ホワイトデーと神武天皇


嫁へのお返しホワイドデー。
悩みに悩んでナイトアンドデイ。

我が最愛の妻に贈るのであるから、ぞんざいなモノではダメだと思う程苦悩は深まった。幸いなことに職場で隣に座っている人も既婚者だったので聞いてみた。

「もう奥さんにホワイトデーのお返し買いました?」

「いやー、1本(1万円)いっちゃいました、ははは」

しまった。この人がまだ新婚であることを忘れていた。

「考えるのがめんどいからコンビニで適当なもん買っちゃいました」

僕はこんな感じのヌルい答えを期待していたのだが。それを免罪符に僕も適当な物で済ませても無理はないな!という解釈をしたかったのだ。新婚ラブラブに聞いた僕が愚かであった。きっと夜は、そのプレゼントを渡し

「キャーアナタ素敵!店長1万円入りまーす!」

「よーし怒張1万円入れまーす!」

とかぬっぽりしっぽり燃えるのであろう。

結局自分で調べるしかない、とお菓子サイトをいくつか眺めたのだが、わりとどうでもよいことに目が留まったりするものである。なんと、ホワイトデーが3月14日に定められた由来のひとつは、神武天皇にまつわるものであるということが分かった。

ホワイトデーを3月14日に定めたのは、3世紀のローマで恋愛結婚の禁止令に触れた若い男女がバレンタイン神父に救われ、神父が殉教(2月14日)した1カ月後のこの日に、男女は永遠の愛を誓い合ったことに由来しています。別には、日本の古典(古事記、日本書紀)から、わが国の飴製造の起源を拾ったという説もあります。
(引用元)http://www.candy.or.jp/whiteday/okuru.html

ホワイトデー自体が菓子業者がデッチ上げたイベントなので、その由来といっても民明書房っぽい後付けこじつけのネタに過ぎないのだが、ホワイトデー仕掛け人のひとりの言葉、

日本で一番古くから残っている文献で、キャンデーの起源を調べてみると、3月14日の前後3日ぐらいずれた日付になっているんですよ。
(引用元)http://www.candy.or.jp/whiteday/hiwa.html

これを元に日本のキャンディー即ち飴の起源を辿ると、日本書紀巻第三、神武天皇即位前紀戌午年九月-十月にある

「吾今当に八十平瓮(やそのひらか)を以て、水無しに飴を作らむ。飴成らば、吾必ず鋒刃の威を仮らずして、坐ながら天下を平らけむ」:岩波文庫「日本書紀(一)」より抜粋

私は八十の皿をもって水なしで飴を作ろう。飴が出来れば私は必ず武力を使うことなく、居ながらにして天下を平定出来るだろう。こんな感じの訳でよいか。

これが文書で確認出来る日本最古の飴とされている。ただこの時期が「9月」なのである。全然違う。飴の起源はこれで間違いない。しかし前述の「3月14日の前後3日…」がどこを指して言ったのかが分からない。この薀蓄を元に

「フフフ、ホワイトデーの起源は神武天皇だったって知ってるかい?そして僕は君のジュテーム天皇さ…」

と嫁を知的に口説こうと思ったのだが、裏を取れなければ

「はあ?なに言っ天皇?」

と返されるのがオチである。うん、僕、一生懸命調べものし天皇…。

僕の頭ではここまでが限界である。実証出来るまでに至らなかった。というかとにかく何か買わないと本当にヤバい時間になってしまった。無知蒙昧な人間が調べても時間が掛かるだけ。

これを飴と無知といいます。

エンピツ投票。
■はてなアンテナに追加アンテナに追加

トラックバック

トラックバックURL(管理者の承認後反映されます。言及リンクなきものは反映されません):
http://www5e.biglobe.ne.jp/~kajilin/tt-tb.cgi/2-30

« ペニスに死す | TOP | オタクッキー »