百 花 の そ よ 風    マネージャー余話  吉沢武久

第 15 回  萩   2023年10月1日

   草かんむりに秋と書いて萩です。当然ながら、秋の七草に入っています。しかも第一番目です。万葉集に収められている

 山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌に由来します。

    秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

    萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝顔の花

  今の元号、令和も万葉集から選ばれています。その万葉集には約4500首の歌があり、そのうち植物の歌は1500首余り。

 一番多く詠われている植物が萩というから驚きです。その数は142首。(ちなみに、2番は梅で119首、桜は5番目で50首)

 このように、古き時代から日本人に愛され、親しまれてきた秋を代表する花、萩を10月の百花に選びました。

         秋の野を にほわす萩は 咲けれども 見る験(しるし)なし 旅にしあれば

                

   萩は秋の七草の一つですが、植物の分類では落葉低木に属し、草ではなく木の仲間です。その花は、マメ科特有の小さな

 蝶形花です。色は赤みの強い紫色が代表的ですが、白花もあります。

  マメ科の花を好むアトリエ作者ですので、萩の花もよく描きます。モデルにするために、鉢植えの萩を買ってきて、ベランダで

 育てていたこともありました。初心者でも育てやすい花、といわれていますが、我が家のベランダは、住みにくかったようで、

 2〜3年で花を付けるのやめてしまいました。

  この4月に始まった作者の水彩画教室も半年が過ぎました。その9月の最後の教室では、萩を描いたとのことです。


                           

  萩に関しての余話です。「 暑さ寒さも彼岸まで 」 という言葉があります。今年は、彼岸を過ぎても暑かったです。そのお彼岸に

食べる習慣があるのが、おはぎです。甘いものに目がない作者にとっては嬉しいことでしょうが、私が食べないので遠慮している

節があります。その作者があるとき、こんな事を言いました。

 「 おはぎとぼた餅の違いって知ってる?」 「 知らん。どうでもいいことだ 」 「 教えてあげる。春は牡丹が咲くからボタモチ、秋は

萩が咲くからオハギ、分かった?面白いでしょう 」

 本当かどうかあやしいけれど、つまりは春も秋も彼岸が来れば、あのあんこに包まれた俵形したおにぎりが食べたいのでしょう。

おにぎりにあんこをまぶすなんて、考えられません。梅を入れて海苔で包んでこそ、日本のおにぎりなのです。


             

                                                      
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