親方日の丸アニマル

都民の日で上野動物園の入園料がタダだったので行ってきた。本籍地が栃木県であるエセ都民の僕でもタダである。

行く前から娘・R(3才)は大はしゃぎで、嫁と動物園の歌を歌っていた。

「みーんなで動物園へ♪行ーきましょ行きましょう♪
 オリの中にはすごいのがいるぞ♪」

「パンダ!」(嫁の叫び)

「ぱんだ!」(Rの叫び)

「タヌキ!」(嫁の叫び)

「たぬき!」(Rの叫び)

というような歌だったので僕も歌ってみたいと思う。

「オリの中にはすごいのがいるぞ♪」

しょこたん
「彰晃!!」

どこのオリの中やねーん、って感じなんですけども。

さて上野動物園といえばパンダである。そして上野動物園のパンダといえば無愛想で有名である。僕らは着いて真っ先にパンダを見たのだけれども

パンダ
…案の定無愛想だった。寝ててピクリとも動かぬ。絶対エッチなことをやらせてくれない夜の嫁そっくりだ。これでは嫁がパンダの着ぐるみを着て寝ていてもばれないと思う。

息子・タク(11ヶ月)にはまだ早かったのだろうか。Rが象を見てとても感動していたので

「ほら、タクも象さん見よう。いや、ママじゃなくて象を見なさい」

「ほらほら、こっちはペンギンさんだよー。いや、ママじゃなくて…」

まだあまり動物に興味がないようであった。前回来た時はずっと寝てたし。

昼飯を挟み、園内をほぼ一巡したあたりで

「うわ、雨だー」

「昼間は降らないって言ってたのに。気象庁のあほー」

まあほぼ一通り見たし…ということで傘を取り出して帰った。

「タクはなんだかレッサーパンダっぽいよね。Rは動物に例えると何だろう?」

家に着いてから嫁がそんな話をしていた。どうしても可愛い小動物系に例えてしまうのは親の性である。

「Rは…リスかな」

僕はそう答えた後

「嫁、お前はパンダだ」

と誰にも聞こえない小声で付け加えた。ふふ、真意は分かるまい。

夜、本当にパンダだったのが悲しかった。


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