百 花 の そ よ 風    マネージャー余話  吉沢武久

第 6 回   椿    2023年1月1日

  新年明けましておめでとうございます。昨年は36年振りの五黄の寅年で、私は72才の年男でした。それなりに、良いことも

 悪いこともあった一年でした。それでも、アトリエ作者共々健康で一年を過ごせたのは、何よりでした。

  令和5年、2023年の今年、私と作者は3月末で結婚50年目を迎えます。いわゆる金婚式です。盛大にやろうよ、と提案した

 のですが、残念ながら有無を言わさず、即却下となりました。ささやかに、二人だけでの祝いとなりそうです。それどころか最悪

 その日、花束などを用意しても 「何?どうしたのよ」 と結婚記念日に気づかないこともありうるのです。(今までの経験から)

  さて、今年はどうなりますことやら、楽しみに桜の咲く頃を待つことにします。

  前置きが長くなりましたが、1月の百花は椿を選びました。木偏に春と書く椿は、代表的な冬の花です。(俳句の季語では春

 ですが・・・)また、1月2日の誕生花にもなっています。
 

                        

 寒い冬でも綺麗に咲く和花を目にすることができます。椿はそのひとつですが、椿に先駆けて咲く山茶花は椿とよく似ています。

見分け方の一つに、花の散り方があります。山茶花は花びらが一枚ずつ散りますが、椿は花が丸ごとそのままの形で落ちます。

なので、落ちている花を見ることで山茶花か椿かが分かります。花そのものも椿は立体的、山茶花は、やや平面的に開きます。

 日本原産の椿ですが、他種とも交雑しやすく2000種類もあると言われています。ヤブ椿、雪椿、おとめ椿など、私でも知ってい

る椿はありますが、なかでも侘助(ワビスケ)という椿を知ったときは驚きました。花言葉に{控えめな素晴らしさ}とか{気取らない

優美さ}とかあるように、女性をイメージする椿に侘助という男名が付けられているのですから。その由来は諸説あるようですが、

千利休に使えていた茶人、笠原宗全が自分を侘助と称してよく茶花に使い、世話をしていた椿だったので・・との説にいいねです。

             


  侘助は白い椿のことを指すのかと思っていたら、普通はピンクか赤が多く、白はシロワビスケ、と呼ぶそうです。また同一花に

紅白が混じってとても綺麗な胡蝶侘助、という品種もあります。この胡蝶侘助は石庭で有名な京都の龍安寺に古木があり、秀吉

ゆかりの木と伝えられています。また、大徳寺や金閣寺にも古くからの胡蝶侘助があります。このように京都には椿の名所が数

多くあるようです。桜の咲く前にコロナの心配をせずに、京都の椿の名所を訪ねることができるようになるのは、来春でしょうか?


                                  
                                                      
  
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