妊娠・オブ・女医問い。

朝イチで嫁の産婦人科の定期健診があった。
病院に行くと娘・R(1才)が泣き喚くというので、
僕は初めて付き添いで行くこととなった。

「その後は美容院に予約してあるから、Rのお守りを
 お願いね!」

との指示も下った。

嫁の妊娠は5ヶ月目…一般的には安定期と見られる時期である。
夫婦のまぐわいも、腹に負担の掛からないラーゲで交わればOK
とされている。今日医者に解禁のお墨付きが貰えるかもしれない。

今迄嫁に拒絶され続け僕も自重していた、国交もとい性交断絶
の鎖国時代が遂に終わりを告げ、開国しまくり交わりまくりの
大航海時代の幕開けが来るのだろうか。

それに嫁は美容院に行くというから、おめかしする気に
でもなったのだろう。ということは…

「嫁…とうとう僕に抱かれる気になったんだね」

「なるわけないでしょバカー!」

どうやら違ったようだ。あっさり否定されてしまった。

「じゃあドクターにまぐわっていいかどうか聞いてくれんかね」

「聞くわけないでしょバカー!」

そんな感じで性欲獣と化していた僕であったが、

「あ…旦那さんですか。初めましてですよね」

「いつもお世話になってます」

どことなく大谷観音像に似た女医による診察を見、
またお腹の子のエコー画面や心音を見聞きしている内に、

「ああ、この子を悪戯に刺激してはならぬ。嫁にも性的悪戯を
 してはならぬ。安らかに育っておいで…」

と、子を守るべき親としての自覚を取り戻したのであった。

一方でRは僕が抱いていたので大人かったものの、嫁の診察が
終わるや否やとっとと外に出たがって

「プギャアアア!」

と泣き喚く有様で、夜には嫁の腹にパンチを入れて嫁を悶絶させ…
姉としての自覚が全くなし!

Rらしいと言えばらしいが。

我が娘 自覚がなくて 気短く

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約1回目のプロポーズ。

娘・Rと遊びながらいろいろとしゃべる。

「Rちゃん、このシールをここに貼ってください」

「はーい」

「お、いい返事だな」

「〜してください、って言葉には必ずはーいって言うのよ」

と、嫁が説明する。おお、いつのまに覚えたのだ。

「そのピカチュウ、お父さんにください」

「はーい」

おおおお、とてもよい子だ。全てにおいて「はーい」と
返事をするR。そこで僕はドキドキしながらRに最大の
願い事を言ってみた。

「大きくなったらお父さんのお嫁さんになってください」

「はーい」

即答。やった…。ハレルヤ。見よ。僕はRと婚約した。

「フフフ…お父さんは一生忘れないからね…」

「バカじゃないの!」

しかし嫁はそれを許さなかった。分かってるよ。重婚は出来ないよ。
それ以前に娘と結婚は出来ないよ。素でキレるなよ。でもそこは
微笑ましく

「あら〜Rちゃんはお父さんが大好きなのねえ〜」

などと言って和むのが王道なのではないか。ひょっとして嫁は妬いて
いるのだろうか。いや、嫁はそんなタマではないはず。嫁よ、君は僕が
玉の輿に乗せてやったからいいではないか。

玉の輿ではなくて玉の腰であり、玉とは、まあ、いつも
僕がいつもいじくってるアレではあるけど。

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寝ても醒めてもいたしたい。

嫁とふたりで寝ていると、

「最近あなたがどんどん私の方に迫って来るのよ。お陰で私は
 布団の隅に追いやられてギューギューになって寝てるのよ」

僕の寝相が悪いという苦情を言われてしまった。いつも悪いと
言うのなら分かるが、ここ最近そうなっているという。
原因は言わずもがな。

「無意識に女体を求めているのだろうよ」
 
嫁が妊娠中で安定期前なので、現在夫婦のウッフンはご法度。
嫁も不安定なら僕も不安定。特に今回は何度か出血してしまって
いるので厳戒態勢なのである。僕もこのところ特に自制をしている
のだが正直暴動寸前で、寝ている間もどうしてもまぐわいを
求めているようである。

僕は嫁に抱きついて溜息を付く。

「やっちゃダメよ!」

「分かってるよ。はあ〜。まぐわいまぐわいまぐわい…」

「あなた、うるさい!」

「言うだけなら害はないだろう?堪えているのだ…」

「まあいいけど…。でも、きっとお腹の子にも聞こえてるよ」

しまった!胎児はお腹の中にいることから外の物音が聞こえている
という…。僕の恥ずかしい魂の叫びを聞かれてしまったのか…。

僕は嫁の腹をさすってみた。まだ目立たないが確かに新たな命の
膨らみがあった。

「我が子よ…君が男の子だったら、あと15年もすればこの気持ちが
 分かるだろうよ」

「分からなくていいわよ!」

我が子に優しく語りかけたのに怒られてしまった。
胎教したつもりが嫁の説教に。

「はあ〜。まぐわいまぐわい…」

「お願い、寝かせて…」

こうして今夜も何とかしのいでいく、やりたい盛りの僕…。

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変一夜物語。/昇龍軒と波動軒。

ストリートファイターなラーメン屋を見つけた。

■昇龍軒
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■波動軒
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並んで見ると、とってもヨガファイアーな感じ。

