ドナドナ人生街道

栃木の実家から帰る日。

母と弟が車で駅まで送ってくれることになったので、母のワゴン車に乗り込んだ。しかし僕・嫁・母・弟・娘R(2才)・息子タク(6ヶ月)が乗るとなると、Rとタクのチャイルドシートが場所を取り、定員オーバーじゃないのにどうしても1人分乗るスペースがない。そこで嫁が

「じゃあ私、荷台に乗るわ」

と言うのだが、なんだか申し訳ないので

「えー。いいよ。僕が乗るから」

「いいからいいから」

結局いくら言っても聞かず、嫁がうんこ座りで荷台に陣取った。その姿は哀れでまるで売られていく牛のよう。

「あれ?ママは?」

チャイルドシートに固定され、後ろが見えないRが嫁を探す。

「ママはね、ドナドナになっちゃったんだよ」

と答えてやると

「ママは売られていくの。仔牛なの」

嫁もそう答える。仔じゃないだろう、仔じゃ。若い娘なら売れるだろうが…とツッコミを入れようとしたのだが、嫁は急にしんみりとなり、

「中古の女だけどね…子連れだけどね…誰か買ってくれる人いるかな…」

アタイだって昔は輝いていたんだよ…、とグラスを傾ける場末の酒場の女のような顔になってしまったので僕もこれ以上茶々を入れることが出来なくなってしまった。

栃木の田舎道をワゴン車の荷台に乗せられて揺られる嫁。これも人生。僕に付いて来てしまったばっかりに…。

ドナドナドーナードーナー。子連れをのーせーてー。
ドナドナドーナードーナー。

乳房がゆーれーるー。

…ぐらいの乳があったらいいのになあ。

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