第 33 回 藤 2025年4月1日
もう何年も前になります。アトリエ作者から「 一番好きな花はなに? 」と聞かれたことがありました。即座に「 藤 」と答えました。
幼い頃、茨城県の田舎で生まれ育った私は、田んぼのあぜ道に咲いている藤の花が、好きだったのです。花丈1メートルにも満
たないちょっと大きめの鉢植えにできそうな藤でしたが、その気品さ、清楚さ、つつましさは憧れにも似た気持ちで毎年魅入って
いたのです。やがて小学生に上がり、中学、高校と成長していくうちに、その田んぼの藤はいつの間にかなくなりました。
その幼いときのピュアな気持ちが忘れられず、藤が一番好きだと言わせたのでしょう。今回の百花ではその藤を取り上げました。