USJ(ウルウルスタジオジャパン)


娘・R(3才)の七五三撮影に行って来た。

「Rのことだからうまく撮影出来るかどうか…」

おそらく途中で泣いてしまうだろうと僕と嫁は予想していた。前回衣装合わせをした時も半ベソだったのである。

「じゃあお化粧から始めますね~」

女性スタッフふたり掛かりでメイクアップ開始。

七五三メイク中
既にRは泣きそう。というか開始2分で泣いた。あやすために中断したり嫁の膝の上に乗せて再開したりで早速暗雲が立ち込めた。

七五三メイク中
ひと泣きした後のR。お化粧も涙と鼻水で流れまくり。いくら嫁と「可愛いね」とおだててもまるで効果なし。

タク
「姉ちゃん何やってんだろ…」

姉の悲劇をよそに息子・タク(11ヶ月)はとっととベビーカーの中で寝た。

続いて着物に着替える時には

着付け中着付け中
泣きこそはしなかったが、練馬のスケバンの如く物凄いメンチを切ってピクリとも笑わず、緊張しまくっている様子。

「では撮影始めますんで」

着付け完了を待ち構えていた男性カメラマンが、Rをスタジオの真ん中に立たせ、撮影開始。するとやはりというか予想通りというか

「うわあああああん!」

また号泣。

「ほらほら、うさちゃんが来ましたよ~」

メイクさんがウサギのぬいぐるみを出してくれたがダメ。僕がぬいぐるみを借りてRを抱っこして

「はい、うさちゃんがいろいろしますよ~。ウサパンチ!ウサキック!背中を反らせてウサバウアー!」

と必死に笑わそうとしても

「あははっ。お父さん面白いですね」

メイクさん、あんたにウケても意味ないんじゃ!

「このスタジオの空間自体が嫌になっちゃってるんですよねー」

もう面倒臭がり始めている表情を隠せないカメラマンが、既に他人事のような口を聞く。お前は撮るのだけが仕事か!被写体がいい表情を出せるような、良い雰囲気作りもお前の仕事じゃないんか!村西徹ばりに

「ナイスですね。ナイス過ぎます」

ってもっと被写体を盛り上げんかい!撮るだけだったら僕がやってやる!その一眼レフのデジカメよこせ!いっぺん触ってみたかったんだ!……という強気なことは言えずに

「じゃ、ちょっと気分転換させてきますんで…」

Rを一旦店の外に出して小休止。

笑うR
いろいろ笑わせてようやくニッコリしたRであったが、再びスタジオに戻すと

「うわあああん!うわあああん!ぱぱー!ままー!」

離れないでくれ、と必死に手を差し伸べる。もはやここまでか…と観念した矢先

「じゃ、お父さんとお母さんと一緒に撮りましょうか」

「え、まじですか」

カメラマンがそう提案するので面食らってしまった。何せ僕は寝起きのままのボサボサ頭と、「シャア専用衣笠」と書いてあるTシャツにロンパン+ビーサン、という油断しまくりの格好だったからである。撮影するのはRだけだと思ってたので…。

しかし僕と嫁が寄り添ってやっとRは泣き止んだ。これで撮ってもらうしかないとカメラマンに身を任せパシャパシャと数ショットを撮らせた。

「はい、おつかれさまでしたー」

ようやく撮影終了し、Rを着替えさせたりした後、撮影画像をパソコンで出力し、どれを印刷するかを選んだ。やはり僕や嫁のような不純物が写っているよりは、泣き顔でもRひとりの画像がいいと思われた。笑っているのは1枚もなかった。

「まあこれも、大変な中で撮ったねっていう思い出ってことで…」

所詮親の自己満足の押し付けかもしれぬ。泣いてしまうRの気持ちも分かるのである。僕が七五三の時も、よってたかって知らない人に化粧やら着物の着付けやらされて、自分が何か違う生き物にされてしまうのではないか…と物凄く不安になったのを覚えている。それに着物なんてダサくて着たくない、なんて思ってたし。

そんなわけで僕の七五三の写真もぶすくれた顔で写っている。

「Rちゃん、がんばったね。可愛かったよ」

そう励ましてスタジオを後にした僕と嫁であった。

七五三は「五九六三」に名前を変えた方がいいと思う。


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