女体の神秘と僕の陳腐。

仕事から帰って来て、妊娠4カ月の嫁に聞く。

「出血はなかったか?」

「ないです」

3日前に出血したことを恐ろしさのあまり誰にも言えず、
ようやく昨日告白した嫁。今は平穏なようだが、僕は
医者に行ったほうがいいんじゃないかなあと思う。

しかし嫁は怖いのかどうかは知らぬが医者を避けている
ようで、あまりしつこく「病院行け」と言うのも憚れる。
一緒に付いて行きたいところだけど…年度の初めで死ぬ程
忙しく、抜け出すのもままならない。

そして嫁は今日友達と花見に行ったらしい。…いいんだろうか。

「嫁、そんな動き回って大丈夫なのか?」

「そんな遠くないから平気だよ」

ひょっとして僕だけの杞憂なのか?僕には女体の神秘は分からぬ。
もう女体の判断は女人に任そう。

嫁は花見。僕は日和見。

お嫁サンバは郷ひろみ。

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イチモツれば山となる

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巨大なイチモツが街を練り歩く「かなまら祭り」から帰った夜、
それにあやかってか僕のかなまら様も暴れていたので

「嫁、ちょっと舐めるなりして鎮めてくれぬか」

と頼んだところ、ものすごい勢いで顔をそむけ、

「昼間、あんなもんをずっと見てたからお腹一杯なのよ!
 ゲップが出そうなのよ!これ以上あの形は見たくない!」

全力で拒否されてしまった。。あれを見て今夜盛り上がる
カップルもいるのではないかと思っていたのだが

「男は知らないけど女に限ってはないと思うわ…」

とのことだったが果たしてそうだろうか。しかし嫁にとっては
相当インパクトのある祭りだったようである。

そんなことがあってから3日後、何とはなしに

「嫁、腹の具合はどうだ?」

と聞いてみたところ、嫁の表情が急に強張った。嫁は
現在妊娠4ヶ月目である。

「実は…かなまら祭りの夜、多分あなたと話している時に
 お腹から出血してて…下着に血の跡があって…」

「ええー!何故すぐ言ってくれないんだよ!」

嫁は1ヶ月前にも出血があり、真っ青になって医者に電話したり
僕も会社を休んだりしたものだった。しかし今更言われても…。

「恐ろしくて恐ろしくて、今まで誰にも言えなかったのよォォ!」
 ああ、やっと言えた。」

ガタガタと震えながらの悲痛の叫び。確かに気持ちは分かるが…。

「医者は?」

「いえ。また『安静してなさい』って言われるだけでしょう?」

「でも前は小さ過ぎてダメだったけど、今は薬を使用して
 大丈夫な時期になってるかもしれないじゃないか」

「うーん」

嫁は迷ってしまっているようだ。僕も迷っている。
この間見せてもらったお腹のCTスキャンの写真には、
お子は元気そうに映っていたし、実際ピョンピョン
跳ねていたというし…。

「しかしどうしてまた出血しちゃったんだろう。
 激しい運動とか何もしてないよね。かなまら祭りに
 行っただけだよね」

「あんなイチモツを見てしまったからそれがショックで…」

10年以上僕とまぐわいつつ、娘・R(1才)も産んでおきながら
ウブな生娘のようなことを言われても…。

「それから後の出血は?」

「ない。大丈夫」

うーん。僕は無理矢理にでも連れて行くべきなのであろうか…。
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ようこそここへ。靴靴靴靴。

朝、娘・R(1才)が寝起きざま、いきなり玄関に向かって
猛ダッシュしていった。

すわ、まさか初めての家出か…と朝っぱらから僕の背筋に
戦慄が走ったが、Rはすぐに戻って来た。

お気に入りのアンパンマンの靴を持って。

「てぃ?」

Rは「履かせて」と言っているのだから、ここはRを
叱らなければならない。

「素足のまま靴を履くと水虫になるぞ!」

いや、叱る趣旨が違っていた。

「家の中で靴を履いちゃいけません!」

しかし尻の穴に入れても痛くない愛娘の、期待満々の
瞳に見つめられては、僕はそれを突っぱねる術を知らない。

「何を持って来てるのよもう〜」

と嫁もやんわり叱るがそれ以上は言わない。

「しょうがないなあもう」

最初に履かせた頃はギャアギャア泣いて嫌がったのに
成長したものよ、と実は喜びつつ履かせるのであった。
実際、足も成長して靴のサイズも12.5センチ。もう少しで
僕のマーラーを越えそうである。大きくなったものだ。

(僕はRが嫁の腹にいる頃から、Rの成長具合を自分の
 マーラーと比較する癖がある)

「でへへへへー」

Rは嬉しそうに土足で家中を駆け回る。靴の感覚を楽しむかの
ようにわざとドタドタと足踏みもする。そんなに靴が気に入った
のなら、ガラスの靴でもこしらえてやろうかしら、なんてことも
考えてしまう。そしてガラスの靴を片方だけ持ち、

