百 花 の そ よ 風    マネージャー余話  吉沢武久

第 21 回  桜   2024年4月1日

   百花のそよ風が始まって2度目の春、4月を迎えています。昨年はタンポポでしたが、今年は桜にしました。桜は一度は

 取り上げなければならない花です。それというのも、アトリエ作者は桜の季節が近づくと、そわそわし出すほど、お気に入り

 の花なのです。

  コロナ禍の前は、地元の桜が終わると桜前線を追いかけて、北へ北へと追っかけの旅をしたものです。一番北は函館の

 五稜郭の桜でした。その旅もできなくなって4〜5年になるでしょうか。でも、その代わりに地元にも素敵な桜があることに

 気づき、近場の桜を十分に楽しんでいます。車を2時間ほど走らせれば、奥三河に何カ所も桜の名所があるのです。その

 一つに設楽町神田のエドヒガンザクラ(愛称 兄弟桜)があり、作者いち推しの桜です。今年も会いに行くかも知れません。

                                    

   今年、桜の開花の便りは予測されていた3月20日を過ぎても、日本列島どこからも寄せられませんでした。名古屋で開花

 宣言がなされたのは3月28日で、昨年より11日も遅かったとか。この「サクラ サク」で思い出すのが入試合格の知らせです。

 今のようにスマホも携帯も無かった私たちの青春時代、遠方の受験地からの合格発表の知らせをを受けるのに、電報があり

 ました。その電文で合格を知らせるのが「サクラ サク」でした。私は茨城から、遠い名古屋の大学を受験しましたが、残念な

 がら「サクラ サク」の電報は届きませんでした。でも、その名古屋で10年後には仕事に就き、この豊橋の地に住み、作者も

 名古屋で13年余、水彩画教室の講師を務めました。不思議な縁を感じます。

  俳人、松尾芭蕉は 「 さまざまな こと思い出す 桜かな 」と詠んでいます。「 桜 咲く 」の便りを聞いたり見たりすると、思い

 出す青春時代のひとこまです。

                      

   日本の代表的な花、桜ですから俳句にも短歌にも数多く詠まれていて、名句・名首がたくさんあります。その中で私が好き

 な一首に与謝野晶子が詠んだ歌があります。 「 清水へ 祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢う人 みなうつくしき 」

  そしてもう一首 「 風さそふ 花よりもなほ我もまた 春の名残を いかにとかせん 」 これは忠臣蔵、浅野内匠頭の辞世の

 句とされている歌です。風に誘われて散る桜・・・・悲しいけれど美しい・・・

  ちなみに作者が大好きな歌は、森山直太朗の「 桜(独唱) 」です。そして忘れてはならないのが、桜餅に目がないことです。

                      

                                                      
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