息子の出生届を提出するでござる、の巻。

息子・タクの出生届を出しに区役所に行った。

タクの名前を決定した嫁の手によって書かれた出生届を手にして
窓口の前に立った僕。これを出せば公私共々タクはタクとして
生きていくことになる。

考えればこれほど重要な書類は他にはないのではないだろうか。
窓口の脇にはまっさらな出生届が山ほどある。もし嫁の作成した
出生届ではなく、ここで僕が嫁の考えた「タク」の名前を却下し、
タクではない名前を書いた出生届を新たに書いてしまっても…
それはそれで通ってしまう。

もしくは「悪魔」と命名して出生届を作成しそれを窓口の区役所
員に出してみるとか。

「え…あの…本当にこの名前にするんですか?」

「ははは、こっちはネタです。本当はこちらです」

という風にウケを取ってみるとか。どちらにせよタクの今後の
名前の運命は今、この僕次第でどうにでもなるのだ…。

いや、我が子をダシに受けを狙うとは親としてアルマジロ行為。
悪魔の囁きに悩まされながらも思い直して、嫁が書いた出生届を
きちんと出しましたよ僕ぁ。

「はい。これで手続きは済みました。住民票も取れますよ。
 1通300円です」

会社に提出するためタクが載った住民票も必要なのである。

「そうですか。出生届を出したから300円は出生値引き、と
 いうわけにはいきませんかね」

「いきません」

ちぇ。これだからお役所仕事は(無茶な要求過ぎ)

家に帰ってから嫁に報告すると

「あなた。出生届をすり替えなかったでしょうね?」

真っ先に疑ってかかった。さすが我が伴侶。僕の考えること
などお見通しであった。

「いや、ちゃんと出したよ…」

「マチャ彦とかピヨ彦とか、変な名前になってないでしょうね?」

うるさい!射精届出すぞ!

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