母は強し。祖母になっても母は強し。

栃木の母からメールが届いていた。

お元気ですか。もう少しで2人目が産まれるよね。
○○(嫁の名)も順調ですか?でもお母さんは
あなたの方が心配です。無理してないかい?
休日の家族サービスもいいけど、疲れてる時は
断ってもいいんじゃないの?なんてね。


とのことで…。母は僕に甘い。どれくらい甘いかというと
ものまね紅白歌合戦でいつも10点を出してしまう審査員
ぐらい甘い。別の言い方をすれば僕が娘・R(2才)にいつも
デレデレしているぐらいの甘さである。そんな母らしさが
滲み出ているメールであった。

母は嫁の真の恐ろしさを知らない。とある休日にうっかり
一日中寝てしまった時の嫁は、ヒンドゥーの怒れる女神・
カーリーが乗り移ったかと思った。あの時はさすがに我が身の
滅亡を覚悟したものであった。

まあその、僕もいい加減三十路半ばなんだからと思わずには
いられないが、母はこのようにいつも遠い栃木の空の下で
僕の体を心配している。

しかし還暦を過ぎた母はもう若くない。本来ならば僕の方が
母の健康状態を心に留めておかねばならないのに。

母さんごめんよ。嫁の妊娠とRの成長が気掛りでいっぱい
いっぱいだったんだ。母さんこそ元気ですか。なかなか
電話もメールもしないことをお許しください…と返事を
書こうとしたが、母のメールにはまだ続きがあった。

来週、氷川きよしのコンサートを観に行くの!お母さんは
福岡に飛びます!笑われるから○○さんには内緒ね!


あと20年は放っておいても大丈夫そうである。

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幼女地獄。

例によって仕事から帰ってくると娘・R(2才)が

「ぞうさ〜ん。ぞうさ〜ん」

象の鼻の動きを真似して、腕をぐるぐると
振り回していた。最近お気に入りのお遊戯で
あるらしい。

それを横目で見つつ、とっととスーツを脱いで
着替えようとしたのだが、ぱんつ一丁になった
僕のところにRがトトトと駆け寄って

「ぞうさん!」

とぱんつを引っ張った。

「あ、ほんとだ」

偶然にもこの日は金色の地に小さい象の絵が沢山
描かれたシルクのトランクスという、まことに
趣味が悪いぱんつをはいていたのだった。

勿論こんな「マツケンサンバ〜ただし下半身のみ〜」
のようなド派手なものを僕が自分で選んで買った
訳ではない。以前タイに行った友人が半分嫌がらせ
の意味で渡されたお土産なのである。

こんなもん絶対勝負下着にはならないが、Rのハアトを
ガッチリキャッチしてしまったようだ。僕はそのまま
疲れた体を布団に投げ出して突っ伏したが、

「ぞうさ〜ん」

ぞうさんシルクパンツに魅せられたRが僕の足を割り込み、
我が尻を撫で回すではないか。

「わあ。ちょっと、R、いやん、そんなとこ」

「えへへ〜えへへ〜ぞうさ〜ん」

おヒップだけならまだしも、その奥にある、我が子に決して
触れさせるべきでないアンタッチャブルな領域にまでRの手が
伸びてきた。R、いけませぬ。そこはAVならモザイクがかかる
ところで…はうう。このままでは踊る大前立腺になってしまう。

photo

このように僕が悶絶しているのに嫁はそれを激写。
(一部お見苦しい箇所がございます)

「R、ちょ、まじで、やめて〜」

これ以上こんなことされたら、ぞうさんシルクパンツの中に
鎮座する本物の怒れる象が暴れだすことになる!いや、もう
暴れ始めている!

そんなわけでやむを得ず前かがみで起き上がって逃げたのであった。
今年三十路半ばを迎えるというのに、何故こんなにまで敏感なの
だろうか。

シルクパンツが汁ダクパンツになる危機であった。

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枕くらくら頭くらくら。

このところ嫁と娘・R(2才)が寝る時間ギリギリに
仕事から帰って来ている。

するとRが必ず僕の枕をエッチラオッチラと持って来て
僕に渡し、

「ねんね!」

僕も寝るように催促するのである。僕は枕がないと眠れ
ないのだが、それをよく知っているようだ。2才児でも
よく見てるんだなあと深く感動してしまう僕の親馬鹿さよ。
父の枕に気を使う心遣い。成長しても忘れないで欲しい。
さすれば将来、

「Rー。君の膝枕じゃないと眠れないよ〜ん」

「まあ、お父様ったら甘えちゃって」

と、若き太ももに顔をうずめて安眠出来ることであろう。
そのようになればいっそそのまま永眠してしまいたい…。

そんな娘いねえよ!と我ながら呆れるが、この先10年位の
教育如何にかかっていると思う。頑張らねば…と考えている
内に我に返った。

「ていうかR、君が寝なさい」

Rはまだ眠るどころかはしゃぎたいらしく、嫁にしきりに

「ママー!ママー!」

とまとわり付く。だが既に本寝モードに入った嫁は返事もしない。
早く寝させるにはそれが最良だろう。嫁は枕をしない。しかしRに
とっての「母」には枕詞がある。「たらちねの」である。昔試験で
「たれちちの」と書いてしまい、中年女性の古典教師の逆鱗に触れ、
どでかい×を食らったがある。

