2006年07月11日
テンカウント・ノックアウト
子供と一緒にお風呂に入る親は、「さあ出るよ!」という時に
「じゃあ10まで数えたら出ましょ~。いーち、にー、さーん…」
などと数えて出ることがあると思う。僕も娘・R(2才)とお風呂に入る時は10まで数え、
「おまけのおまけの汽車ぽっぽ。ぽーっと鳴ったらおしまいよ。Rちゃんと~なかよし~。パ~パ~と~なかよし~。ローケット発射ー。3、2、1、どっかーん」
という大変長い歌を追加している。「どっかーん」で浴槽からザバーと持ち上げるのだが、嫁が歌っていたのを聞いてるうちに僕も覚えてしまったのである。入浴タイムの中でもこのひとときが好きでたまらない。
「さあ肩までお湯につかって」
と向かい合わせに抱くので、一糸まとわぬRと対面座位のような体勢になるのがタマランチ会長だし、Rの歌声は可愛いし、
「いーち…にーい…さーん…ごー…」
「ごじゃない、さんの次は、しー、だよ!」
「おしっこしー」
「それは非常に惜しー」
まだ1から10まで通しで言えないところも愛しいし、また数える時は指をよいしょよいしょと立てながら数えるのだが、特に「3」(3本指を立てる)が難しいらしく、いつも手こずっている。けれども
「ぱぱ、さん(3)、できたよー」
出来た時は本当に嬉しそうに笑い、とてもいじらしい。更に「どっかーん」までの湯上りイベントが終わって「じゃあ上がろう」となると
「ぱぱだっこしてー」
全裸で甘えてくるので、もうメロメロである。1から10まで数えられないくせに、僕のツボを1から10まで心得ておる。
そんな僕らの湯上り歌を、今日コンビニに連れて行き、買う物を物色していた時にRが歌い始めたのである。
「Rちゃんとーなっかよし。ぱーぱーとーなっかよし」
「R~お店の中では静かにしようね」
「はーい」
やけに素直な返事だな、と思いながら買い物を続行していたら、突然
「ろーけっと、はあっしゃ!さん!にい!いち!どっかーん!」
さっきの倍ぐらいの大声で歌いおったのである。
「こ、こら…」
この天邪鬼娘が!とついカッとなってしまった。よく考えたら「ロケット発射」なんて時事ネタ的にも危ないじゃないか(ヒント:テポドン)
だが少し待て。アメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソンはこう言った。
「When angry, count to ten before you speak」
(怒りを感じた時は、10数えてから話せ)
彼の忍耐強いエピソードを元に作られた物語が「機関車トーマス」であるという。
(民明書房刊「痴漢車トーマス」より…つまり嘘である。名言は本当)
いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、しーち、はーち、くー、じゅー。…Rも僕が買い物を探している時間、退屈してしまったのかもしれない。
「おまけのおまけのクリームパン、食べるか?」
「たべるー」
R用のおやつを追加して帰ったのであった。