いやんばかんイタリアン。

日曜日。嫁が「僕と娘・R(2才)昼飯のおかずがない」と言うので
作らせるのもアレかなと思いRと外食することにした。嫁は息子・
タク(生後2週間)と留守番である。

入った店は近所のイタリー料理の店。高級な店でなく、昼は僕らの
ような子連れ客も多いところではあるが、娘と2人きりでこんな店に
入れるのはいつまでだろうか…と店に入った途端に感傷的になる僕。

一方Rは当然そんな親の心子知らずで、フォカッチャ(イタリーのパン)
をばくばくと食べて

「おいしー!ぱん、おいしー!」

とウェイターに聞こえよがしに連呼するので、ウェイターも

「もっと召し上がりますか?」

と山盛りに盛ってきてくれた。Rめ、2才にして男心をくすぐる術を
知っている幼児よ…。調子に乗ったRは僕の膝の上からすり抜けて
店の床に雲古座りをして「いえーい」とピースサインをする。

「こらR。お行儀が悪いぞ。栃木のヤンキーじゃないんだから」

そういうのを若気のイタリーというんだ。

やがて運ばれてきたのは、カニとエビのパスタ。ほぐしたカニと
小ぶりのエビが10個ほど乗せられていた。これならばRも食べられる
と思って頼んだのであった。

「R、カニ食べる?」

「たべうー!」

「R、エビ食べる?」

「たべうー!」

このやりとりが10回ぐらいループし、僕に残されたのは具なしの
ほぼ素うどんに近い状態の素パスタ。

…Rの幸せが僕のしわよせ、いや、幸せである。これでいいのだ。

涙の粒の数だけ塩味が効いたパスタであった。

「えび、おいしー!」

うむ。美味しいか。嬉しいか。やはりこれでいいのだ。お父さんは
恨んでなんかないぞ。

でもちょっとだけ、イタメシやー。

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お遊戯前戯後戯。

息子・タク(生まれたて)の世話で嫁が外に出られないため、
先週に引き続き僕が代わりに娘・R(2才)をお遊戯教室に連れて
行った。

このお遊戯教室は嫁がどこかで見つけてきたもので、さすが
スーパーシティトキオには何でもあるもんだなあと思った
ものである。
その後僕も苦手なジャンルを克服すべく「前戯教室」を探した
のだがそれはトキオにもなかった。

「あらーRちゃんこんにちは」

「今日もお父さんといっしょね」

お遊戯の先生や他の子のママ様たちはこちらのことを知っているが、
僕は全然顔も名前も覚えておらず、こういう状況ってけっこう辛い。

「ははは、どうもこんにちは」

選挙活動中の政治家のような嘘臭い笑顔で表情を固めつつ夫人達の
品定めしていると、前いた菊川怜風美人は残念ながら今日はおらず、
谷亮子風美人や林真須美風美人といった夫人ばかりであり、覚えよう
としても男の本能が覚える気を起こさないようである。

さてRはというと、ここで習ったお遊戯を家でやると見事にこなせるの
だが、みんなの前でやるとするとどうしても恥ずかしがってモジモジ
してしまう。結構シャイガールなのである。一体誰に似たんだか。

ところで今日は僕の他にひとりだけ父親がいた。先週は幼児を除くと
先生も母親も全て女性であったので、いつ

「女の中にー男がひとりー」

と歌われやしないかと尻の座り心地が悪かったので、戦地において
同士を見付けたような心強さを感じだ。

お遊戯が終わって家に帰って嫁に話した。

「今日は父親がひとりいたよ」

「あらよかったじゃない。話してみた?」

「ちょっと恥ずかしくて声掛けられなかった」

「話せよ!」

いや、こう見えても僕は結構シャイボーイなのである。

…あ、血か。

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おむつてんてん。

息子・タク(産まれたばかり)の腹からシャバダバデューと
ノートルダムの鐘のような清らかな音が響く。

それはおむつ替えを告げる音である。嫁が

「タク、お尻キレイキレイしようね」

と言うと、娘・R(2才)がすさかず

「きれいきれい!きれいきれい!」

タク用のおむつを持って来るではないか。

「へえ、Rがここまで出来るなんて」

弟が出来て急に世話焼きな一面が出て来たRを頼もしく思った。

「じゃあRもお尻きれいきれいしようか?」

と嫁がRにもおむつ替えを呼びかけてみたところ

「めー!パパー!パパー!キレイキレイ!パパー!」

どうやらどうしても僕にやってもらいようなのだ。おおそうか。
この父にやってもらいたいか。じゃあそこに寝転がっておくれ。
そしてズボンとおむつをぺろりんと剥ぐ。

「パパ。キレイキレイ〜」

大股開きで全てを父に任せる娘の姿は、こないだ読んだエロスな
漫画での中で

「あなたの舌でワタシのココを綺麗にして…」

というAVではありがちなシーンがあったことを思い出させた。

「よしよし、今キレイにしてあげるからね…」

そのエロス劇画そのままの台詞をRに吐くと

「やらしー。なんかやらしー」

嫁が僕のねっとりした声と性犯罪気味になった表情を警戒した。
すると、なんと、

「パパ、いれて!パパ、いれて!」

Rもエロス漫画のストーリーそのままの台詞を言うではないか。
さては隠れて読んだに違いない…というのは嘘で、Rは例えば
おもちゃを取ってくれ、とかお茶が飲みたい、とか「何々して
欲しい」という時には全て「いれて」と言うのである。

