2006年11月14日
一升一緒にいてくれや
息子・タクの「誕生餅」イベントを行なった。
1才の誕生日に、白と赤の五合の餅をひとつずつ、合わせて一升の餅をタクに背負わせるのである。誕生日はとっくに過ぎたのに何故今頃やったかというと、恥ずかしながら僕はこの風習を母から
「あんたの時はやったんだけど、タクはどうするの」
と聞かされるまで知らなかったからである。
「なんでR(3才の娘)の時は何も言ってくれなかったの?」
「…忘れてた」
というわけでRの1才の誕生日の時は思いっきりスルーしてしまった。母さん適当過ぎ。
「で、誕生餅の意義って何」
「えーと、一生(一升)食べ物に困らないようにするため、かな」
しかし小さな子に一升の重荷を背負わせるなんて
「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如し By徳川家康」
僕はどうしてもこのような暗ーい人生を想像してしまうのだけれども…。日本の風習は、ちんこのお神輿を担ぐとかイカレたものが多い。ヒマがあったら由来を調べてみようと思う。
「じゃあタク、背負ってもらうよ~」
餅を風呂敷で包み、数人掛かりでタクに襷がけに結ぶ。
タクはこの通り「なんでこんな目に遭わなければならないんだ」と号泣。だがタクよ。男ってもんはなあ、年取るごとに背負うものが増えていくんだよ。僕なんかお前とか嫁とかRとか地縛霊とか…僕が背負ってるものと比べたら全然軽いもんだよ…。
しかしタクは頑張った。僕らで手と風呂敷を押さえてヨチヨチと歩き、ペタンと尻餅をついた。驚いたのはそれからである。
「あ、自力で立った!」
「あ、歩いた!」
まさか出来るとは思わなかったのに、誰の補助も借りることなく自力で5歩ぐらい歩いたのである。
ひと仕事終えてすっかりご機嫌のタク。ていうか東京ぼん太みたいである。
「うわー。すごいよ。将来はマッチョのボディビルダーだね」
「それはやだなあ」
「でもずいぶん力持ちだね。力餅。なんつって」
僕は腰痛餅である。
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