百 花 の そ よ 風    マネージャー余話  吉沢武久

第 18 回  サ イ ネ リ ア   2024年1月1日

    新年明けましておめでとうございます。百花のそよ風、2回目のお正月を迎えました。都合、18回目です。

    第1回の薔薇から始まり、百合、向日葵、野菊、野ブドウ、椿、雪中花、チューリップ、タンポポ、クレマチス、紫陽花、

  ピエール・ド・ロンサール、木槿、ぶどう、萩、秋明菊、紅葉ときて、2024年最初の百花は、サイネリアです。

   昨年12月のことです。アトリエ作者から「ガーデンガーデンに行きたい」との要請がありました。ガーデンガーデンは

  豊橋市郊外にある市で一番大きな園芸店です。月に一度は行って、私は畑で育てる野菜や花の苗を、作者は絵のモデ

  ルとなる花を購入してきます。その花のひとつがサイネリアでした。

   ガーデンガーデンの温室には毎年、色とりどりのサイネリアが並びます。でも、行ってみたらクリスマスシーズンでした

  ので、温室内は真っ赤なポインセチアで一杯、サイネリアは見当たりませんでした。店員さんに聞くと、1月にならないと

  入荷しないとのこと。「じゃー、1月にまた来よう」となりました。

                          

   作者がサイネリアをモデルにして描きたかったのは、5月末からの個展に出展する作品のためだ、と聞かされました。そう

 です、今年の5月28日から作者2年ぶりの個展が、豊橋市美術博物館で開催されるのです。2年前に一度経験しているので

 今回は、余裕を持って臨めそうです。出展する50点ぐらいの作品の中に、サイネリアの1枚が用意されるようです。

  さて、そのサイネリアですが、早春〜春の代表的な鉢花の一つで、明治初期に渡来しました。原産は北アフリカのカナリア

 諸島で、本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、高温多湿に弱く、日本では一年草扱いとなっています。

  花の色は黄色とオレンジ以外はほぼそろっていて、単色だけでなく蛇の目模様などのバリエーションも多くあります。本来は

 シネラリア(Cineraria)と呼ばれていたのですが、「死ね」を連想することから、サイネリアに変わったようです。

                         

  外来の花は和名が付きますが、サイネリアは葉が蕗の葉に似ているので「フキザクラ」と名付けられました。他にも「富貴菊

(フウキギク)」や「富貴桜(フウキザクラ)」という別名を、あの牧野富太郎博士が付けたようです。でも、現在はいずれの和名も

使われてはいません。やはりこの花は、サイネリアと呼ぶのが一番ですね。

 花の色がたくさんあるように、花言葉も「喜び」、「快活」、「純愛」、「元気」など寒さに耐えて元気に咲き誇るサイネリアの様子

が由来です。花の色別の花言葉もあり、作者が好んで描く青は「悩み多き恋」 だそうです。そして買おうと思っているサイネリア

も青なのだそうです。

                          


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