「僕の可愛いシンデレラ…君の王子様はお父さんなんだよ!」

なんてシンデレラごっこをしたら、さぞかしRの素敵な思い出に
なるであろうよ。トラウマになるかもしれないけど。

しかしいずれRが成長した時、どこぞの男がガラスの靴を持って、
こうしてRを訪ねて来るんだろうか。そしてRは靴を履いて男と
外に出て行ってしまうんだろうなあ…。

ま、その前にそんな男が来ようものなら、僕はガラスの靴なぞ
即座に叩き割って

「お前はもう死んでれら」

なんつって追い返してやる。

僕はヘン靴おやじなのである。
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くちびるネットワーク。

相変わらず娘・R(1才)が僕にくちづけしてくれるのを
待つ今日この頃。

嫁にはしてくれるのに、僕には頑なに拒否するとは
どういうことなのであろうか、と煩悶する日々。

そんな中、Rとお風呂に入っていた。風呂には水に濡れても
OKな動物のポスターが貼ってあり、それを見ながら

「犬、わんわん、ひつじ、めーめー」

などとRに教え込んでいた。Rは「わわん」「めめー」と
たどたどしくではあるが随分言えるようになっている。

「じゃあ鳥。ちゅんちゅん」

「ちゅ、ちゅ」

お、Rが今、ちゅーをする口になっている。やるなら今だ!

「Rちゃん、お父さんにちゅーは?」

するとRはニコニコと僕の唇に

「ちゅ」

とくちづけしてくれたではないか。ああああ、全身の力が
抜けてしまった。なんて柔らかい唇…。考えてみれば相手から
されるくちづけなんて何年ぶりだろう。自分からするより
相手からされるくちづけのほうが気持ちいいのではないか、
と今更娘に気付かされた瞬間であった。

「嫁、ついにRがちゅーしてくれたぞ」

風呂から出て来てからすぐに嫁に報告したところ

「あらそう、よかったわねえ」

なんとも生返事のような実感の伴わない答えが返って来た。
あれ、ひょっとして妬いちゃってるの?ゲシシッ。

やがてRも寝て、僕らも寝る頃になった深夜。

「嫁〜、おやすみのちゅーしてくれ〜」

寝る前に嫁の唇も所望したのだが

「はあ?Rにしてもらったからいいでしょ」

あれ、やっぱり妬いちゃってるの?ゲシシッ。

嫁のくちづけはおあづけな夜。
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愛の容量。

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昨日の日記で取り上げた、外人さんが着ていた「巨根Tシャツ」
そのオンラインショップを見つけてしまった。欲しい…。
http://www.tshirthell.com/store/product.php?productid=292

さて、嫁のお腹の中の写真を見せてもらった。

CTスキャンの写真はいつ見ても心霊写真のような、
画像が荒くて呪われそうなものであるが、これは我が子。

体からひょろりと腕が伸びていて、手をこちらに振って
いるような姿がいじらしい。顔もちょうどこちらを向いて
おり、笑っているように見えるのがまた愛くるしい。

「ベストショットでしょう」

嫁の言うとおり、着実に成長しているのがよく分かった。
ようやくこの子が「生きてる」と実感した瞬間であった。

嫁からすれば一身同体であるし、つわりもあるし出血も
あったし、何寝ボケたこと言ってんのよ!といった
感じだろうけど。

今は長女のR(1才)が可愛過ぎて可愛過ぎて全ての愛を
注いでいるため、どうしてもこのお腹の子よりRに目が
行ってしまうのが正直なところである。

Rがチョロチョロと歩き回って甘えて来たり、本を読めと
要求して来たり、ハナを垂らしたりしていと、どうしても
Rに注意が行ってしまう。

僕は我が子達を平等に愛せるのだろうか。複数の子を持つ
世間の親たちは皆そう出来ているのだろうか。それとも
愛せないけど、それは言わない約束で、できるだけ平等に
接することによって均衡を保っているのだろうか。今から
そんな心配をしてしまう。

よく子供の頃の写真が、兄の方が弟の3倍もあって…という
話を聞くが、あれって当の弟本人はどう感じるのだろう。

いや…産まれて来れば我が子は皆可愛かろう。きっとそうだ。
深く考えるのはよそう。杞憂になることを祈る。そう思うこと
にした。僕がマタニティブルーになってどうする。

「そうそう、今年はRの七五三なのよ」

嫁が違う話題に切り替えたところではっとなった。

「え、そうか。数えで3才か。早いなあ…」

Rにどんな着物を着せようかぐへへ、とまたR溺愛モードに
変化しつつも

「11月だから、順調に行けばお腹の子が産まれて1ヶ月の頃
 なのよ。だからお礼参りも一緒にやっちゃおう」

「そうか、タイミングいいなあ」

というわけで長女も次女(長男?)も皆可愛い。
ふたりまとめて祝ったれ。やれめでたや。
というハレルヤ思考で当面行くことにした。

あとは順調に育ち、産まれて来る事を願い、
七五三が大誤算にならないことを祈るばかりである。
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