ビコーズ、アイラブユー

夕飯で、娘・R(3才)がゴハンをこぼした。

「あらあら」

とすぐ拭こうとする嫁に

「まま!おこらないで!ままだいすきだから!おこらないで!」

Rは急に泣きながら許しを乞う。「大好きだから怒らないで!」というのはなかなか有効だと思う。僕だったらすぐさま陥落しそうだ。まだピノコの足元にも及ばないぐらい喋り方がたどたどしいのに、一体どこからこのような泣き落としを考え付くのだろう。

翌朝、今度はRがおねしょをしてしまった。

「おこらないでままだいすきだからおこらないで!」

Rはまた同じことを叫んで泣いていたのだが、僕はここではて…と新たな疑問が浮かんだ。嫁がすぐさまカミナリを落としているならともかく、

「あらーやっちゃったねーはいはい着替えて」

ぐらいで別に怒ってはいないのである。それなのにこのRの怯え様はなんなんだろう。

「最近、こっぴどく叱ったの?」

「いや、別に…」

さては何か…と思わせる気配のある答えであった。僕は子供達を叱ることはあっても、頭までカッとなったことはない。しかし嫁は僕とは違い24時間顔を合わせているのだから、つい頭に来ることもあろう。以前「があああっと怒鳴っちゃったんだよね」などと言っていたこともある。深く聞きますまい。

ただRのような小さな子供といえど、着々と機に臨み変に応じる術を学んでいることであるよ、と感心したのであった。

ワンパターンなのは僕のほうで、お約束のように嫁に夜這いをかけ

「まま大好きだから、大好きだから」

Rのマネをして脱がそうとしたのだけれども見事撃退された。声を鼻詰まりっぽくして

「あなたのー、はだかー、しぬほどー、すきだからー」

チャンドンゴン風に言ってみても駄目だった。

「私はキムタクが好きなのー!」

キムタク…韓国風に書くと金朴。受けなかったのは嫌な感じに古いCMネタだったからに違いない。

「ていうか何のマネ?それ」

と思ったら嫁はネタを知らなかった。

自分の「大好き」が相手に受け入れてもらえないのは悲しいことである。僕などはいつも両手を広げ、無防備で受け止めようと心掛けているのに。

これを「好きあり」といいます。

問題:その日の夜、嫁が苦笑いしながらボソッと呟いたことはなんでしょう?
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