の朝もいつものように家を出る時にゴミ袋を掴んで娘・R(3才)と息子・タク(1才)に

「ばいばい」

などと別れの挨拶をしていたら

「ばるばるばるばる…どさどさどさ…」

車のアイドリングと物を投げ入れる音が聞こえて来た。

「あっ!もう収集車が来た!」

ジェイソンがチェーンソーを振り回して襲って来たかのように驚愕する嫁。

「ぱぱー。きゅーきゅーしゃ来たよー」

微妙に間違えて嫁のセリフをリフレインするR。あああ「ピーポーが来てどうする」とかRにツッコミを入れてる暇などない!何故に今日はこんな異常に早いのだ!遅い分にはいいけれども勝手に早く来るのは止めて欲しい!

僕はゴミ袋を抱えて走ったが、ゴミ回収のおじさん達は回収を終えて車に乗り込み、収集車後部の荷箱を開けたままぶろろろ…と走り出すところであった。

多少行儀が悪いが止むを得ん。ゴミを捨てられなくておめおめ家に戻った日には僕が夢の島行きである。

「そりゃー」

室伏ばりの渾身の横回転投げでゴミ袋を放ると袋はうまくボスッと荷箱の中に入っていった。すみません清掃局のおじさん。あとは頼みます…。そして何事もなかったかのように

「じゃ」

窓から覗く嫁と子供達に手を振って会社に行った。身内以外に誰にも見られていなかったのが幸いである。かなり恥ずかしい有様であろう。諺にもある。ゴミの恥は投げ捨て。

翌日はゴミがなかったので普通に家を出ると、今度は隣の爺さんがゴミの入った袋を持って立っていた。

「これ…今日は収集日じゃないのに捨ててあってね…」

とそのゴミ袋を指差した。

「あー。昨日変に収集時間が早かったから捨てそびれた人じゃないですかね」

「ふうん…」

何となく僕に疑いの目を掛けられている気がする。僕ではない。僕じゃない。俺じゃないるれ。ぱっぴっぶっべっぽおっ。

「僕は昨日ギリギリ間に合ったんですけどね!」

大体このゴミ置き場に出す人間が犯人とは限らないではないか。足が付かないようにわざわざ離れたところに捨てる不届き者の仕業の可能性もある。

「カラスに荒らされてひどいことになってたよ。掃除してたんだよ」

「そ、それはお疲れ様です…」

ゴミ置き場の秩序を守る爺さんの覇気に押され、僕は新たなゴミを生み出してしまった。

すなわち「尻ごみ」である。なんつって。

問題:この界隈にはカラスより恐ろしいゴミ荒らしがいる。それは何でしょう?
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