2006年07月13日
拍手取り揃えております
息子・タク(9ヶ月)が、新たなアビリティーを習得した。「拍手」である。
「みてみて~。たっくん、ぱちぱちしてる~」
娘・R(2才)もその姿が目新しいらしく、注目している。実はこれをタクに教えたのはRではないかと思われる。Rはよく歌を歌ったり踊りを踊ったりするのだが、
「ぱぱ、すわって~」
僕を強制的に観客にさせるのである。Rの正面で正座して見ていないとRは怒る。そして歌や踊りが終わると
「ぱちぱち?」
拍手を強制させるのである。ジャイアンリサイタル状態。タクはその僕の姿を見て覚えたのではないだろうか。幸か不幸か拍手を覚えてしまったばかりに、今は僕の隣にタクも座らされるようになった。
姉を見てポムポムと手を打つタクの姿を見て、僕は「はて…」と思い、やがて閃いたことを嫁に言った。
「タクの拍手する姿って誰かに似てると思ってたんだよね。やっと分かった」
「誰よ」
「北の将軍様」
「ひどい!」
私の可愛いタクちゃんをそんな風に言うなんて、と非難された。だって、最近短くした髪だとか、垂れそうなほっぺとか、のっそり手を打つ仕草とかが似ていて、つい…。
その夜、今度は嫁がタクをまじまじと見つめて言った。
「タクの胸元ってすごいよね。谷間が出来てる」
「お前よりはある。確実に」
「なんかこう、肉厚感があるというか、色気があるというか、まるで…」
「まるで?」
「瀬川暎子みたい」
「ひどい!」
お前のほうが情け容赦ないじゃないかよ!かわいそうな息子。
「そんなこと言って、実はタクの胸の大きさが羨ましいんだろう?」
ちょっと意地悪なことを嫁に言ってみたら
「そんなことないよ。公園に行くとね、砂場でRが『ままのおっぱい』って言って何個も山を作ってくれるのよ!胸があるって認識されてる証拠なのよ!」
「何個も…?お前の乳は2つじゃないのか」
「どうもRはたくさんあると思ってるみたい」
エフェソスのアルテミス像かお前は。そんな牛みたいな乳を模られて嬉しいのだろうか。
ともかく少し前まではタクは、我が家の仔パンダちゃんであるとか小動物系よね、などと愛でられていたが、角刈りに近い頭にされ肉付きもよくなり、ラブリーな可愛さを脱皮し、ある時は偉大なる首領、ある時は瀬川暎子、と人智を越えた逞しい生物になりつつある。
何も分からないタクはまた笑顔でポムポムと拍手をしている。
以後、拍手ぉん大魔王と呼ぶことにする。