抱いてくれたらいいのに

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「もう何ヶ月もまともに眠れてない…」

嫁が愚痴をこぼした。確かに娘・R(2才)と息子・タク(4ヶ月)がいる現在、みんなが寝た後の嫁の体はいくつあっても足りない。タクは夜中だろうが明け方だろうが定期的に夜泣きをして乳を欲しがるので、その都度起きて授乳しなければならない。加えてRも最近

「ままだっこー!」

夜泣きをして寝ている嫁に覆い被さって来るので、これでまた嫁は起こされてしまう。何故か僕ではダメなのである。嫁も大変だろうと思い

「ほらパパがだっこしてあげるよー」

と言っても

「ぱぱ、いーの!め!」

頑なに拒否するのである。その理由を色々考えた末、実は僕は加齢臭を発しており、すごい臭いんじゃないだろうか、ならば寝る時は全裸にシャネルの5番だけ身にまとうことにしよう、いやでも寒いしなあ…などと真剣に悩んだことがあった。しかし最近のRは夜が明けて眠りから覚めると

「パパ、だっこ」

と甘えてくるので、臭い訳ではないらしいということが分かった。ただ何故夜だけ嫌われるのかが分からないままなのである。この日もRの深夜の甘え夜泣きがあり、とうとう嫁はブチ切れて

「寝かせてよー!」

と金切り声を上げていた。一方僕は僕で嫁の肉体を狙っていたのだが、さすがの僕も嫁の

「寝かせてよー!」

の悲鳴の後に

「やらせてよー!」

とは言えなかった。タクの夜泣き、Rの夜甘え、そして僕の夜這い。夜の黒い三連星ジェットストリームアタックなぞをかました日には、嫁はガンダムでもない限りくたばってしまうであろう。

翌朝、疲れきった嫁が言った。

「せめてRがあなたでも大丈夫なら、いくらか楽になるのに」

「そうだなあ」

「夜泣きしたRがあなたに抱き付いてくれない限り、私達の夫婦の営みは、ないのだ!」

ないのだー、ないのだー、ないのだー…嫁が断言した言葉が僕の頭の中をこだました。その通りである。嫁の寝不足を解消し、円滑に夫婦の契りが行えるようにするにはそれしかない。

将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。
嫁に射精せんと欲情すれば先ず娘に射精…じゃなかった、危ないなもう。

嫁を抱かんと欲すれば先ず娘を抱け、である。

これも字面だけ見ると相当危ないが…。2才の幼女を懐かせることが出来ない男がどうして女体を貪れよう。今に見ておれ。嫁も娘もみんな抱いちゃるわい。親子ドンブリの抱き合わせ商法じゃわっはっは…と、

自らのテンションを高めてRを攻略することに決めた。取り敢えず寝ているRの耳元で

「パパだっこパパだっこパパだっこパパだっこ…」

とエンドレスで囁き、睡眠学習効果が現れるのを期待している。しかしその呪文のような言葉のループがかつてのオウム真理教教祖・麻原彰晃の

「修行するぞ修行するぞ修行するぞ…」

という洗脳テープを思い出し、どうにも気分が萎えてしまうのが悩みである。

抱き合わせ彰晃。
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乙女ロード〜第一章〜

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池袋西口公園を池袋ウェストゲートパークと呼ぶのなら、池袋東口は池袋イーストエンド+YURI、に決まりDA・YO・NE。そんなWA・KE・NE。

僕ら家族は、池袋東口にある通称「乙女ロード」付近を歩いていた。別に可憐な乙女達がたくさん歩いていたりティーパーティーをやっていたりオヤジ狩りをしている訳ではない。

むしろ乙女の対極に位置する、いわゆる「腐女子」と呼ばれるオタク女性が好む、ホモ系同人誌が売られている店が林立している通りを指す。オタク女性を誉め殺す意味での「乙女」であるらしい。

オタク系女性のイメージとしては、オタク男ほど酷くはないだろうが、おおむねハリーポッターがオカッパになったような、そんな女性が多いような気がする。

しかしオタク女性でも可愛い子はいる。かつて近所のゲーセンに勤めていた僕のお気に入りの美少女・Rちゃんもまたオタク少女であった。僕が今まで出会った中で最強の美少女であるにもかかわらず、現実にはありえない美少年達がまぐわうホモ同人誌を大量に所持しており、またそれのみならず

「かじりんも読んでみなよ。すっごくイイから」

僕にもホモ同人誌の素晴らしさを啓蒙させようと、何十冊も貸してくれた。本音を言うと、ホモの啓蒙などどうでもよく、Rちゃんを剃毛させたかったのは内緒である。

いずれにせよオタク女性に限らず、女性全体でもRちゃんのような美少女は稀な存在であることよ…と今は会う術もなくなった美少女を思い浮かべながら、果たして乙女ロードを歩くオタク女性達はどんなルックスだろう?とチラチラ眺めながら歩いていた。もしかしたらこの街角にRちゃんの姿が?というほんのわずかな期待も込めて。すると道の向こうからやって来たのは…