だからこの場合は

「おやじ、はやくお尻拭いておむつ替えてくれ」

という意味に過ぎないのだけれども、「いれて」という言葉の響きが
何ともいえない官能の悦びを僕に与えたので

「よしよし、大きくなったら入れてあげるからね」

将来に向けてのご奉仕も申し入れしてしまった。

「やらしー!やらしー!」

当然嫁が非難したのは言うまでもない。たかがおむつ替えでここまで
興奮したのも珍しい。

次の日。

「はーい、Rちゃん、今日もキレイキレイしましょうねー」

「いやー!めー!ママー!ママー!キレイキレイ!」

掌を返したように拒否されてしまった。
昨日の父はちょっと、エロ過ぎたようである。

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姉は辛抱。弟は赤ん坊。

息子・タク(生後11日)が生まれるまでは僕と嫁の愛を独り占め
していた娘・R(2才)だが、嫁はタクの世話に重点を置かざるを
得ないため、Rの黄金の一人っ子時代は終わりを告げた。

ここで僕もタクをべったり愛でてしまうとRが嫉妬したり悲しむ
ことになるので、家にいる間は出来るだけRをかまうことにして
いる…ということは一昨日の日記にも書いた。

しかし嫁が手を離せない時(うんこ中など)にタクがホゲホゲ
泣くこともあるし、そういう時は勿論Rの目の前でもタクを抱いて
あやす。Rはその様子を見て嫉妬してヘソを曲げたりすることはなく、

「だっこー。だっこー」

自分もタクを抱きたいと言ってくるのだ。Rには重たすぎるし
タクはまだ首が座ってないし、当然Rには無理なのだけれども
僕が支えてRに抱かせてやるようにする。するとRは

photo

「えへへー」

自分の弟を心底可愛いと思っているのだろう、とびきりの笑顔を
見せるのである(写真ではちょっと緊張している)そんな姿を
見て僕は

「なんて良く出来た娘なんだろう。嫁に出すのは惜しい」

親馬鹿なので通常の3倍の感動をしてしまうのである。嫁も同様に

「この子は表立って嫉妬とかの感情を出さないタイプだから平常に
 見えるけど、本当は無理してると思うのよね」

と心配していた。

「感情を内に秘めてしまうタイプだよな、Rは」

「今日もね、お風呂に入る時、Rは本当はワタシかあなたと一緒に
 入りたいんだろうけど、お母さん(嫁母が手伝いに来てくれて
 いるのである)に入れてもらったのよ。そしたら泣きそうに
 なるのを堪えて涙浮かべて入っててさあ…」

「なんて健気な子なんだ!(通常の4倍の感動)」

「タクにもね、ままごとのジュースをあげたりして可愛がってるの」

「なんていい子なんだ!(ハンカチ5枚じゃ足りない感動)」

そんな話を聞いて僕はますますRをいとおしくなり、今は寝ている
Rの唇にそっと口づけをした。

「あっ!起きてる時は拒否されるもんだから唇を盗んだわね!」

「う、うるさいっ!」

僕も感情を内に秘めるタイプなのである。言わばRの性格は僕譲り。
だから僕もRもなかなか表立って感情を表現出来ないのである。
だからRへの愛をこうした形でそっと伝えるのだ。

嫁が寝た後に、嫁にも同様に愛を伝えた。

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息子の出生届を提出するでござる、の巻。

息子・タクの出生届を出しに区役所に行った。

タクの名前を決定した嫁の手によって書かれた出生届を手にして
窓口の前に立った僕。これを出せば公私共々タクはタクとして
生きていくことになる。

考えればこれほど重要な書類は他にはないのではないだろうか。
窓口の脇にはまっさらな出生届が山ほどある。もし嫁の作成した
出生届ではなく、ここで僕が嫁の考えた「タク」の名前を却下し、
タクではない名前を書いた出生届を新たに書いてしまっても…
それはそれで通ってしまう。

もしくは「悪魔」と命名して出生届を作成しそれを窓口の区役所
員に出してみるとか。

「え…あの…本当にこの名前にするんですか?」

「ははは、こっちはネタです。本当はこちらです」

という風にウケを取ってみるとか。どちらにせよタクの今後の
名前の運命は今、この僕次第でどうにでもなるのだ…。

いや、我が子をダシに受けを狙うとは親としてアルマジロ行為。
悪魔の囁きに悩まされながらも思い直して、嫁が書いた出生届を
きちんと出しましたよ僕ぁ。

「はい。これで手続きは済みました。住民票も取れますよ。
 1通300円です」

会社に提出するためタクが載った住民票も必要なのである。

「そうですか。出生届を出したから300円は出生値引き、と
 いうわけにはいきませんかね」

「いきません」

ちぇ。これだからお役所仕事は(無茶な要求過ぎ)

家に帰ってから嫁に報告すると

「あなた。出生届をすり替えなかったでしょうね?」

真っ先に疑ってかかった。さすが我が伴侶。僕の考えること
などお見通しであった。

「いや、ちゃんと出したよ…」

「マチャ彦とかピヨ彦とか、変な名前になってないでしょうね?」

うるさい!射精届出すぞ!

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