おもちゃの変態。

東京ドームシティ内にある「おもちゃ王国」に行った。

広い屋内にチビッコ向けのおもちゃが沢山あり、非常に
子供心をそそる遊び場である。大人向けに例えるならば、
ソープ嬢とヘルス嬢とピンサロ譲とデリヘル嬢と宍戸錠が
400人ぐらい詰まった夢の城である。

入り口に書かれている注意書きのひとつに

「大人のみの入場は禁止です」

というのがあって、なかなか奥が深いことよと思った。
小さい子供が大好きな大きいお友達が犯罪を起こすのを
防ぐためであろう。また、いつマイケルジャクソンが侵略
しに来て、このおもちゃ王国を子供ごと買い取ってマイケル
王国にしてしまわないとも限らない。

さて、その外敵から守られた王国の中に「ままごとコーナー」
がある。Rを連れて行くと、食べ物のおもちゃがおそらく数百、
そしてコンロやキッチンのミニチュアが数十セットはあった。
とにかく膨大な数だ。

「さあR、こっちにいっぱいおもちゃがあるよ」

Rの手を引いて一緒に遊ぼうとしたら

「めっ!」

手を振り解いてひとりで奥に行ってしまった。こういう場所
では手を繋いでないと歩けなかったRが…逞しくなったね…。
こうして僕の手を離れて行き、やがてままごとより秘めごとを
いそしむようになり、訳の分からない男を「私のカレシ」とか
言って連れて来るのだろう…と落ち込んだ気持ちになったが

「どうじょー」

Rはピザ(のおもちゃ)を皿に載せて持って来てくれたので

「え、お父さんにくれるの?」

僕は一転してまんもすうれぴー。飴と鞭を使い分ける娘である
ことよ。というか、僕がそそるツボを徐々に心得て来ていると
思う。恐るべし2才児。

暫く遊んだ後、自販機コーナーで休憩。僕はアイスの自販機を
見つけ、無性に食べたくなって雪見大福を買ってしまった。

「あいしゅ」

Rが満面の笑みで見つめていた。そうだよねえ。見ちゃったら
食べたくなるよねえ。しかしこのようなジャンクを食べさせて
良いものだろうか…と思い悩んだ。

「あいしゅ」

Rがもう一度言った。僕はもうダメである。

「好きなだけお食べ」

と雪見大福を与え、Rはほぼ1個を平らげてしまった。
ああ、僕は惚れた女に飴しか与えられない男。

一方で嫁もアイスが大好きなのだが、出産直前なので太っては
いけないのでアイスは禁止されている。しかし僕は知ってて

「嫁、食べる?」

などと意地悪い誘いをかけてしまった。

「い、いらない」

嫁は歯を食いしばって答えた。

ああ、僕は釣った魚には鞭しか与えない男。

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屋上NOT欲情。

嫁の産婦人科の検診の帰り道、途中下車した駅で
昼飯を食った。

「ここのデパートの屋上に遊び場があるよ」

というので娘・R(2才)を遊ばせるためにいっちょ
行ってみるかということになった。すべり台とか
ちょっとした遊具でもあれば、Rも喜んで遊ぶだろう…
と思って行ったのだがそれが大いなる見当違いであった。

古ぼけ過ぎたプライズマシン。中に入っている景品の
お菓子は何年も前から取り替えてないんじゃないかと
思えて取ろうとすら思えない。

「故障中ゴメンネ」と貼り紙のある壊れたままのエレメカ。
画面が焼けてディスプレイが緑一色になったままのポップン
ミュージック。まるで10年前から時間に取り残されたような
ゲーセンであった。子供用の汽車の乗り物などもあったが、
汚いし今にも脱線しそうな勢い。

UFOキャッチャーの奥に人の足が見えてギョッとした。そっと
覗いてみると、そこは筐体で囲われた人ひとり入れるスペースに
なっており、この屋上と共に寂びれていった感じのくたびれた
オヤジが椅子に座ったまま寝ていた。どうやら係員のようである。
ものすごいヒマそうでいいなあ…。

「さ、さあR、何して遊ぼうか…」

デパートの屋上などに連れて行ったらRははしゃぎまくって
ひたすら駆け回って遊ぶのだが、ここに限っては全然リアク
ションがなく、物凄くテンションが低い。

2才児ですらソソらない遊戯施設ってどうよ…。

結局100円入れて走る電動カーに乗せてとっとと帰ることに
したのであった。

「わああ!」

先ほどのUFOキャッチャーの物陰の係員がぬうっと姿を現した。
ボーっとしていてやっぱりヒマそう。

「なんかすごく楽そうな仕事だね…」

「ヒマならメカ直してくれよ…」

嫁とブツブツ言いながら後にした。

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グレートサンフジンカーZ。

嫁のお腹にいる第2子・トロの最後の定期検診があった。

僕も娘・R(2才)のお守り役として西荻窪の産婦人科に
着いて行った。出産を間近に控え「身体が小さ過ぎる」
とか「身体に障害が…」等の結果が出ませんように、と
嫁も悶々と心配しているだろうと思っていたが、

「将来この子がKABAちゃんみたいなオカマになったら
 どうしよう…」

嫁の心配は既にトロの人生の先の先にまで進んでいた。
オカマも何もトロの性別もまだ分かってないし。そして
それが分かるチャンスは今日の検診が最後。今日を逃すと
もう産まれて見るまで分からないのである。

