前途多難な安産祈願。

嫁のお腹にいる第2子の安産を祈願するため、
水天宮にお参りすることにした。

お参りの後は目星を付けたうどん屋で昼飯を食べて、
近くの広い公園で娘・R(1才)を遊ばせて…と、
一応計画を立てていたものの、駅を出てみると

「水天宮参拝の方はこちらの列にお並びくださーい」

地球博も真っ青の100m以上の長蛇の列が!誘導している
警備員に聞いてみると、およそ1時間待ちと言われて
面食らう僕と嫁。僕らは別にマンモスとか見に来たわけ
じゃなく、単にお参りしたいだけなのに…。

「ヒイイ!どうしよう!」

嫁、パニクってる、パニくってる。

「とりあえず並ぶよりまずRを遊ばせるか…」

仕方なく予定変更して、Rの乗ったベビーカーを転がして
公園まで向かうと、公園内にある「清正公寺」にぶつかった。
加藤清正を奉ってある寺だそうだ。

「清正…?」

嫁が何故か恐ろしげに眺めている。

「知らないか?加藤清正」

「それって、祟りとか、首が奉られてるとか…」

「そりゃ平将門だ」

嫁、パニクってる、パニくってる。

公園に着いてさあR、遊べ!とするところであったが…。

「R、寝てるー!」

いつの間にかRはすやすやとベビーカーの中でお休み
していたのであった。

「こうなったらもう並びましょう…」

覚悟を決めて行列に戻ることにした。Uターンした道すがら

「おい見てみろよ、こんなとこに相撲部屋があるぞ」

「ホントだ。あそこには『すもう豆腐店』もあるよ。
 おすもうさんってよく食べるんだね」

「ありゃ『相模豆腐店』だ」

嫁、パニクってる、パニくってる。

行列の最後尾に加わり、辛抱強く待つ。Rは寝ているので
グズられることがなかったのがせめてもの幸い。およそ
1時間後、ようやく境内に入れた。せめてしっかりお祈りだけは
しようと思い、この頃には目が覚めていたRに

「Rちゃん、赤ちゃんオイデーってお祈りしようね。
 はい、のんのーん」

賽銭を入れて一緒にお祈りしようとしたが、余りの人の多さに
怖くなったのか

「プギャアアアア!」

爆竹のように泣き叫ぶのであった。
Rもパニクってる、パニくってる。

安産祈願のついでに疳の虫封じもお参りすればよかったかな?

日記才人に参加してます。投票ボタンを押してくれたお礼に一言飛び出ます。
初回だけ登録が必要ですがよろしくお願いします。↑


.
.

情けは娘のためならず。

風呂の水を洗濯機に移すという、ひたすら地味な作業を
行っていたら、

「てぃ?」

娘・R(1才)が絵本を持って来て僕に差し出し、
「読んでー」と訴えた。

「これが終わるまでちょっと待っててね」

とバケツを振りかざしてみると、Rはそのままの姿で
じーっと待っている。なんて聞き分けの良い、健気な子。
僕はもちろん絵本を読んでやった。

耐え忍ぶ人情の女・Rの姿がそこにあった。

「Rちゃんはお利口ね」

嫁もその姿を見、Rのガマンを褒め称えた。

その後僕がエロファイルを外付けハードディスクに移すという、
ひたすら地味な作業を行っていたら

「てぃ?」

またしてもRが手を差し伸べ、「パソコンいじらせてー」
と訴えた。

「これが終わるまでちょっと待っててね」

とDVDを振りかざしてみたが、今度のRは

「ひいいん、ひいいん、ママー、ママー!」

全く待ってくれようとしない。ちなみにRは
僕にも嫁にも「ママ」と呼ぶ。

欲情に忠実な、激情の女・Rの姿が そこにあった

「ワタシはRの前ではパソコンやらないからね!
 アナタがパソコンの楽しみを教えてしまったのよ!」

嫁もその姿を見、今度は僕の愚かさを蔑んだ。

ひょっとしたらRは…。

先ほどの水入れ替えは家のための作業。そして今度の
データ入れ替え作業は全くの遊び。ひょっとしたらRは
その辺りことをちゃんと見抜いているのかもしれない。

仕方がないのでRの腰を抱いて膝に乗せ、キーボードをバコバコ
打ちまくらせるに任せていたが、ポンポコリンのRのお腹に
ムラムラしてしまい

「お嬢ちゃん、いい肉付きだねえ…」

と手を近づけようとしたのだが

「だー!」

素早く手刀でかわされてしまった。

穢れたオヤジの手は一切近づけない、烈情の女・Rの姿が
そこにあった。

そして娘にあしらわれた劣情の男・僕の姿もそこにあった。

最早呆れていた嫁は既に見ていなかった。

日記才人に参加してます。投票ボタンを押してくれたお礼に一言飛び出ます。
初回だけ登録が必要ですがよろしくお願いします。↑


.
.