そんな思い出深き枕詞を枕にちなんで、嫁に相手してもらえない
Rのさまを詠むことにしよう。

たらちねの またたらちねのたらちねの
かへすがへすも たらちねの母

(「唐衣 またからころもからころも 
 かへすがへすも からころもなる」:源氏物語のパクリ)


嫁に相手にしてもらえないとなると、次のターゲットは僕になる。
ことになる。僕はRに顔や腹を叩かれ、体をゴロゴロと転がされ、とても
寝るどころではない。

いつもいない僕がいるからRは嬉しくてはしゃいでいるのだうけど、
僕は嫁のようにシカトすることは出来ない。つい悪戯っぽい笑顔に
誘われて相手をしてしまう。

「枕を差し出して寝ろと言ったのはRじゃないかようー」

僕はいつになったら眠れるのだろうか。そしてRはいつになったら
寝るのだろうか。

マクラだけに、お先マックラー。

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ハリー打ッターと恍惚の鬼嫁

妊娠中の嫁の肩凝りが尋常ではないらしく、担当の
助産師から針治療を勧められ、針灸院に行く事になった。

「やったことがないから怖くてさあ」

僕も未体験であり針師も見たことがない。偏見を承知で言うと、
針師のイメージはゼンジー北京のようなニセ中国人で、

「あいやー。ツボかと思ったら経絡秘孔に刺しちゃった
 あるよ。ポコペン」

ひでぶ、的な想像ばかりが浮かんでとても怖い。嘘付いたら
本気で針千本飲まされそうだし。しかしやられるのは嫁なので

「ま、何事も経験であることよ」

と適当に励ましておいた。

「で、どうだった?痛かったか」

嫁の針治療が済んだ夜、聞いてみた。

「うーん。痛いというか、痛キモチいいって感じかな」

「なるほどそれはアナルセックスのようだね」

昨晩の嫁とのめくるめく思い出を反芻しながら言った。

「いや違うから」

嫁が反論した。ちっ。その針師が言うには嫁の体は

「明け方までお菓子かじりながらネットやっているダメ妊婦
 がいたけど、それに匹敵する凝りようだねえ」

ということだそうだ。ネット漬け夫婦の我々にとても分かり
易い喩えである。もっとも嫁は娘・R(2才)の昼寝の時間に
しかネットはやってないし、肩の凝りの大部分はRの世話による
ものと思われる。

「でも針を打ってもらって体が軽くなったわあ」

「なるほどそれもアナルセックスのようだね」

「いや違うから」

それほどまでに効くというのなら、僕もやってもらおうかしら。
肩は全然凝ってないが、血でも抜いてくれないだろうか。
下半身の一部に血が集まりすぎだから。

でも保険が効かないそうなので、やっぱり針治療は
丁重におこと針することにする。

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ダディ・ゴー!

娘・R(2才)と一週間違いの生まれのサリーちゃんとの
誕生パーティーということで、家で飲み食いした後、
僕とジェームス君(サリーちゃん父:イギリス人)で、
子供たちを公園に連れて行った。

Rはすっかりジェームス君に慣れ、サリーちゃんも僕に
なついて来ていたので、それぞれ子供を交換する形で
遊ぶようになってしまった。

僕はサリーちゃんと追いかけっこをして遊ぶ。日本人の僕と
金髪のハーフっ子サリーちゃんでは絶対親子には見えず、

「オタクっぽいおやじが欧州幼女を連れ去ろうとしてます!」

などと誘拐犯に間違われて通報されないだろうか、と脂汗を
流して必死に追っていたが

「わーわーわー。まてー。まてー。」

やがてRも合流してきたので些か安心。しかしあれ?Rが
ここにいるということは、ジェームス君はどこに…?

公園を見回すと、彼は公園の隅で何故かサリーちゃんの
ピンクのヘアピンを前髪に付け、変な七三の髪型になり
ながらボーッと空を見上げていた。ポギー司郎並みに怪しい。

ちょうど公園に到着したサリーちゃんの奥さんが一言。

「あれが旦那じゃなかったら『変なガイジンがいます』って
 通報してるところね…」

ジェームス君は奥さん公認の怪しい外人になってしまった。

Rとサリーちゃんは相変わらず公園を駆け回っているので、
僕は彼女らの目を盗みベンチに腰を掛けたのだが、あっさり
サリーちゃんに見つかって

「ダディ!ダディ!」

こっちに来い!と怒られてしまった。ていうか、僕、ダディ?

「あはは!サリーに父親だって認知されちゃったよ」

ケラケラと笑う嫁とサリー母。確かビートたけしの本に、
長嶋茂雄が寿司屋の板前を

「ヘイ、シェフ!ヘイ、シェフ!」

と呼ぶのだが、当の板さんは自分のことだと暫く分からず

「もしかして、あっしのことで?」

と返事をしたというエピソードがあったが、この時の僕が
まさにそれだ。Rなぞ未だに「パパ」と呼んでくれないのに
それを飛び越えて「ダディ」である。呼ばれて結構ゾクゾク
するものがあった。ウチもRに「ダディ」と呼ばせるよう
教育しようかしら…。って郷ひろみかよ。

しかしサリーちゃんもよりによってこんな僕をダディとして
認知してしまうとは…。

ダディ食う虫も好き好き。

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