2006年06月14日
自動改札の児童考察
家族4人で電車に乗って、わが街の駅で降りた時のこと。
この駅は古くて昇降機がなく、嫁は娘・R(2才)がヨチヨチ階段を降りるのを見守り、僕は息子・タク(8ヶ月)を乗せたベビーカーを持ち上げながら一足先に降りて改札を出て待っていた。
やがて階段を降り切ったRは、自分で階段が降りられたことに得意になるお年頃。改札の外にいる僕を見つけ、
「ぱぱー!じぶんでおりたよー!!」
嫁の手が離れた隙にだだだっと駆けて来てしまい、自動改札をそのまま通ろうと突っ込んで来た。自動改札はこの時開いていたが、Rが通ろうとすればバタンと閉まるのではないか、と一瞬にして思ったが
「危ない…」
と言うヒマもなくRは自動改札を駆け抜けてしまっていた。幸いなことに自動改札は閉まらなかったが、小さい子供だったらセンサーが感知せず、スルーになるものなのだろうか?とすると大人でも身をかがめてマサルガリレイ(※)のように歩けば理論上は切符無しで通過出来るということになる(但し人間としての尊厳は失われる)
※マサルガリレイ
また、改札の脇には駅員室があり、そこにひとり駅員が立っていた。もしかしたら駅員の手元に操作盤があり、Rが走るのを見てスイッチをオフにしてくれた…とか。いや、自動改札が止まってピンポンピンポンうるさい時があるが、その時は駅員が駆け寄って直にリセットさせてたなあ。するとそんな遠隔操作は出来ないのかもなあ…。
などと家に帰ってから色々考えてしまった。もしまたRが自動改札を駆け抜けようとして板が閉まったら激突してしまう。Rは軽いので後ろに転がってしまうだろう。
閉まるか閉まらないか、その事実を確かめておきたい…。今日会社から帰る電車の中で思い立ち、降りてから駅員を探すと、なぎら健壱似の駅員がいたので捕まえて聞いてみた。
「あのー、つかぬことをお伺いしますが…」
「は?」
露骨に不信人物を見る目で睨むなぎら。お、おいら怪しいもんじゃないよ。おいらベロってんだ…。
「(腰の高さに手を当てて)これぐらいの子供が自動改札を通り抜けようとした場合、閉まってしまうものなんでしょうか。こないだ僕の子供が駆け抜けてヒヤッとしたものですから」
「ふーむ、なるほど」
「…どうなんでしょう?」
「…どうなんだろうねえ」
なぎらアァァッ。ダメだこの人。
餅を餅屋に聞いてもダメであった。かくなる上はインターネッツで調べるしかない。その結果、自動改札機メーカーのひとつ、東芝のサイトに「東芝レビュー」というページがあり、そこに「複数処理機能を持つ新型自動改札機」
という論文(PDFファイル)が見つかった。そこには
「人間検知は従来、高さ1,220mmに配置された上部センサと700mm付近に配置された下部センサから構成されていた」
とあった。この後改良して上部センサを1,005mmに下げることが出来た云々、と書かれているが、下部センサはそのままのようである。Rの身長は余裕で700mmを超えている。尤も上部下部両方のセンサーが働いて初めてパタンと閉まるのかもしれないし、メーカーは東芝以外にもあるので違う構造のものもあるだろう。しかしそこまで調べられなかった。結局はっきりとは分からず。
いずれにせよ自動改札の危険のみならず、人でごった返す駅では子供の手を離してはいけない、ということであるな、と改めて気を付けなければならないと思った次第である。ご存知の方教えて下さい。
それにしても自動改札でパタンとやられるのは結構腹が立つ。颯爽と通り過ぎようとした途端板で阻まれ、ごめんよ、うっかり精算し忘れたんだよ、と言おうとしても相手は冷酷なメカ、ピンポンピンポンと無情なアラームを鳴らすばかり。
ここは峰不二子のような、みだら且つ艶のある声優を雇い、
「ウッフーン。まだあなたを帰すわけにはいかないの。ウフフ、せっかちさんね。まだあなたとの精算が済んでないわ…」
というエロティックなアナウンスでも出て、通せんぼするのは固い板でなく、乳房型の柔らかいクッションであれば、
「フフフ、君も困った子猫ちゃんだね」
と気持ちよく回れ右出来ようというもの。メーカー様、是非ご検討お願い奉る。
自動ワイセツ機。
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