蓑に身を包み、出刃包丁を振り回し、鬼の面をした恐ろしい集団。

これが「腐女子」の恐ろしさか…と思ったらそれはオタク女性ではなく、3人(?)のナマハゲであった。

「ていうかなんでナマハゲー!」

嫁とひっくり返りそうになりながら叫んだが、ナマハゲ達はパレードをしているようであった。もっともこの近辺は色々な被り物をした輩がうろついているのでいちいち驚いていては体が持たない。

ナマハゲ達は「泣く子はいねが」と凄む恐ろしさはなく、通行人に手を振ったりしておどけていた。

「ふん。日和ったナマハゲなぞ怖くないわ」

そう思った僕は、娘・R(2才)に

「ほらR、あれがナマハゲだよー」

と指差してみたところ、ナマハゲもおあつらえのターゲットである子供を見つけて本来の習性を思い出したのか、Rに向かって「うがー」とかやってしまったのである。

「ぎゃあああああん!うわああああん!」

R、速攻で号泣。しまった。僕からすればただのコスプレ行列にしか見えないナマハゲでも、子供を脅かし続けて来た数百年の伝統は伊達ではない。Rにとっては充分怖かったようで。

「あ、泣いちゃった」

というナマハゲの中の人の声が聞こえた。いや、泣かせる気満々の格好でそんなこと言われても。

「あなた何やってるのよ。泣くに決まってるでしょー!」

Rは絶叫し嫁は僕を罵倒し、嫁とRと両方に謝る羽目となった。そんなこんなで乙女ロードの乙女観察どころではなくなってしまったが、彼女達がコレクター精神を燃やしてホモ小説を買い漁るところは一度見てみたいものである。

金に乙女はつけん!なんつって。
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ヒキコモリンピック

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都内某所の子供遊び場にて、娘・R(2才)が大好きなミニチュアハウスで遊ばせていた。

ミニチュアハウス
こんな感じのやつ。

Rは我が物顔でそのハウスの中に入り、とても嬉しそうに遊んでいた。更には自分のみならず、

「ぱぱ、おいで。どうじょー」

その家の主であるが如き振る舞いで、扉を開けて僕も家の中に入るように言った。

「いや、パパはいいよ…他の子が入れなくなっちゃうでしょう」

「めー!ぱぱもおうち!どうじょ!どうじょ!」

断っても断ってもRは何故か執拗にハウスの中に入れと言ってきかない。仕方がないのでよっこい庄一、と身を小さくして入った。しかし入ったら入ったでRは僕をほったらかし。ハウス備え付けのキッチンセットでガチャガチャ遊んでいるだけである。

「R…パパ、出ていい?」

「めっ!」

何故。これでは軟禁ではないか。さては軟禁玉すだれ。そういえばここの建物が建っている場所は、かつて巣鴨プリズンと呼ばれた監獄であった。その跡地で僕は愛のプリズナー。ハウスの中は狭いので、体育座りをするしかない僕は、この状況をどう打破するかを考えた。やがて1才半ぐらいの小さな男の子がチョコチョコと歩いて来て、ハウスの中に入りたがっていたので

「ボク、おいで。さあどうぞ」

扉を開けて招き入れ、その隙に僕は脱出する魂胆だったのだが、その子は扉の前のわずかな段差にコケてしまい、逃げて行ってしまった。なんて使えない奴…じゃなかった、ボク、痛くなかったかい…と心配する暇もなく、

「ぱぱ、行っちゃダメ!」

Rの怒りの声が飛び、僕は万事に窮した。

「R、もういいだろう。これは子供用の遊び場なんだよ。パパはね、今年35なんだよ。こんなところで体育SUWARIしてる姿なんて嫁に見られたら…」

と泣き言を吐いても後の祭り、嫁は既にばっちり一部始終を見ていた。

「あははは!きっとあなたオタクの引きこもりだからRもそう思って閉じ込めてるのよ!オタクはお宅にいなさいってね」

「なんだとー!」

嫁はゲラゲラ笑っていた。おのれ。オタクは僕も認めるが引きこもりとは何だ。僕は家を飛び出せば、それを迎え入れてくれる愛人宅が東京23区のそれぞれに1つづつ、合計23宅あるんだぞ…いや、ないよ。見得張ってごめんよ。

「あなたのパソコンがある部屋をね、Rは『ぱぱのおうち』って呼んでるのよ」

「え、そうなの」

そんなに僕は引きこもってるイメージが強いのだろうか。一応会社には行ってるんだけど…。

Rにだけは「かっこいいパパ」と見られたいという夢があった。しかし最早もうダメなようである。オタクで引きこもりなパパ…僕だったらいらん。

「Rちゃん、オバチャマはね…」

ヒキコモリのオバチャマよ〜、というギャグを言ってみたが、勿論21世紀生まれのRに分かる筈もなく。

子守をしてたら引きこもり扱いされた、というお話でございます。
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女性不信時代

