野球帽狂の詩


昔のガラクタが詰まった箱を整理していたら、帽子が出てきた。

昔よく帽子を被っていたものである。しかし久しぶりに見たそれはホコリまみれで、この年になって被ってたらいかにも頭悪そうな感じの野球帽タイプのキャップだったので、捨てようと思ってたら、

「ぱぱ、ぼうしー。ぼうしー」

いつの間にか娘・R(2才)が被っていた。

キャップR
「ふおおお。R、カワイイ!カワイイ!ぬおおおお…」

Rのあまりの可愛さに頭がおかしくなるほど心を揺り動かされたことには、親馬鹿だけではない理由があった。今まで忘れていたけれども、僕は野球帽を被った女の子が大好きなのであった。

あれは僕が小学生の頃…。当時好きだったナオミちゃんと遊んでいるときに、ひょんなことで僕の野球帽を被ったのである。その時、

「ああ、女の子が野球帽を被るとなんて可愛いのだろう」

と子供心に思ったものである。当時は今のように邪悪な心ではなかったので、それ以上エロス方面な思考には行かなかったのだけれども、思えばあれが現在セーラー服やブルマにウホウホしちゃうようになった以前の、フェチズムの原体験だったと言える。

よし、僕もRと一緒に帽子を被って一緒にキャッチボールするぞー、と箱の中を更に漁った。他にも帽子はあった筈である。

しかし出て来たのは家族計画のために使用する、ゴム製の帽子であった。

やはり頭がおかしい。


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