2006年11月02日
幼稚園クエスト3~そして面接へ~
今日は何の日、ひっひっふー。
今日は娘・R(3才)の幼稚園入園面接であった。面接の進行は
07時 幼稚園に赴き願書提出→面接時間を指定される。
08時 面接開始(順次指定された面接時間に開始)
11時 吉野家牛丼祭開始
13時 合格発表
というタイムテーブルだったので、早朝嫁に叩き起こされた僕が願書提出に行ったところ、朝6時なのに既に70人程の親御さんが並んでいた。出遅れたッ!デオクレティアヌス!(世界史の授業をはしょられた高校生には分からないギャグ)
「おはようございます」
笑顔で挨拶する受付担当の先生がかなり可愛く、ときめきメモリアルな気持ちで一旦帰宅。目覚めたRと息子・タク(1才)の仕度をしていた嫁が待ち構えていた。
「どうだった?」
「びっくりしたよ。あそこの先生って可愛いんだね」
「何言ってんのよ!何時に行けばいいの?」
「ああ、8時40分までに来てくれ、だって」
面接時間に間に合うように僕ら一家は出発。幼稚園に到着すると
「では面接までお子さん達は教室で遊んでいていただきます。保護者の方は隣の教室で待機していて下さい」
受付にいたのとは違う先生(しかし可愛い)が段取りを説明していた。成る程、このフリータイムで親と離れた子供がどのような行動を取るか、これも合否の判断基準にするのだろう。既に早く到着した親子などは
「いってらっしゃい」
と親が子供を教室に送り出していた。素直に行く子もいれば親と離れられない子もいる。さて、うちのRはというと…。
「うわあああん!うわああん!ぱぱー!だっこー!」
大泣きに泣いて絶対教室に入ろうとせず、既に脱落者ゾーンに落ちてしまった気配…。
「お子さんが落ち着いてからで結構ですので…」
と先生が言ってくれたものの、結局Rは「だめ!」と拒否しまくり、最後まで教室には入れなかった。僕だったらあの可愛い先生と喜んでフリータイムするのに。
「僕はデザイン系の仕事なんですが(大嘘)、クリエイティブな職種の人達は同性愛者が多いと聞きます。保育関係の業界もそうじゃないですか?保母セクシャル。なんちゃって」
とか言って…。
そして面接本番。タクは計ったようなタイミングで寝てしまった。本当に手のかからない子というか。面接の教室には親も入れるのでRもようやく落ち着いて入室。子供4人ひと組で面接である。幼稚園側は園長はじめお偉い方が控え、ミニーマウスのパペットを手にはめた先生が直接子供達と応対する役目になっていた。先生の前には机がひとつ。果物のおもちゃが置いてあり、
「ミニーちゃんはバナナが食べたいなあ~。Rちゃん、バナナを取って下さい」
Rに早速話しかけてきた。しかしRはここでも
「…」
硬直して何も出来ず。頭の中で「幼稚園浪人」の文字が回り始めた。ただ
「じゃあお名前言えるかな?」
という問いかけには
「Rです…」
蚊の鳴くような声で返事が出来、「何才ですか?」と聞かれたら
「さんさい…」
指を3本立てて答えられた。
「はーっ」
面接が終了し、ため息をつく僕と嫁。
「ワタシは名前と年齢を言えただけで上出来だと思う。Rちゃん、よくやった」
「でも最初のフリータイムはズッコケたよね…」
「で、可愛い先生ってどの先生のこと?」
「そんなん恥ずかしくて言えるか」
ふたりでボソボソと語り合いながら家に帰った。
「じゃあ僕はちょっと吉野家でメシ食って来る。牛丼祭り~」
というのも合格発表は13時なのだが、僕は仕事があるため12時に家を出なければならなかったのである。速攻で大盛りツユダクをかっ込んで戻って来、
「じゃあ、受かってるといいね!行って来ます!」
と後ろ髪を引かれる思いで会社に向かったのであった。
電車から降りたタイミングで携帯が鳴ったので「合否の知らせだ!」とドキドキしながら電話に出たら
「受かったよ!」
嫁の弾んだ声が聞こえてきた。続いてRの声が
「ぱぱー。Rちゃん。うかったの」
「よかったなあ。Rちゃんよくできました。ホントによくやった」
感激の余り駅の階段を踏み外し、あわや転倒して前方の女子高生のスカートの中が見えてしまいそうになるところだった。覗き行為で合格剥奪されてはかなわぬ。危ないところであった。帰りには何かお土産を買ってやろうと思った。ケーキは日曜日に買ったから甘い物は禁止である。となると…。
「ただいま、合格おめでとう。お土産買って来たよ」
帰って来た時には、残念ながらR達はもう布団に入ってしまっていた。
「あら、何買って来てくれたの?」
「吉牛」
「昼も夜も買ってんじゃないわよっ!」
吉牛じゃなくて、「合格」の韻を踏んで牛角にするべきだったか…。
Rが自分の名前を言えた時、嫁は涙が出そうになったと語っていた。
エンピツ投票。