そんなわけで久しぶりに娘・R(1才)が寝る前に
会社から帰って来れた。ちょうど嫁と風呂から
上がってパジャマを着せていたところだった。

Rはオヤスミ前だというのに、僕が珍しく早く
帰ってきたせいか寝るどころかはしゃいでしまって

「てぃ?」

絵本まで持って来て「読め」と要求する始末。

「もう。Rちゃん!ねんねの時間なのよ〜!」

嫁はRを叱ってしまうけれども、僕は

「おれはあやまり方を知らん…」

という速水真澄(ガラスの仮面)の如く娘を叱る術を
知らぬ男。Rのための夜伽話。Rが飽きるまでこの父が
千一夜物語を読んで聞かせてみしょう。

ゆえ、じっくり本を読んで聞かせるのであった。

「えー。ミッフィーは犬のスナッフィーに誕生日の
 プレゼントをあげようと思いました…」

「それ、朝も読んだのよお。寝ましょうよお」

嫁は苦笑いするが僕は続ける。
 
「ミッフィーはスナッフィーを呼びました。
 『スナッフィー!』『わんわん!』」
 
「わんわん!」

Rは犬の叫び声を上げると絵本を僕から奪い去り、
嫁の方に持って行った。続きはママが読んでぇ、という
ことなのだろう。

「わかったわかった。読んであげるから」

さしもの嫁も遂に折れたか、と微笑ましく思ったら

「えー…『わんわん』はい。おしまい」

ぱたん。速攻で絵本を閉じてしまった。

「君、けっこうひどいね」

「そう?フフフ…」

このような冷たい仕打ちをして、Rが将来グレて
しまわないかと心配である。

夜伽話の後に刃物を研ぎ、寝首を掻きに来ても
僕は知りま千一夜物語。

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愛するあなたへ 贈る言葉。

暮れなずむ街の 光と影の中。

夕暮れ時だというのに娘・R(1才)は元気に家の中を
駆け回っていた。いくら遊んでも遊び足りないように
見ゆる。そして僕は近所の本屋に行きたかった。

「R、久しぶりにチャリにでも乗って、お父ちゃんと
 おんもに行こうかあ?」

「ワタシも全然乗ってないから、いいかも」

嫁の承諾も得た。Rは待ってましたとばかりに僕の手を
引き玄関を出た。Rとお買い物。フフフ。まるでデートの
ような。若い娘っ子とふたりきりになるのは久しぶりなので、
つい口説きモードのような喋り口になってしまう。

「Rちゃん、夕陽がきれいだね」

「ハア?あなた、何言ってんの?」

家の中から嫁の声が飛んで来た。ちっ。
聞き耳を立てておったか。

Rを自転車の子供席に乗せるて走ると、久しぶりのチャリに
興奮したのだろう、

「キャアアア!とわおおううう!」

Rは大喜びの声を上げた。僕も嬉しくなって

「暮れーなどぅむー街のー♪ひかぁりとー
 はげあーたまー♪」

歌いながらチャリを走らせ、やがて本屋に着いた。しかし
悲劇はそこから始まった。Rをチャリから降ろすなや否や

「ギャアアアアア!」

大声で泣き始めてしまった。

「あらら、どうしたの」

チャリ席に戻すとピタリと泣き止むも、

「本屋でお買い物するんですよ」

再び抱き上げるとまたもや大泣き。どうやらもっとチャリに
乗っていたいらしい。いくらあやしてもレイザーラモン住谷の
ハードゲイに襲われたかのような大絶叫を上げ、商店街にRの
叫び声が轟いた。

道行く人が皆訝しげに僕の方を見る。へ、へへ…怪しいもん
じゃないよ…おいらベロってんだ…。

しかし元々ここはオタクが多い街。それに僕は最近お気に入りの
「アキバ系」とでかでかと書かれた服を着ており、

「幼女萌え変質者による幼女誘拐」

「いたいけな幼女にいたずら」

などと思われているのではないか…。い、いや、親子
なんです…。

ともかくRが一向に泣き止まないので本屋入店を断念。
仕方なくRをチャリに乗せて家にUターンしたのであった。

いくら僕があんな歌を歌っていたからといって

「涙こらえて 微笑むよりも 涙枯れるまで 泣くほうがいい」

歌詞の字面通りに泣きわめくことないじゃないかよう…。

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