化けて出てやる!

台風のため地元のハロウィンパレードは中止になったらしい。

土曜も仕事だった僕は帰って来てから嫁から聞いた。日曜は川崎でハロウィンパレードがある。こちらは僕と娘・R(4才)だけが行く予定だったのだが

「今日ぽしゃっちゃったから、明日私もタク(1才の息子)も川崎行くわ」

結局嫁も参加することを決めた。川崎は遠いから、という理由で敬遠していた嫁だったが、元々盆踊りとかそういう祭事は好きなのである。祭事は好きなのだから情事も好きになって欲しい。

「でもこれは仮装してないとパレードに参加出来ないんだよ。お前何か用意してる?」

「うーん」

子供達の仮装は揃えていても嫁自身は特に用意していなかったようだ。嫁よ心配するなかれ。僕のコスプレコレクションを各種提供しようではないか。

「ナース服あるよ。それにすりゃいいじゃん」

「知ってるよ!セーラー服も体操着ブルマもあるのも知ってるよ!」

「では何を悩むことがある」

「着れるわけないでしょ!」

若い娘っこが着るのならともかく、とてもそんな年ではないという。

「そんなことはない。年配のナースだっているじゃないか」

「仕事で着るのと仮装するのは別」

そんなものだろうか。どうせ仮装する阿呆に見る阿呆である。同じ阿呆ならコスらにゃ損損。僕だって去年手術服着てブラックジャックのヅラをしたのである。年など気にすることはない。嫁に言った通り嫁より年配のナースだっているし、風俗で地雷踏まされりゃどう見てもそりゃ娘のセーラー服だろっていうおばさんが出て来る。もとパレードでは魔女に扮した女性もたくさんいる。体操着+ブルマにバレーボールを持てば「東洋の魔女」となり、東西の魔女として何ら遜色ない。

「じゃ、この魔女帽子かぶるだけでもいいでしょう」

嫁は黒い三角帽子を手にした。ちっ。いつの間に用意しおったのだ。無難な方面に話がまとまってしまった。あとは…Rとタクか。

「Rちゃんとたっくん、君らも明日仮装してパレードやるんだぞ。子供はお菓子貰えるぞ」

「Rちゃんやる!」

「たっくんもやる!」

よしよし、やったれやったれ。

ドレミファそらやれー。どしらそパレードー。

問題:パレードの仮装コンテストで優勝した人はどんな豪華賞品が貰えるでしょう?

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