孕んだときの神頼み。

明日は嫁が産婦人科に行くのだが、僕は仕事なので
一緒に行けなくなってしまった。

「ごめんよう…嫁…」

「いえ、いいのよ。その代わり日曜日はよろしくね」

日曜日に何をするのかというと、水天宮という神社に安産祈願
しに行くのである。ここは娘・R(1才)が産まれる時もお参り
している。嫁は近くの美味い店をネットで調べまくったらしく

「お昼ゴハンはうどん屋で食べたい。すき焼き屋もいいけど」

「あそこのすき焼きはまともに食うと何千円も取られるぞ」

「フフフ…だからそこはスポンサーがいる時にしましょう…」

「お前、親にたかる気か?」

「あーでもうどん屋もいいけどここの中華もいいなあ。あ、それと
 重盛の人形焼を買ってぇ…」

異様に食い意地が張っている嫁。一体安産祈願に行くのか
食べ歩き漫遊に行くのか。しかし食欲があるのは良いことである。
しっかりお参りしてしっかり食って無事産んで欲しい。

ということで大事なお子を守る嫁の腹と、出産時に奮闘してもらう
嫁の腰に充分願をかけて来るつもりだ。

腰に願いを。


日記才人に参加してます。投票ボタンを押してくれたお礼に一言飛び出ます。
初回だけ登録が必要ですがよろしくお願いします。↑


.
.

それだけが愛の汁し。

■お知らせ

100万HIT企画だじゃれ泥棒に応募された方の中で、
優秀作品として4名様に粗品(変なTシャツ)をお送りしましたところ
JIJIさんがTシャツを着た画像をUPしてくれました。→こちら

■お知らせオワリ。以下日記。

僕は花粉症ではないがハウスダストアレルギーである。

時々まるで龍神様が怒り狂って大雨を降らせるが如く、
怒涛の鼻汁が流れっ放しになることがある。
そのような時はティッシュで鼻をかみまくって耳がおかしく
なったり、鼻の皮膚がガビガビになったり、盛りのついた
中学生男子のようにゴミ箱にティッシュの山を築いて
恥ずかしい思いをするより、ティッシュを両鼻の穴に
突っ込むに限る。

そうすると嫁はやれみっともないだの百年の恋も冷めるだのと
僕の鼻を見て鼻で笑うのだが、とても辛いのでなりふりなど
構っていられないのだ。

そして現在、嫁が花粉症で鼻汁大放出中である。
毎年そうなるのだけれども、嫁は今までティッシュで
鼻を塞いだことはなかった。僕が

「楽だよぉ〜君もやってごらんよぉ〜」

と悪魔のささやきでもって勧めるのだが

「ワタシは女よ。アナタの前でそんな姿を見せるのは
 恥ずかしいの…」

なんとも乙女ティックな恥じらいを示すので、思わず

「愛い奴じゃ、近う寄れ」

と頬擦りしたくなる衝動に駆られたものであった。

ところが今朝、嫁は朝っぱらから鼻の両穴に
ティッシュを突っ込んで歩いているではないか。
あの乙女のはにかみはいずこに。

「嫁よ…女を捨てたか…」

思わず漏れた僕の落胆の呻きにも

「女、いらないっしょ」

自分は女を捨てた、と言わんばかりの答え。
いや、いるのである。僕が。

嫁に女を捨てられたら、その鼻汁と同様に
溢れ出て来る僕の我慢汁の行方はどうなるのだ。

嫁は娘・R(1才)を産んでから逞しい母になった。
その分、この例にもあるように女らしさはひとつづつ
減っている。女らしさで育児ができるか!とある種の
悟りの境地に立ったようである。

これがいわゆる「おばさん化」であるかと嘆いてみても
始まらない。

誰が言ったか「夫婦は合わせ鏡」

この僕も既に男ではなく、三十路を過ぎで単なるオヤジと
化しているのも事実であり、これは嫁だけではなくインタラク
ティブな問題である。

夫婦とはこんな風に年輪を重ねていくのだろうか。
お互い色褪せつつも鼻汁を啜りながら苦楽を共にし、
人生の道を歩んで生きたいものである。

これを汁苦労ードといいます。


日記才人に参加してます。投票ボタンを押してくれたお礼に一言飛び出ます。
初回だけ登録が必要ですがよろしくお願いします。↑


.
.

愛・柳生博。

photo

柳生博じゃなくて地球博である。

栃木の母から「行く予定ある?」というメールが届いた。
いや、全然ないんだけど…。明日開始だなんて全然
知らなかった。だって全然盛り上がってないんだもん。

母のアンテナに引っかかるイベントということは…
あまり面白くないのかもしれない。母の言われるがままに
連れて行かれた場所は、おばさん趣味のところばかりで、
つまらなすぎて死ぬる思いをする。
なんとかフラワーセンターとか。

とはいえ僕は万博に行ったことはない。大阪万博の時は生まれて
いなかった。三波春夫が歌っていた

「こんにちは〜こんにちは〜」

というテーマソングもリアルタイムで聞いたことはなく、
後に明石家さんまが「オレたちひょうきん族」で
「ナンデスカマン」に扮し、

「ナンデスカ〜ナンデスカ〜」

と歌って踊っていたのを見た、紛い物の記憶しかない。
そんなわけで娘・R(1才)のためにはいいかなあとも
思ったりする。「万博行ったことあるのよ!」と大きくなって
言えるかもしれない。もっとも記憶は全く残っていないだろうが。

パビリオンなどは行列が出来て、R連れでは入ることは
難しいだろうけれども、Rが好きに駆けずり回れる広場などは
いくらでもあるだろう。

Rのために、万博に行ってもよいかなあと思うようになった。

万博でもいい。逞しく育って欲しい。

早速嫁に聞いてみることにした。今は妊娠12週目の身重で、
つわりがひどくケロケロ吐いているけれども、安定期に入れば
旅行も出来るようになるはず。

「嫁、万博行きたい?」

「別に」

…。

淡白でもいい。逞しく育って欲しい。


日記才人に参加してます。投票ボタンを押してくれたお礼に一言飛び出ます。
初回だけ登録が必要ですがよろしくお願いします。↑


.
.
< 日記 67TOP