東京は夜の6時

日曜日の話。

夕方、娘・R(4才)と息子・タク(2才)が

「おまつり行きたいの」

と言うではないか。お祭りなんてあっただろうか。秋だ一番ドラえもん血祭りとか?

「商店街のお祭りのことよ」

嫁が助け舟した。そういえばチラッと聞いたような。

「行きたいって言ってももう夕方じゃん。ほら、もう暗いし」

窓を見ると、外は既に暮れなずむ街の光と影の中。

「Rちゃん夜だいすき!」

4才児にしては問題発言。お前が高校を卒業するまで門限は6時じゃあ!

「私、ゴハン作ってるから先に子供達と行っててよ」

嫁は後から行くという。ていうかいつの間にか行くことになっていて、まあいいか。会場に行ってみるともう祭りは終盤に差し掛かっており、片付けを始めている屋台も多かったが

「なんかたべるー」

と子供達が早速ねだる。コレが目当てだったのだろう。夕飯前だし綿あめを買い与えた。遅れてやってきた嫁は

「何よ、屋台もうほとんど売り切れじゃないのよっ」

「お前も食いたかったのか?」

「当たり前でしょ!そのために来たんだから!」

子供達より食べる気満々だったようだ。

イベントとしては近所の音大生がコンサートをやっていた。ちょうど僕らが来た時は管楽器サークルが演奏しており、

「最後は『千の風になって』です。みなさんも歌ってください」

観客にも歌わせようとするではないか。

「わたしのおおおお、お墓のーまーえでええええ」

同じ音大生だと思われるゴスペルクラブも加勢し、商店街がレクイエムの大合唱で包まれるという、こっちが風で飛んでしまいそうな異常な空気に満ち溢れ、お祭りは微妙な絶頂を迎えた。

僕は風になってというより風邪引いてるんだよ、とテンション低めであったが、嫁は歌っていた。中学高校合唱コンクールでありがちな、ダッチワイフみたいに口と目を大きく開けて、アクメった恍惚の表情で歌っていたら

「だめ!だめなの!やめて!ママやめて!」

タクが本気で嫌がっていた。怖かったに違いない。

管楽器隊が引き上げた後、何故か一輪車のオークションが始まり

「1,000円からだよ!欲しい人いませんか?え、いない?誰か100円でもいいから上乗せしてよ~。コレ捌けないと私の立場がやばいんで…」

オークションおやじの声が虚しく響いていたので帰った。

家に帰ってから風呂入って飯食って、祭りに行ってたぶん寝る時間が遅れた。その晩、仰向けで寝ていた僕の上に、ウトウトし始めたRが覆い被さって来た。Rがもっと小さな頃はよくこうして寝ていたものであるが、久しぶりに乗られたので重くなったなあ…としみじみ感動しながらも、苦しさが増していくのであった。

わたしのおおお、おなかのー上にー、乗らないでくださいいいい。

問題:プーさんの被り物をしていた兄ちゃんがいたが、彼はどんなむごい目に会っていたでしょう?

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