2006年06月13日
雨雨ふれふれ父さんが
雨が一日中降っていた日曜日。
娘・R(2才)はそれでも外で遊びたがってしょうがない。
「今日はおうちで遊んでいようね」
と言っても窓に擦り寄り雨が振る光景を眺めていた。
「おそと行く?」
「うん」
「傘さしたいの?」
「うん!」
Rの本意はこれであった。何の変哲もない、ぼろいコンビニで買った緑のビニール傘があるのだが、何故かRはこれを僕がRに買ってやった傘だと思い込み、
「Rちゃんの!」
と言って憚らない。この傘を使って外に出たいようだ。しかしRはまだ自分で傘をさして外を歩いたことはない…。
「じゃあパパと初めての雨のお出かけに行くか」
「いくー!」
そんなわけでRに雨ガッパを着させ、緑の傘を持たせて外に出たところ、初めて自分で持つ傘の重みと、意外に強い雨にRはびびっていた。甲子園の入場行進の、緊張しまくってぎこちなく歩くプラカード持ちの女子高生のよう。
「どうする、おうち入るか?」
「いや!」
「じゃあ傘はこう持って…」
ガチガチになっているRに傘の楽な持ち方を教えてやると
「こう?」
「そうそう。上手です」
「こう?えへへへ」
ようやく緊張が解け上機嫌になって歩いて行った。
しかし端から見てると小さなテルテル坊主がヨチヨチ歩いている姿にしか見えず、なんともおかしみのある姿であり、すれ違う人達から
「カワイー」
などと言われる雨ガッパの娘とエロガッパの父であった。雨に乗じての誘拐犯に見られていないだろうか…とこちらがビクビクしつつ、近所のスーパーに着いた。
「じゃあここで買い物して帰るよー」
雨ガッパを脱がせたRと店内を歩いていると、NHKでワールドカップのニュースになるとよく流れている曲がかかっていた。曲名も歌っている人も知らない。光GENJIみたいな複数の男の歌声で、
「なーななっなっなー、ヘイ、ゲシュタポー」
と聞こえる曲。う、うまく表現できない…。Rはこの曲を聞いた途端
「あ、さっかー」
すぐに分かってしまった。ニュースなどはボーっと見ているようで、分かっているのだなあと、2才児の意外な知能の高さに驚いてしまった。
「そうだね、サッカーだね」
「さっかー!さっかー!」
「うわああ走り回るな!」
買い物を終え、再びRに雨ガッパを着せて傘を持たせる。
「ぱぱ、さっかー?」
「いや、これはかっさー」
やばい、僕のダジャレ癖が伝染ってしまった…。
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