百 花 の そ よ 風    マネージャー余話  吉沢武久

第 19 回  苺(いちご)   2024年2月1日

   年も押し迫った昨年12月、我が家のベランダに異変が起きました。1年に何度も花を咲かせていた白バラ、アイスバーグ

 にピンクのつぼみが付いたのです。購入して4〜5年、初めてのことでした。そして数日後、淡いピンクの花が開花しました。

 こんな事もあるんだ、とアトリエ作者とプチ感動。異変は続きました。ほぼ同じ年末、今度は鉢植えで育てているいちごが2株

 あるのですが、そのうちの一つがピンクの花をつけたのです。(上の写真)いちごの花は白、と思い込んでいた私は早速広辞

 苑を開きました。「 バラ科の多年草。春に5弁の白花を付け、果実は春から夏に赤熟 」とあります。それがピンクの花をつけ

 るなんて、ベランダどうしちゃったのかな・・・これは次の百花でお知らせしなければ、と少し興奮気味に決めたのでした。

  ところが2〜3日後、作者が「 これ、苗を買った時に付いていた名札 」と持ってきたラベルには、次のように記されていまし

 た。「 テラスベリー 桜花(おうか) 」写真もありました。ピンクの花でした。なーんだ、新種発見かも、と喜び勇んだ気持ちが

 しぼんでしまいました。でも、気を取り直していちごの話を続けましょう。

                                   

   今はいちごはハウス栽培が主で、一年中手に入りますが、本来は春から夏にかけてが旬の野菜です。果物ではありま

  せん。季語も夏になっています。英語ではストロベリーと言います。苗の周りにわら(ストロー)を敷いて育てるベリー(丸く

  ふくらんだ実)ということです。

   1月15日は「 いいいちご 」と読めることから、いちごの日だそうです。また、カレンダーで一週間後の22日の上に15日

 (いちご)が乗っているので、毎月22日はショートケーキの日になっているとのことです。

   いちごは漢字では苺(草冠に母)と書きます。その由来は、一つの株に次々とたくさんの実をつける特性があることから

  母がイメージされたらしいです。

   その母と1月とショートケーキというと、私には思い出があります。16年前に99歳で他界した母のことを、朝日新聞に

  投稿したところ、採用されました。その投稿を紹介します。

                         

            「 百歳を迎えた天国の父母へ 」(2009年1月10日 声の欄)

  今年の1月2日に百歳となるはずだった母は昨年の1月末、静かに天国に旅立った。父が逝った20年前、同居を

  申し出たが、元気なうちは住み慣れた茨城の田舎で暮らす、と言って頑として聞き入れてくれなかった。私たち家族

  を気遣っての選択と思っている。そして、その言葉通り96歳まで一人暮らしを続けてしまった。その後、やっと私たち

  の意向をくんで転居に応じてくれた。同居しての介護、老人ホームへの入居など様々なことを通して、高齢化社会、

 福祉の大切なことをたくさん学んだ。介護現場で献身的に働く人達の優しさとご苦労、母と共に過ごして初めて知り

 得たことは多かった。父より2日早く生まれた姉さん女房の母、天国で再会した父にひ孫の可愛さを自慢しているの

 ではないだろうか。地上の我が家では、お正月飾りに大好きだったイチゴのショートケーキを二つ添えた。

 ハッピーニューイヤー、そしてハッピーバースデー百歳!お父さん、お母さん。

                      

                                                      
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