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娘・R(2才)のお遊戯教室に行って来た。先週までしばらく嫁が連れて行っていたので数週間ぶりである。

「クリスマス会の写真が出来てますので見てくださいねー」

お遊戯教室の主宰・ヨシコ先生が皆に言うので、僕も見てみることにする。
去年のクリスマスに行われたイベントの写真である。フォトアルバムにまとめられた写真1枚ごとに番号が振ってある。アルバムの最後に名簿が付いているので、各自欲しい写真の番号を書いていけばよいのである。

なので焼き増しして欲しい写真を書いていこうとしたところ

「あら、先週奥さんが見てましたよ」

もう嫁がチェック済みだということで。しかし僕も再チェック。お、これは僕だけが大きく写っているな。嫁はちゃんと書いているだろうか…と見てみると

「…書いてないじゃん」

どういうこと?Rが写っている写真はちゃんと番号が控えられているのに。僕だけの写真なぞとっとと捨ててくださいということだろうか。嫁ヒドイ。
昔は頼みもしないのに僕の写真を肌身離さず持っていたくせに。あの頃の嫁はどこに。女は10年経つと別人だ。女なんて女なんて。信じられないわ。

そんなこんなしている内に嫁も息子・タク(4ヶ月)を連れてやって来た。早速このことをば厳重に注意しようと思ったのだが

「嫁…僕が写ってる写真だけ…」

「あら、じゃあ書いといて」

あっさりかわされ、

「タク君大きくなったねー」

とタクをチヤホヤする他のママさん達やヨシコ先生に取り囲まれていくのであった。タクはいいように言われている。

「タク君、ホントによく笑うわねー」(他のママさん)

「女の人に囲まれて、嬉しいのかしら」(他のママさん)

「女好きなのかしらねえ」(他のママさん)

「遺伝かしら?」(ヨシコ先生)

ちょっとまておい!

僕はこのお遊戯教室では至って地味ーなおやじなのである。決してセクハラまがいの行為は一切していない。下ネタひとつ言っていない。その証拠として、ここには僕が大好きな女子高生とかいないからである。

それなのに何故僕を好色一代男な扱いをするのであろうかこのヨシコ先生は。僕は渋さが滲み出る、ちょっぴりドジなパパを演じていたのに。渋さではなくエロさがどうしても滲み出てしまうのか。

女なんて女なんて。信じられないわ。

遊戯をしているだけなのに、エロ容疑になってしまうとはこれいかに。人気BLOGランキング
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節分と接吻と鬱憤とウッフーン

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仕事から帰って来ると、娘・R(2才)が

「ぱぱー!そとー!うちー!」

と騒いでいるので、はてなんだろうと思ったら嫁が笑っていた。

「今日は豆撒きしたのよ。鬼は外、福は内、って言っても『うちー』『そとー』としか言えなくてねえ」

そう言えば今日は節分であった。僕は嫁に毎晩のように「やらせて下さい」「まぐわらせて下さい」「愛の契りを結ぼう」と申し出ては悉く跳ね返されている身。

子種まきが出来ない腹いせに、せめて僕も豆まきでもするかと思い立った。近年コンビニでは「恵方巻き」という関西の風習をやたらと宣伝して売り出しているが、そんなものより旦那の「太巻き」を妻が咥える風習として広げて欲しいと思う。名づけて「恵露巻き」。エロ巻きと読む。

それはさておき、僕も豆をば用意して、ベランダの窓を開け

「R、パパとも豆まきしようか」

「するー」

「鬼は外ー」

「そとー」

「福は内ー」

「うちー」

「…R、持ってるだけじゃなくて豆を投げなきゃ」

「もぐもぐ」

「食うな!」

まだまだやり方を理解していないRであったが、一応節分の儀式は滞りなく執り行われた。

「さてR、節分の後は接吻です。さあ、パパにちゅーしてくれ」

「いやー!」

「いざ、ちゅー」

「ぱぱ、めー!」

Rは僕にベッタリなくせに、変なところでガードが固かったりする。心は許してくれても体は許してくれない。当たり前か。しかしチューぐらいはいいだろうに…。仕方がないので嫁にするかと思った矢先、

「あ、私もいいから。いらないから」

まるで僕の心を読んでいたかの如く、ピシャリと拒絶されてしまった。さすが付き合いが長いだけある。…おそろしい嫁!

「そんなあ…ちゅーぐらいいいじゃないかよう」

「やだ。だめ。いらない」

「年の数だけのちゅーでいいから。18回」

「サバ読むな」

我が家の鬼はここにいた。うちに限っては「鬼は内」のようである。

豆投げたろか。
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