良薬は口に駄菓子

昨日の日記に書いた昭和記念公園はとても広大なところであった。

日本庭園・洋風庭園・池・何故かジンギスカンレストラン…その他様々なエリアがあれども、歩けど歩けど全然回り切れず、実はこの公園の奥地には幻の理想郷シャンバラもあり、そこを目指して旅立つも志半ばで力尽き、白骨化した死体がゴロゴロ転がっているんだそうじゃ…というほらふきドンドン並みの大ウソを思いつくぐらいに広かった。

公園内には駄菓子屋もあった。物珍しさに惹かれて入り、懐かしき駄菓子の数々に囲まれてしばしノスタルジーに浸った。

「嫁、見て見て。『ビビンバ太郎』だって。僕らの頃は『蒲焼さん太郎』と『焼肉さん太郎』しかなかったのになあ」

「それコンビニでも売ってるよ。知らないの?」

「僕、コンビニじゃジュースと猥褻本のコーナーしか見ないし…」

「私はいつもお菓子コーナーをチェックしてるのよ!!」

いや、そんな偉そうに言われても…と嫁の得意気な語りは聞き流し、Rやタクに買ってやるものを見付けた。

でんしゃチョコ
新幹線の形をした容器に、仁丹みたいな小さな粒々のチョコが入ったもの。

「これよくない?タク、こういうの好きだもんなー。電車とか車のオモチャ」

「30円だしね。いいんじゃない」

「でもチョコは先に抜いておかないとね」

我が家の方針で、チョコはたまには食べさせることはあるが、原則としてRにもタクにもまだ解禁していないのである。

家に帰り、じゃあチョコを抜いて与えようか…としたところ

「うきゃきゃきゃー」

新幹線を見ただけでタクがよこせよこせと大騒ぎしたため

「ま、いっか…。タク、中のチョコだけは食べちゃダメだよ」

どのみちシールで封印されてるし、堅くフタが閉められてるし、タクでは開けられないだろうと思い、そのまま渡してしまった。それが間違いであった。

ちょっと目を放した隙にその封印はあっさり解かれ、僕が気付いた時には既に床一面に粒々チョコがぶちまけられしまっていた。それをタクとRが必死になってチマチマチマチマ拾っては食べている。やけに静かだと思ったら…。チョコを食べさせてはいけない、と僕も嫁も詰め寄って

「お前らハトかー!」

「拾わないで!チョコはらめぇぇぇぇ!」

必死になって粒々チョコを拾い集めた。ハナクソを丸めて偽装したやつを床に転がそうかとも考えたが生憎鼻の中に在庫がなかった。

「まあ、食べちゃったものはしょうがないかー」

「この子達の物凄い執念を見たよ」

全て回収し終わって、嫁と2人で苦笑いをした。この日のテレビ番組の中で、石を使って木の実を割る猿が紹介されていたが、それを見た時は

「ほー。タクより賢いな」

などとタクを侮っていたが大誤りであった。1才児の成長の早さは侮れん。

それにしても禁断のチョコを食べるな、と言っておいても結局は食べてしまったRとタク。エデンの園のアダムとイブのような話である。

エデンの駄菓子。なんつって。

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