それだけが愛の汁し。

■お知らせ

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■お知らせオワリ。以下日記。

僕は花粉症ではないがハウスダストアレルギーである。

時々まるで龍神様が怒り狂って大雨を降らせるが如く、
怒涛の鼻汁が流れっ放しになることがある。
そのような時はティッシュで鼻をかみまくって耳がおかしく
なったり、鼻の皮膚がガビガビになったり、盛りのついた
中学生男子のようにゴミ箱にティッシュの山を築いて
恥ずかしい思いをするより、ティッシュを両鼻の穴に
突っ込むに限る。

そうすると嫁はやれみっともないだの百年の恋も冷めるだのと
僕の鼻を見て鼻で笑うのだが、とても辛いのでなりふりなど
構っていられないのだ。

そして現在、嫁が花粉症で鼻汁大放出中である。
毎年そうなるのだけれども、嫁は今までティッシュで
鼻を塞いだことはなかった。僕が

「楽だよぉ〜君もやってごらんよぉ〜」

と悪魔のささやきでもって勧めるのだが

「ワタシは女よ。アナタの前でそんな姿を見せるのは
 恥ずかしいの…」

なんとも乙女ティックな恥じらいを示すので、思わず

「愛い奴じゃ、近う寄れ」

と頬擦りしたくなる衝動に駆られたものであった。

ところが今朝、嫁は朝っぱらから鼻の両穴に
ティッシュを突っ込んで歩いているではないか。
あの乙女のはにかみはいずこに。

「嫁よ…女を捨てたか…」

思わず漏れた僕の落胆の呻きにも

「女、いらないっしょ」

自分は女を捨てた、と言わんばかりの答え。
いや、いるのである。僕が。

嫁に女を捨てられたら、その鼻汁と同様に
溢れ出て来る僕の我慢汁の行方はどうなるのだ。

嫁は娘・R(1才)を産んでから逞しい母になった。
その分、この例にもあるように女らしさはひとつづつ
減っている。女らしさで育児ができるか!とある種の
悟りの境地に立ったようである。

これがいわゆる「おばさん化」であるかと嘆いてみても
始まらない。

誰が言ったか「夫婦は合わせ鏡」

この僕も既に男ではなく、三十路を過ぎで単なるオヤジと
化しているのも事実であり、これは嫁だけではなくインタラク
ティブな問題である。

夫婦とはこんな風に年輪を重ねていくのだろうか。
お互い色褪せつつも鼻汁を啜りながら苦楽を共にし、
人生の道を歩んで生きたいものである。

これを汁苦労ードといいます。
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