2006年06月20日
梅雨と落ち梅雨と消えにし梅雨デート
昨日の日記と話は前後するが、日曜日の朝のことじゃった。
明け方からガン降りの雨で、10時ごろになってようやく止んだか、いや、まだほんのわずかポツポツ落ちてくる、といった天候になっていた。
梅雨(ツユ)であることよ。
娘・R(2才)は遊びたくてうずうずしていた。しかし今雨が上がったとしても、公園はびしゃびしゃであろうからあまり連れて行きたくない。体を動かしたいRに何をしてやれるかイン・2006年ツユ。
何物も君には代えがたいナッシング・コンペアー・ツーユー(Sinead O'Connor)
あなたに夢中なのクレイジー・フォーユー(Madonna)
特選丸大豆・ショウユー(Kikkoman)
「嫁、どこか屋内でも遊べるとこ行く?」
「こないだRに何したい?って聞いたら『でんしゃにのりたい』って言ってた」
「じゃあ僕が連れて行こう。定期あるし。R、行くかい?」
「いくー!!」
そういうことになった。
「タク(8ヶ月の息子)も連れて行くか」
「いえ、ハナタレがひどいからやめて」
「そうか。タクごめんな。ママと留守番していてくれよ…」
Rとふたりで乗る電車。乗り換えのある駅で降り、
「ほら、黄色い電車、青い電車、オレンジの電車もあるよ」
何種類かの電車を見せたところ、Rは満足したようだった。雨は上がっていたので、駅前も少し散策してみた。Rは僕の手に引かれてちょこちょこ歩く。時々顔を覗き込むとニコニコしている。楽しいらしい。おもちゃ屋や洋菓子屋の前を通っても全然駄々をこねないところが手前味噌だが感心する。
尤も昼飯前には帰ろうと思っていたし、買い食いしたからゴハンを食べられない、なんてことになったら嫁が怒り狂うであろう。だからいつもは長蛇の列が出来ているのに、時間帯と天候のせいか全然並んでいない某有名ラーメン店の前を通った時は、余程入ろうかと思ったが堪えた。
しかし強烈な誘惑がもうひとつ待っていた。とあるビルの入り口の看板に
「メイド喫茶」
と書かれていたのである。こんなところにあるとは。僕はかつて近所にいたRちゃんという、Rの名前のルーツになった美少女をこの上なく好いており、彼女が働いていたこともあり、メイド喫茶に対しては大いなる夢と失われた美少女の幻想を抱き続けている。
Rの手を握ったまま蛇を前にしたガマガエルのようにしばし唸り、
「Rも結構歩いて疲れたかもしれないし、ここでティーをドリンクしても…無理はないな!」
と、足を踏み入れようとした刹那、
「あはは、メイド喫茶だって」
「やだー。アキバ系ー?オタクー?」
後ろから声が聞こえたので、心臓が飛び上がるかと思った。わりかし爽やかげなカップルがケタケタ笑いながら通り過ぎて行ったのである。
「じゃ、か、帰ろうか…」
カップルが視界から消えるのを待ち、そそくさと再びRの手を引いて帰ることにした。
「R、どうだった?」
「おもしろかった!」
父と手を繋いで歩くだけで楽しいR。いつか手を繋ぐ役は僕ではなくなる時が来て…と、ついRの笑顔を見ながら考えた僕の心には、妙に長い乳毛より更に長い梅雨前線が停滞してしまったのであった。
「ただいま。ひたすらぶらぶらして来たよ」
「え、何も食べなかったの?」
嫁にはそれが逆に意外なようであった。外でゴハンを済ませるならそれはそれでよし、という考えだったらしい。ぎゃふん。
そんなことなら有名ラーメン屋で食べておけば良かった。勿論食べた時に言うセリフは
「ばいうー」
であったのに。
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