しかしこの西荻窪のジャズ好き産婦人科医は、尋ねても

「分かる時もあるし分からない時もあるねえ…」

質問をのらりくらりとかわして教えてくれない。糠に釘の
政治家のようである。なので今日こそは聞いてやろうと心に
決め、嫁の診察に臨んだ。

医師が嫁のお腹に器具を当てて、トロが映ったエコー画面
を見ている。僕も覗き込むが、やはり素人には分からない。

「先生。男ですか女ですか」

この一言が喉まで出掛かっているのだが、どうしても言えない。
知ってしまうことの恐れが邪魔して口が動かない。今日を逃す
と、もう二度と聞けないのに…。

そういえばこんなもどかしさが昔にもあったっけ。中学校の
卒業式の日、好きだったナオミちゃんに

「君が好きです」

この一言が喉まで出掛かっているのだが、どうしても言えない。
振られてしまうことの恐れが邪魔して口が動かない。今日を逃す
と、もう二度と言えないのに…。

結局そのままだった。大学生の時に再会したら綺麗になっていた。
気に入らない男子のパンツを脱がせ、ちんこ晒しの刑を執行して
いた過去など想像もつかない程清楚な美しさだった。やはりあの
時告白していれば…。

えーと、なんだっけ。

「はい、健康。これで終了…」

医師の言葉で我に返った。昔の回想に浸っている内に、次の患者の
為に退室せねばならない流れになっていた。しまった。僕はなんて
お馬鹿なデイドリーマー。最後のチャンスを逃した…と思えたが、
嫁がふと気が付いて

「そういえば私、血液検査をやってないんですけど」

と医師に質問すると

「え?あ、ホントだ。じゃあ今から血を採るから。結果は後だから
 来週また来て」

うわー。結構アバウトだよこの人。ということでまた西荻窪くんだり
まで来るハメになってしまった。しかしチャンスがもう一度与えられた
ということでもある。

来週こそは絶対告白…じゃなかった、男か女か聞いてやると決意し
産婦人科を後にしたのだった。

来週こそ先生には腹を割って話して欲しい。
いや産婦人科だから股を割って、かナ?

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我輩のお子である。名前がまだない。/日記才人から20万アクセス御礼。

嫁のお腹にいる第2子トロ(仮名)の名前を決めなければならない。

長女R(2才)の場合は、僕がベタ惚れにジュテームな元近所の
美少女・Rちゃんの名前をそのまま付けてしまったので、トロの
命名権は嫁にある。どんな名前になっても僕はそれを受け入れな
ければならない。

まだトロは性別が分からないが、最近の名前ランキングを見ると
男なら蓮、颯太、翔太、拓海、大翔…女ならさくら、美咲、凛、
陽菜、七海、未来…等が多いようである(安田生命調べ)

ランクインしているだけあって手垢が付きまくった感があり、場末
の街で「スナック紫苑」や「おしゃれサロンヤング」といった看板
を見た時と同じような今更感を覚えるのは僕だけであろうか。

(該当する名前の方、ごめんなさい。悪意はありません)

しかし嫁はこのあたりから持って来る可能性がとても高いため、
前もって覚悟を決めておきたいので嫁に探りを入れてみた。

「なあ、名前が決まってるなら教えてよ」

「やだ」

何故…。

それでも詰め寄ってみると、実のところ候補はあるものの、まだ
迷っていたのだった。なので僕らはもう何度目になるだろうか、
色々な名前を挙げて名前比べを始めた。嫁は言う。

「あなたも私も名前の最後が『き』でしょう?トロもそうしようと
思ったんだけど、やめたわ」

「え、どうして?」

「だってRだけ『き』じゃないことになるよ。かわいそうよ」

ああそうだった。僕の邪な恋心を貫き通してしまったばかりに。
そのような名前を付けてしまったらRは将来きっと聞いて来る。

「パパ、どうして私だけ名前の最後が『き』じゃないの?」

「それは『き』が付かなかったからです。なんちゃってウヒョ」

「パパのバカー!」

ということは充分あり得るので「き」はやめるべきだろう。かの
有名なシンガーにしていじめっ子・剛田武もこう言っている。

のび太のくせに名前「き」なんだよ!

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新しい朝が来た、絶望の朝が…。

僕・嫁・娘R(2才)で川の字になって寝ていた。
Rはまだまどろみ中で、嫁の体に絡みながら
くねくねとしっくりくる寝場所を探していた。

「ああああ、トロちゃん(胎児名)が下に降りて
 来てる気がする…まだ生まれてきちゃだめよー」

嫁がそんなことを言った。トロの生まれる予定日は
10月1日。今、出て来ちゃうと未熟児になってしまう。
 
「それでは僕がミートスティック(直訳せよ)で
 子宮内から押し上げてあげようか」

嫁にダメ元で軽いセクハラを投げかけてみたら

「うーん。じゃあお願いします」

なんと、あっさり承諾を得た。

「ただし、お腹と背中のマッサージもしてね」

「うんうん、やっちゃるやっちゃる」

僕が仰せつかっている妊婦のためのマッサージを
条件に出されたが、そんなことは問題ではない。
嫁がこのように明確な契り承諾を出すのは珍しい。

いつもSECOMを導入したような鉄壁のセキュリティーで、
極稀にコソ泥のように「ちょっくら失礼して」と侵入
しているのだ。

そんな情けない近況であったので、今夜はマッサージも
まぐわい汁も120%増量でお届けしよう!と張り切って
とりあえずRが完全に眠りに落ちるまで待った。

「さあR、良い子は早くねんねしな〜」

…待つ。
…待つ。
…布団に横になりながら待つ。

気がついたら…あれ、なんでお日様が出ているのかナ?
とっくに朝だった。しまったああ!せっかく用意された
据え膳を、寝落ちして豪快にスルーしてしまった。

「ごめん。僕が先にねんねしちゃったネ」

お茶目なお寝坊さんを気取って、嫁に可愛らしく謝ったが

「もうやる気失せた」

今後の交渉に悪影響を及ぼしてしまったようだ。

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