デスクトップ・プレゼント

仕事から帰って来ると、僕の机の上に落ち葉が1枚置かれていた。

こういうことをするのは娘・R(4才)である。

一生懸命描いた絵、工作物、幼稚園でもらったプレゼント、どんぐり、セミの抜け殻、等々、「上手にできて嬉しかったもの」「ゲットして嬉しかったもの」を僕の机の上に置いておくのだ。そして翌朝Rが起きるとその置いた物の説明を嬉しそうに話すのである。だいたい前の晩に嫁から聞いちゃっているのだが、Rがうきうきしながら喋るのを聞くことがまた楽しい。

嫁が言うには、Rはいつも

「パパに見てもらおーっと」

と言って机に置いているらしい。

「嬉しかったことはまずパパに報告したいらしいよ」

とのことで…なんていい子に育ったのだろう。パパべったりで嬉しい。

「んで、今日のこの落ち葉にはどんな嬉しいエピソードがあったのかい?」

「幼稚園の帰りに、優しいお姉さんがくれたのよ、それ」

「優しいお姉さん?」

なんという安らかな響き。僕の目の前にも優しいお姉さんが現われてくれないだろうか。疲れた体をぱふぱふとわかめ酒で癒してくれるような優しいお姉様が欲しい…。

「お姉さんと言ってもRのひとつ上の年中の女の子なんだけどさ、あなた覚えてる?」

「その子を?」

「去年幼稚園のプレ教室に通ってた頃、やたらとRにまとわり付く子がいるって話したことあったじゃない」

「あー。あの子か」

当時Rの姿を見付けるとすぐさま寄って来て、抱き付いたり手を握ったりチューしてきたりする女の子がいたのである。Rはイヤイヤしていたようだが、その時も僕の目の前にもいきなり口づけしてくる女子高生とか現われてくれないだろうかと思ったものである。

「でもあれから1年、Rに寄って来ることは寄って来るんだけど、チューしたりとかはなくて、本当に面倒見のよさそうな女の子になってたのよ。一緒になって話してくれたり、こうして葉っぱをくれたり」

翌朝、Rが起きてから説明した時も

「やさしいおねえさんにもらったの」

と落ち葉を嬉しそうに僕に見せていたので、1年前はイヤイヤしていたけれども今はその女の子に好意を持っているのだろう。会ったこともない子だけれども、1年でだいぶお姉さんになったと見える。

一方Rは…1年前とあまり変わらないような。落ち葉1枚で嬉しがるようなところは全然変わってなくて可愛いったらありゃしない。特にパパべったりなところは今のままでいて欲しい。いつまでも机の上に「嬉しかったもの」を置いてくれるような。

将来Rが中学に入学した時には、セーラー服を机に置いてくれることを心待ちにしている。たぶん僕が頬擦りしたりしてダメになるので、それは保存用にしてもう一着買い与える所存。

Rが中学生になる頃…僕は涙とヨダレで濡れ落ち葉。

問題:机の上に置いてあってちょっとイヤだったものは何でしょう?

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