娘がお姫様になると父は…

「わたしは、おひめさまです」

と娘・R(3才)が言うので

「庶民だよ」

親として現実に則した回答を示したのだが

「おひめさまなの!」

夢見る幼女には何を言っても適わなかったのでRのファンタジーに付き合うことにした。

「じゃあRがお姫様なら僕は王様だね」

「いや、爺でしょ」

突然嫁が背後から無粋な突っ込みが入ったので

「なんでだよ!王様だろ!」

僕も王様になって妾を3,000人ぐらい侍らせたいと思ったのだが

「おうさまじゃないの!ぱぱはじいなの!」

これまたRのファンタジーに従わざるを得なかった。

「はい、ではお姫様。何か御用でしょうか」

「えーとねぇ。おひめさまのすかーとがないのよ」

「お姫様のスカート…。どんなスカートでしょう?」

「あかいすかーとなの」

はて、そんなものうちにあったかどうか。

「嫁、赤いスカートなんてあったっけ?」

「ない」

「お姫様。ないそうです」

「いやーっ。おひめさまのすかーと、おひめさまのすかーとー!」

「うーん。それはどこで売ってるのですか?」

「おじいかん(児童館)のよこのお店」

駅前の商店街に王族御用達の店があったとは。

「いくらぐらいで売ってるのかな?」

「さんびゃくごじゅーえんです」

しまむらより庶民的だ!

Rがファンタジーの世界にどっぷり浸かり過ぎてなんだか僕は疲れてしまったので、

夜、爺はファンタジーな自慰をするのであった。

問題:今気付いたが一着だけ赤いスカートがあった。それはどんなスカートでしょう?
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